歌劇「椿姫」(ラ・トラヴィアータ)(全曲)
レナータ・スコット(ヴィオレッタ)アルフレード・クラウス(アルフレード)レナート・ブルゾン(ジェレモン)
リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団、アンブロジアン合唱団
(輸入盤 EMI)1982年ロンドンでのスタジオ録音
(参考CD)
モンセラ・カバリエ(ヴィオレッタ)カルロ・ベルゴンツィ(アルフレード)ジェルリ・ミルンズ(ジェレモン)
ジョルジュ・プレートル指揮RCAイタリア歌劇管弦楽団・合唱団
(輸入盤 RCA)1967年ローマでのスタジオ録音
昨年暮れ、バッハの宗教曲全集のアルバムを購入したが、まだ「クリスマス・オラトリオ」を半分聴いただけである。半年で全CDを聴き終るつもりだったが、1年は掛かりそうである。いま予約を入れているCDはワーグナーのオペラばかりでる。自分自身の進歩の無さに呆れるばかりである。
さて歌劇「椿姫」である。このオペラの全曲CDには決定盤的なものが無い、理由は簡単である。マリア・カラスの全盛時代でのスタジオ録音が無い為である。確かにミラノ・スカラ座などでのライブ録音もあり、私もカラスのライブ録音は3種類、持っていますて、それなりに素晴らしいのですが、古いライブ録音の為、録音状態がよくなく。いつも聴こうとは思いません。
私が現在よく聴いているCDは1967年モンセラ・カバリエがヴィオレッタを歌っている録音である。デビュー間もないカバリエの美声は素晴らしいものがあり、指揮のジョルジュ・プレートルの演奏もオペラの雰囲気満点で、大変お気に入りのCDです。プレートルは昨年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでも注目されましたがオペラの世界でも名指揮者です。
今回のムーティの1982年の録音のCDは1年ほど前、注文していた物で、私自身すっかり忘れていました。年明けそうそう、ひょうこりと届いて驚きました。
ムーティには1992年ミラノ・スカラ座でのライブ録音もありムーティの指揮自体は良いのですが肝心の歌手の声に魅力が無く二度ほど聴いたきりになっています。
1982年のムーティは1992年の録音と比べて音楽の若さの為か覇気が違う!音楽の強さを感じます。そして歌手が強力メンバーであるのも魅力です。スコットのヴィオレッタは、後年、私が気になった金属音的な高音もなく美声を聴かせてくれますし、ブルゾンのジェレモンも全盛時代の録音だけに、これぞヴェルディのバリトンの声と言いたくなるような素晴らしい声である。そして何と言っても素晴らしいのはテノールのクラウスの歌うアルフレードである。今まで聴いたアルフレードの中で最高でないかと思ったりしました。
1982年録音のムーティ盤は大変、気に入りました。今後「椿姫」の全曲CDを聴こうと思うと、このムーティ盤に手が伸びるでしょう。
参考ですが2007年ミラノ・スカラ座での公演の録画を収録したDVDの感想を書いた昨年12月の記事はこちらです。
http://blog.goo.ne.jp/0612-0523/e/c0c4b965b55fc510ce2495dd9be07900
なお、この記事の冒頭の歌劇「椿姫」の表記の横に()内に「ラ・トラヴィアータ」と表記させて頂きました。昔から、このオペラは我が国では「椿姫」の題名で親しまれていますが原題の「ラ・トラヴィアータ」(直訳すると「道を踏み外した女」)の方が、このオペラの本質が見えてくると思い、あえて表記させて頂きました。