米国株式市場は利下げ期待を背景に堅調です。一方、日本株は急激な円高が株価の上値を押さえています。
図は全産業の為替想定レート(日銀短観)、大企業製造業の想定レート、ドル円と日経平均です。
全産業の想定レートが144.37円、大企業製造業は142.84円、週末のドル円が144.77円です。想定レートより、ドル円が円安ならば企業の収益にはプラス、円高であればマイナス。
2020年から始まった円安は想定レートを大きく上回り、企業収益に大きく貢献、結果的に
株価を押し上げました。
しかし、ドル円の反転は企業業績の不安材料となりつつあります。9月の中間決算を前にドル円が140円を下回るようなことが起きると海外売上が高い企業の株価がもう一段売られてしますかもしれません。
ドル円がどの水準で落ち着くのかが大きなポイントです。
日本株は米国株より割安です(益利回り)。こういう相場の時には、割安、高配当、売上成長が期待できる株に投資しましょう。
〇海外
米国市場は、8月上旬に急拡大したクレジットスプレッドは低下傾向。AT1債もクレディ・スイスショックから回復し、順調に上昇しています。エマージングETFも買われています。
リスクオンの動きです。
〇インド
米国市場上場のETFの騰落率(年初来)では、トルコとインドが逆転。インドに資金が流れています。
インド市場ではBSE小型株指数が史上最高値を更新。先週の小型株指数の上昇率は3.39%とセンセックス指数の0.81%を大きく上回りました。指数構成銘柄の騰落率1位は、自動車部品メーカーのラネ・マドラスで、騰落率は39.34%でした。この企業の時価総額は384億円、売上高が385億円、純利益1億円です。
インドの成長はまだまだ続きます。NISA(つみたてNISA)ではインド組入れるようにしましょう。つみたてNISA対象は、ピクテ iTrust インド株式の1銘柄。
成長枠ではHSBCインド・インフラ株式をはじめ、イーストスプリング・インド・インフレ株式ファンドなどのインフラ関連や中小型銘柄を対処としてファンドが良いと思います。
債券ファンドより株式ファンドが良いです。社債のクレジットがすでにタイト化し、上場期待は利下げのみだからです。
データ:Bloomberg
証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)
AFP
藤井理