オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

映画「道」

2008年10月30日 17時07分28秒 | 映画
私のブログでは男子シングルのフィギュアスケートを話題にしたことがないはずである。理由は簡単である。あまり興味が無いからである。私のとってフィギュアスケートへの興味のほとんどが女子シングル。(理由は何回か述べた事がある)そして、あとはペアーである。しかし今回、初めて男子シングルの話題にふれることになりました。

数日前、ニュースで今シーズンの高橋大輔さんのフリーが披露され、曲目が映画「道」ということでグッと来るものがありました。

映画「道」はイタリアの映画監督、巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の1954年製作の名作である。

獣のような粗野な大道芸人サンパノは金で買った頭の弱い女ジェルソミーナとオート三輪で旅から旅への生活を送る。旅の中でいろいろな人々と触れ合うのだが、ある日、サンパノはジェルソミーナと心を通わせていたキ印という綱渡りの青年を取っ組み合い殺してしまう。そして、サンパノは、この為におびえ続けるジェルソミーナに手を焼き、眠っているジェルソミーナを道端に置き去りにしてしまう。
そして数年後、サンパノはある村でジェルソミーナがいつも口ずさんでいたメロディが耳に入り心が乱れる。聞けば以前、この村で死んだ頭の狂った女が教えてくれた歌だという。サンパノはジェルソミーナのことを思うと心が乱れに乱れ、酒に酔うことで忘れようとするがどうにもならない。いつしか夜の浜辺を歩いていたが、初めて寂しさに心が震え、夜の浜辺で泣き崩れるシーンでこの映画はエンディングとなる。

サンパノ役はアンソニー・クイン、ジェルソミーナ役はフェリーニ夫人のジュリエッタ・マシーナが扮した。音楽はニーノ・ロータである。
私がこの映画を初めて見たのは高校生の時、NHKのテレビ放送のはずである。映画館で初めて見たのは大学生の時、新宿の名画座で見ました。この映画を何度見ても心を打つのはラストのサンパノが浜辺で号泣するシーンである。自分がジェルソミーナを愛していたことすら気付かなかった粗野な男の孤独、寂しさが伝わり映画の余韻を残します。

フェリーニ監督と言えばニーノ・ロータである。
今は亡き映画評論家、淀川長冶氏は「フェリーニは映画の魔術師だ。そしてニーノ・ロータはフェリーニのその魔術の美術をメロディにした、映画史上かけがえなき名作曲家だった」と述べています。

私は映画「道」の音楽のCDを2種持っています。一つは20年ほど前、発売された「フェリーニのすべて」という2枚組のアルバムに収録されたオリジナル・サウンドトラック盤。もう一つはリッカルド・ムーティが1994年ミラノ・スカラ座のオケと録音したニーノ・ロータ映画音楽集。(SONY盤)「道」の音楽を1966年バレエ音楽として書き直した版を使用しています。なお、このアルバムにはルキーノ・ヴィスコンティ監督作品「山猫」の後半での豪華絢爛としか言いようもない舞踏会で使用された音楽も収録され映画の好きな者にとって聞き逃せないものがあります。

映画「道」に流れるジェルソミーナのテーマは一度聴くと忘れることの出来ないものがあります。モロゾフコーチから離れた高橋大輔さんが、この名作の音楽を選んだのは何か心の中で期するものがあるのでしょう。高橋選手の登場するカップ・オブ・チャイナが俄然、楽しみになってきました。

「スターズ・オン・アイス」その2

2008年10月28日 23時59分07秒 | 2008-2009年シーズン
来年1月の「スターズ・オン・アイス」のゲストスケーターに浅田真央さんの名前がありますが真央さんの出演は大阪公演のみで東京公演には登場しないらしいです。
大阪公演を見に行く私にとって自分自身の幸運を噛みしめるばかりである。
荒川静香さん、中野友加里さん、安藤美姫さん、そして浅田真央さんの4人のビッグネームが並んでいるのを見るだけでゾクゾクします。公演当日が本当に待ちどうしいです。

GPシリーズ・アメリカ大会・フリー その2

2008年10月28日 23時29分51秒 | 2008-2009年シーズン
今年のGPシリーズの初戦のアメリカ大会は有力選手が集中して見ごたえ充分であった。まだ昨日のフリーの余韻が残っています。

今大会の録画はSPもフリーもBS朝日の放送を録画しました。昨晩のフリーの放送の録画を、長い長いCMや前日のSPのおさらい、そしてインタビューなどをカットして編集すると約2時間の放送が約30分になってしまった。やはり演技をじっくりと見たいものである。

今日の朝、起床して出勤する前に中野友加里さんとキム・ヨナさんのフリーの演技の録画を見て出勤する。その為か仕事中に「ジゼル」と「シェエラザード」の音楽が交互に頭の中で鳴り響き本当に困りました。

中野友加里さんの「ジゼル」を見ていて私自身クラッシックバレエへの郷愁を感じました。残念ながら安藤美姫さんの「ジゼル」では残念ながら、それらを感じることは出来ませんでした。
今度の公休日にはバレエ「ジゼル」のDVDをじっくりと見るつもりである。その後、「シェエラザード」のCDを聴きましょう。

GPシリーズは、まだまだ続きます。お楽しみは始まったばかりである。

GPシリーズ・アメリカ大会・フリー

2008年10月27日 22時05分03秒 | 2008-2009年シーズン
放送前に結果を知ってしまった。キム・ヨナさんの優勝は予想通りでしたが安藤美姫さんと中野友加里さんの順位が入れ替わっていたので、こちらの方が注目であった。

キミー・マイズナー 合奏協奏曲第11番(ヴィヴァルディ)、アダージョ(アルビノーニ)
レイチェル・フラット 交響詩「海」(ドビュッシー)、組曲「ペレアスとメリザンド」より前奏曲(フォーレ)
長洲未来 「天国と地獄」など
安藤美姫、中野友加里 バレエ音楽「ジゼル」(アダン)
キム・ヨナ 交響組曲「シェエラザード」(R・コルサコフ)

上記通り、結果は別としてクラッシック音楽ファンの私としてはこたえられないフリーの演技となりました。レイチェル・フラットの放送の時、曲目を実況ではドビュッシーの「海」のみ紹介していましたがフォーレを紹介していないのは残念だった。初めて聴く方もいらっしゃるはずなのできちんと紹介して欲しいものである。
また、長洲未来さんの曲目の音源を知りたいものである。しゃれていたので一度きちんと聴いてみたいものである。

予想通りキム・ヨナさんの「シェエラザード」はジャンプでミスはありましたが圧巻でした。妖艶さが出て来てゾクゾクするものがありました。大好きな曲なので次に登場する中国大会では、どのように進化しているか本当に楽しみです。

安藤さんと中野さんの「ジゼル」の競演が私にとってアメリカ大会の一番、楽しみにしていました。正直いって安藤さんの演技は予想通りでしたが、驚かされたのは中野さんの演技でした。安藤さんはフィギュアスケートそのものと言っていいと思いますが、中野さんはバレエの要素をしっかりと押さえているのには驚かされました。特に中間部の片脚での演技はバレエでのこの曲のシーンと全く同じである。単に表現力が増したというだけのレベルではありません。それでも、まだまだ彼女にとって万全の演技ではなかったのでキム・ヨナさんと同様、これからどう進化し凄みを増すのか目が離せません。
それにしても中野さんが安藤さんと同じ競技会に出場して安藤さんより上位になったのは初めてではないでしょうか?記憶がありません。一歩、一歩、確実に階段を上がっているのが実感出来ました。彼女のファンとして感概無量である。(もちろん安藤さんには今後も最高の演技を期待しています)
アメリカも昨シーズンまでジュニアだったフラットや長洲未来さんがマイズナーを完全に押しのけてしまった感があり、こちらも注目である。

それにしても11月の代々木でのNHK杯、見に行きたいものである。東京のファンがうらやましい限りである。

GPシリーズ・アメリカ大会・SP

2008年10月27日 09時40分45秒 | 2008-2009年シーズン
いよいよフィギュアスケートシーズン開幕である。
GPシリーズ・アメリカ大会ショート・プログラムの録画を見ました。今年からはシーズン初めからBSデジタル放送で楽しむ事が出来るので画像も鮮やかである。
アメリカ大会の出場メンバーでは浅田真央さんは登場しませんが豪華メンバーでたいへん楽しむ事ができました。

最初は私のアイドル長洲未来さん
「モダンタイムス」を中心にチャップリンの映画音楽を使っているのが嬉しかった。衣装も可愛かった。また全米選手権での優勝で自信をつけてきたようでひとまわり大きくなったように感じました。

中野友加里さん
まだエンジン全開ではないようで手堅くまとめた感がありますが、それでも昨シーズンと比べて美しさを増してきたようである。
録画を見ていると財務大臣閣下が一発。
大臣閣下「この曲のCDはすでに買ったのでしょうな~!」
私「・・・」
浅田真央さんのフリーの放送の時、何を言われるのか恐ろしくなってきました。

安藤美姫さん
ステップの時のまさかの転倒は残念でしたが、ジャンプは本当に素晴らしかった。今後の期待しましょう。

最後にキム・ヨナさん
リンクに登場したとたん、凄い貫禄である。ミスはありましたがSPでこれだけの演技を見せてくれたのでフリーは、どんな演技を披露してくれるか期待がふくらむばかりである。

今晩はいよいよフリーである。初めて見る事のできる安藤美姫さんと中野友加里さんの「ジゼル」そしてキム・ヨナさんの「シェエラザード」。胸が高まります。

「スターズ・オン・アイス」

2008年10月26日 23時51分53秒 | 2008-2009年シーズン
来年1月10日の大阪なみはやドームでのスターズ・オン・アイスのチケットを確保しました。本当はリンクサイドで見たかったのですが不本意ですがスタンド席となりました。理由は2枚購入となったからです。財務大臣閣下が私の監視役で一緒に行く羽目となってしまいました。公演後のリンクサイドでのタッチは今回もお預けとなりました。しかし今年の7月の新横浜でのFOIでは荒川静香さんの美しさをベストの位置で堪能することが出来たので贅沢を言うのは止めましょう。

また再び荒川静香さんと中野友加里さんに会えます!そして初めて生で見るサーシャ・コーエンの演技も楽しみです。そして、そして浅田真央さんに安藤美姫さんも登場予定である。凄い顔ぶれのアイスショー、胸がドキドキしてきました。

初めて聴いた生の歌劇「トゥーランドット」

2008年10月24日 23時22分11秒 | オペラ
本日、ブルガリアのソフィア国立歌劇場の歌劇「トゥーランドット」の公演を我が田舎町のホールへ観にいきました。歌手も知らない方ばかり、舞台装置も簡素なものでしたが、オーケストラと合唱が素晴らしく、プッチーニの音楽の美しさを堪能できました。演出も今、流行の時代設定の読み替えでなかったので、演出が音楽の邪魔をしなかった事も良かった。私にとって最愛のオペラ作品を初めて生の音で聴くことの出来た事は大きな歓びです。
特に今回の公演ではCDではいつも私にとっては退屈に感じていた第2幕第1場の3人の大臣の場面で、この男声の3重唱の面白さ、ユニークさに目が開かされました。実際、3人の大臣の動きと音楽の巧妙さは実際のステージでないと実感できないのではと感じました。
またトゥーランドット姫とリュウの2人のソプラノの対比。トゥーランドット姫にとってはハッピーエンド、リュウにとっては悲劇。この対比をさらにCDで聴き込んでいくつもりです。
地方で歌劇「トゥーランドット」に接することは、めったに無い事でしょう。ひょっとしたら、地方在住の私にとって生で、このオペラを生で聴くことは最初で最後かもしれません。しかし、もし機会があれば、もう一ランク、二ランク上の公演に接してみたいものです。

早く見たい荒川静香さんの来年のカレンダー。

2008年10月23日 00時20分41秒 | 荒川静香さん
荒川静香さんのOfficial Web Siteのイメージ写真が変わりました。
http://www.shizuka-arakawa.com
またまた、うっとりとする写真です。
本屋さんなどでは、もう来年のカレンダーが店頭に並んでいますが、荒川さんのカレンダーはいつ発売されるのでしょうか?早く見たいものです。
クリスマス・オン・アイスも、もうすぐですが今回は「忍」の一字です。

朝比奈隆と「レコード芸術」

2008年10月20日 15時39分58秒 | 朝比奈 隆(生誕100年記念)
ブラームス ピアノ協奏曲第1番二短調 作品15

伊藤 恵(ピアノ独奏)朝比奈 隆指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団

2000年9月サントリーホールでのライブ録音(フォンテック FOCD9221)

今、このCDを聴きながらパソコンに向かっているところである。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は大好きであるが、なぜかピアノ協奏曲は、ほとんど聴かない状態であるが、この前の当ブログのご常連であるハルくんのブログで、この作品が取り上げられていて気になるので久しぶりに聴いてみようという気持ちになったしだいである。当CDが発売されたころ、クリスティアン・ツィマーマンのピアノ、ラトル指揮ベルリンフィルの録音のCDも発売され、こちらも買ってしまったが一回聴いただけで、こちらの方が評判がよかったようですが、そのまんまである。よほどの事が無い限り聴く事はないでしょう。
朝比奈隆、死の1年前の録音(92歳)ですが死の影は全く見当たらない。第1楽章冒頭の重厚な序奏からしてラトルと器が違う。伊藤恵のピアノも女流でありながら指揮者に見事に追随している。第2楽章で表現される憧れ、寂しさはなぜ朝比奈隆がピアノ独奏に彼女を起用したのか、わかるような気持ちがする。
朝比奈隆とこの作品には私自身、思い出があり東京での4年間の大学生生活を終え郷里に帰る直前、東京で最後に聴いた演奏会の作品が朝比奈隆指揮のこの作品だった。(ピアノ独奏は園田高弘)またツィマーマンがショパンコンクールに優勝して初来日しNHK交響楽団の演奏会に登場した時の指揮者は朝比奈隆だった。(曲目はショパンのピアノ協奏曲第1番)
この1曲でいろいろと昔のことが思い出されます。

音楽雑誌「レコード芸術」の最新号の特集は生誕100年記念で朝比奈隆の特集である。プッチーニの生誕150年の特集もあり最新号は私にとって読み応え充分である。私が朝比奈隆を聴き出した頃、彼の新譜のレコードは新譜月評の交響曲のページでは、ことごとく当時、音楽評論家の大御所だったO氏にボロクソに批評され私の現在まで至る音楽評論家不信の大きな原因となっています。そして朝比奈隆が亡くなって7年が経とうとしている現在、「レコード芸術」誌の表紙を飾り、そして大きく特集を組まれる時がこようとは昔のことを思うと夢にも思いませんでした。一人の演奏家を周りの風評に惑わされなく根強く、長年聴いていく面白さ、大切さを、朝比奈隆を知って約30年、この齢になってやっとわかったしだいである。
特集ではいろいろなCDが取り上げられていますが、その中で私が秘蔵?している1960年代、北ドイツ放送交響楽団との録音を集めたアルバムが紹介されていました。私はこの録音を聴いたとき、この当時すでに知る人ぞ知るたいへんな存在であったことを思い知らされたものです。アルバムにはモノラル録音ですが私の大好きなフランクの交響曲の録音も含まれており大切にしたいと思います。

フルトヴェングラーのロッシーニ

2008年10月20日 10時24分53秒 | 今日、聴いたCD
ロッシーニ 歌劇「絹のはしご」序曲 (1930年録音)
ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」序曲 (1935年録音)

ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(輸入盤)NAXOS 8.111003

フルトヴェングラーのロッシーニである。トスカニーニのロッシーニでありません。ナクソスレーベルのヒストリカル・シリーズとして登場した復刻盤である。
聴いてびっくり!「フルトヴェングラーのロッシーニなんて」という思いは見事に吹っ飛ばされてしまった。録音当時は頻繁に演奏会でも取り上げていたのだろうか?思い入れたっぷり。そして後半はロッシーニ独特のスピードが加速していくリズムの刻み。当時のベルリンフィルがうなりをあげている。録音状態がもう少し良ければとは言うまい。フルトヴェングラーはベートーヴェンを演奏する時と同じ気持ちで指揮をしているのでしょう。ロッシーニを聴くというよりフルトヴェングラーを聴くという演奏ですが、思はぬCDの登場でした。

なお、このCDには1926年録音のフルトヴェングラーの初の公式録音と言われているベートーヴェンの5番とウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲も収録されていますが年代的にさすがに聴くのがつらかった。後年の充実した演奏の録音があるので、やはりそちらがメインでしょう。



中野友加里さんの「ジゼル」

2008年10月18日 00時39分45秒 | 2008-2009年シーズン
東京フィギュアスケート選手権(東京ブロック)の表彰式での中野友加里さんの写真を見ると衣装はバレエ「ジゼル」の第1幕の村娘のイメージでバレエと同じブルー系のようである。
http://goyukarin.exblog.jp/9311235
私自身、第2幕の妖精のイメージでホワイト系の衣装を予想していたので見事にハズレである。
「ジゼル」の音楽の中で、どの曲がチョイスされていたのか知りたいものである。
また、フリーで同じ「ジゼル」で登場する安藤美姫さんの衣装や音楽も気になるところである。

歌劇「トゥーランドット」への想い。

2008年10月17日 23時32分53秒 | オペラ
昨日は一週間ぶりの休みでした。世間は11日から13日までの3連休の方も多かったと思いますが、私は相変わらずドタバタ貧乏でした。この齢で休みが一週間あくと体力的にたいへんきつい。昨日は家でぐったりとしていましたが、それでも音楽を聴く気力はあったようで朝から朝比奈隆指揮のグラズノフから始まって夕方、財務大臣が帰宅するまでCD三昧であった。

朝比奈隆指揮のグラズノフのCDといっしょに私の一番好きなソプラノ歌手であるミレッラ・フレーニの歌うプッチーニの三部作(「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」)のデッカでの全曲録音のCDが(初回の発売の時は手が出なかったが今回はお買い得価格だった)届いていたので「外套」から聴くべきですが「ジャンニ・スキッキ」を2度、聴いてしまった。フレーニの歌うラウレッタを聴いて胸が一杯になる。
プッチーニの、この三部作が、あの「トゥーランドット」につながっているのではと、私はかねがね思っています。「外套」はトゥーランドット姫(ドラマチック)、「修道女アンジェリカ」はリュウ(叙情性)、そして「ジャンニ・スキッキ」は三人の大臣(喜劇性)。大掛かりな合唱も加わって、この三部作が一体になったのが「トゥーランドット」と思うのは思い過ぎかな?
来週の24日わが田舎町で何と何と歌劇「トゥーランドット」の公演があります。ブルガリアのソフィア国立歌劇場による公演です。私自身、「トゥーランドット」は一番好きなオペラで、CDで隅から隅まで知っているつもりですが、まだ一度も、このオペラを生の生きた音で聴いたことがありません。当日は一応、仕事は公休にしていますが急な会社の行事ごとで、おそらく夕方までバタバタしていると思われますが夜は会場のホールへ馳せ参じるつもりです。
私の記憶ではCDは持っていませんが晩年のカラヤンがヴェルディの「レクイエム」の録音で、この歌劇場の合唱団を起用したはずです。合唱の聴かせどころが多いオペラなので楽しみです。

「トゥーランドット」の公演が終わると、次はアイスショーである。今、秘かに来年1月10日の大阪での「STARS on ICE 」の公演を狙っています。まだ日本人のゲストスケーターが発表されていないので様子を見ている状態ですが荒川静香さんの名前が発表されたら即手配である。本当は12月の新横浜での「クリスマス・オン・アイス」に行き公演後、同志の方々と御会いしたいのは山々ですが7月に新幹線「のぞみ」で往復という暴挙?をしたばかりなので今回は断念である。とにかく氷上で荒川さんとサァーシャ・コーエンが舞っているのを見たいものである。


朝比奈隆のグラズノフ

2008年10月16日 11時32分16秒 | 朝比奈 隆(生誕100年記念)
グラズノフ    交響曲第8番(1992年1月18日サントリーホールでのライブ録音)
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
リャードフ    八つのロシア民謡より「愁いの歌」(以上1992年1月23日東京芸術劇場でのライブ録音)

朝比奈 隆指揮 新星日本交響楽団(東武レコーディング TBRCD0001-2)

待ちに待ったCDが手元に届いた。朝比奈隆の指揮したグラズノフの作品を今は東京フィルに合併した新星日本交響楽団に客演した時の録音である。当時、新星日本交響楽団の自主製作盤として発売されたのみで入手不能なCDでしたが、やっと日の目を見る事が出来た。私としては長い間本当に聴きたかった幻の演奏である。
朝比奈隆が京都大学時代、師事したのはロシアから亡命していた指揮者エマヌエル・メッテルである。メッテルはグラズノフやR・コルサコフに師事したロシア人指揮者である。朝比奈隆はグラズノフの孫弟子になるという事になります。さてグラズノフの8番は朝比奈隆がメッテルからレッスンをうけた最後の作品らしい。ただ当時の日本のオーケストラの水準では難しいものがあり実際、演奏されるまで長い年月が必要であった。1984年1月朝比奈隆指揮大阪フィルにより日本初演された。このCDはそれから約8年後の録音である。
朝比奈隆といえばブルックナーとベートーヴェンが有名ですが彼の原点はロシア音楽かもしれません。このCDを聴く前、さぞかし無骨でロシア臭さムンムンの演奏を想像していましたが実際は、たいへんスッキリとした演奏で聞きやすかった。そして一番言えることは彼のブルックナーやベートーヴェンの演奏の共通する「格調」の高さである。それでも第4楽章のフィナーレの盛り上がりはさすがである。そして当時の新星日本交響楽団の演奏レベルの高さには驚かされた。朝比奈隆のこの作品に対する想いを噛みしめるばかりである。
2枚目のCDのチャイコフスキーの「悲愴」もグラズノフと同じで「格調」高い演奏である。一つ一つのメロディを本当に心を込めて指揮しているのが実感できる。「悲愴」では私は1994年新日本フィルを指揮したライブ録音を愛聴していましたが今後は、この1992年の録音をよく聴くことになるでしょう。
アンコールで演奏されたリャードフの小品も心に浸みる演奏である。ロシアの作曲家の小品の録音を残して欲しかったものである。チャイコフスキーの「弦楽セレナード」の録音は残っていないのだろうか?
なお新星日本交響楽団との録音ではベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」の録音もあるはずなので、ぜひ発売して欲しいものである。

「華麗なるメトロポリタンオペラ」

2008年10月09日 11時03分20秒 | オペラ
この数日、NHKハイビジョンで「華麗なるメトロポリタンオペラ」が連夜放送されています。初日の「セリビアの理髪師」は録画を忘れてしまいましたが、2日目のグノーの「ロメオとジュリエット」そして3日目のヴェルディの「マクベス」は忘れずに録画したので、やっと見終えたところである。
一番の期待はレヴァインの指揮ということもあるが「マクベス」だったが、感想は「無残」の一言であった。魔女の合唱など見ていられない。舞台設定を現代に読み替えてのステージではあったが何ら面白くない。血に塗られたようなストーリーなので演出家はドロドロした部分をエキサイトして強調したかったのだろうが何といっても、このオペラの原作はシェークスピアであり音楽はヴェルディである。格調というものと作品に対する敬意が欲しい。レヴァインの指揮だっただけに本当に残念であった。

「マクベス」でがっかりした後「ロメオとジュリエット」を見る。ロベルト・アラーニャのロメオ、アンナ・レトレプコのジュリエット、そしで指揮が何とあのテノールのプラシド・ドミンゴである。
不安な気持ちの中で第1幕の幕が開く。ホッとする。あの「ロメオとジュリエット」の世界をぶち壊していない。メトとしては簡素な舞台装置であるが見事な舞台転換を見る事が出来る。
しかしこの公演の一番の見所はやはりレトレプコのジュリエットである。美人に弱い私は彼女が登場すると目が離せなかった。ハイビジョンなので彼女の肌の状態まではっきり見えて血圧が上がりっぱなしである。第1幕の舞踏会の場面でのジュリエットが歌う「美しき夢に」あたりでは彼女の声はこの役では重たいかなと思っていたのですが幕が進むにつれて気にならなくなりました。そして第4幕第1場のジュリエットの寝室でのロメオとのラブシーン(ベッドシーン)にはノックアウトである。ここまでやるかと思いワ~という感じで、めまいがしそうであった。ロメオ役がビリャソンでなくアラーニャで本当に良かった!
ドミンゴの指揮姿は初めて見ましたが本当に板についている。あの超人的なスケジュールの中でいつ指揮を勉強したのだろうか?驚きである。

今晩の放送は「ヘンゼルとグレーテル」でる。メトの豪華な舞台装置に期待しましょう。