最近、書店にて2週間おきに「東宝特撮映画セレクションDVD」が発売されている。1セット1990円の超お買い得価格である。創刊号は「ゴジラ」で、すでに5刊発売されている。
小学生時代、ちょっとした怪獣博士だった私は歓喜の声を上げて、財務大臣閣下の白い目も何のその。ひたすら購入しています。
東宝の怪獣映画は昭和29年の「ゴジラ」から昭和43年の「怪獣総進撃」までが一つのピークだと思います。私にとっての怪獣映画もこの期間の作品に尽きると思います。
怪獣映画も多数封切られましたが、私は怪獣同士のバトル物より一匹だけ怪獣が登場する作品の方が好きです。第1作目のため新鮮さがあり、また怪獣の特色や時代背景すら強く強調され面白い。
「ゴジラ」の第1作は原水爆の恐怖が大きなテーマになっていますが、これ以降のコジラが登場する作品は、だんだんと、このテーマが希薄となりコジラ対他の怪獣とのバトルが中心になってしまった。
さて、このDVDコレクションの最新号は「モスラ」である。
ゴジラが登場する作品には無いファンタジー的雰囲気を漂わせている。それでいてモスラの幼虫、さなぎ、そして成虫へと変化していく面白さがあり、特に幼虫が東京タワーが破壊する場面は圧巻である。モスラが登場する作品は後年、多数作られたが、この「モスラ」第1作の面白さは無くなっている。
そして「モスラ」が他の東宝怪獣映画とまた違った印象を与えられる、もう一つの要因として音楽もあるのではないかと思われます。
「ゴジラ」から「怪獣総進撃」までの作品の音楽のほとんどが伊福部昭が担当しています。例外として「モスラ」と「ゴジラ・モスラ・エビラ・南海の大決闘」の2作品が他の作曲家に委ねられています。(「ゴジラの逆襲」も?)
「南海の大決闘」の音楽は佐藤勝である。佐藤勝は言わずと知れた黒澤明監督作品などでの映画音楽の巨匠である。
そして「モスラ」は何と古関裕而である。古関裕而は「長崎の鐘」や「君の名は」など流行歌の作曲家として有名であるが「モスラ」では彼のオーケストラ音楽を聴くことが出来ます。
調べてみると古関裕而はストラヴィンスキーやR・コルサコフに傾倒して、20歳前後に独学で勉強し作曲したオーケストラ作品のバレエ音楽「竹取物語」が昭和4年の英国国際作曲コンクールで第2位に入賞するという大快挙を成し遂げたが、当時、日本ではクラシックの作曲家を受け入れる土壌がまだ無い時代だってため流行歌の世界に身を投じたようである。
「モスラ」ではオーケストラ音楽への才能の片鱗を聴くことが出来ると言えるでしょう。また「モスラ」では小美人に扮したザ・ピーナツの歌う「モスラの歌」が有名で流行歌作曲家としての一面も併せて見せています。
私が所持しているCDに声楽家の藍川由美による「古関裕而歌曲集」(DENON盤)がありますが、その解説書の写真の中で戦前来日した大指揮者ワインガルトナーとの写真があり古関裕而のクラシック音楽への思いが伝わってきます。なお「古関裕而歌曲集」のCDでは最後に収録されている「長崎の鐘」がまさに涙物である。正確な日本語と美しいメロディが、余計なものが取り払われ、見事な歌曲として感動的によみがえっています。
映画音楽の作曲家としての古関裕而ももっと知りたいものがあり、他の作品があれば、きちんと見てみたいものです。
小学生時代、ちょっとした怪獣博士だった私は歓喜の声を上げて、財務大臣閣下の白い目も何のその。ひたすら購入しています。
東宝の怪獣映画は昭和29年の「ゴジラ」から昭和43年の「怪獣総進撃」までが一つのピークだと思います。私にとっての怪獣映画もこの期間の作品に尽きると思います。
怪獣映画も多数封切られましたが、私は怪獣同士のバトル物より一匹だけ怪獣が登場する作品の方が好きです。第1作目のため新鮮さがあり、また怪獣の特色や時代背景すら強く強調され面白い。
「ゴジラ」の第1作は原水爆の恐怖が大きなテーマになっていますが、これ以降のコジラが登場する作品は、だんだんと、このテーマが希薄となりコジラ対他の怪獣とのバトルが中心になってしまった。
さて、このDVDコレクションの最新号は「モスラ」である。
ゴジラが登場する作品には無いファンタジー的雰囲気を漂わせている。それでいてモスラの幼虫、さなぎ、そして成虫へと変化していく面白さがあり、特に幼虫が東京タワーが破壊する場面は圧巻である。モスラが登場する作品は後年、多数作られたが、この「モスラ」第1作の面白さは無くなっている。
そして「モスラ」が他の東宝怪獣映画とまた違った印象を与えられる、もう一つの要因として音楽もあるのではないかと思われます。
「ゴジラ」から「怪獣総進撃」までの作品の音楽のほとんどが伊福部昭が担当しています。例外として「モスラ」と「ゴジラ・モスラ・エビラ・南海の大決闘」の2作品が他の作曲家に委ねられています。(「ゴジラの逆襲」も?)
「南海の大決闘」の音楽は佐藤勝である。佐藤勝は言わずと知れた黒澤明監督作品などでの映画音楽の巨匠である。
そして「モスラ」は何と古関裕而である。古関裕而は「長崎の鐘」や「君の名は」など流行歌の作曲家として有名であるが「モスラ」では彼のオーケストラ音楽を聴くことが出来ます。
調べてみると古関裕而はストラヴィンスキーやR・コルサコフに傾倒して、20歳前後に独学で勉強し作曲したオーケストラ作品のバレエ音楽「竹取物語」が昭和4年の英国国際作曲コンクールで第2位に入賞するという大快挙を成し遂げたが、当時、日本ではクラシックの作曲家を受け入れる土壌がまだ無い時代だってため流行歌の世界に身を投じたようである。
「モスラ」ではオーケストラ音楽への才能の片鱗を聴くことが出来ると言えるでしょう。また「モスラ」では小美人に扮したザ・ピーナツの歌う「モスラの歌」が有名で流行歌作曲家としての一面も併せて見せています。
私が所持しているCDに声楽家の藍川由美による「古関裕而歌曲集」(DENON盤)がありますが、その解説書の写真の中で戦前来日した大指揮者ワインガルトナーとの写真があり古関裕而のクラシック音楽への思いが伝わってきます。なお「古関裕而歌曲集」のCDでは最後に収録されている「長崎の鐘」がまさに涙物である。正確な日本語と美しいメロディが、余計なものが取り払われ、見事な歌曲として感動的によみがえっています。
映画音楽の作曲家としての古関裕而ももっと知りたいものがあり、他の作品があれば、きちんと見てみたいものです。