音楽雑誌「レコード芸術」の最新号に「世界の名指揮者ベスト・ランキング」の読者アンケートがありました。古今の指揮者の中で、これまでもっとも優れていると思われる指揮者を10人順位をつけて挙げて下さいとの事。好きな指揮者10人を挙げろと言うのなら簡単ですが優れた指揮者10人となれば、たいへん難しい。ただ、おそらく上位に名前が出てくる指揮者はだいたい予想がつくのも現実である。しかし、もし私がこのアンケートに応募するとなれば、少しでも私自身の色を出してみたいものである。
指揮者は音楽家ですが、自分自身、楽器を演奏して音色は出しません。多くの団員によるオーケストラいなくては、指揮者の存在はありえません。しかしフルトヴェングラーの指揮するベートーヴェンやワルターの指揮するモーツァルトなどを聴くとフルトヴェングラーやワルターの個性や語り口に時を経つのを忘れます。
フルトヴェングラーが当時のベルリンフィルの練習所に姿を見せただけで、オケの音色が変わったという話を聞いたことがあります。指揮法など技術的な事もありますが、指揮者の持つ人格、人間力がオーケストラを動かして生きた音楽を創造していくということでしょうか?そこがオーケストラを聴く醍醐味かもしれません。
若い頃はどうしても、著名オーケストラの指揮者に目を向けがちでしたが、今は必ずしも、そうではありません。その指揮者の生き方のほうが興味があります。
指揮者にはいろいろなタイプがあるように思います。
①その時代の最高のポジションにいてレコード業界も含めた音楽市場も押さえている指揮者、またそれに追随するスター指揮者。これを代表する指揮者はやはりカラヤンでしょう。
②一つのオーケストラと長期間じっくりと結びつき、そしてそのオケの都市や街に溶け込み、かつオケの伝統を守りながら自己の芸術性も上げて行った指揮者達。
ムラヴィンスキーとレニングラードフィル、朝比奈隆と大阪フィル、オーマンディとフィラデルフィア管、ノイマンとチェコフィルなどが思い浮かびます。
③オーケストラ・トレーナーと優れた指揮者達。赴任した先々のオケのレベルアップにたいへん貢献した指揮者。ただ技術だけでなく高い芸術性も持っていなければいけません。私が真っ先に思い浮かぶのはやはり現役指揮者のデュトワである。
④オペラ指揮者。オペラ劇場で腕を磨き、オペラの上演に関して全ての事を統率できる指揮者。現在は本当にいなくなった!
晩年のベームはウィーンフィルとの来日公演でスター指揮者のようでしたが、まぎれもないオペラ指揮者。クナパーツブッシュやサヴァリッシュもオペラがメイン。またセラフィンやデ・サパータなどイタリアオペラの指揮者も絶対忘れてはいけません。
いろいろなタイプの指揮者、生き様をみせた指揮者をたった優れた順に10人選ぶというのは、本当に難しい。
今、グラズノフの交響曲第3番を聴きながらパソコンを前にしています。この作品は何か忘れた事を思い出させるような哀愁があり、ロシアの大地も想像させ、このところ何度も聴いています。しかし、この録音を指揮しているのは私のとって全くの無名の指揮者である。この無名の指揮者と有名オケの指揮者との差は何なのか?それとも本当に差があるのだろうか?最近、購入したグラズノフの交響曲全集を聴きながら、よく思います。
アンケートの結果は12月の特集記事にて発表されるようですが、野次馬のように人様の回答を読んで何やかんやと思うだけでは長年クラシック音楽を聴いてきた者として無責任かな?と思うこともあり、もし、アンケートに応募した時はベスト10を公表したいと思っています。
指揮者は音楽家ですが、自分自身、楽器を演奏して音色は出しません。多くの団員によるオーケストラいなくては、指揮者の存在はありえません。しかしフルトヴェングラーの指揮するベートーヴェンやワルターの指揮するモーツァルトなどを聴くとフルトヴェングラーやワルターの個性や語り口に時を経つのを忘れます。
フルトヴェングラーが当時のベルリンフィルの練習所に姿を見せただけで、オケの音色が変わったという話を聞いたことがあります。指揮法など技術的な事もありますが、指揮者の持つ人格、人間力がオーケストラを動かして生きた音楽を創造していくということでしょうか?そこがオーケストラを聴く醍醐味かもしれません。
若い頃はどうしても、著名オーケストラの指揮者に目を向けがちでしたが、今は必ずしも、そうではありません。その指揮者の生き方のほうが興味があります。
指揮者にはいろいろなタイプがあるように思います。
①その時代の最高のポジションにいてレコード業界も含めた音楽市場も押さえている指揮者、またそれに追随するスター指揮者。これを代表する指揮者はやはりカラヤンでしょう。
②一つのオーケストラと長期間じっくりと結びつき、そしてそのオケの都市や街に溶け込み、かつオケの伝統を守りながら自己の芸術性も上げて行った指揮者達。
ムラヴィンスキーとレニングラードフィル、朝比奈隆と大阪フィル、オーマンディとフィラデルフィア管、ノイマンとチェコフィルなどが思い浮かびます。
③オーケストラ・トレーナーと優れた指揮者達。赴任した先々のオケのレベルアップにたいへん貢献した指揮者。ただ技術だけでなく高い芸術性も持っていなければいけません。私が真っ先に思い浮かぶのはやはり現役指揮者のデュトワである。
④オペラ指揮者。オペラ劇場で腕を磨き、オペラの上演に関して全ての事を統率できる指揮者。現在は本当にいなくなった!
晩年のベームはウィーンフィルとの来日公演でスター指揮者のようでしたが、まぎれもないオペラ指揮者。クナパーツブッシュやサヴァリッシュもオペラがメイン。またセラフィンやデ・サパータなどイタリアオペラの指揮者も絶対忘れてはいけません。
いろいろなタイプの指揮者、生き様をみせた指揮者をたった優れた順に10人選ぶというのは、本当に難しい。
今、グラズノフの交響曲第3番を聴きながらパソコンを前にしています。この作品は何か忘れた事を思い出させるような哀愁があり、ロシアの大地も想像させ、このところ何度も聴いています。しかし、この録音を指揮しているのは私のとって全くの無名の指揮者である。この無名の指揮者と有名オケの指揮者との差は何なのか?それとも本当に差があるのだろうか?最近、購入したグラズノフの交響曲全集を聴きながら、よく思います。
アンケートの結果は12月の特集記事にて発表されるようですが、野次馬のように人様の回答を読んで何やかんやと思うだけでは長年クラシック音楽を聴いてきた者として無責任かな?と思うこともあり、もし、アンケートに応募した時はベスト10を公表したいと思っています。