オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

「Book for Charity」

2011年06月30日 23時02分19秒 | 浅田真央さん
浅田真央さんの「Book for Charity」が届きました。
読み始めてすぐ、核心に触れることができました。
CSでの放送での解説でお馴染みの杉田秀男氏のコメント。
「スケートの基本は、やはり滑ること。すなわちスケーティングなのです。行きつくところに行きつけば、滑りの良さが、全てを決します。今の真央ちゃんが挑戦している根本にも、高度なスケーティング技術の習得があります。佐藤信夫コーチが、大切にしているのも、まさにそこです」

このコメントが現在の浅田真央さんの全てであろう。

また、今年の世界選手権を物語る藤森美恵子さんのコメント。
「選手には、バイオリズムというものがあります。そのバイオリズムのピークを試合にいかに合わせるが、大きなテーマですし、真央ちゃんも東京大会にピークがくるように準備していたのだと思います。それが1か月延期になった。それが1ヶ月延期になって、もう1度ピークに持っていきたかったのだろうけれども、出来なくて、結局調子が落ちてしまったのだと思います」
また真央さんのお母様のコメント。
「(真央は)そんな器用なタイプではないんですよ。(中略)途中で計画が狂ってしまうと、取り戻すのに時間がかかってしまうんです」
真央さんの世界選手権での葛藤が伝わってくるようである。

浅田真央さんはソチまでの道のりを、まわり道をしながら、しかし、しっかりと目標を見据えて進んで行くのでしょう。
私たちは、黙って真央さんのあとをついて行くのみである。



「バーレスク」

2011年06月29日 22時52分42秒 | 鈴木明子さん
2011 Dreams on Ice Akiko Suzuki


鈴木明子さんの新しいエキビシション・プログラム。

鈴木明子さん、素敵!

鈴木明子さん、愛してる~!



久し振りに、3年前のNHK杯での中野友加里さんの「ジゼル」の映像を見る。

目頭が熱くなる。

あ~!やっぱり、私は中野友加里さんのことを忘れることが出来ないのか!


荒川静香さんの解説も素敵!

お葬式

2011年06月28日 16時12分19秒 | 私事
今日は私の妹の嫁ぎ先で突然の御不幸があり、葬儀に列席するため、公休日を振り替えて、早朝より自家用車で高速道路を突っ走って愛媛県東予市へ行く。
お隣の県であるのに、葬儀の作法、風習が全く違うことに、たいへん驚く。
葬儀も終わり、最後のお別れの時を待つ間、会場内にチェロ独奏による音楽が流れる。
はて、何の音楽だったか?と、しばらく思案していると、やっと思い出す。
映画「おくりびと」のテーマ音楽である。
こういう場で聴くと、また感ずること多々あり。
死は突然やってくるもの。
故人は数日前、私の母と元気に電話で話をしていたらしい。
生前、自分が自身の葬式に流して欲しい音楽を指定することは難しい。
もし、私が家族に、こんなことを言うと「縁起の悪いことを言うな!」と一喝されるに違いない。
私は出来たらベートーヴェンの交響曲第9番から第3楽章、またはワーグナーの「ジークフリート牧歌」を流してほしいな。
いやいや、こんなこと考えることは、よそう。
明日はお仕事。仕事を頑張ろう!
たた、葬式に列席すると、どうしても死について、考えてしまうのは、しかたあるまい。

音楽評論家

2011年06月26日 21時34分16秒 | 音楽
一昨日、私が、ほとんど音楽評論家を信じていないとコメントしました。
これが、いつからなのか、いろいろと思い出してみると、やはり約30年前、私の大学生時代まで、さかのぼります。
当時、東京で大学生時代を送っていた私は指揮者・朝比奈隆の演奏会を聴いて、たいへん感動し、彼のレコードも購入するようになりました。その中で、当時「レコード芸術」の交響曲の新譜月評を担当を担当していたのが、当時、音楽評論の大御所だったO氏でした。そして朝比奈隆の新譜レコードのO氏の批評は、ケチョンケチョンで、あれだけ素晴らしい演奏なのに!あれだけ会場が熱狂していたのに!と思うばかりで早くO氏には交響曲の新譜月評を降りて欲しいと思うようになってしまいました。その反面、ベームファンの私が聴いても首をかしげたくなる録音が大絶賛で、?の連続でした。音楽評論家と私は所詮、人種が違うのだと思うばかりで、坊主憎けりゃ袈裟までも、ではありませんが音楽評論家に対して大変な不信感が生まれ、それが現在までも続いています。所詮、大手レコード会社の提灯持ちばかりである。
音楽評論家は単に有名な演奏家の録音を誉めるだけでなく、少しでも、いろいろな作品や演奏家に光をあてて、私たちに教えて欲しい。
6月号のカール・ベームの没後30周年の特集は面白くなかった。気合が入っていなかった。本当にベームの芸術に心酔した方にコメントして欲しかった。

その中で現在、私が認めているのは3氏のみ。
吉田秀和氏、宇野功芳氏、高崎保男氏の3氏である。

吉田秀和氏は、賛同するしないは別として、吉田氏が、この演奏を、この演奏家を、どう思っているのか常に興味を持たせてくれます。そして吉田氏が推した録音は、ぜひ聴いてみたいと言う欲求が湧いてきます。本当に不思議である。
そして、私自身、齢をとっても吉田氏のように音楽と向き合いたい。最近、そんな思いが強くなってきました。

宇野功芳氏は私に朝比奈隆、クナパーツブッシュ、そしてブルックナーの音楽を教えてくれた方である。「レコード芸術」の交響曲の新譜月評でO氏が、朝比奈隆をケナシテいた時代、本当に朝比奈隆の演奏の魅力を伝えてくれたのは宇野氏のみである。そして、朝比奈隆を通じてブルックナーの魅力を知る事が出来ました。
私にとって、一番、私に影響があった音楽評論家である。

高崎保男氏は私のオペラの師といっていい存在である。ヴェルディの第1作のオペラ「オベルト」から最後の「ファルスタッフ」まで、ヴェルディの全オペラを語ることの出来る音楽評論家は高崎氏のみであろう。
この前、「ヴェルディ全オペラ解説」の第1刊目が発売されました。この本にはヴェルディの処女作「オベルト」から第10作の「マクベス」が紹介されています。初期のヴェルディのオペラを詳しく解説した本が皆無だけに画期的です。
この本の帯に「これ以上詳細な解説書はありません!」と記されていますが、これは誇張ではありません。事実です。
最近、オペラ全曲の新譜CDが、めっきり少なくなったので、願わくはビデオ(DVD)の新譜月評を担当して欲しいと思っているのは私だけでしょうか?

どうも私は、私を新しい領域、未知の領域へ導いてくれた音楽評論家を信じているようである。
今日、吉田秀和氏著の「永遠の故郷」より「夕映え」が届きました。
最初の紹介されているのはベートーヴェンの歌曲「君を愛す」である。私の手元にテノールのフリッツ・ヴィンダーリヒのCDがあります。
次の休みの日に、ぜひ聴くことにしましょう。

期待の星 日本版

2011年06月25日 22時36分21秒 | 2010-2011年シーズン
こんな映像を見つけた。



私のフィギュアスケートの海外のスケーターの期待の星は、アメリカのアグネス・ザワツキー。
そして我が国のスケーターの中での期待の星は大庭雅さん。
昨年のグランプリ・ファイナルの直前の放送ですが、大庭さんの特集が組まれていて本当に嬉しい。

「レコード芸術」最新号

2011年06月24日 10時59分51秒 | 音楽
私が毎月、購読している音楽雑誌「レコード芸術」の最新号の特集は音楽評論家の吉田秀和氏の特集だった。「レコード芸術」を購読して約35年になるが音楽評論家の特集は、記憶にない。びっくりである。私は、現在、音楽評論家という肩書きの人々を、ほとんど信じていません。しかし、その中で吉田秀和氏は、私が音楽評論家として認めている数少ない一人である。数年前までは「レコード芸術」を購入して、すぐにページをめくっていたのが新譜月評でしたが、今は吉田氏の連載「之を楽しむ者に如かず」である。
賛同する、しないは別として、いろいろな演奏が吉田氏の心のフィルターを通すと、どう感じているのか、たいへん興味があるからです。
さて、今回の特集は最近の特集の中で、たいへん読み応えがあった。
吉田氏は現在、御歳97歳であるが、バリバリの現役である。数年前、NHKの教育放送で吉田氏の特集があり、吉田氏が音楽と向き合う姿を見て、たいへん心に残りましたが、今回の特集記事も同じ気持ちです。私自身、あと何年、生きるか分かりませんが、いつまでも吉田氏のように音楽と向き合いたいと、今回は強く思いました。
吉田氏が使っているオーディオ装置の写真もありましたが、ごく普通の装置である。
「暮らしの中で音楽とつきあう」
日頃、仕事でバタバタしている私にとって心に響く言葉である。
また、自分自身の音楽の聴き方が普通の音楽ファンと比べて、ズレがあるようで、今まで聴いてきたことは、いったい何だったのだろうかと、このところ自問自答して、苦しんでいました。
そんな状態が続いている中で、この前、テレビでロジャー・ノリントンの指揮するNHK交響楽団のベートーヴェンの演奏を聴いて、非常に感銘を受けました。フルトヴェングラーやワルターが好きな人にとって、ノリントンの演奏など、受け入れられないものがあるかもしれませんし、私の大好きな朝比奈隆の演奏から見ると全く反対の世界です。しかし、ノリントンの演奏から心の響きが聴こえたのが事実です。こんな私は、やはり、おかしいのでしょうか?
しかし本当に救いでした。やはり音楽は音楽。演奏様式は違っても、流れてくるのは音楽である。それを、感ずるままに、きちんと、じっくりと聴いていこう。少しずつ立ち直れそうです。

「レコード芸術」の特集での吉田氏のコメント。

「みんなに伝わる客観性を持たせる努力はすべきですが、自分の”根”から離れてはいけません」

やはり一番大切なのは自分自身である。自分自身の音楽観を大切にして、音楽を終生の心の友として、これからも、いろいろな演奏を聴いていきたい。他人様のために聴いているのではない。
昨晩、ネットで吉田氏の著書「永遠の故郷」から「夕映」を注文しました。まだ読んでいなかった。声楽曲の大好きな私にとって、今後の大きな指針になるのでは?という予感があります。

さて一昨日は夏至でした。一年の中で一番、昼が長く、夜が短い一日ですが、せっかく当日は公休日なのに、仕事の疲れからか、昼間、ほとんど横になっていて、体がシャキッとしたのが日没の頃、薄暗くなってきてからという、情けなさでした。
私にとって2日遅れの夏至として、今日はメンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」のCDを聴きました。演奏はアンドレ・プレヴィン指揮のウィーンフィルによる1985年の録音である。
この作品の中では「結婚行進曲」が有名ですが、私は「序曲」が大好きである。見事なウィーンフィルの響き。そして当時のPHILPSによるウィーンのムジークフェラインザールでの見事な録音。
また「夜想曲」でのホルンの響き。やはり、こんな響きはウィーンフィルでないと出ません。
現在、デッカから発売されていますが、初めての発売の時のPHILPSの録音の良さは残っているのでしょうか?気になります。

氷上のプロポーズ

2011年06月23日 22時17分14秒 | 2010-2011年シーズン
Qing Pang & Jian Tong - Marriage Proposal


中国のペアのチン・パン&ジャン・トンの氷上のプロポーズの映像。
幸せそうで、本当に何より。とにかく、お幸せに!
私は仕事の面では、不幸な日々が続いています。落ち込むばかり。
このペアには今年も、ぜひとも「フレンズ・オン・アイス」に登場して欲しい!
昨年、目の前で見たスロージャンプやツイストは本当に、しびれました。
「見果てぬ夢」、最高でした。

酒を飲みながら、ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」のDVDを見ていたら、財務大臣閣下が乱入してきた。
「うるさい!ボリュームを下げろ!」
私は本当に不幸である。


ベートーヴェンの交響曲第2番

2011年06月22日 14時42分52秒 | NHK交響楽団
この前の日曜の早朝、NHK・BSでNHK交響楽団の定期演奏会の放送がありました。本日、録画を見る。
ロジャー・ノリントン指揮によるオール・ベートーヴェンプログラム。
曲目は「プロメテウスの創造物」序曲、交響曲第2番、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」の3曲。
私の1番のお目当ては交響曲第2番。
さて交響曲第2番。良かった!そして面白かった!
特に第1楽章が凄かった。冒頭の部分を聴いただけでも、この作品が第3番と、ひけを取らない大きな曲であることを実感する。そしてヴィブラートを極力削ぎ落としたピュア・トーンによる演奏で聴くと、この曲の斬新さ(前衛性と言うべきか?)がよく分かる。ティンパニの強い音も印象に残った。あれだけ強く叩いても、けっして外面的にならないのは、さすがである。
今回のノリントンのN響への客演で、ノリントンは私にとって現役指揮者の中で1番目が離せない存在になりました。
また指揮振りも面白い。バーンスタインのようなオーバーアクションはありませんが、表情豊かで面白かった。これからノリントンは毎シーズン、N響に客演するようで、本当にN響の定期の会員がうらやましい。

ノリントン指揮による演奏の録画を見たあと、ブルーノ・ワルターがコロンビア交響楽団をした1959年録音の交響曲第2番のCDを聴く。こちらは名盤中の名盤。これを推薦していれば他人様から絶対に非難されない水戸黄門様の印籠のような名盤である。
ノリントンのあとにワルター。
本当に私は節操の無い聴き方をする最低の聴き手かもしれません。
ノリントンと全く違う演奏。まさにワルターの世界である。やはり第2楽章は他の追随を許さないワルターの独壇場である。歌心、そして表情豊かさが、あふれた演奏。正にワルターの名人芸と言って良いでしょう。1959年の演奏だが、そこには古さは無い!

2つの交響曲第2番の演奏を続けて聴いて今は亡き朝比奈隆のコメントを思い出しました。
「この前、久し振りに第2番を指揮しました。今回、改めて、この曲の、したたかさを強く感じさせられました」
いろいろな演奏様式を受け入れることが出来るベートーヴェンの交響曲の懐の深さ。
根源にあるベートーヴェンの作品の持つ強さを感じます。
今後も視野を広く持って、いろいろ聴いてみたい。


来シーズンも「愛の夢」

2011年06月21日 21時57分08秒 | 浅田真央さん
浅田真央さんの来シーズンのフリーのプログラムは2シーズン連続で「愛の夢」とのこと。
、「最高の演技ができていない状態で、『愛の夢』を終わらせてしまうのは寂しい」と言うのが理由らしい。
私としては、さらに素敵になるだろう「愛の夢」を見ることが出来るのは嬉しいです。
SPのプログラムに関しては、まだ内緒らしい。

「大地の歌」

2011年06月19日 22時57分19秒 | 音楽
昨日の深夜、NHK・BSでアバド指揮ベルリンフィルによるオール・マーラープログラムの演奏会の放送がありました。曲目は交響曲第10番より「アダージョ」そして交響曲「大地の歌」である。翌日、仕事なので「アダージョ」のみ放送を見て、これ以降は録画にして寝ました。
交響曲第10番は近年クック版による5楽章形式で演奏されることも多くなりましたが、アバドは昔から第1楽章の「アダージョ」しか演奏しません。今回の演奏の「アダージョ」のみである。しかしテレビの字幕を見て驚きました。「クック版」と表示されていました。本当に、ビックリである。録画しなかった。残念。

さて、録画していた「大地の歌」を見終わりました。
久し振りに見るアバドの姿を見て「齢取ったな~」と強く思う。しかし私も齢を取ったので当たり前か!
大昔、私が初めて聴いたマーラーの作品が「大地の歌」である。第1楽章は本当に衝撃的だった。
「生も暗く、死も暗い」

それにしてもベルリンフィルは本当に巧い。特に名手パユによるフルートの音色は本当に素晴らしい。主席奏者の名人芸を聴くのも、オーケストラを聴く面白さの一つである。
そして、やはり一番、心に残ったのはメゾ・ソプラノのアンネ・ゾフィー・オッターの独唱でした。本当に良かったな。
そして、この作品の核心と言うべき最終楽章の「告別」はいつ聴いても、心に残ります。
オッターの独唱は本当に心に響きました。

「永遠に!永遠に!」

後日、改めて、仕事が休みの日に、じっくりと「大地の歌」を聴くことにしましょう。

映画「オズの魔法使い」

2011年06月18日 21時33分16秒 | 映画
私は映画も大好きです。NHKのBSなどで興味のある作品が放送されると出来る限り録画しています。
数日前、NHK・BSで昼間にミュージカル映画「オズの魔法使い」が放送され、昨日、録画を見ました。この作品は、何度かビデオで見ていますが、今回、改めて見ても、ますます、この作品の良さ、奥の深さに感動をあらたにしました。やはり、いい映画は何度も見れば見るほど感動が深くなります。

まずメインテーマを聞いただけでジーンとくるものがあります。浅田真央さんがジュニア時代この作品をプログラムに入れていましたが、浅田さんが使っていたのはサウンドトラック盤だったのかと思うと感概深くなります。
そして「オズの魔法使い」というと、やはり「虹の彼方に」が有名です。
「虹の彼方に」と言えば、2年前の「フレンズ・オン・アイス」での、荒川静香さんとキッズスケーターによる演技が忘れられません。私の心の1ページです。

さて映画「オズの魔法使い」の主演はジュディー・ガーラント。私の大好きなミュージカル女優、いや最高のミュージカル女優である。フレッド・アステアとの共演の「イースター・パレード」は大好きな作品です。
映画「オズの魔法使い」は彼女の出世作ですが、当初MGMは主役には20世紀FOXの専属だった、当時、人気絶頂だった子役スターのシャーリー・テンプルに御執心で、MGM専属の大スターであるクラーク・ゲーブルを貸し出すから、ぜひと交渉したが蹴られたらしく、ジュディー・ガーラントに、主役がまわってきたと言う話を聞いたことがあります。

今回、映画「オズの魔法使い」を見ていて、いろいろ考えさせられました。
人間にとって大切なものは何か?
考えること(案山子男)、心・ハート(ブリキ人間)、勇気(ライオン)
しかし、この三つは心の持ち方しだいで、誰にでも得ることが出来る。
私自身、この齢になって、この映画の本当のテーマが、やっと分かってきたような気がしました。

素晴らしい音楽に、素晴らしいカラーの映像。今、見ても古さを全く感じさせない。
この作品は1939年の作品である。日本の年号ですと昭和14年の作品である。
この年、映画「オズの魔法使い」はアカデミー賞の作品賞にノミネートされましたが、獲得できませんでした。
この年、作品賞に輝いたのは、あの「風と共に去りぬ」である。
日本は、たいへんな国と戦争したものである。「オズの魔法使い」を見て、そんな思いが私の頭の中を駆け巡ってしまいました。

さて明日の夜、NHK・BSで市川崑監督の「おとうと」(1960年、大映)が放送されます。主演は岸惠子。音楽は芥川也寸志。撮影は宮川一夫。
数ある日本映画の傑作の中で、傑作中の傑作の作品だと私は思っています。
この作品を多くの方々に見て欲しいものと強く思っています。 


カール・ベーム、没後30周年、「バックハウス」

2011年06月17日 16時03分06秒 | カール・ベーム(没後30周年)
ベーム没後30周年にちなんで、ベームの遺したCDをいろいろ聴いていますが、今日は久し振りにブラームスを聴いて心から感動しました。
ただ、ブラームスと言っても交響曲ではない。今回はピアノ協奏曲第2番である。私がブラームスの交響曲を語ることはないだろう。
さてピアノ協奏曲第2番である。ピアノはヴィルヘルム・バックハウス、オーケストラはウィーンフィル。1967年デッカでの録音である。



ベームとバックハウスそしてウィーンフィルとの組み合わせは世界最高と言われていたらしい。
この組み合わせでベートーヴェンの3番やブラームスの3番の名演奏の録音もありますが、モノラル録音。ブラームスの第2番とモーツァルトのK.595のみがステレオ録音で残っている。K.595もたいへんな演奏なので後日、改めてコメントするつもりです。
かなり以前、テレビでベームとバックハウス、そしてウィーン響(もしウィーンフィルだったら・・・)によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の映像を見た事があります。(どこかに録画したビデオテープがあるはず)
演奏も素晴らしかったですが、何といってもバックハウスの表情に深く引き込まれるものがありました。特に目の表情!この世から超越しているような表情だった。
そんなバックハウスを支えるベームとウィーンフィル。おそらく実際のコンサートでは私の想像を超えた演奏を繰り広げられたに違いありません。
ベームとバックハウスは公私を超えた関係だったらしい。
戦前、ドレスデンでもブラームスの2番を録音しているので長い関係だったようである。
ベームの自伝「回想のロンド」でも書かれていますが、戦時中、スイスに寄宿させていたベームの息子をいろいろと援助していた1人が、すでにスイスの市民権を手にいれていたバックハウスとのことである。

1967年のブラームスのピアノ協奏曲第2番の録音は、この作品というだけでなく多くのピアノ協奏曲の録音の中でも最高峰の録音であると私は固く信じています。正に世界遺産と言ってもよい録音である。
第1楽章の冒頭、別世界のようなコクのあるホルンの響きのあと、淡々としているが、限りなく深く、堂々とした風格と感じさせるバックハウスの弾くピアノ。そしてベーム指揮ウィーンフィルの超ど級というべき演奏。第1楽章の冒頭で全てが決まったという感を強くします。
また第3楽章のチェロ独奏のこの世のものと思えない美しさ!
それをウィーンフィルから引き出したベームに私は心から尊敬の念を禁じ得ません。

デトロイトの鈴木明子さん

2011年06月15日 17時24分55秒 | 鈴木明子さん
2011-06-09 Detroit Skating Club show - Akiko Suzuki


6月9日、デトロイトで開催されたアイスショーでの鈴木明子さんの映像を見つけました。
私としては、やはり8月27日新横浜での「フレンズ・オン・アイス」の公演での鈴木明子さんのプログラムが楽しみです。
余談ですが本日、「フレンズ・オン・アイス」へ行くための航空券、ホテルの予約が完了しました。当日へのカウントダウンが始まった!と言うのが実感です。

カール・ベーム、没後30周年、「エレクトラ」

2011年06月15日 10時02分36秒 | カール・ベーム(没後30周年)
Elektra's death dance (Leonie Rysanek)


クラシック音楽の映像化と言えば、すぐにカラヤンを連想しますが、ベームも多くの映像を残しています。
ベームファンとして忘れてはいけないのはR・シュトラウスの楽劇「エレクトラ」の映像です。
ベーム生涯最後の録音である。ウィーンフィルを前にしての最後の録音が1981年6月11日。そして亡くなったのが同年の8月5日。なお6月11日はR・シュトラウスの誕生日である!
まさにベームの遺言と言うべき録音である。
生涯最後の録音に「エレクトラ」を選んだベーム。生涯に渡ってR・シュトラウスの多くのオペラを指揮を続けてきた中で「エレクトラ」を選び、録音そして映像化した理由は何だろうか?
ベームはギリシャの歴史や文化、哲学にも造詣が深かったらしい。若いころから、それらが体に染み渡っていたらしい。そしてR・シュトラウスの音楽。台詞(せりふ)と音楽の一体化。数多くのオペラの中でも最も規模の大きい管弦楽編成。
生涯、オペラと共に生きてきたベームにとって、やはり「エレクトラ」は特別な作品であり、最高の作品という思いが強かったのかもしれません。

戦後、ウィーンを中心にベームの指揮する「エレクトラ」の公演でのエレクトラ役はビルギッド・ニルソン、クリテムネストラ役はレオニー・リザネクがほとんどでしたが、この録音では長い間ベームのクリテムネストラ役だったレオニー・リザネクがエレクトラ役である。おそらく映像化という事を念頭においての配役でしょう。リザネックはベームの期待通り見事なエレクトラである。とてもエレクトラ初役とは思えません。
リザネックとの最初のピアノリハーサルでベームは言ったそうである。
「言葉が全然聴き取れないじゃないか。テキストはものすごく大事なんだよ」
音楽と台詞(せりふ)。ホフマンスタールのテキストの大切さ。
R・シュトラウスというと、どうしても大掛かりなオーケストラの響きの方へ気が行きがちですが、R・シュトラウスのオペラにとって一番大切なものは何なのか改めて教えてくれた気持ちになります。

クリテムネストラ役はバイロイトでも活躍したワーグナー歌手のカタリナ・リゲンツァ。リゲンツァの扮するクリテムネストラは本当に美しい。乙女の初々しさ、そして強さが伝わってくる。見事な配役といえます。録音や映像に恵まれていなかったリゲンツァだけに、この「エレクトラ」の映像はたいへん貴重です。写真は見た事はありますが彼女の演ずるワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の映像は残っているのだろうか?舞台栄えする見事なイゾルデであったに違いありません。

その他フィシャー・ディースカウ、アストリッド・ヴァルナイ、ヨーゼフ・クラインドル、クルト・ベーメといった名歌手がこの録音に厚みを加えてくれます。
そしてウィーンフィル!
ベームには1960年のドレスデンでのスタジオ録音もあり、こちらも「エレクトラ」を語るには絶対はずせない録音ですが、どうしてもベーム最後の録音ということで、この最後の「エレクトラ」を取り上げました。
このオペラの持つ懐の深さ、作品の本当の真価を私自身、充分に理解できているとは、まだまだ思えません。
ベームが亡くなって30年経ちましたが、これからも演奏と映像を通じて教えてくれるでしょう。