今日の公休日。昨晩まで、この前の休みに続いて次はシベリウスの何の作品を聴こうかと思っていましたが、いざCDを選ぼうとする段階で、無性にオペラを聴きたくなり歌劇「トゥーランドット」のCDを選んでしまった。
歌劇「トゥーランドット」は私の大好きなオペラ。
それも、私がこのオペラの一番の聴きどころで聴き応えがある場面と思っている第2幕の第2場のトゥーランドットが歌う「この宮殿の中に」や謎解きの場面、第2場のフィナーレばかり3組のCD3連発で聴くという荒っぽい?聴き方をしてしまった。
①ビルギッド・二ルソン(トゥーランドット)、ユッシ・ビョルリング(カラフ)、レナータ・テバルディ(リュウ)、エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ローマ国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1959年録音、RCA盤)
②イゲン・ボルク(トゥーランドット)、マリオ・デル・モナコ(カラフ)、レナータ・テバルディ(リュウ)、アルベルト・エレーデ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、合唱団(1955年録音、デッカ盤)
③マリア・カラス(トゥーランドット)エウジェニオ・フェルナンディ(カラフ)エリザベート・シュワルツコップ(リュウ)、トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1957年録音、EMI盤)
最初に聴いたのはラインスドルフ盤。以前から好きな録音だったのですが、この3つの録音を並べて聴くと、ちょっと印象が薄かった。やはりエレーデやセラフィンの指揮で聴くとラインスドルフの指揮はテンポはいいのですが何か情緒不足で物足りなく聴こえてしまった。イタリアオペラのメロディの歌わせ方から見ると異質に感じてしまった。二ルソンの歌うトゥーランドットは素晴らしいのですが・・・。
今回、聴き比べて地味な存在と思っていたエレーデの指揮が本当に素晴らしいと思いました。情緒不足に聴こえたラインスドルフ盤の次に聴いたので、エレーデのメロディの歌わせ方に何かホッとしたような気持ちになってしまった。エレーデの指揮は、このオペラから何か匂い立つようなものすら感じました。次はエレーデ盤で全曲を久し振りに聴いてみようと思います。以前と違った気持ちになるかもしれません。
そしてエレーデ盤では何と言ってもデル・モナコの歌うカラフが凄い。王子というより英雄と言える趣きですが、緊張感あふれる歌声は謎解きの場面では最高である。
そしてマリア・カラスの歌うトゥーランドット!やはり最高のトゥーランドット!
王女の持つ威厳、そして謎解きに敗れた時の悲しさ。それらを声の力だけで長い年月を隔てても私たちに伝えてくれる見事さ。
謎解きに敗れて皇帝に訴えます。
天の御子よ!
尊き父よ!私はいやです!
あなたの娘を異国の人の腕に
お渡しくださいますな!
いいえ、そうおっしゃらないで下さいまし
あなたの娘は神聖なのです。
あなたは私を彼に与えてはなりません。
奴隷風情の彼に、いいえ、いけません!
恥ずかしくて死にたいくらいです!(カラフに)
そんな風に私を見ないで下さい!
あなたは、私の誇りを軽蔑していらっしゃる!
私はあなたのものにならないでしょう!
いいえ、望みません!
マリア・カラスは、どれだけの気持ちや感情を込めて、この歌詞を歌っているのでしょうか!
何度も聴きなおしてしまいました。
最後にマリア・カラスの録音から第3幕第1場からトゥーランドットとリュウのやりとりの場面とリュウの歌う「氷のような姫君の心も」を聴く。
録音当時、イタリアオペラ界のプリマドンナのマリア・カラスとドイツオペラ界のプリマドンナのエリザベート・シュワルツコップによる贅沢極まりない最高の録音。よくぞ残してくれた!という気持ちを強くする。
トゥーランドット
誰がそのような強い力をお前の心に与えたのか?
リュウ
姫君様、それは愛でございます。
トゥーランドット
愛?
リュウ
口には出さず、胸に秘めたこのような恋は
様々の責苦さも快く感じられる程
強いのでございます。
なぜなら私は、殿様にそれらを贈物したのでございますから・・・
なぜなら沈黙を守って、あなたの愛を殿様に差し上げたのでございますから・・・
私は全てのものを失いました
私の叶わぬ望みさえも!
私を縛って下さいまし!私を攻めて下さいまし!
私に責苦をお与え下さいまし!
ああ!私の恋のこの上もない贈物!
この場面、このオペラで一番息を飲み、そして悲しく涙が出る場面かもしれない。
マリア・カラスとエリザベート・シュワルツコップ。私にとって正に最高である。
さて今回は歌劇「トゥーランドット」を、このような聴き方をしてしまった。
次はどのような聴き方をしてみようか?
私の手元には今回のラインスドルフ盤を初めビルギット・二ルソンの歌うトゥーランドットの録音が海賊盤もどきのライブ録音も含めて5種類あります。
これらを今回と同様な聴き比べしてみるのも面白いかもしれません。
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歌劇「トゥーランドット」は私の大好きなオペラ。
それも、私がこのオペラの一番の聴きどころで聴き応えがある場面と思っている第2幕の第2場のトゥーランドットが歌う「この宮殿の中に」や謎解きの場面、第2場のフィナーレばかり3組のCD3連発で聴くという荒っぽい?聴き方をしてしまった。
①ビルギッド・二ルソン(トゥーランドット)、ユッシ・ビョルリング(カラフ)、レナータ・テバルディ(リュウ)、エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ローマ国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1959年録音、RCA盤)
②イゲン・ボルク(トゥーランドット)、マリオ・デル・モナコ(カラフ)、レナータ・テバルディ(リュウ)、アルベルト・エレーデ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、合唱団(1955年録音、デッカ盤)
③マリア・カラス(トゥーランドット)エウジェニオ・フェルナンディ(カラフ)エリザベート・シュワルツコップ(リュウ)、トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1957年録音、EMI盤)
最初に聴いたのはラインスドルフ盤。以前から好きな録音だったのですが、この3つの録音を並べて聴くと、ちょっと印象が薄かった。やはりエレーデやセラフィンの指揮で聴くとラインスドルフの指揮はテンポはいいのですが何か情緒不足で物足りなく聴こえてしまった。イタリアオペラのメロディの歌わせ方から見ると異質に感じてしまった。二ルソンの歌うトゥーランドットは素晴らしいのですが・・・。
今回、聴き比べて地味な存在と思っていたエレーデの指揮が本当に素晴らしいと思いました。情緒不足に聴こえたラインスドルフ盤の次に聴いたので、エレーデのメロディの歌わせ方に何かホッとしたような気持ちになってしまった。エレーデの指揮は、このオペラから何か匂い立つようなものすら感じました。次はエレーデ盤で全曲を久し振りに聴いてみようと思います。以前と違った気持ちになるかもしれません。
そしてエレーデ盤では何と言ってもデル・モナコの歌うカラフが凄い。王子というより英雄と言える趣きですが、緊張感あふれる歌声は謎解きの場面では最高である。
そしてマリア・カラスの歌うトゥーランドット!やはり最高のトゥーランドット!
王女の持つ威厳、そして謎解きに敗れた時の悲しさ。それらを声の力だけで長い年月を隔てても私たちに伝えてくれる見事さ。
謎解きに敗れて皇帝に訴えます。
天の御子よ!
尊き父よ!私はいやです!
あなたの娘を異国の人の腕に
お渡しくださいますな!
いいえ、そうおっしゃらないで下さいまし
あなたの娘は神聖なのです。
あなたは私を彼に与えてはなりません。
奴隷風情の彼に、いいえ、いけません!
恥ずかしくて死にたいくらいです!(カラフに)
そんな風に私を見ないで下さい!
あなたは、私の誇りを軽蔑していらっしゃる!
私はあなたのものにならないでしょう!
いいえ、望みません!
マリア・カラスは、どれだけの気持ちや感情を込めて、この歌詞を歌っているのでしょうか!
何度も聴きなおしてしまいました。
最後にマリア・カラスの録音から第3幕第1場からトゥーランドットとリュウのやりとりの場面とリュウの歌う「氷のような姫君の心も」を聴く。
録音当時、イタリアオペラ界のプリマドンナのマリア・カラスとドイツオペラ界のプリマドンナのエリザベート・シュワルツコップによる贅沢極まりない最高の録音。よくぞ残してくれた!という気持ちを強くする。
トゥーランドット
誰がそのような強い力をお前の心に与えたのか?
リュウ
姫君様、それは愛でございます。
トゥーランドット
愛?
リュウ
口には出さず、胸に秘めたこのような恋は
様々の責苦さも快く感じられる程
強いのでございます。
なぜなら私は、殿様にそれらを贈物したのでございますから・・・
なぜなら沈黙を守って、あなたの愛を殿様に差し上げたのでございますから・・・
私は全てのものを失いました
私の叶わぬ望みさえも!
私を縛って下さいまし!私を攻めて下さいまし!
私に責苦をお与え下さいまし!
ああ!私の恋のこの上もない贈物!
この場面、このオペラで一番息を飲み、そして悲しく涙が出る場面かもしれない。
マリア・カラスとエリザベート・シュワルツコップ。私にとって正に最高である。
さて今回は歌劇「トゥーランドット」を、このような聴き方をしてしまった。
次はどのような聴き方をしてみようか?
私の手元には今回のラインスドルフ盤を初めビルギット・二ルソンの歌うトゥーランドットの録音が海賊盤もどきのライブ録音も含めて5種類あります。
これらを今回と同様な聴き比べしてみるのも面白いかもしれません。
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