オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

いよいよ世界選手権

2013年03月12日 15時34分50秒 | 2012-2013年シーズン
いよいよフィギュアスケートの世界選手権。
世間は、どうも浅田真央さんとキム・ヨナの対決ムードが全面に出ているようである。
しかし、私は、バンクーバー・オリンピック以後、苦労を重ねて、ここまでやって来た浅田真央さんが、ソチ・オリンピックを1年後に控えて、この世界選手権という大きな舞台で、どんな演技を見せてくれるのであろうかと言う興味の方が強い。
以前、出版された浅田真央さんに関する本である「浅田真央、さらなる高み」のタイトルではないが、この世界選手権という場で、浅田真央さんが、どんな高みまで昇って来たのかということを確かめたいという気持ちが強い。
相変わらず、マスコミはキム・ヨナを意識した報道が多いようですが、私自身は、浅田真央さんの高い境地の演技をじっくり見たい、見せて欲しいと言う願いが大きい。
正直、私自身、キム・ヨナよりロシアのソトニコワやトゥクタミシュワが浅田真央さんに、どれだけ迫ることが出来るかとことの方が興味がある。
ただ、キム・ヨナには変に浅田真央さんとの対決姿勢を強くあおるよりも真央さんやアシュリー・ワーグナーやカトリーナ・コストナーなど欧米の強豪スケーターに混じって純粋に戦って欲しい。
私は今回の世界選手権では、キム・ヨナの純粋さを見てみたい。
バンクーバー以降、ワーグナーやコストナーの充実振りは素晴らしく、彼女たちの演技も、マスコミは、きちんと伝えて欲しいものです。
そして鈴木明子さん。
現役は来シーズンまでと区切っているだけに、悔いのない演技をして欲しい。
年齢を重ねるごとに、どんどん深みを増している鈴木明子さん。
競技ということを忘れて、鈴木明子さんの世界にドップリと浸かりたいという気持ちが強いです。
鈴木明子さんの行き着く到達点まで、とことん、ついて行きたい。

世界選手権の放送はフジテレビ。
すっかりフジテレビ嫌いになってしまった私にとって、本当に気が重い。
Jスポーツでの放送が始まるのは21日からである。
やはりJスポーツでの生中継は難しいようである。フジテレビが、絡んでいるためかな?と思ってしまいます。
それでも録画とは言え、Jスポーツでペアやアイスダンスまで全競技を見ることができるのは幸せだと思わなくてはいけません。
とにかく、今年の世界選手権は来年のソチ・オリンピックの出場枠がかかった重要な大会。
日本代表の皆さんには、強いエールを送りたいと思います。




サヴァリッシュの楽劇「ワルキューレ」

2013年03月12日 13時02分05秒 | オペラ
先週の木曜日の深夜、NHK・BSでヴォルフガング・サヴァリッシュ追悼番組としてワーグナーの楽劇「ワルキューレ」全曲が放送されました。
1989年、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場での公演。演出はニコラウス・レーンホフ。
本当は第1幕から、じっくりと見たかったのですが、このところ、いろいろと忙しく、この長大なオペラを数日間をかけて、少しずつ見て行き、やっと全曲、見終えたところ。
改めて時間に余裕がある時、第1幕から最後まで通してみるつもりです。


ブリュンヒルデ 「・・・この世の高貴な英雄を、あなたは宿していることを。その子のために、この剣の破片を渡します。彼の父親から、幸運にも私が取ってきたものです。これを新たに鋳なおして、いつか剣を振るう人。その人の名を私は名付けます。ジークフリート!勝利を喜ぶ人なのです。」
ジークリンデ「おお、このうえない奇跡よ!最も気高い乙女よ!誠実なあなたが聖なる慰めを与えてくれたことを感謝します。我々が愛した彼のために私の最愛のものを救います。私の感謝の報いを、いつか、あなたはうけるでしょう。ごきげんよう!あなたを祝福します。ジークリンデの苦しみが!」

このオペラで私が一番好きな場面は第3幕、有名な「ワルキューレの騎行」のあとブリュンヒルデがジークリンデを逃がす場面。
今回、このミュンヘンでの映像でも深い感動を憶えました。
ジークリンデが「おお、このうえないない奇跡よ!」と歌う背景に「愛の救済の動機」が流れます。この動機が次の流れるのは楽劇「神々の黄昏」の大詰めでの「ブリュンヒルデの自己犠牲」の場面。それを知っているだけに感慨無量になります。
ヒルデガルド・ベーレンスのブリュンヒルデ、ユリア・ヴァラディのジークリンデの素晴らしい歌!

それにしてもヒルデガルド・ベーレンスのブリュンヒルデが本当に素晴らしい。
ワルキューレは単に女性戦士ではない。戦乙女(いくさおとめ)であるということを納得させられるものがあります。
戦(いくさ)へ向かう勇ましさ、そして、それに反するような女性らしい優しさ、美しさ、そして貴高さにあふれるワルキューレたち。
その兜や甲冑の出立は派手なものではなく、落ち着いた黒ずくめ。品の良さを強く感じるものがある。やはり演出のレーンホフの力でしょう。
そんなワルキューレたちの中でブリュンヒルデに扮するベーレンスは声といい、舞台姿の美しさは、一際、目立つものがあります。
ジークリンデとシークムンの愛、そして父ウォータンとの狭間での葛藤。そんな葛藤を素晴らしい歌と共に、ちょっとした表情、仕草で見事に表現されているブリュンヒルデ。単に大きな声を張り上げているだけの大型ダンプが突っ走るようなブリュンヒルデが多いなかで、本当に感動的である。

またロバート・ヘイルのウォータンもいい。私は1989年のメトロポリタン歌劇場の公演のDVDも持っていますが、メトでジェイムズ・モリスの歌う俗人ぽいウォータンと違って、本当に神々しい。
ユリア・ヴァラディの歌うジークリンデは、声がやや硬いので第1幕後半での情熱的な高揚感が今一つでしたが、第2幕でのジークムントとの逃避行、そして第3幕でのベーレンスとの、やりとりはドラマチックで素晴らしい。
レーンホフの演出はタキシードを着たフンディングやドレス姿のフリッカも登場して癖のあるところもありますが、現在、よく見られる演出本意、音楽無視の読み換えの演出とは違うものがあり、癖はありますが、音楽に寄り添った演出だと思います。私は何も抵抗もなく、安心して見ることが出来ました。これはワルキューレたちの衣装によく表れていると思います。

そしてサヴァリッシュの指揮。
ワーグナーのオペラは、特に「リング」では、こうあって欲しい、こう鳴って欲しいと言う気持ちを絶対に裏切らない演奏、オーケストラの鳴らし方である。
長年、自身がオペラ劇場で育んできた経験や感覚が見事に生かされた演奏と言うべきでしょう。
今回は「ワルキューレ」だけの放送でしたが、ぜひとも「ジークフリート」や「神々の黄昏」もぜひ放送して欲しいものです。