オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

最近の話題から。

2008年01月29日 02時04分28秒 | 2007-2008年シーズン
今年の冬の国体のフィギュアスケートは鈴木明子さんが優勝。昨年暮れの全日本選手権でも実証済みですが、やはり実力者である。来シーズンが本当に楽しみである。
太田由希奈さんがケガで欠場。心配である。早くケガも治って元気な姿を見せて欲しいものである。また最近、太田さんのファンのサイトの書き込みが大変モメていました。昔のしーぱらの掲示板を思い出してしまった。こちらも心配である。

全米選手権は長洲未来さんが優勝!バンクーバー五輪の強力なメダル候補に名乗り上げました。キミー・マイズナーは沈没のようである。物凄い世代交代である。わが国は浅田真央さん、安藤美姫さん、中野友加里さんの三強時代。誰が、いつ、この一角に食い込むのでしょうか?

荒川静香さんの髪型がショートカットに変身!女性の方が髪型を変えると本当にドキッとします。特に自分が好きな女性だったらなおさらです。(早くテレビで見たいものである)
髪型が変わったからではありませんが、久しぶりにビデオで録画したNHKの「荒川静香 金メダルの道」を見ました。トリノ五輪のシーンでコーエンが転倒した場面で後にいた財務大臣がとんでもない発言をする。
「コーエンさんが転倒したので荒川さんは金メダルを取れたのね」
すぐに私は逆襲する。
「転倒での減点はたったの一点!荒川さんとコーエンの差は10点近く離れていたんだぞ!荒川さんのジャンプは難しく次元が違うし最後のステップは神業だ!」
などなど解説しまくる。いまだに転倒のイメージが強い人がいて困ったものである。
大臣が私の剣幕に驚いて退散したあと口直しにトリノオリンピックのDVDで荒川さんをたっぷりと見る。最近、昨年暮れの全日本選手権の余韻で、そちらの録画ばかり見ていましたが私の原典はやはりこちらであることを再認識しました。
エキビジションはまさに美しさの極みであり、フリーは何度もても物凄く、そして美しい。
やはり私は行き着くところ荒川静香さんになってしまいます。




歌劇「蝶々夫人」 その2

2008年01月25日 11時50分34秒 | オペラ
歌劇「蝶々夫人」(全曲)

(蝶々さん)マリア・カラス (ピンカートン)二コライ・ゲッタ
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
 1955年8月ミラノ・スカラ座にて録音
 
 (CD)ナクソス・ヒストリカル・シリーズ 8.111026-7 

大学生の時、初めてレコードで歌劇「蝶々夫人」を聴いた全曲盤はこのカラス盤である。今でも初めて聴いた第1幕の冒頭の音楽の衝撃は今も忘れる事が出来ません。私は日本風の異国情緒あふれた美しい音楽が流れて来る物と思っていましたが、実際は、その後の蝶々さんの運命を暗示するような激しい音楽。プッチーニーは最初から蝶々さんの過酷な運命を最初から伝えずにおれなかったのでしょうか?

このオペラの最初の全曲レコードにカラス盤を選んだ理由はもう憶えていませんが、やはりその頃からマリア・カラスの存在がすでに大きかったからでしょう。
今回のCDはナクソスレーベルがレコードからCDに復刻した物。少し前に購入していましたが今日初めて封を切って聴きました。モノラル録音ですが古さを感じさせない、柔らか味があり、歌手の声も艶がある音で見事な復刻だと思います。(私が最初購入したレコードはモノラル録音を電気的にステレオ化した物だった)

カラスは生前、蝶々さんは一度しかステージで演じていません。しかしステージの経験が無いから良くないかという事は全くありません。例えば「カルメン」は全くステージの経験はありませんが他の追随を許さない見事な全曲録音があり、「蝶々夫人」の録音も同様のことが言えます。
第1幕はやはり可憐さの必要な15歳の少女を歌うにはカラスの声は強烈すぎて他の歌手で聴きたくなりますが、第二幕となるとカラスの独壇場である。声が演技をしているとしか言い様がありません。
ピンカートンの手紙を携えたシャープレスとの二重唱は大変地味ですが蝶々さんのちょっとした感情を見事に表現して次の大きなドラマを期待させ、引きずり込む凄さがあります。このオペラの録音だけではありませんがカラスの声はオペラが単に聴かせ所のアリアを美しく歌うだけではない「オペラはドラマである」という事をいつも教えられます。

第二幕第二場の冒頭ピンカートンを待って一夜を明かした蝶々さんがわが子を寝かす時に歌われる子守歌。
 
「いらっしゃるは、いらっしゃるは、きっと。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 おやすみ、かわいい坊や、私の胸でおやすみ。
 お前は神様と、私は苦しみと一緒。
 金星の光はお前のものに。
 坊や、おやすみ」

Verra(いらっしゃるは)のたった一言のことばに込めたカラスの思い。何という悲しさでしょうか。この時のカラスの歌はまさに蝶々さんの悲しさそのもの。ここの場面を他の歌手で聴くと単に美しく歌いましたとしか聴こえない。

最後に今回この録音を聴いてカラヤンの指揮が以外と良かった。後年カラヤンはフレーニ、パヴァロッティそしてウィーンフィルとこのオペラを再録音して大変定評がありますが私自身、厚化粧しすぎてノツノツしてあまり聴きません。(ただし第一幕の後半の二重唱の美しさは最高だと思いますが・・・)カラスの歌う蝶々さん、そしてスカラ座のオケ。やはりいつもと違った気持ちでレコーディングに臨んだのでしょう。

歌劇「蝶々夫人」

2008年01月22日 15時44分27秒 | オペラ
新年そうそうテレビを買い換えたので録画が大変忙しく見るのもたいへんになってきました。この前の日曜(20日)の深夜NHK衛星第二で東京二期会公演の歌劇「蝶々夫人」の全曲が放送され今日、録画で一気にみました。

蝶々さんは木下美穂子、スズキは永井和子、ピンカートンは福井敬、シャープレスは直野資という顔ぶれ。
このオペラは何度観ても、聴いても泣けてくる。本当に美しいメロディ、その中で演じられる蝶々さんの悲しい過酷な運命。
第1幕後半の愛の二重唱が美しければ美しいほど、蝶々さんのその後を知っているだけに聴いている方は胸が張り裂けそうになります。第2幕は正ににドラマ。蝶々さんの悲しみ、嘆き、喜び、そして絶望がプッチーニの美しい音楽と一緒になって、これでもかと押し寄せてきます。
演出は2年前の兵庫県立芸術文化センターの公演と同じで栗山昌良。舞台装置など大筋は同じようであったが兵庫県立芸術文化センターの公演では廻り舞台が有効に使われ劇的効果をあげていたので、この差は大きいと感じました。
今年3月に兵庫県立芸術文化センターではあの素晴らしかった「蝶々夫人」のリバイバル公演が予定されています。チケットはまだ残っているようですが、まだ入手していません。このところ続けてコンサートやスケートとチケットを手にいれると、その日に限って色々な事が起き精神的に本当に追い込まれ疲れましたが、最終決断の時が来ているようです。
なお兵庫県立芸術文化センターの6月のオペラ公演はレハールの「メリー・ウィドウ」です。ハンナ役は佐藤しのぶと塩田美奈子のダブルキャストが予定されています。

同じ20日の朝にはNHKハイビジョンで藤原歌劇団の「ラ・ボエーム」の公演の全曲放送もあり、こちらも録画しましたが、まだ観ていません。本当に忙しくなって来ました。

ジュリー・アンドリュース

2008年01月22日 11時41分39秒 | 音楽
昨晩(21日夜)NHKハイビジョンで1993年のジュリー・アンドリュース来日公演のお宝映像が放送されました。バックは何とアンドレ・プレヴィン指揮NHK交響楽団。何という贅沢!こんなコンサートがあったとは全く知らなかった!プレヴィンもまだ若い。昨年の来日公演の姿が信じられない。
「サウンド・オブ・ミュージック」「メリー・ポピンズ」などおなじみのナンバーやガーシュイン、そして「南太平洋」「オクラホマ」などロジャースとハマースタイン2世のコンビのミュージカルナンバーをあの素晴らしい声そしてプレヴィンの指揮でたっぷりと楽しむ事が出来ました。プレヴィンは映画「マイ・フェア・レディ」「恋の手ほどき」などの傑作ミュージカル映画の編曲者としも有名だけに、これ以上の共演者はいないでしょう。
私は大学生の時、アンドリュースの初来日の東京の初日の公演を日本武道館へ聴きに行った事があり、その時の想い出と重なるものがあり、感慨無量です。
アンドリュースは声帯の病気の為、あの素晴らしい声を聴く事は、大変残念ですが今は聴く事が出来ませんが、それだけに今回の放送された映像は大変貴重なものとなりました。この録画は大切にしていきたいと思います。

ブラームス ヴァイオリン協奏曲

2008年01月18日 12時06分48秒 | 今日、聴いたCD
ブラームス    ヴァイオリン協奏曲二長調 作品77 (1955年録音)
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲二長調 作品35 (1957年録音)

ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン独奏)
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団
(国内盤CD)BMG BVCC-37176

私の愛聴盤である。最近、ブラームスの交響曲やピアノ協奏曲は、別に嫌いなわけではないですが、めったに聴かなくなった。ブルックナーやベートーヴェンの交響曲はよく聴くだけに対象てきである。しかしブラームスの作品の中でヴァイオリン協奏曲とドイツ・レクイエムは例外で、よく聴いている。またブラームスのヴァイオリン協奏曲は数ある協奏曲の中で一番好きな作品でしょう。
初めて夢中になった演奏はLPレコード時代アンネ=ゾフィー・ムターが18歳の時カラヤン指揮ベルリンフィルと録音した1981年の録音。特に第1楽章ベルリンフィルの分厚いサウンドと、その中で見事に歌うヴァイオリンの音色に魅せられて、しょっちゅう聴いていました。しかしCDの時代に入りCD化されたムターとカラヤン盤を購入し直し、聴いてみると何か物足りない。あのふくよかなたっぷりとしたサウンドが再現されない。レコードのほうが音が良かったと感じてしまった。このとき録音がいい事と音がいい事の違いがわかったような気がしました。大好きな作品だけにあれこれ購入しましたが満足できない。期待していたチョン・キョン・ファとラトル指揮ウィーンフィルの録音もさっぱりダメ!
そんな時たまたまCD店で1700円で販売されていたハイフェッツ盤を見つけ衝動買いして聴いてみましたが、あまりの素晴らしさにびっくり!それまでハイフェッツの録音すら1枚も持っていなかったので目から正にウロコ状態であった。ハイフェッツはテクニックの部分ばかり強調されているようですが素晴らしいヴァイオリンの音色である。ヴァイオリン奏者の王者の演奏である。本当にブラームスのこの作品を堪能させてくれます。また全盛時代のライナー指揮のシカゴ交響楽団も最高である。1955年のステレオ録音ですがアメリカの当時の録音技術の高さにも驚かされ、録音状態も演奏も古さを全く感じさせない見事な録音である。

同じく収録されている「のだめ」の千秋さんの大好きな曲のチャイコフスキーも見事!ひょっとしたらこの作品の最高の演奏かもしれません。
この2曲が収録されて1700円とは超お買い得でした。

 

「スターズ・オン・アイス」

2008年01月16日 22時30分55秒 | 2007-2008年シーズン
「スターズ・オン・アイス」を昨日、BSジャパンの放送でノーカットで見る。
 
最近、民放ではあまり放送のないペアーを久しぶりに見る事が出来た。やはり迫力がある。
そして一番、印象に残ったのは久しぶりに見るサーシャ・コーエン。健在ぶりを見る事ができて嬉しい限りである。「イマジン」のメロディーによる演技が本当に良かった!テレビの画面に釘付けにする凄みがある。

浅田真央さんと安藤美姫さんの対象的な演技。「別れの曲」のメロディによる浅田さんのしっとりとした演技は、ますます磨きがかかってきたように感じました。安藤さんは衣装を見ただけで、おじさんは嬉しくなりました。思わず腕を組んで一緒に繁華街を歩きたくなりました。

最後の荒川静香さん。私の好みでは、浅田さんと同様しっとりとしたメロディで見たかったのですが、さすがプロ!解説でも言っていましたが顔の表情が素晴らしく、何をやっても様になるのは、さすが荒川さんである。違った一面を見る事が出来、楽しかった。安藤さんの演技でも胸がドキドキしましたが、やはり荒川さんの演技に一番うっとりしました。

ベートーヴェン二題

2008年01月15日 12時29分50秒 | NHK交響楽団
新年になっていろいろゴタゴタしてゆっくり音楽が聴けなかったが、やっと落ち着いて聴けるようになりました。とくに年明け早々にベートーヴェンの交響曲のいい演奏が、いい滑り出しである。
①ベートーヴェン 序曲「レオノーレ」第1番
 ベートーヴェン 交響曲第8番
 ベートーヴェン 交響曲第7番
 ネルロ・サンティ指揮NHK交響楽団(1月11日衛星第2放送の録画)
②ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」(1973年ライブ録音)
 ベートーヴェン 交響曲第2番
 ベートーヴェン 交響曲第7番    (以上1978年ライブ録音)
 カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団
 (輸入盤 audite 22.404

①は昨年12月の定期演奏会。イタリアオペラのベテラン指揮者がどんなベートーヴェンになるか興味深々であったが、良かった!オール・ベートーヴェンのプログラムを組める指揮者がいなくなって来たのでサンティの存在は大きい。特に7番の第2楽章はゆっくりしたテンポでじっくりと味あわせてくれました。つぎは2番、4番を聴いてみたいものである。
②は昨年暮れ届いていましたが、今年聴き始めのCDである。
バイエルン放送協会のアーカイブスが音源か?素晴らしい録音である。
「英雄」は1972年のウィーンフィルとのスタジオ録音もありスケールの大きい演奏で、こちらも同様な演奏ですがオケがミュンヘンのオケなのでオケの音色の違いを楽しめるのが面白い。今回の録音はミュンヘンのオケの為かスケールの大きさの中に渋みを感じます。特にホルンの濃くのある音色の素晴らしさは聴きものです。
しかし、このアルバムの中で一番凄かったのは第2番である。ベームの演奏はこの作品を初期の作品という感じでなく3番や5番に匹敵する大きな演奏である。特に第1楽章は古楽器奏法をぶっ飛ばすスケールの大きさである。聴き所の第2楽章は分厚い弦楽器の音色で堪能する。そして第4楽章はライブのベームならではの熱演である。
このCDと一緒に1972年ウィーン国立歌劇場でのウェーバーの「魔弾の射手」のライブ録音のCDも届いていますが、まだ開封していません。ベームはこのオペラをスタジオ録音していないので楽しみです。

(余談)
テレビでN響の7番の録画を見ていると、財務大臣がやって来て、こう、のたまう。
大臣「この曲の題名は何なの?」
私 「???・・・」
大臣 「題名よ!運命とか!」
私 「・・・(少し間をおいて)の・だ・め・じゃ!」
大臣は退散して撃沈!私は引き続いて崇高な精神が宿る時間を過ごしていたのである。  

全日本選手権 番外編

2008年01月11日 18時01分58秒 | 2007年、全日本選手権
今日は公休でしたが、やっぱり録画を見てしまいました「全日本選手権」の女子フリー。まだまだ余韻が残っています。

訳のわからん実況にうんざりなので副音声の会場の音声のみで楽しむ。当日の雰囲気がよみがえり感激が新たになってくる。
「もう沈まないタイタニック」「ディカプリオだって手を差し伸べる」「私だけをみてくれ、カルメン」等等。もう、聞きたくない!
また太田由希奈さんや鈴木明子さんの時、けがや病気のことばかり持ち出すのもどうなんだろう?彼女たちは立派に復帰しているで、もう過去にこだわって欲しくないのではないだろうか?しかし副音声にすると荒川静香さんの声が聞けなくなる。困った!困った!

当日、会場でオペラグラスでしょっちゅう放送席の荒川さんを見ていました。氷上では見られない厳しい表情でした。競技会の選手たちの演技を分析し放送を通じてファンに伝える使命からくる厳しさでしょう。

太田由希奈さんの美しい演技、中野友加里さんの感動的な演技、そして安藤美姫さんの世界一の演技、何度も巻き戻して見てしまう。

15日には「スターズオンアイス」の放送があります。残念ながら会場に脚を運べませんが放送はしっかりと見るつもりです。久しぶりに荒川さんの演技が見ることが出来ると思うと放送とはいえ胸が高鳴ります。 

ブルックナーの交響曲第8番

2008年01月11日 10時46分46秒 | 音楽
昨年の暮れ、ブルックナーの交響曲第8番を取り上げましたが、8番を中心に今回はブルックナーの複雑な楽譜(版)について。

ブルックナーには自分の楽譜の改訂癖があり、当時なかなか彼の作品が受け入れられてくれなかったという事もあるが 一度完成した交響曲を何度も書き直しました。その上、レーヴェ、シャルクといった彼の弟子たちは何とか師匠の音楽を世に出そうとして、いろいろ楽譜に手を加えた。聴きやすいようにカットをしたり、アレンジを加えたりして、ややこしくなってきました。
1929年ウィーンにて国際ブルックナー協会が設立され、会長のロバート・ハースにより交響曲の原典版を編集することになった。これが後年「ハース版」と呼ばれるものである。このうち第3番のみエーザーにより編集された。
ところがである。ハースの後任として会長に就任したレオポルド・ノヴァークはハースを批判して1951年から1965年にかけて自ら新しい原典版を編集した。これが「ノヴァーク版」である。
これでブルックナーの弟子たちが手を加えた版に加えて、原典版も2種類存在することになり複雑さを増してきました。
録音や演奏会にきちんとハース版とかノヴァーク版と記載されることが多いですが中には単に原典版としか記載していない場合もあります。指揮者によっては自分の考えでいいとこ取りしている場合もありますが、原典版としては新しいノヴァーク版を使っている指揮者が多いようです。単に原典版と記載されている場合ノヴァーク版が好みの指揮者かハース版が好みの指揮者か見分けやすい方法として第7番の第2楽章のアダージョの最後のクライマックスでノヴァーク版ではティンパニ、シンバル、トライアングルが加わっていますが、ハース版にはありません。このあたりが見極めやすい所でしょう。
なお晩年ブルックナーの演奏で高い境地、最高の演奏を聴かせたギュンター・ヴァントと朝比奈隆が熱烈なハース版の支持者だったのは興味深いことである。その為、どうしても私はハース版の演奏を聴く事が多いです。

さて交響曲第8番ですがこの作品は1887年、第1稿が完成されましたが演奏も出版もされなく後年、弟子たちの意見に従い1992年、第2稿を書き上げた。出版されたものには初演者のハンス・リヒターの意見によるカットもあるらしい。
「ハース版」は第2稿の原譜に基にしながら、第1稿からも採用もある。「ノヴァーク版」は第2稿の原譜をそのまま使用している。ノヴァークはブルックナーが弟子たちやリヒターの意見にしぶしぶ従ったのかもしれませんが、結局同意した事を重視したようである。
私自身ハース版とノヴァーク版の違いは第1楽章と第2楽章はよく解かりません。第3楽章のアダージョでハース版では2箇所第1稿から採られた部分があります。第4楽章で4箇所ノヴァーク版ではカットがあります。ハース版ではヴァイオリンの独奏部分がありますがノヴァーク版には無いという事になります。

最後に参考までにエリアフ・インパル指揮フランクフルト放送交響楽団の1982年の録音を挙げておきます。この録音は画期的な第1稿による録音です。ハース版にしろノヴァーク版にしろ原典版で聴きなれた耳で聴くと別の曲を聴いているようでビックリ仰天です。
ブルックナーの版は作品によっては複雑ですが、逆にそこがブルックナーの面白みかもしれません。



全日本選手権  最終回

2008年01月08日 19時07分43秒 | 2007年、全日本選手権
昨年暮れの全日本選手権のレポートがなかなか進みませんが今日は一気に行きたいと思います。

話の順序が前後しますが当日会場に到着してすぐに捜したのが「放送席」でした。理由は当日、放送での解説の荒川静香さんがお目当てでした。第二グループの演技が終わるまでわかりませんでしたが第三グループが始まる前の休憩時に反対側で多くののライトが灯されたのでひょっとしてとオペラグラスで見てみると当日の放送の出演者が揃っていました。そして荒川さんの姿も・・・後日放送を見てみると番組の冒頭、荒川さんたちがスタンドを背にコメントをしている場面がありましたが、その時私はテレビではわかりませんが反対側で一生懸命オペラグラスで見ていました。
「荒川さん、私はここにいます!あなたに一番会いたかった!」と心の中で叫びながら・・・

最終グループ以外で印象に残った選手。
①曽根美樹さん
第1グループ。違った意味では一度は見てみたかった方。曲は「カルメン」赤い衣装がよく目立つ。技の切れみなどはあまり感じさせなかった。競技会よりエキビジションを見たかった。
②浅田舞さん
第2グループ最終演技者。まさかこんなに早く彼女を見るとは正直残念であった。
当日第三グループから会場の大きなスクリーンで放送の映像が映し出されましたが第2グループで彼女のみ映像が映し出される。第2グループの他の選手はどう思っただろうか?
③西野友毬さん
第3グループ最初の演技者。かなり固くなっているのがスタンド席でもよくわかる。転倒は残念でしたが高いジャンプも何度か決めていたので彼女本来の力が出ているともっと上になっていたでしょう。音楽はチャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」の音楽。演技の最後の音楽は第2幕の最後オーロラ姫が眠りから醒める全曲の中で一番劇的な音楽。シニアの中でこれをこなすにはまだ時間が必要か?
④石川翔子さん
西野さんと同じジュニアからの出場。西野さんと比べて落ち着いた様子。大人びた雰囲気を感じさるので意外と急成長があるかも?
⑤太田由希奈さん
第3グループの一番のお目当ては太田さん。本当に美しいとしか言いようがない演技である。ジャンプのきめ方、スパイラルの優雅さ、そして印象的なイナバウアー。太田さんの独自の世界に酔うのみである。この美しさが点数に結びつかないのは本当に残念!!ぜひもう一度、生の演技を見たい方である。
⑥武田奈也さん
第3グループ最終演技者。NHK杯の3位で力をつけてきたのがよくわかる演技であった。しかし残念だったのは放送ではわかりませんがエッジの音が大きくスタンド席の私の席までよく響き本当に耳障りだった事でした。「元気さ」と「美しさ」の違いをわかってほしい。まったくエッジの音が無かった太田さんの美しい演技と好対照であった。


最後にもう一度中野友加里さんのこと。
今回一番楽しみにしていたのは中野さんの演技を見ることで、これだけドラマチックに場内を沸かすとは予想もしていなかっただけに今も感激が残っています。私の会社では毎年、新年に「私の三つの目標」を書いて事務所に掲げますが、毎年私は数値的な事を書いていましたが今年は精神的な事を単刀直入に書きました。
①「気迫」②「自分らしく」③「ひたむきに」
全て今回の中野さんの演技を見て感じたことを率直に書きました。最近不景気な為か仕事の面でも「感動」人の心を揺るがす事が少なくなってきました。そのような時、やはり一人一人の気持ちの持ち方がいかに大切か本当の勉強させて頂き感謝の気持ちで一杯です。
放送で荒川静香さんが中野さんの演技のあと「いかに、かかえていた物があったか・・・いかに努力が大切か・・」とのコメントがあり印象に残りました。
フィギュアスケートには男子シングルやアイスダンスもありますが私が一番女子シングルにひかれるのはなぜでしょうか?以前も書き込みましたが女子シングルは美しい若い乙女たちが舞う美しく華麗な世界。しかし競技会となると私の想像を超えた練習で習得した技がジャンプも一つ一つチェックされ採点され順位をつけられる大変厳しく厳粛な世界。その中で彼女たちは「より美しく」「より高く」自分のもっている全てをぶつけてひたむきに向かっていく。そこから大きな感動が生まれ、女子シングルにはまって行く理由でしょう。
今回の大会ではまさに世界の頂点の演技、日本を代表する実力者たちの演技、そしてジュニアからの新しい才能を一同に見る事が出来そして凄い時代を体感できて幸運でした。
新年そうそう、ある女子社員に言われました。
「2年後のバンクーバーへ応援に行きそうな雰囲気ですね!」
バンクーバーは無理ですがチャンスがあれば、こういった国内の競技会もどんどん生で見たいものです。今回の最終グループの物凄かった緊張感、緊迫感の中にもう一度身を置いてみたいものです。

地上デジタル放送

2008年01月04日 22時11分42秒 | 私事
今日は今年初めての公休日。ゆっくりと音楽を聴いて、全日本選手権のレポートを書くつもりであったが、それどころでなかった。
いよいよ我が家も財務大臣の大決断で地上デジタル対応のテレビが本日の夕方到着するとの事で部屋の整理で大わらわだった。そもそも32型のテレビを置くスペースが無いので、部屋にあった古いLPレコードを全て物置部屋を整理して移動する。もう聴かなくなったとはいえ何か寂しくなる。一枚一枚レコードのジャケットを見るといろいろ想い出が浮かび、そのたびに手が止まる。これも時代の流れでしょう。

いよいよ夕方5時頃、到着。電気屋さんにセットしてもらう。凄い美しさである。今まで見ていたものはなんだったろうと思う。今夜の「のだめカンタビーレ」は地レジで見ることが出来ます。
それよりも私を喜ばせたのは今までNHKしか見る事が出来なかった衛星放送が民放も受信でき、さっそく明日の夜BSフジで全日本フィギュア選手権の放送がたっぷりあるではないか!さっそく第1号の録画予約をする。

たった1台のテレビで人生が楽しくなった1日でした。

「ニューイヤーオペラコンサート」

2008年01月04日 00時18分27秒 | オペラ
今日の夜7時からのNHK教育放送の「ニューイヤーオペラコンサート」を少し遅れてビデオで見る。
前半オペラのバレエシーンが二つ取り上げられて血が騒ぐ。
サン・サーンスの「サムソンとデリダ」よりパッカナーレ。そしてボロディンの「イーゴリ公」よりだったん人の踊り。
「サムソンとデリダ」はどうしても安藤美姫さんを思い浮かべてしまう。昨シーズンの「シェエラザード」と同様エキゾチックな役は安藤さんにぴったりのようである。
「イーゴリ公」からのだったん人の踊りは今シーズン水津瑠美さんがフリーでモダンにアレンジしたものを使っていますが、この曲は私が昔から大好きな曲で日頃はオケのみの演奏の録音をよく聴いていますが、今回の放送ではオリジナルの合唱付きでの演奏で迫力満点で、その上にバレエまであり本当に楽しかった。

今年はプッチーニ生誕120年との事。「トゥーランドット」から「この宮殿の中で」「誰も寝てはならぬ」の2曲がオリジナル通り合唱付きで歌われたが、トゥーランドットの緑川まりさんの声が高音部で絶叫になってしまったのは残念だった。
とにかくことしは記念の年なのでオペラの全曲がもっと放送して欲しいものである。

全日本選手権 その3

2008年01月01日 23時50分39秒 | 2007年、全日本選手権
新年明けましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。


さて、昨年12月28日の大阪での全日本選手権のレポートが仕事がゴタゴタして進まなくて申し訳ございません。新年最初の書き込みは当然、この事から始めます。
本当は順を追って行くべきだと思いますが、やはり感激さめやまない最終グループから。
第3グループが終了して6人の選手がリンクインする。一気に緊張感が高まるものを感じる。テレビ放送ですとリンク全体をあまり映し出さないがスタンド席からだとリンク全体を見渡せるので一度に選手たちの様子がわかるので、おもしろかった。郡を抜いているものを感じたのはやはり安藤美姫さん、浅田真央さん、そして中野友加里さんだった。特に安藤さんは高さの高いジャンプを何度もきめて、そのたびに拍手喝采である。調子の良さがうかがえた。それに負けずに浅田さんもどんどんジャンプをきめる。こちらも拍手。そして中野さんからは物凄い気迫を感じました。こちらもどんどんジャンプをきめ、そして拍手が起きる。彼女たちは単なる調整で、そんな気は無いと思いますが、大パフォーマンスの連続で緊張感の中に場内の興奮が上って行くのが嫌でも感じ取れた。
その中で気になったのが村主章枝さん。この3人に気おくれしているようで、存在感を感じなかった。動きやジャンプが小さく感じる。どうしても中野さんと比べてしまう。これができるのが生の面白さ。中野さんの逆転が確信になってしまう。
いよいよ競技開始。
①浅田真央さん
最初のトリプルアクセルの失敗で場内大きくため息がもれる。前日のSPが最高だっただけに本当に驚く。そのあとはさすがは浅田さんであるが、完璧な浅田さんを期待していただけに残念さがやはり残る。他の選手だとこんな事思う事は無いだけに、浅田さんへの期待度の高さがよくわかる。それでもジャンプの失敗後の演技は見事。技のレベルの高さより演技の美しさをスタンド席からも実感できた。次に観る機会に期待しましょう。
②水津瑠美さん
高得点をたたき出した浅田さんの後に滑るのはやはり荷が重たかったようですが、スパイラルではスケールの大きさも感じました。また翌日のアイスショーを放送で観ると大人の魅力たっぷりで妖艶さも感じるくらいだったので水津さんも次回に期待しましょう。
③村主章枝さん
練習で感じた通りであった。スパイラルなどではさすがのものも感じました。しかしミスもありましたが演技力だけではどうにもならない場内をどっと沸かすものが無いので他の選手と比べて物足りなさを感じるのでしょうか?荒川静香さんと一つの時代を築いてきた彼女ですが残念ですが厳しい時期に来ていると言えるでしょう。
④中野友加里さん
ここまで、不完全燃焼の、どうもいやーな雰囲気がただよっていましたが、中野さんが見事にふっ飛ばしました。最終グループの演技が始まって、初めて場内が沸きに沸きました。中野さんに関しては最初のレポートでも書きましたし、最終回でも、もう一度触れたいと思います。
⑤鈴木明子さん
中野さんの演技の後の異様な雰囲気の中での演技でしたが良かった!
名前は知っていましたが、日本のフィギュアスケート界にまだ、こんな素晴らしい方がいたとは驚きである。今回の観戦で一番の大発見です。
ブルーの衣装も氷上で見栄えして素敵でした。2度ジャンプのミスがありましたが、場内をうっとりさせるものがありました。映画「タイタニック」の音楽の素晴らしさも改めて教えてくれました。村主さんの演技では、もうギリギリ感を感じましたが鈴木さんの演技には何か余裕を感じさせられ、これがうっとり感につながったのでしょう。中野さんの演技で一時、場内は異様な雰囲気となりましたが鈴木さんの演技で場内が柔らかい雰囲気になったのは間違いありません。
⑥安藤美姫さん
まさにトリにふさわしい最高の演技。特にジャンプにはしびれました。世界最高の演技を観る事のできた満足感で一杯である。
演技後のスタンディングオペレーションはこの喜びを共有できた観衆の気持ちと安藤美姫さんへの感謝の気持ちの表れであると言っても過言ではありません。

長くなりました。本日はここまでにします。まだ続きます。