朝、久し振りに病院へ行く。
血圧を測る。高い!医師からも「やせたのでは?」と言われてしまう。疲労がとれない日が続いている為か。今の職場は、今月いっぱいである。来月から新しい赴任地である。もう少しの辛抱である。
病院の帰り、本屋によって音楽雑誌「レコード芸術」の最新号を買って帰る。今回の最新号は追悼特集が多い。吉田秀和氏の絶筆となった「之を楽しむ者に如かず」を読む。吉田氏の死の前日に編集者が本人から原稿を受け取ったとのこと。直筆による遺稿となった生原稿の写真が掲載されていた。パソコン時代の現在、全て手書きである。死の直前まで原稿用紙に向き合っていた姿を思い浮かべると感慨無量の気持ちとなる。
特集では、先月号の特集のピアニスト・ランキングでの吉田氏の感想が興味深かった。ホロヴィッツが1位だったのだが、吉田氏だったら誰を1位にしていたのだろうか?グレン・グールドかな?
私の1位は、やはりウィリヘルム・バックハウスですが、評論家たちの順位では何と11位で驚いた。バックハウスも、だんだんと忘れられていく存在となるのであろうか?いろいろと考えさせられました。
昼からNHK・BSで映画「さよならをもう一度」を見る。
音楽にブラームスの交響曲第3番第3楽章が使われている有名な作品ですが、私は今回、初めて見ました。
フランソワーズ・サガン原作の映画化。イングリッド・バーグマン、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンスが顔を合わせた1961年制作の作品。
ブラームスの交響曲第3番第3楽章のアレンジが面白かった。
まさに大人の映画。おそらくCG全盛の現在では、もう創ることはる出来ないのでは思ったりしました。
そして、どうしても中心になるのはイングリッド・バーグマン。
若い時代のハリウッドでの作品の姿も美しいのですが、仕事と家庭を捨ててイタリアの映画監督ロベルト・ロッセリーニの元に走り、そして別れた後の作品の方が、何か女性の持つ本当の美しさが出ていて、私は好きです。
今回、この映画を見ていて、顔の表情に現れるしわ1本からも何かバーグマンが歩んできた人生が投影されているようで、改めて女優としての凄さを強く感じたしだいです。
「ブラームスはお好き」