このところ公休日には、最近オープンした車で10分ほどで行けるDVDのレンタルショップに必ず脚を運んでいる。
一時、有料放送の映画専門チャンネルばかり見ていたが、自分の見たい映画を、きちんと見たいと思うことがあり、見逃している映画のDVDを毎回、1~2本借りてきている。
昨日、借りてきたのは映画「終の信託」
まだ見ていなかった。
「Shall we ダンス?」で有名な周防正行監督の2012年公開の作品。
見終わって、何か重たいものが、ズシーンと、のしかかってきたような気持ち。
同じ職場の医師・高井(浅野忠信)との不倫に傷つき、自殺未遂を図った呼吸器内科医の折井綾乃(草刈民代)。沈んだ日々を送っていた彼女は、重度のぜんそくで入退院を繰り返す江木秦三(役所広司)の優しさに触れて癒やされる。だんだんと距離が近づき、お互いに思いを寄せるようになる二人だったが、江木の症状は悪くなる一方。死期を悟った彼は、もしもの時は延命治療をせずに楽に死なせてほしいと綾乃に強く訴える。それから2か月後、心肺停止状態に陥った江木を前にして、綾乃は彼との約束か、医師としての努めを果たすか、激しく葛藤する。
そして喘息の発作に苦しむ患者の江木泰三の願いを聞き入れ、尊厳死を選択した折井綾乃。
映画の後半、検察庁で殺人罪で告発された折井綾乃と被疑者として取り調べる検察官塚原(大沢たかお)との、やりとりは本当に息詰まるものが、ありました。おそらく、この映画の核心でしょう。
そして、映画のラスト、殺人罪で逮捕された折井綾乃が手錠をはめられ、腰縄をつけられ検察庁の廊下を歩いて行く時のシーンの絶望感。
この映画を見終えたあと、何故か手塚治虫の「ブラック・ジャック」のワンシーンを思い出しました。
ブラック・ジャックの師と言える本間丈太郎のセリフ。
「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思はんかね・・・・・・」
さて映画ではオペラのアリアが効果的に使われていました。
不倫に傷つき、自殺まで図った折井綾乃を励ますために江木秦三が手渡した1枚のCD.
流れてきた音楽はプッチーニ作曲の歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」
江木秦三が折井綾乃に、このオペラを語るシーンはオペラ好きの私にとって、たまらないものがありました。
あの美しいメロディが、こんなに悲しく聴こえるとは・・・。
西洋人って人が悪いですね。
「私のお父さんを初めて聴いた時、まさか(このオペラが)喜劇だと思わなかった。
ジャンニ・スキッキという悪党の娘(ラウレッタ)が父親をおだてたり、おどしたり。
僕は純粋に恋を歌っているに違いないと思っていた。
ところが全くの喜劇だった。
(中略)
その場所(イタリアのフィレンツェ)へ行って分かることがあります。
実際に橋へ行ってみて分かりました。
橋の回廊の下にたくさん並んでいる小さい店があり、金細工の店もありますが、指輪を買うためではないのよ、身投げするためよと言って父親を、おどしている。
娘が結婚するために、父親を、おどしている、そんな歌だった。
もっとも恋愛なんて他人からみて、所詮、喜劇かもしれませんね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/53/e7df1bbcf643dc216c40367a83cc0abc.jpg)
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一時、有料放送の映画専門チャンネルばかり見ていたが、自分の見たい映画を、きちんと見たいと思うことがあり、見逃している映画のDVDを毎回、1~2本借りてきている。
昨日、借りてきたのは映画「終の信託」
まだ見ていなかった。
「Shall we ダンス?」で有名な周防正行監督の2012年公開の作品。
見終わって、何か重たいものが、ズシーンと、のしかかってきたような気持ち。
同じ職場の医師・高井(浅野忠信)との不倫に傷つき、自殺未遂を図った呼吸器内科医の折井綾乃(草刈民代)。沈んだ日々を送っていた彼女は、重度のぜんそくで入退院を繰り返す江木秦三(役所広司)の優しさに触れて癒やされる。だんだんと距離が近づき、お互いに思いを寄せるようになる二人だったが、江木の症状は悪くなる一方。死期を悟った彼は、もしもの時は延命治療をせずに楽に死なせてほしいと綾乃に強く訴える。それから2か月後、心肺停止状態に陥った江木を前にして、綾乃は彼との約束か、医師としての努めを果たすか、激しく葛藤する。
そして喘息の発作に苦しむ患者の江木泰三の願いを聞き入れ、尊厳死を選択した折井綾乃。
映画の後半、検察庁で殺人罪で告発された折井綾乃と被疑者として取り調べる検察官塚原(大沢たかお)との、やりとりは本当に息詰まるものが、ありました。おそらく、この映画の核心でしょう。
そして、映画のラスト、殺人罪で逮捕された折井綾乃が手錠をはめられ、腰縄をつけられ検察庁の廊下を歩いて行く時のシーンの絶望感。
この映画を見終えたあと、何故か手塚治虫の「ブラック・ジャック」のワンシーンを思い出しました。
ブラック・ジャックの師と言える本間丈太郎のセリフ。
「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思はんかね・・・・・・」
さて映画ではオペラのアリアが効果的に使われていました。
不倫に傷つき、自殺まで図った折井綾乃を励ますために江木秦三が手渡した1枚のCD.
流れてきた音楽はプッチーニ作曲の歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」
江木秦三が折井綾乃に、このオペラを語るシーンはオペラ好きの私にとって、たまらないものがありました。
あの美しいメロディが、こんなに悲しく聴こえるとは・・・。
西洋人って人が悪いですね。
「私のお父さんを初めて聴いた時、まさか(このオペラが)喜劇だと思わなかった。
ジャンニ・スキッキという悪党の娘(ラウレッタ)が父親をおだてたり、おどしたり。
僕は純粋に恋を歌っているに違いないと思っていた。
ところが全くの喜劇だった。
(中略)
その場所(イタリアのフィレンツェ)へ行って分かることがあります。
実際に橋へ行ってみて分かりました。
橋の回廊の下にたくさん並んでいる小さい店があり、金細工の店もありますが、指輪を買うためではないのよ、身投げするためよと言って父親を、おどしている。
娘が結婚するために、父親を、おどしている、そんな歌だった。
もっとも恋愛なんて他人からみて、所詮、喜劇かもしれませんね。
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