国別対抗戦も終わり、とうとうフィギュアスケートの今シーズンが幕を閉じました。
今シーズンも、いろいろありましたが、フィギュアスケートを見る楽しさを満喫できたシーズンでした。
吉例ながら今シーズン特に印象に残ったプログラム。なお男子シングルはきちんと見ていないので割愛させて頂きます。
(女子シングル)
浅田真央(SP) 「アイ・ガット・リズム」
浅田真央(FS) バレエ音楽「白鳥の湖」
浅田真央(EX) 映画「メリー・ポピンズ」
鈴木明子(SP) 映画「キル・ビル」
鈴木明子(FS) O(オー) 「シルク・ドゥ・ソレイユ」
鈴木明子(EX) 映画「シェルブールの雨傘」
村上佳菜子(FS) ピアソラ「タンゴ」
グレーシー・ゴールド(FS) 映画「ライフ・イズ・ビューティフル」
アデリーナ・ソトニコワ(FS)映画「バーレスク」
李子君(FS) バレエ音楽「眠れる森の美女」
(ペア)
タチアナ・ヴォロソジャル&マキシム・トランコフ(SP) 映画「ゴッドファーザー」
タチアナ・ヴォロソジャル&マキシム・トランコフ(FS) 川井郁子のヴァイオリンによる「ザ・ヴァイオリン・ミューズ」
チン・パン&ジャン・トン(FS) エルガー「チェロ協奏曲」「エニグマ変奏曲」
(アイスダンス)
メリル・デイビス&チャーリー・ホワイト(SD) バレエ音楽「ジゼル」
メリル・デイビス&チャーリー・ホワイト(FD) ミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」
テッサ・ヴァーチュ&スコット・モイア (FD) 歌劇「カルメン」
ケイトリン・ウィーバー&アンドルー・ポジェ(SD) ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」
アンナ・カペリーニ&ルカ・ラノッテ(SD) ミュージカル映画「略奪された七人の花嫁」
自分の好きな音楽がフィギュアスケートのプログラムで登場したら、これ以上、嬉しいことはありません。
今シーズンも、いろいろ楽しませて頂きました。
特に今シーズンのアイスダンスのショートダンスの課題がパターンダンスはゴールデンワルツ、そしてクリエイティブパートはワルツ、フォックストロット、クイックステップ、タンゴの中から1つから3つを選択となっていて、ワルツが登場するためかミュージカル音楽、クラシック音楽、映画音楽が多く、私は本当にご機嫌でした。
今も、飽きもせずショートダンスの録画をよく見ています。
デイビス&ホワイトの「ジゼル」は、もう何度、見ただろうか!
あのバレエの第1幕の持つ雰囲気が、そのまま氷上で再現されている。いつまでも、このカップルの演技に浸っていたいと言う気持ちを強くするばかり。
あとで述べる浅田真央さんの「白鳥の湖」と並んで、バレエ好きの者にとっては、たまらないプログラムでした。
今シーズンはデイビス&ホワイトの陰に隠れた感の強いヴァーチュ&モイアですが、フリーダンスの「カルメン」は、たいへん斬新なプログラムだったと思います。
カルメンのイメージと言えば赤。赤系の衣装が多いのですが、ヴァーチュ&モイアのカルメンの衣装は何と黒色。それだけに音楽と演技が強烈に際立つものがあり、もう1シーズン、じっくりと見てみたいプログラムです。
しかし、私にとって今シーズンの中心は、やはり浅田真央さんと鈴木明子さんでした。
2人とも、ショート、フリーそしてエキシビションと全てのプログラムを挙げさせていただきました。
特に浅田真央さんの「白鳥の湖」は、間違いなくクラシックバレエの熟知しているであろうタラソワさんの振付でなければ実現できなかった名プログラム。
特にプログラム後半の第3幕最後のコーダでの演技は、実際の「白鳥の湖」の舞台を彷彿させるものがあり、感嘆するばかりである。
逆に世界選手権でのキム・ヨナの「レ・ミゼラブル」は確かに高得点で立派だったかもしれませんが、単に「レ・ミゼラブル」の音楽を使って演技をしているだけのように感じ、私にとって、あとに何も心に残っていない。
浅田真央さんの来シーズンのフリーの振付もタラソワさん。何か凄いものを見せてくれそうな予感がします。
そして鈴木明子さん。
今まで何度もコメントしていますが、フリーの「O(オー)」は、昨年8月の末、フレンズ・オン・アイスでの初お披露目を見ることが出来ました。
今シーズン、どんなプログラムだろうかと言う期待を胸に鈴木明子さんの演技を待っていたのですが、アイスショーということもあり、真っ暗になった会場に小鳥のさえずりが聴こえてきて、やがてスポットライトに照らされた鈴木明子さんが演技を始めた時の感慨は今も忘れることが出来ません。
掴みどころのない音楽での難しいプログラム。この前の国別選手権では、このプログラムの最高の演技を見せてくれたと思います。
この難しいプログラムを今シーズン通して、やり遂げたことは本当に大きい。来シーズン、ソチ・オリンピックに向けて大きな前進と言っていいでしょう。
浅田真央さんと鈴木明子さんは来シーズンで現役を引退の意向である。
私自身、この2人の存在が大きいだけに、来年の今頃、どのような心境になっているのか予想もつかない。考えただけでも寂しくなります。
しかし今は、これから約1年、オリンピックシーズンでは、とことん、この2人を応援して行きたいという気持ちを強くしています。
さて今シーズン、私一番、唸らせたプログラムは、ペアのチン・パン&ジャン・トンのフリープログラムでした。
自分の本当に好きな音楽がフィギュアスケートのプログラムで登場したら、正に至福の時です。
その私にとって至福のプログラムがペアで登場しました。
私の大好きなイギリスの作曲家エルガーの音楽。
「チェロ協奏曲」と「エニグマ変奏曲」
特に後半の「エニグマ変奏曲」から第9変奏「ニムロッド」の静かに、美しく、心にしみる音楽。
チン・パン&ジャン・トンの演技は、エルガーの作品大好き人間の私の心を大きく揺さぶるものがありました。
いよいよ新しいシーズンはオリンピックシーズン!
おそらくオリンピックを目指して最高のプログラムが見ることが出来るでしょう。
4年に1度の雪と氷の祭典。
特にオリンピックを目指している選手の皆さんには、とにかくケガだけはしないようにと願うばかりです。
最後に、今、一部のフィギュアスケートファンで話題になっている猫宮黒埜氏著の「フィギュアスケート疑惑の高得点」を読んでいるところです。
まだ全て読み終えていないのですが思うこと多々あり。
感想は改めてコメントしたいと思います。