世界選手権を最後に今シーズンが終わりました。世界選手権では男子シングル、女子シングル共に日本人が優勝で正に有終の美を飾ることが出来ました。
昨年10月のGPシリーズ・フランス大会から始まり冬季オリンピックを経て世界選手権までの約半年。たかが半年、されど半年で、たいへんなシーズンでした。振り返ってみると、やはり4年に1度の冬季オリンピックシーズンは通常のシーズンとは、やはり違う特別なシーズンであったと痛感しました。
たった半年間で各スケーターの皆さんのオリンピックに対する思い、葛藤がいろいろなシーンで見ることが出来ます。
荒川静香さんが著書で書き記しています。
「オリンピックは、オリンピックそのものがゴールではなく、それを目指す道のりことが大切だと、私は思っています」
「そして、オリンピックに出場できたならば、誰でも経験できるわけではない、特別な舞台に立てる幸せを存分にかみしめてほしいと思います」
「選手ひとりひとりがどれだけ努力し、成長したか、その過程を見るのは、オリンピックを見るのと同じくらい、いえ、それ以上にエキサイティングです」
まさにこの半年は山あり谷ありで、上記の荒川さんのコメントを実感するものです。
オリンピックを目指すこと。オリンピックという特別なリンクに立つこと。そしてオリンピックの表彰台に立つこと。
これらがいかに大変で、尊いものであるか、今回のオリンピックシーズンでは特に痛感しました。
GPシリーズの当初、不調だった浅田真央さん。しかし全日本選手権で見事立ち直り、オリンピックでは銀メダル、そして世界選手権では優勝。
バンクーバーの女神はキム・ヨナの方に向いていましたが、ソチの女神は必ず真央さんにキスしてくれるものと信じています。
真央さんが、これからの4年間、どのように、またどんな領域を広げてくれるのか、しっかりと見ていくつもりです。真央さんについて行きます。
私にとってのソチ・オリンピックまでの4年間は、浅田真央さんが中心になるのは間違いないでしょう。
今シーズンを通して、一番、私を歓喜させてくれたのは、やはり鈴木明子さんでした。
放送では彼女のことをシンデレラガールと言っていましたが、決して、そうではない!そんな生優しいものではない!
病からのブランクからの復帰後、バンクーバーのオリンピックシーズンを目指して全てを賭けて着々と準備をし、実力を蓄えていた。そして今シーズンは彼女は持っている全てを、ぶつけてきたのだ。
昨年のバンクーバーでの四大陸選手権直後の「私は来年ここへ必ず戻ってきます」と言う彼女の言葉に彼女のオリンピックに対する強い意志を、改めて強く感じます。
フリーの「ウエスト・サイド物語」
何度、録画を見ても彼女の表現力、そして気迫に圧倒されます。
昨日、久し振りに中野友加里さんの公式サイトにアクセスしてみたら、すでに閉鎖されていて、改めて彼女の引退の現実を目の当たりにした思いです。
トリノ・オリンピックからの私の4年間は中野友加里さんが中心だっただけに複雑な思いがあり、今だに彼女のことを思うと本当に辛い。
ただ、私にとって、中野友加里さんの演技を通じて、どれだけフィギュアスケートを見る楽しさ、魅力を教えてくれたか計りしれないものがあり、感謝の気持ちで一杯です。彼女の新しい人生が幸せなものになるようにと願うばかりです。
http://skating.livedoor.biz/archives/51475801.html
昨年暮の大阪での「メダリスト・オン・アイス」が彼女のリンクに姿を見せた最後の姿になってしまいました。それを実際、会場で見る事が出来た私の幸運。神様のご配慮としか言い様がありません。
昨年の暮の全日本選手権の女子フリーの最終滑走者は村上佳菜子さん、そしてオリンピックの最終滑走者は長洲未来さんでした。
二人とも最終グループの最終滑走という重圧に負けることなく、初々しい見事な演技を披露してくれました。
この大きな大会で、この若い二人が最終滑走というのも何か因縁を強く感じます。
新しい風が吹いてきた!
この二人が浅田真央さんを追いかけるのかと思うと、何か表現出来ない感情が湧いてきます。
ソチ・オリンピックまでの4年間も、おそらく山あり谷ありだと思いますが、今まで以上にフィギュアスケートを愛する気持ちを強く抱いて、楽しんでいきたいと思っているしだいです。