オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

2009年カレンダー

2008年08月31日 00時04分29秒 | 荒川静香さん
荒川静香さんのOfficial Web Siteによると2009年のカレンダー用の撮影をしたとの事です。
今年のカレンダーはなかなか発売されず昨年12月28日に手にいれたことを記憶しているので、まずは一安心です。
今年のカレンダーも昨年と同様1枚も切り離していません。時々めくっては、うっとりとしています。
とにかく発売日が待ちどうしいです。
http://www.shizuka-arakawa.com/message

歌劇「トゥーランドット」  

2008年08月28日 10時58分36秒 | オペラ
私が毎月購読している音楽雑誌「レコード芸術」の9月号で毎月連載されている「現代名盤鑑定団」で私が一番好きなオペラと言ってもいいプッチーニの歌劇「トゥーランドット」が取り上げられた。この連載は著名な音楽評論家3人が名盤選びをするのだが1番手に絶賛されたのがカラヤン指揮ウィーンフィルとの1981年の録音だった。(グラモフォン)
確かにカラヤンがウィーンフィルから紡ぎだす音楽の美しさは確かに認めますが、ちょっと待てよというのが実感である。

歌劇「トゥーランドット」の魅力は何か?氷の心を持った姫君トゥーランドットと奴隷の娘リューの対極的な面白さ。このオペラはトゥーランドットから見るとハッピーエンド。リューの立場から見ると悲劇。この2つの対極が3人の大臣をからませてプッチーニーの素晴らしい音楽にのって、突き進んでいく凄いオペラだと思っています。
私がこのオペラで1番好きなシーンは第3幕、有名な「誰も寝てはならぬ」のあと、王子の名前を聞きだすため拷問にかけられたリューにトゥーランドットが問いかける場面。それまで大きく鳴っていたオーケストラも静かになります。
姫君「誰がそのような強い力をお前の心に与えたのか?」
リュー「姫君様、それは愛でございます。」
姫君「愛とは?」
リュー「口に出さず、胸に秘めたこのような恋は様々な責苦さえも、快く感じられるほど強いのでございます。(中略)    
    私に責苦をお与えください!ああ!私の恋のこの上もない贈物!」
ここで一気に緊張感が最高潮になり、リューのアリア「氷の心を持った姫君も」そしてリューの死の場面になだれ込みます。私にとっては、このオペラの最高の聴き所です。ただカラヤン盤のトゥーランドット役のリッチャレッリ、リュー役のヘンドリックスでは線が細くてさっぱり面白くない。この場面で一番好きな録音はカラスのトゥーランドット、シュヴァルツコップのリューによるセラフィン指揮の1957年の録音である。(EMI)
連載では大変評価が低いようでしたが録音当時のイタリアオペラ界とドイツオペラ界を代表するプリマの共演はミーハーで素人オペラファンの私にとっては大切な録音である。まさに氷のようなトゥーランドットそのものと言っていいカラスの問いを、はね返すシュヴァルツコップのリュー。レコード会社の専属制の厳しかったこの時代、EMIの専属でカラスに対抗出来るリュー役の歌手が他にいたのでしょうか?評論家の大先生方にはどうでもよい事なのでしょう。もし今の時代だったらカラスのトゥーランドット、テバルディのリューで録音可能だったかもしれない。当時デッカはカラフ(デル・モナコ)とリュー(テバルディ)を歌える歌手はいたがトゥーランドットを歌える歌手がいなかったのでドイツから引っ張ってきた。なおセラフィン盤はカラフ役のテノールがもう1つでありモノラル録音なのが本当に残念である。評論家の大先生方も、その事を強調している。 

最後に私がよく聴く歌劇「トゥーランドット」の全曲盤
①サザーランドのトゥーランドット、パヴァロッティのカラフ、カバリエのリュー
 メータ指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(1972年録音 デッカ )
 *なお「レコード芸術」の一覧表にはオケがロスアンジェルスフィルと記載されていますが間違い。
 ②ニルソンのトゥーランドット、ビョルリンクのカラフ、テバルディのリュー
 ラインスドルフ指揮ローマ歌劇場管弦楽団(1959年録音 RCA)
番外、ニルソンのトゥーランドット、コレルリのカラフ、フレーニのリュー
 メータ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団(1966年メトロポリタン歌劇場でのライブ録音) 
 条件の悪い輸入盤でのライブ録音ですがニルソンとコレルリがライブならではの熱気ムンムンの凄まじい歌を聴かせてくれます。このコンビの録音は1965年のモリナーリ・ブラデッリ指揮のEMI盤が本命だと思いますが、このライブ録音を聴くと吹っ飛びます。ニルソンとフレーニの顔あわせも聴き物です。

バンクーバーまで、あと2年。

2008年08月25日 15時21分00秒 | テレビ
北京オリンピックも昨日、終わり、今日の朝のワイドショーは北京オリンピックの名場面ばかり放送していた。私は今回のオリンピックが終わったとたん思ったことは「バンクーバーまで、あと2年」である。私は中学生時代の札幌冬季オリンピックのイメージが強烈だった為、どうしても夏の大会より冬の大会の方が血が騒ぐようである。
それでも仕事を終えて帰宅して見るテレビ番組はどうしてもオリンピックだった。
今回の大会では人それぞれ、心を動かされたシーンがあったと思いますが私はやはりソフトボールの金メダルである。上野選手の笑顔には「元気」をもらいました。またリアルタイムの放送で見たバトミントンの末綱選手・前田選手が中国の第1シードのペアを破った時も嬉しかった。バトミントンというスポーツがこんなにスピード感があり眼が離せない競技であるということを恥ずかしながら初めて知りました。残念ながらメダルには届きませんでしたがメダル以上の素晴らしさを見せてくれました。
反対に今回、1番残念だったのが野球。実況放送をみるたびにガックリ、イライラして疲れるのみであった。見なかったらよかった。今回のオリンピックで1番楽しみにしていたのはシンクロナイズド・スイミングでしたが放送ではメダルのことばかりで、この競技の美しさ、見所を伝えきれてくれなかったことが残念だった。実況のアナや解説無しの放送で見てみたいものである。

北京オリンピックが無事終わり、いよいよバンクーバー冬季オリンピックまで2年となりました。あと2年、私にとって短いようで、まだ長い。



「水の上で歌う」

2008年08月25日 09時46分03秒 | 今日、聴いたCD
最近、購入したCDで、じっくりと繰り返して聴いているのが、引退しましたが往年のドイツの名メゾソプラノ、クリスタ・ルートヴィッヒのデビュー50周年記念の5枚組のアルバム「クリスタ・ルートヴィッヒの芸術」である。(輸入盤 EMI CZS-5176082)
5枚のCDの中でオペラも収録されていますが、一番よく聴いているのがシューベルト、シューマン、ブラームス、マーラーなどのドイツ歌曲である。1950年代後半から1960年代の録音なので声の艶が素晴らしい。私は一部レコードでも所持していましたが、今回のCD化で一段と美しさを増したと思います。
このアルバムには私の大好きなシューベルトの歌曲 「水の上で歌う」が収録されています。大変、美しい旋律をもった、この歌曲は私は以前からルチア・ポップの美しく澄んだ声の録音を楽しんでいましたが改めてメゾソプラノのルートヴィッヒで聴くと一段と曲の深さを感じさせ別世界のようです。

この歌曲で歌われているのは、波をきらめく夕映えを思わせるような美しいピアノ伴奏にのって、のどかな舟遊びの情景の中で、流れるように歌われる人生のはかなさの感概と言ってよいでしょう。今回の録音でのピアノ伴奏のジェフリー・パーソンズの伴奏も絶妙である。

最後に、この歌曲の一節
「(前略)
 ああ、霧にぬれた翼をはばたきながら、時間は
 ゆらめく波の上を、私から消えていった。
 ほの光る翼をはばたきながら、明日もまた
 時間は消えてゆくのだ、昨日や今日とおなじく
 より高く輝く翼ににのって、私自身が、
 うつろう時の中に消えてゆくまで。」(詩 シュトルベルク伯爵) 
  
 


「作詞家 阿久悠の世界」

2008年08月21日 23時51分32秒 | テレビ
先週の日曜の夜、NHK衛星第2でBSまるごと大全集「作詞家 阿久悠の世界」が、ありました。長い番組でしたが、やっと録画を見終わりました。山本リンダやピンク・レディーから森進一や都はるみの演歌まで、番組でも言っていましたが阿久悠の心の中の引き出しの多さに改めて驚かされました。また、絶えず時代、そして日本人を見つめ、そして日本人として失ってきたものを振り返る阿久悠。考えさせられる事も多かった。
この番組での映像の多くが、ヒットした年の紅白歌合戦の映像である。さすがNHKである。ちょうど私が中学生から大学生の頃が多かったので懐かしさもひとしおである。紅白歌合戦だけに熱唱ばかりである。あの頃のような熱の入った紅白歌合戦をもう一度見たい。

岩崎宏美の「思秋期」、堺正章の「街の灯」、八代亜紀の「舟歌」などは本当に心に、しみました。阿久悠の心の底を見る思いである。

久しぶりに見た藤圭子(娘も歌手らしい)の「京都から博多まで」の映像。燐とした美しさ。そして物凄い演歌!

私は若い頃、石川さゆりが好きでしたが今は演歌の大御所になってしまい興味は全く無くなりました。今は衣装は和服オンリーの様ですが「津軽海峡・冬景色」がヒットしたころの白いドレス姿をもう一度見てみたいと思っていましたが、さすが皆様のNHK、見事念願をかなえてくれました。「津軽海峡・冬景色」の翌年の「火の国へ」の映像も感謝、感謝である。

懐かしくて、懐かしくて涙が出そうになったのは伊藤咲子の「君、かわいいね」である。さすが紅白歌合戦である。バックコーラスはキャンディーズである。彼女は今、どこで何をしているのでしょうか?

そして沢田研二。
「時の過ぎ行くままに」「勝手にしやがれ」「LOVE~抱きしめたい」「カサブランカ・ダンディ」の紅白歌合戦の映像の4連発である。凄い!そして上手い!この様な歌手、今はいない! とにかく圧倒される。私が若い頃、こんな凄いものを、いつもテレビで見ていたと思うと、あの時代、もう一度戻りたい。

最後に一番、私の心を振るわせたのは「ジョニーへの伝言」「5番街のマリー」の高橋真梨子(当時はペトロ&カプリシャス)である。私は今も高橋真梨子の大ファンである。彼女が我が街にやって来たときは必ず聴きに行っています。「ジョニーへの伝言」は私が高校生の時の紅白での映像である。長いロングヘアー、本当に懐かしい。
何度か生で聴いている高橋真梨子であるが、「ジョニーへの伝言」「5番街のマリー」の2曲は一度も歌っていません。彼女の歌う、この2曲をじっくりと聴いてみたいと思っていたので、言葉では言い表す事の出来ない感動であった。

長時間の放送だったので、お宝映像満載!山本リンダも面白かった!DVDにダヴィングして永久保存である。


大河ドラマ「篤姫」

2008年08月18日 16時24分20秒 | テレビ
私が毎週楽しみにしているNHK大河ドラマ「篤姫」にいよいよ和宮役で私のアイドル堀北真希が登場した。これから若手実力派女優の宮崎あおいと掘北真希の二人の演技合戦、バトルが楽しみである。それにしても二人の役は実家の薩摩と朝廷から朝敵になってしまう立場になります。また江戸へ進軍する官軍の総大将は、かつての和宮の許婚の有栖川宮である。なんと言う歴史の皮肉だろうか!この時の二人の葛藤を若い二人の女優さんがどのように演ずるか注目である。

毎回、幕末物の主人公はお決まりの有名人ばかりだったが、今年はガラリと視点が違うので新しい気持ちでドラマを楽しむことが出来ます。
特に注目したいのが瑛太扮する小松帯刀である。薩摩というと西郷隆盛と大久保利通ばかりが有名ですが薩摩藩家老として彼の存在が無かったら下級武士だった西郷も大久保も歴史の大舞台に出る事は難しかったと思われます。また彼は坂本龍馬(ドラマでは玉木宏が扮するらしい)と親交が厚く龍馬を介しての薩長同盟は京都の小松屋敷で結ばれましたし、日本での初の新婚旅行は坂本龍馬とお龍の薩摩行きと言われていますが龍馬夫妻が薩摩で滞在したのは小松帯刀邸だった事は有名な話です。小松帯刀と坂本龍馬の出会いと龍馬のその早い死までの二人の交流がどのように描かれるか、こちらも楽しみである。

歌劇「アラベラ」

2008年08月18日 09時34分03秒 | オペラ
R.シュトラウス 歌劇「アラベラ」

あらすじ
ウィーンの没落貴族ヴァルトナー伯爵は美しい娘のアラベラを金持ちと結婚させて経済的に楽になりたいと思っている。マッテオはアラベラを愛しているが心が通じない。アラベラにはズデンカという妹がいるが娘を2人も嫁にだす財力の無い伯爵はズデンカを男として育てているが、ズデンカは秘かにマッテオを愛している。
そしてアラベラは舞踏会の日、大地主のマンドリカと知り合い求婚され、受け入れる。マッテオを心配したズデンカは舞踏会の夜、ホテルの自分の部屋の鍵を姉の物と偽って渡し、自分がホテルの暗闇の部屋の中でアラベラに代わって結ばれます。
しかし舞踏会での鍵のやりとりをマンドリカが聴いてしまい、また舞踏会から帰ってきたアラベラがホテルのロビーでズデンカの部屋から出てきたマッテオと鉢合わせになってしまい、マンドリカの誤解を生み、大混乱となりますが、死を覚悟したズデンカの告白で事の真相がわかり、全てを知ったマッテオもズデンカの気持ちがわかり、彼女を幸せにする事を決意します。
最後、アラベラを疑ったマンドリカは後悔の念に苦しみますがアラベラは許婚となる夜、娘は泉の水をコップに入れて許婚に渡して結婚を承諾するというマンドリカの故郷のしきたりどうりに一杯の水を差し出して、ハッピーエンドで幕となる。

19世紀末ウィーンを舞台にした美しい旋律に溢れたオペラで、R・シュトラウスのオペラの中で私が一番好きな作品です。
聴き所は第1幕のアラベラとズデンカの2重唱「もし、ふさわしい人が現れたら」そして第1幕最後のアラベラのモノローグ「私のエレメール」、第2幕マンドリカろアラベラの2重唱「父が申しますには、私と結婚なさりたいとか」そして第3幕の最後「まだ、そこにいらっしゃったのは」などで美しさに満ち溢れています。

数週間前、NHKハイビジョン放送でチューリッヒ歌劇場の公演が放送され録画をやっと見ました。演出がゲッツ・フリードリッヒだったので、悪い予感がしたのですが、やはり19世紀末のウィーンの情緒など、ひとかけらも無い舞台で面白くなかった。このオペラは時代設定の読み替えをして欲しくありません。またアラベラ役は最近この役で定評のあるルネ・フレミングでしたが、バタ臭くて、これまた面白くなかった。
ウイーンでは昔からアラベラ歌いと呼ばれる歌手がいるくらいウィーンでは愛されているオペラと言う事です。エリザベート・シュワルツコップやリーザ・デラ・カーザが定評のあったアラベラで映像はありませんが写真で見る限り美しさと気品に溢れていています。シュワルツコップには上記聴き所を収録したハイライトでのマタチッチ指揮の録音、そしてデラ・カーザにはカイベルト指揮のバイエルン国立歌劇場でのライブでの全曲録音(マンドリカ役はフィッシャー・ディースカウ)があり、大切にしています。

映像では1994年メトロポリタン歌劇場でのクリスティアン・ティーレマン指揮の公演のDVDをよく観ています。演出もオーソドックス、舞台装置も豪華絢爛で安心して音楽に浸ることが出来ます。また第2幕の舞踏会を彩るミリ役はナタリー・デッセイという贅沢ですが、何といってもアラベラ役のキリ・テ・カナワの美しさが一番の見所でしょう。表情も素晴らしい。第2幕のマンドリカとの2重唱、そして第3幕の大詰め、水を入れたコップを持って2階から階段で降りてくる場面、そしてマンドリカとのやりとりは、まさに陶酔感にひたることが出来ます。
私が持っているのはこちら
かなり昔、サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場の日本公演で取り上げられてNHK教育テレビでも放送されました。(衛星放送のまだ無い時代)
アラベラ役はルチア・ポップ!ビデオで録画しましたが3倍モードで状態が悪いので、いつかは再放送して欲しいものである。

楽劇「ジークフリート」第3幕

2008年08月14日 16時36分28秒 | 今日、聴いたCD
ワーグナー 楽劇「ジークフリート」より第3幕(「ニーベルンクの指輪」全曲盤より)

アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)ヴォルフガング・ウィンドガッセン(ジークフリート)ハンス・ホッター(さすらい人)
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮バイロイト祝祭管弦楽団
(輸入盤)MUSIC&ARTS CD-4009 1956年バイロイトでのライブ録音

このところ休みの日はなぜかワーグナーばかり聴いている。ちょうど今頃ドイツではバイロイト音楽祭が開催されている時である。私自身、ぜひ元気なうちに一度でいいからバイロイト詣でをしてみたい。数年前、ある取引先の重役の方と会食をした時、ワーグナーファンである事がわかり、またバイロイトへも行かれた事もあると聴いて劇場内の音響や雰囲気を御聞きする事が出来、早く自分も!と思ったしだいです。

「ニーベルンクの指輪」は長大な作品なので全曲を聴くという事は時間的に難しいですが自分自身の好きなシーンを取り出しては、よく聴きます。こういう時、CDは大変便利です。私がリングの中で一番好きなのは「ジークフリート」の第3幕です。特にブリュンヒルデの目覚めの場面の「太陽に祝福を」からフィナーレのジークフリートとブリュンヒルデの愛の歓喜の二重唱までは聴きだすと何度も繰り返して聴いてしまいます。「神々の黄昏」での、この二人のその後を知っているだけに一層、感概深いものとなります。
初めて「ジークフリート」を聴いた時、二人の2重唱の中で「ジークフリート牧歌」が流れた時の感激は今も忘れません。

「リング」の全曲盤はショルティ指揮ウィーンフィルのレコード史上初のスタジオ録音が本命だと思いますが、どうしても私はクナッパーツブッシュが1956年バイロイトで指揮したライブ録音を手にしてしまいます。万全な録音状態ではありませんがクナッパーツブッシュが指揮するオケの響きを知ってしまうと、どうにもなりません。ショルティ盤にはたいへんお世話になったのですがステレオ録音のショルティ指揮のオケの響きが今は薄っぺらく聴こえるのは不思議です。
なおクナッパーツブッシュには「神々の黄昏」のみ発売された1951年のバイロイトでのライブ録音が演奏も録音も本当に素晴らしく、この年の「ジークフリート」の録音も残っていないものかと、いつも残念におもいます。(テスタメント POCC3002~5)

来月、輸入盤ですがベームが1968年バイロイトで指揮した「ニュールンベルクのマイスタージンガー」の録音がORFEOからステレオ録音で発売されるらしい。ハンス・ザックスはテオ・アダム。財務大臣の目を盗んでぜひとも購入しなければと思っています。




ホルスト・シュタインとクルト・ザンデルリンク

2008年08月11日 13時45分03秒 | 音楽
昨日の夜中、NHK衛星第2で先月末に亡くなったNHK交響楽団の名誉指揮者ホルスト・シュタインの追悼番組があった。夜遅かったので最初のワーグナーだけを観て寝る。ベートーヴェンやR・シュトラウスの作品の演奏も続けて放送されたようだが録画で見る事にしています。
ワーグナーでは「さまよえるオランダ人」序曲と第3幕の水夫の合唱、「タンホイザー」序曲とパッカナール、そして「ニュールンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲が放送される。本当は最後の来日の時の「パルシファル」を期待していたのだが残念だった。
解説の音楽評論家のコメントに驚かされる。シュタインは生前、「さまよえるオランダ人」と「タンホイザー」を「私のオペレッタ」と語っていたそうです。シュタインにとってワーグナーの作品の中で本当に心をとらえているのは「ニーベルンクの指輪」と「パルシファル」なのでしょう。この言葉にシュタインのワーグナー指揮者としての真髄を見た思いである。現在のウィーン国立歌劇場の音楽監督の某指揮者はワーグナーのオペラでは「さまよえるオランダ人」と「タンホイザー」しか全曲を指揮したことがないはずである。たたき上げのオペラ指揮者とスター指揮者。この違いは何であろうか?考えさせられる。
「ニュールンベルクのマイスタージンガー」前奏曲の演奏日を見て驚いた。1980年2月である。私が聴いたオール・ワーグナーの演奏会の最後のプログラムの曲の映像である。また個人的な事だが4年間の東京での大学生生活の中で通った最後のコンサートの映像なので感慨無量である。当日はNHKホールの最前列に座ったので、ひょっとしてと思って映像をよく見ましたが自分自身を確認する事は出来ませんでした。当時のNHK交響楽団のメンバーも懐かしい顔ばかりで時の流れの大きさを痛感するばかりである。

本日は起床して一昨日届いたクルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団の「ブラームス交響曲全集」から第3番と第4番そして「アルト・ラプソディ」を聴く。
(輸入盤 CAPRCCO 08-10 600 1990年録音)
私にとって8番目のブラームス交響曲全集のCDである。1番と2番をまだ聴いていないので、まだ何ともいえないがライブ録音の寄せ集めのフルトヴェングラー盤は別格として最高の全集ではないかという予感がする。3番もよかったが4番が超名演である。全曲と通じて遅いテンポの中で雰囲気満点の豊かな響きと美しさに満ち溢れている。ブラームスの作品を聴き返すことはめったに無いのだが2回も聴いてしまった。
ザンデルリンクは2002年引退してしまい本当に残念である。ピアニストの内田光子がベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録音する時、内田光子自身が指名した指揮者だけにスター指揮者ではありませんがシュタイン同様知る人ぞ知る名指揮者である。こういう指揮者の演奏をじっくりと聴くのもオーケストラを聴く醍醐味の一つだと思っています。

「時代の流れ」

2008年08月07日 16時37分40秒 | 2008-2009年シーズン
村主章枝さんのファンページが閉店となったの事。残念ながら私は一度も訪問したことがありませんでしたが、村主さんがまだ現役とはいえ、時代の流れを強く感じます。先月の新横浜でのFOIの公演の後、同志の皆さんとのお話の中で村主さんの引退時期について話題になりました。荒川静香さんがトリノ五輪の後、すぐに引退してアイスショーの世界で見事に大輪の花を咲かせた事と対象的になってしまいました。おそらくバンクーバー五輪の代表選考まで現役続行ということになりそうですが、こうなれば、それまでがんばって欲しいものです。ただ昨年暮れの大阪での全日本選手権で安藤美姫さんや中野友加里さんと比べて技術的なものより覇気の違い、気迫の違いがスタンド席からもわかり、村主さんが小さく感じました。本人自身が追い込められているという気持ちを絶対持たないことでしょう。あと願わくは衣装や曲目も最近、凝りすぎているのではと思うこともあり、以前のようなもっとシンプルな村主さんの演技を見たいものです。
なお村主さんのオフィシャルサイトはまだ健在です。私はたまにこちらのサイトは訪問します。理由は写真のアルバムの中に美少女時代の荒川静香さんを発見することが出来るからです。(これは余談でした)
http://www.fumiesuguri.com

数日前に長洲未来さんの公式サイトを発見しました。以前からあったようですが私が気が付かなかったようです。この前の全米選手権の写真もあり、楽しく拝見することが出来ました。
http://honyaku.yahoofs.jp/url_result?ctw_=sT,eCR-EJ,bT,hT,uaHR0cDovL3d3dy5maWd1cmVza2F0ZXJzb25saW5lLmNvbS9taXJhaW5hZ2FzdS8=,qlang=ja|for=0|sp=-5|fs=100%|fb=0|fi=0|fc=FF0000|db=T|eid=CR-EJ,
今年の世界ジュニア選手権の録画をみると静かに時代の流れが序序に変わって来ていることを実感することが出来ました。
村主章枝さんと長洲未来さん。好対照な立場の二人の今後の演技にも注目していきたいです。




「ジークフリート牧歌」

2008年08月07日 11時59分15秒 | 今日、聴いたCD
昨晩、この前亡くなったNHK交響楽団の名誉指揮者ホルスト・シュタインが指揮した1981年バイロイト音楽祭でワーグナーの舞台神聖祭典劇「パルシファル」から第3幕をDVDで観ました。やはり物凄い音楽である。やはりワーグナーの音楽が一番、自分自身にピタッとくる。
数年前、何気なしにNHKの衛星放送にチャンネルを入れると、シュタインがN響の定期演奏会で「パルシファル」の第三幕を演奏会形式で指揮をしていた。シュタインが涙を流して指揮している様子が映し出され、映像に釘付けになった記憶があります。この公演がシュタインの最後の来日だったそうで、その後シュタインは病気で引退同然になったので、このオペラを得意としていたシュタインにとって生涯最後の「パルシファル」だったかもしれません。番組に気が付くのが遅く、途中から観たのでビデオ録画も出来ませんでした。ぜひ再放送して欲しいものです。

ワーグナー 「ジークフリート牧歌」
ハンス・クナパーツブッシュ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
1962年ミュンヘンにてのスタジオ録音(ウエストミンスター盤)

一夜明けて、朝からワーグナーである。今、楽劇「ジークフリート」の第3幕を聴きながらパソコンを打っています。ブログを初めて約1年、私の心の奥底の引き出しにしまっているものを徐々に出して行く時が来たかな?もし「あなたの一番好きな指揮者は?」と聞かれたら、朝比奈隆やワルターではなく迷わず「ハンス・クナパーツブッシュ」と答えるでしょう。一度、私の好きな指揮者ベストテンでもやってみようか?いやいや、いきなり引き出しを全て開けるのは止めとこう。
ハンス・クナパーツブッシュ(1888年生まれ、1965年没)はバイロイト音楽祭の伝統を受け継いだワーグナーを一番得意とした往年の大指揮者である。レパートリーも狭く、当時の人気指揮者と比べ録音も少なく、指揮活動もドイツとウィーンのドイツ語圏に限られていたので知名度が低いが、まぎれもない大指揮者である。1962年バイロイト音楽祭での「パルシファル」のライブ録音(フィリップス盤)は、まさに神業である。これを超えるワーグナーの演奏は無いと思っています。詳しくはこちら
さて今日、朝一番に聴いた「ジークフリート牧歌」の録音であるが、レコード時代から私が一番好きなクナ(クナパーツブッシュの愛称)の録音である。現在1997年に発売されたCDを愛聴しています。レコードでは残響も少なく音が硬かったのですがCDでは、こんなに録音が良かったのかと思うほど見事に生まれ変わり演奏の素朴さを失うことなくオケの細かい表情が手に取るようにわかるようになりました。カラヤンなど演奏を楽しんでいる方にはテンポも遅く響きも地味、外面的要素ゼロのクナの演奏にはついて行けないと思いますが、私にとっては聴けば聴くほどはまり込んで行く録音である。
曲の出だしの心の込め方、ホルンやクラリネットなどの管楽器の濃くのある響き、そして最後のコーダの感概の深さと美しさ。スッと最後演奏が終わった時の言いようも無い寂しさ。何度聴いても飽きることがありません。
私が持っているのはこれです。

「ジークフリート牧歌」は1870年のクリスマス、ワーグナーの妻コジマの誕生日にワーグナー邸で初演された。当日は階段に楽団員たちが座りワーグナー自身が指揮したと伝えられています。演奏がある事を事前に知らされていなかったコジマの思いがけない素晴らしいプレゼントに驚きと喜びの大きさは計り知れないものがあります。
なおイタリアの映画監督ルキーノ・ヴィスコンティの作品「ルートヴィッヒ」の中で、この時の様子が見事に再現され、この時くらい映画のありがたさをかみしめたことはありません。

世界選手権 ペア

2008年08月04日 10時46分21秒 | フレンズ・オン・アイス2008
やっと、この前、手に入った今年の春のフィギュアスケート世界選手権のスカパで放送されたペアのフリーの放送を録画したDVDを見ることが出来ました。そして、ペアの演技を満喫しました。
私はフィギュアスケートでは女子シングルの次にペアが大好きである。きっかけは女子シングルと同じで札幌冬季オリンピックの放送である。名前は忘れてしまいましたが金メダルに輝いた旧ソ連のペアのフリーとエキビジションの演技を見て、氷の上で人はここまで出来るのか!という感嘆と豪快さを兼ね備えた美しさに、まだ?感じやすい中学生だった私は一瞬に惹かれてしまいました。
また、この前の新横浜でのFOIでもパン&トン、井上玲奈&ボルトウィンの2組のペアが荒川静香さんのフレンズとして登場して、その演技は私をますますペアの魅力に引き込まれるものがありました。パン&トンの「サマータイム」は本当によかった!  
我が国はフィギュアスケートブームと言われていますが、人気は女子シングルと男子シングルに偏っていてペア、そしてアイスダンスに対しては意識が薄いようである。民放の放送でもあまり取り上げてくれません。まだまだ、この人気も本物ではないのかもしれません。今回のFOIで2組のペアの登場は荒川さんのフィギュアスケートのいろいろな魅力をファンに見てもらいたいという気持ちが伝わり今だに感謝の気持ちで一杯です。
ペアの魅力は二人のペアが氷上でくりひろげらリフトやツイストそしてスロージャンプの豪快さを秘めた美しさ、そして2人のペアが息を合わせてのソロジャンプやスパイラルの息を呑む美しさと思っています。世界の最高レベルのペアの二人の息がピタッと合っている演技を見ると引き込まれるものがあります。
今回、見た録画ではペアの持つ面白さ、魅力にどっぷりと浸かる事が出来、そしてFOIでも目が肥えることが出来ました。ぺアには女子シングルのような浅田さんや中野さんといった強豪が我が国にはいないので逆にペアの演技を気楽に楽しめるのかもしれません。新しいシーズン、女子シングルはもちろんペアの動向にも注意していきたいです。そしてフィギュアスケートの深みにますます入り込み、脱出出来ない私がいる。