オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

映画「マダム・フローレンス!夢見るふたり」

2016年12月20日 14時22分29秒 | 映画
今日、朝から映画「マダム・フローレンス!夢見るふたり」を見ました。本当は「スター・ウォーズ」の新作を見るつもりでしたが、この22日までの公開とのことで予定変更して見てきました。
絶世の音痴なのに、1944年、カーネギーホールを満員にしたフローレンス・フォスター・ジェンキンスの実在の映画化。
いい映画を見せてもらった。
歌うこと、そして音楽への愛情に満ち溢れた映画だった。
映画では指揮者のトスカニーニも登場してビックリ!
私が学生時代、一度だけFM放送で、その歌声を聴いたことがあります。そして、まさか映画化されるとは思いもよりませんでした。
フローレンス役はメリル・ストリーブ。昔から私の大好きな女優さんです。彼女の一番好きな映画は「マディソン郡の橋」ですが、また、もう1本加わりました。年齢を重ねても主演女優として作品を発表できるということは、やはり見事と言えるでしょう。
一番、心に残ったセリフ。

「音楽は私の全てです」






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映画「ハドソン川の奇跡」

2016年10月11日 17時47分46秒 | 映画
今日は話題の映画である「ハドソン川の奇跡」を見に行く。
映画館に着いてチケット売り場で一瞬「真田十勇士」にしようか?と思ったが、最初の予定通り「ハドソン川の奇跡」にする。
見応えがあった。良かった!
世界中、有名な実話。
それだけに、その実話の映画化で話題になっていますが、私自身は、やはりクリント・イーストウッド監督の新作を見ることが出来ると言う方が、気持ち的に強かった。楽しみだった。
実話だけに、大袈裟に演出されてもおかしくないストーリー。大袈裟に感動を盛り上げようとするのは簡単かもしれません。
しかし、さすがはイーストウッド。
けっして大声で大袈裟に叫ばない。
この奇跡と言われた実話を冷静に、しかし緊張感を失わない展開。
たえず冷静に真実を見つめようとしているイーストウッドの目を感じることが出来る。
やはりイーストウッドの作品は目が離せない。
次回作が早くも楽しみです。




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映画「シン・ゴジラ」

2016年08月02日 15時44分28秒 | 映画
映画「シン・ゴジラ」を見る。
私はビデオやDVDを含めて東宝のゴジラシリーズは全て見ている。
しかし今回の新作は今までのゴジラシリーズとは全く違う世界、今までのゴジラシリーズの固定観念を捨てて見なければいけない作品と言えるでしょう。
「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が作り上げたゴジラ。見る前から覚悟はしてました。
映画館内は夏休みだというのに子供の姿は皆無。大人ばかり。
重たいテーマ。
それでも、やはりゴジラ映画。
映画の冒頭はゴジラ第1作の雰囲気がそのまま。ゴジラの足音、鳴き声。
そして第1作の核や放射能の恐怖も忘れていない。
また、ここぞと言う時に流れてくる伊福部昭の音楽。
伊福部昭の音楽を聴こえてくると何故か安心する私がいた。
昭和29年に生まれた第1作。その頃の日本人にのしかかったゴジラ。
そして約60年後、現在のゴジラ。今の日本人にのしかかってくるゴジラ。
やり方、形は変われど、まぎれもないゴジラ映画。
けっして異端な作品ではない。しかし心に訴えてくるものも尋常ではない。
これから映画館に脚を運ぶ方も多いはずなので、あらすじを書くのは遠慮しておこう。
ただ、正体不明の生物としてゴジラが東京湾から姿を現した時の首相官邸での会議の長さ、堂々巡り振りは面白かったが、実際、大災害が起こった時、本当にどうなるのかと思うとゾッとする。
また有識者会議と言うもののあほらしさ。バカバカしさ。
その中で強く印象に残った内閣総理大臣臨時代理の台詞。
「避難というものは住民の生活を根こそぎ奪ってしまう」
それにしても凄いCGだった。
邦画もやれば出来るということが証明された作品。
最後に残念だったのは封切られて、まだ1週間も経っていないのに売店では映画のパンフレットが既に売り切れで入荷日未定の表示。
帰宅後、直ぐにアマゾンへ手配しましたが・・・。






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映画「マイ・フェア・レディ」

2016年05月31日 15時37分28秒 | 映画
今日は昨年暮の「スターウォーズ」の新作以来、久し振りに映画館に脚を運ぶ。
本日見た映画はミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」である。
今回の上演は「午前十時の映画祭7」の一環である。
現在、すっかり街の映画館というのが姿を消し、シネマコンプレックスと言える複合映画館ばかりになってしまった。
それはそれで良いのではあるが、昔のような旧作や名作のリバイバル公開というのが無くなってしまったのが残念である。
DVDやCS放送で手軽に映画を見ることが出来る時代になりましたが、映画はやはり映画館で見たいものである。
今回の上映は、平日の朝の10時からの上映ですが、まあまあの入り。そして年配の方(私も該当していますが・・・)ばかり。
やはりDVDで見ることが出来ても、私と同様に、やはりいい映画は映画館で見たいという気持ちの方が多いのでしょうねえ。
来月末には「ハリーとトント」が上映予定。懐かしいなあ。
さて、今回の「マイ・フェア・レディ」は当然ながらDVDも持っている。また大地真央主演の東宝ミュージカルの公演も見たこともある。
それでも、やっぱりチャンスがあれば、もう一度、映画館の大きなスクリーンで見たかった。
実は、高校生の時、わが街の映画館でリバイバル上映を見ていますが、残念ながら、その時は、この映画の魅力、贅沢さが分からなかった。
当時、カンフー映画やパニック映画全盛の時代。当時、高校生の若造には、異次元の世界だったのかな?
そして本日は、その時以来の映画館でのミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」である。
デジタルで甦った映像の美しさ!古さは全く感じさせない。
映画が始まってすぐ美しい花々の映像をバックに序曲が流れてきたとたん、物凄いワクワク感。
そして映画の中盤、「スペインの雨」「踊り明かそう」と、有名なナンバーが続くと高揚感も最高になる。
今回、映画館のスクリーンで見て強く感じたのは舞台の雰囲気である。
この映画の撮影は全てスタジオでのゼットで行われている。
特にアスコット競馬場のシーンは、改めて見て素晴らしいと思った。
まるで舞台を見ているような装置。そして白と黒を中心とした淑女たちの衣装の豪華絢爛さ。
その中で、しゃなりしゃなりと登場するオードリー・ヘプバーンの面白さ、そして美しさ。
そしてアスコット競馬場のシーンが終わると、朗々と歌われる「君の住む町で」の場面。
気持ちの高ぶりを押さえることが出来なかった。
いくらDVDで手元にあっても、やっぱり映画、特に好きな映画は映画館で見なくては!
DVDだと場面を飛ばして好きな場面ばかり見てしまう手抜きもしてしまいます。
これからの「午前十時の映画祭7」のラインナップ。
「ドクトル・ジバコ」「アマデウス」「七人の侍」そして成瀬巳喜男監督の最高傑作「浮雲」が並んでいる。
大好きな映画の「ドクトル・ジバコ」は当然ながらDVDを持っているが、やはり大学生時代以来になりますが映画館のスクリーンで見たい。ジュリー・クリスティ扮する時代に翻弄されながらも情熱的なララにスクリーンで再会したいものである。

ところで私の大好きなミュージカル「マイ・フェア・レディ」の音楽。
フィギュアスケートではアイスダンスでアメリカのメリル・デイビス&チャーリー・ホワイトの見事な演技が忘れられませんが、女子シングルでは、これぞと言う演技に、まだお目にかかっていない。
私は秘かに安藤美姫さんに期待していましたが遂にかなわずに終わりました。今は、秘かに浅田真央さんと本郷理華さんに期待していますが・・・。
いつかは・・・。そんな気持ちです。







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昭和偉人伝「淀川長治」

2016年02月11日 21時07分41秒 | 映画
昨晩、BS朝日で放送された昭和偉人伝「淀川長治」を見る。
久し振りに見る今は亡き映画評論家・淀川長治氏の映像。
番組で紹介された淀川長治氏のエピソードは全部、知っていた。
それでも、放送された日曜洋画劇場の解説での独特な語り口。本当に懐かしかった。
私は淀川長治氏とお会いしたこともないし、講演も聞いたことはない。
それでも私は淀川長治氏を自分自身の映画の師と思っている。
4冊の「淀川長治集成」と遺言と言える「最後のサヨナラ サヨナラ サヨナラ」は私の映画のバイブルである。
もし淀川長治氏がいなかったら私はルキーノ・ビスコンティや溝口健二の映画作品を知らずにいたかもしれません。
また、その他、多くの素晴らしい映画を知らずにいたかもしれません。
若い頃から今まで、映画好きでいることが出来たのは淀川長治氏のお蔭と言っても過言ではありません。
そして絶対に見落としてはいけないこと。
淀川長治氏の、あの独特な語り口の裏に隠れている氏の美意識の高さ、物凄さ。
私は淀川長治氏の映画批評の中から「贅沢」というものを教えてもらった。
ただ、その「贅沢」というのは高価なブランド商品を身に着けたり、高級車を乗り回すということではない。
一流のものを見ること。最高のものを見ること。触れること。そして、その美しさに酔い、感動することの尊さ。
それこそ淀川長治氏が言う「贅沢」
淀川長治氏は大正時代、来日したバレリーナのアンナ・パヴロワのステージを見ている。この貴重な体験を回想の記述を読むとバレエへの憧れが伝わってくる。その時の体験が、どれだけ氏の映画を見る目の深さにつながったでしょうか!
それは私にも分かるものがある。
私自身、若い頃に体験したベーム指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会やイタリアのオペラの殿堂・ミラノスカラ座の初来日公演は、たいへんな年月が経った今もしっかりと心に焼き付いている。
また昨年8月、アイスショーでの間近で見た荒川静香さんとスティファン・ランビエールのコラボの素晴らしさ!息を飲むような美しさ。
これも私にとって最高の「贅沢」だった。そんな「贅沢」をもっとしたい。
そんな感覚、そんな感性で、これからも映画に、音楽に、そしてフィギュアスケートに接していきたい。
久し振りに番組で久し振りに淀川長治氏の姿を見て改めて心に強く思ったしだい。


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横井ゆは菜さんの「サウンド・オブ・ミュージック」

2015年12月28日 23時20分46秒 | 映画
今年の全日本選手権の女子シングル。
やはり見応えがありました。今回、私が注目していたのは、11月の全日本ジュニア選手権の放送で、すっかりお気に入りのスケーターになってしまった白岩優奈さんと横井ゆは菜さんの演技。そしてショートプログラムのプログラムの演技を、まだ見ていなかったので楽しみにしていました。
特に横井ゆは菜さんの「サウンド・オブ・ミュージック」は本当に楽しみにしていました。
以前、「サウンド・オブ・ミュージック」に関しては、コメントしたことがありますが、私にとって今は亡き父親の思い出もあり、たいへん愛着のあるミュージカルです。

映画「サウンド・オブ・ミュージック」

演技の冒頭、小鳥のさえずりの効果音が聴こえてくる。
あ!映画のサウンドトラックだ!
そしてジュリー・アンドリュースの歌声。
もう胸が一杯。
私にとってヴォーカル入り解禁の最高の恩恵です。
また横井ゆは菜さんの衣装もヒロインのマリアを連想させるもので、嬉しくて、もうたまりませんでした。
名曲揃いの、このミュージカルで、今回のプログラムに登場したのは3曲。

①「サウンド・オブ・ミュージック」
②「私のお気に入り」
③「すべての山に登れ」

①は映画のオープニング、そして③は映画のラスト。
「私のお気に入り」をはさんで、映画の最初と最後を組み込むという本当に私にとって心憎いプログラム。
本当は欲を言えば①のテーマ音楽で、もっと見たかったですが限られた時間なので、しかたありません。
②は映画ではトラップ家へ家庭教師として赴任したマリアが、雷と稲妻を怖がりマリアの寝室に集まった子供たちに歌って聞かせる場面の歌ですが、実際のミュージカルの舞台では修道院で「この間、(マリアが)歌っていた歌は私が小さい時、歌っていました。もう一度聞かせて下さい」とマリアと修道院長が一緒に歌うナンバー。
私の手元にはブロードウェイでのオリジナルキャストによるCDがありますが、映画との違いが分かり面白いものがあります。舞台での雷と稲妻の時の場面では「一人ぼっちの羊飼い」が歌われています。マリア役はメリー・マーチン。
③の「すべての山を登れ」はナチスの手を逃れて一家がアルプスを越えて行く時のラストシーンに流れてくる音楽。
自分の好きな曲がフィギュアスケートのプログラムに登場した時の喜び。本当に最高の喜び。
今回の横井ゆは菜さんの「サウンド・オブ・ミュージック」は正に、この喜びの最高の気分の一時(ひととき)でした。


「サウンド・オブ・ミュージック」


「私のお気に入り」


「すべての山に登れ」

本当は全日本選手権の映像探したのですが見つからなかったので中部ブロック大会から。



画像は全日本選手権から


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映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

2015年12月22日 09時09分26秒 | 映画
12月18日の金曜日は公休日だった。この日は特別な日。この日の夜、18時30分に一斉公開された映画「スター・ウォーズ」の新作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を財務大臣閣下と大臣補佐官の娘と一緒に見に行く。
映画館に行く前から何か高揚した気持ちになる。このような気持ちで映画館に入るのは今は亡き黒澤明監督の新作を見た時と「スター・ウォーズ」ぐらいかな?
映画「スター・ウォーズ」は今まで全作品を映画館で見ている。映画館で買い求めたパンフレットも今までの6作品が揃っている。
エピソード4に当たる「新たなる希望」というタイトルがついた第1作を見たのは私が大学生の時。大学生生活を送っていた東京で渋谷の映画館で見た。彼女のいなかった私は一人で見に行った。7月の暑い日だった。本当にたいへんな昔のことになってしまった。
そしてエピソード6にあたる第3作目の「ジェダイの帰還」は当時新婚ホヤホヤだった財務大臣閣下と見に行きました。そしてエピソード1~3は娘と一緒。
何か、物凄い時の流れを感じるものがあります。
今回の新作の上映、映画館内は若い人たちで熱気ムンムン。ただ、おそらく第1作を映画館で見たであろう私と同じ世代の人たちの姿が、ほとんどなかった。彼らは、どこへ行ってしまったのだろうか?今も「スター・ウォーズ」を、いや映画を今も愛してくれているのだろうか?ふと、そんなことが頭の中を、過ぎりました。
今回はマーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォードが出演。本当に涙が出るくらい懐かしかった。彼らの顔のしわ、白髪を見ると自分自身を重ねてしまう。ハリソン・フォード扮するハン・ソロとチューバッカがスクリーンに登場した時は心の中で拍手していた。都会の映画館だったら、本当に拍手が湧き上がっていたのだろうなあ。
映画の最初に出てきた長老のロー・サン・テッカーを見て、アレ?と思う。この俳優さん、マックス・フォン・シドー?。映画の最後、出演者のクレジットを見て、やはりマックス・フォン・シドーの名前があった。スウェーデン出身で巨匠イングマール・ベルイマン監督作品に数多く出演したたいへんな名優である。
若い方にはわからないだろうなあ。こんなことに気が付くのも年の功かもしれませんなあ。
そういえば第1作(エピソード4)でオビ=ワン・ケノービの扮していたのはアレック・ギネス。でアカデミー主演男優賞の「戦場にかける橋」や「アラビアのロレンス」などに出演したイギリスの名優である。
こういった名優たちが「スター・ウォーズ」を支えていると思うと古い?映画ファンにとって本当に嬉しくなるものがあります。
そしてジョン・ウィリアムズの音楽。フルオーケストラによる音楽は、オーケストラ音楽大好きの私にとって、やっぱり血が騒ぐものがあります。
さて今回の「フォースの覚醒」はレイ3部作の第1作目。エピソード9に当たる3作目は2019年に公開予定とのこと。
その頃、私はどうなっているのかな?とにかく、その時まで元気でいたいものである。






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映画「東京物語」の原節子さん

2015年11月27日 12時51分29秒 | 映画
私は若い頃から映画を見ることも大好きでした。当然、日本映画も当然、見ています。洋画は好きだが邦画はどうもという方も、いらっしゃるようですが、私は、そんな隔たりはなく、いろいろと見てきました。
さて、いろいろと見てきた日本映画でベストワンは?と聞かれたら、やはり迷うことなく答えるでしょう。
「東京物語」(小津安二郎 監督作品、松竹、1953年)と。
公開された1953年は私は、まだ生まれていないので、初めて見たのは、後年、大学生活を送っていた東京の都内の名画座が最初だろう。
そしてビデオ、DVDと時代が変わっても、時々、取り出しては見てきました。
私自身、年齢を重ねれば重ねるほど、感じることが大きくなってきている作品。
子供たちの顔を見るため、上京した年老いた両親とその家族たちの姿を通して、家族の絆、年を取るということ、家族の死など、淡々と、丁寧に、そして静かに描いた見事な作品。
どうしても自分たちの今の生活を守ることが中心になってしまう長男と長女。私は何で、こんなに冷たいのだろうと若い頃は思っていましが、私も結婚し子どもも出来、家族のために働くようになると、何か分かるようになってきたものでした。親まで、かまっとおれない余裕の無さ。これが人間というものでしょう。
映画では長女役の杉村春子さんの、じゃけんな演技が見事でした。そして、そんな中、上京した両親を温かく迎えたのが戦死した次男の妻・紀子だった。
その紀子役を演じた原節子さんが亡くなっていた。
心から年老いた両親を包み込むような原節子さんの演技。
原節子さんの姿や演技がら、ただよってくる「品格」が、どれだけ、この作品を深いものにしたであろうか。
出演した「晩春」「麦秋」「東京物語」「東京暮色」「秋日和」「小早川家の秋」の戦後の小津安二郎 監督作品に流れる「品格」。
原節子さんの存在なくしては、成り立たなかったでしょう。
小津作品以外では黒澤明監督の偉大なる失敗作?のドストエフスキーの小説を日本を舞台に映画化した「白痴」(松竹、1951年)の那須妙子役での圧倒的な存在感も忘れらえない。
この映画を映画館で見た時、こんなスケールの大きな女優さんが日本にいたとはと驚いたものです。
今日の朝、DVDの大手レンタル屋さんへ行ってきましたが、原さんの特別なコーナーはありませんでした。高倉健さんのコーナーは、ありましたが・・・。
本当は原さんが出演した戦前の作品も見てみたいのですが・・・、これは難しいでしょうなあ。
小津安二郎 監督が1963年に亡くなってすぐに、公的な場から姿を消し、小津監督が眠る鎌倉で暮らしていた原節子さん。
原節子さんと小津安二郎 監督。どのような心と心の、やりとりがあったのでしょうか?
今となっては、何も分からない。
残っているのは映像で残っているその姿。
特に「東京物語」の最後の笠智衆扮する義父・周吉との、やりとりは、正に圧巻。
笠智衆さんの淡々した台詞まわしを全身で受け止める原節子さん。2人の台詞のみ。
その中から、何か大きなものが、ズシリと心に響いてくる。
現在、CGなど何かと派手な演出の映画が多くなりましたが、2人の俳優の力量だけで圧巻といえるシーンが生まれた映画があると言うことを忘れないで欲しい。

東山千栄子扮する義母が尾道で急死、葬儀ののち、子供たちが東京へ帰ってしまったあと周吉と紀子、二人だけ。そして紀子も東京へ帰る時が来る。


周吉「お母さんも喜んどったよ。東京であんたんとこへ泊めてもろうて、いろいろ親切にしてもろうて」
紀子「いいえ、なんにもおかまいできませんで」
周吉「いや、お母さん言うとったよ。あの晩がいちばんうれしかったいうて。わたしからもお礼を言うよ。ありがと」
紀子「いいえ」
周吉「お母さんも心配しとったけえど。あんたのこれからのことなんじゃがな。やっぱりこのままじゃいけんよ。なんにも気兼ねはないけえ。ええとこがあったら、いつでもお嫁にいっておくれ。もう昌二のこたァ忘れてもろうてええんじゃ。いつまでもあんたにそのままでおられると、かえってこっちが心苦しうなる。困るんじゃ」
紀子「いいえ そんなことありません」
周吉「いやそうじゃよ。あんたみたいなええ人はない言うて、お母さんもほめとったよ」
紀子「お母さま、わたくしを買いかぶってらしったんですわ」
周吉「買いかぶっとりゃァしェんよ」
紀子「いいえ、わたくし、そんなおっしゃるほどのいい人間じゃありません。お父さまにまでそんな風に思っていただいてたら。わたくしのほうこそかえって心苦しくって……」
周吉「いやァ、そんなこたァない」
紀子「いいえ、そうなんです。わたくしずるいんです。お父さまやお母さまが思ってらっしゃるほど、そういつもいつも昌二さんのことばかり考えてるわけじゃありません」
周吉「ええんじゃよ 忘れてくれて」
紀子「でも、このごろ思い出さない日さえあるんです。忘れてる日が多いんです。わたくし、いつまでもこのままじゃいられないような気もするんです。このままこうして一人でいたら、いったいどうなるんだろうなんて。夜中にふと考えたりすることがあるんです。一日一日が何事もなく過ぎてゆくのがとっても寂しいんです。どこか心の隅で何かを待ってるんです。ずるいんです」
周吉「いやァ、ずるうはない」
紀子「いいえ、ずるいんです。そういうこと、お母さまには申し上げられなかったんです」
周吉「ええんじゃよ、それで。やっぱりあんたはええ人じゃよ。正直で」
紀子「とんでもない」
周吉「(懐中時計を持ってきて)こりゃァ、お母さんの時計じゃけえどなァ。今じゃこんなものもはやるまいが。お母さんがちょどあんたぐらいの時から持っとったんじゃ。形見にもろうてやっておくれ」
紀子「でも、そんな」
周吉「ええんじゃよ、もろうといておくれ。いやァ、あんたに使うてもらやァ、お母さんもきっとよろこぶ。なあ、もろうてやっておくれ」
紀子「(嗚咽しながら)すいません……」
周吉「いやァ、お父さん、ほんとにあんたが気兼ねのう。さきざき幸せになってくれることを祈っとるよ。ほんとじゃよ。妙なもんじゃ。自分が育てた子供より、いわば他人のあんたのほうがよっぽどわしらにようしてくれた。いやァ、ありがと」


最後に原節子さんのご冥福を深くお祈りします。








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「踊るリッツの夜」

2015年08月25日 15時23分28秒 | 映画
浅田真央さんの今シーズンのエキシビションは「踊るリッツの夜」
「踊るリッツの夜」はアーヴィング・バーリンの作品で、1930年公開の同名のミュージカル映画で使われたもの。
「THE ICE」での浅田真央さんの演技を見ながら、思い出したのはMGMが往年のミュージカル映画の名場面を集め編集し1974年に公開された「ザッツ・エンタテイメント」の一場面。
映画「風と共に去りぬ」でのレット・バトラーに扮した当時ハリウッドのキングと称されていたクラーク・ゲーブルによるシーン。
オリジナルは1939年の映画「イディオッツ・ディライト」
クラーク・ゲーブルのミュージカルシーンは本当に珍しい。
ミュージカル大好き人間の私にとって全3作の「ザッツ・エンタテイメント」と特典盤を収めたDVDのボックスは私のお宝です。







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タンゴ音楽「ポル・ウナ・カベサ」 

2015年08月24日 22時39分12秒 | 映画
このところ仕事面で精神的、そして体力的にも厳しい日々が続いている。
何か重いものを背負って動き回っている気分。
そんな状態の毎日ですが、帰宅して必ず見ているのが今年の「THE ICE」での浅田真央さんとジェフリー・バトルのコラボの映像。
音楽はタンゴ音楽「ポル・ウナ・カベサ」 
フィギュアスケートの持つ楽しさ、優雅さ、美しさ、そして贅沢。
全てが盛り込まれている素晴らしい演技。
何度見ても見飽きない。まさに最高の演技。
仕事の疲れや辛さを一瞬ですが忘れさせてくれます。
さてタンゴ音楽「ポル・ウナ・カベサ」が登場する映画で忘れられないシーンがある。
映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
1992年制作のアメリカ映画。
主演の盲目の退役軍人に扮したアル・パチーノは、この作品でアカデミー主演男優賞を受賞。
「ポル・ウナ・カベーサ」のメロディに乗って美しい若い女性とティーラウンジで見事にタンゴのステップを披露するアル・パチーノ。
アル・パチーノは私の若い頃から大好きな俳優。いや私の時代の俳優と言っていい。
「ゴッドファーザー」での三男マイケル役、そして「狼たちの午後」での狂気に満ちた演技も忘れられませんが、年齢を重ねての「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」での演技も大好きです。



漂う男の色気。そして「ポル・ウナ・カベサ」の音楽。
アル・パチーノと同様に年齢を重ねた私にとって正に夢物語。
若い女性の手を握ってダンスを踊るなんて私にとって絶対にありえない話。
そして若い女子社員が私に近寄ってこないのが現実。
表向きは仕事人間ですが、本当は話題満載の人間なのですかねえ・・・。これも、しかたがありまへん。
それだけに、私にとって現実離れした、この映画のシーンは大好きである。
そしてタンゴ「ポル・ウナ・カベサ」の音楽。
私にとって現実逃避の音楽になってしまいました。





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映画「シンデレラ」

2015年04月28日 20時22分07秒 | 映画
今日は、久し振りに映画を見に行く。
ディズニーによる「シンデレラ」の実写版による映画。
何故、頭が薄くなったジジイが私のイメージから遠い「シンデレラ」を見にイソイソと映画館へ?
私は1950年制作のディズニー長編アニメの「シンデレラ」が大好きなのである。
私の持っている唯一のディズニーアニメのDVDが「シンデレラ」で、仕事で疲れ切った時、よく見ています。
特に、このアニメのテーマ曲と言える「夢はひそかに(A Dream Is A Wish Your Heart Makes)」が大好きで、聴くたびにジ~ンとした気持ちになっています。
そして、そのディズニーよる実写による「シンデレラ」
ぜひとも映画館の大きなスクリーンで見なければいけないと思った。
この作品のテーマの「勇気と優しさ」が美しい映像から伝わってくる。
アニメ版でも活躍した動物キャラクターも大活躍で、ディズニーの香りが伝わってくる。アニメ版のイメージを壊さないのが本当に嬉しい。
お城での舞踏会の豪華さ、華やかさ。これは実写でないとでないでしょう。
フルオーケストラによるワルツの素晴らしさ。
特に衣装の美しさ!。
そして真夜中、魔法が解けていく時の残酷さ。
それだけにラスト、ヒロインが王子と再会した時の喜びが本当に大きくなります。
アニメ版の音楽はストーリーが終わるまで登場しませんが、最後の最後、エンディング音楽の最後にデュエットによる「夢はひそかに」が流れてきて本当に嬉しかった。
ディズニー映画は私の原点。
物心ついた時から、私の傍らにディズニーの絵本があった。
幼稚園に入る前、生まれて初めて見た映画がディズニー映画の「101匹わんちゃん大行進」
当時テレビで放送されていた「ディズニーランド」も欠かさず見ていた。
そして半世紀経って頭が薄くなってジジイになってもディズニーに対する気持ちは幼い頃と全く変わっていない。
このディズニーに対する気持ち、愛情は、これからも死ぬまで持ち続けたいものである。








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映画「幸福の黄色いハンカチ」

2014年11月21日 12時54分29秒 | 映画
健さんの訃報を聞いて、数日が経ちますが、やはり、その存在の大きさを強く感じている。
昨晩、久し振りに映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」のDVDを見る。
私は山田洋次監督の映画は大好きなので、特にお気に入りの作品はDVDを購入して、手元に置いている。
「幸福の黄色いハンカチ」も、その1本である。
この映画は大学生の頃、初めて封切られた時、初日に渋谷の映画館で見ました。
調べてみると公開日は1977年10月1日で、たいへんな昔のことになってしました。確か土曜日だった。
今日、久し振りに、映画館で購入したパンフレットを取り出して目を通しました。たいへん、懐かしい。
この映画はビート・ハミルの短編小説の映画化で作詞・作曲されたフォークソング「幸せの黄色いリボン」を題材に作られている。
パンフレットには、このフォークソング「幸せの黄色いリボン」の歌詞が掲載されている。


貴方の帰るのを、三年も待ちわびたわ
監獄の冷たい扉が開いて貴方が
この町に帰ってくる
黄色いリボンを約束の樫の木に結びましょう
それが今でも変わらずに、愛している印なの
だから私、私はいつまでも貴方のもの

貴方の乗るバスが丘の道登って来る
もしもリボンが見えない時は
貴方はバスに乗ったまま行ってしまう
黄色いリボンを約束の樫の木に結びましょう
それが今も変わらずに
愛している印なの
だから私 何百もリボンを結んで待つの

ホラ、バスが止まり 貴方が降りる
私をめざしてかけて来る・・・


この歌詞を基に山田洋次監督は北海道を舞台に見事なロードムービーを作りあげました。
今、見ても古さは全く感じさえない強さのある映画。
釧路、網走、帯広、そして夕張と移っていく牧歌的とも言える北海道の景色の美しさ。
たくさんの、かけがえのない日本の風景を目にすることの出来る幸福感。
その風景の中で主演の高倉健と武田鉄矢の両極端な個性がぶつかり合う台詞(せりふ)の面白さ。
そして、この映画の命(いのち)は、やはりラストシーン。
画面に一杯、ひるがえるたくさんの黄色いハンカチ。
初公開の時も、非現実だと批判がありました。
たくさんの黄色いハンカチ。
これこそ夫(高倉健)を、ひたすら待つ妻(倍賞千恵子)の愛の大きさ、強さ。
それをたくさんの黄色いハンカチの映像を通じて、私たち映画を見ている者は、それを強く感じて心を動かされるのである。
それを感じることの出来る私は幸せである。

健さんの訃報を知った日に武田鉄矢が、このラストシーンの撮影風景を記した記述を記載しました。もう一度・・・。


キャメラマンの高羽哲夫さんの手が緊張のあまり震えていた。その緊張をときほぐすために、高羽キャメラマンはキャメラを持つ手を自分でたたくのだが、いっこうに震えはおさまりそうもなかった。
健さんの眼にはうっすらと涙がうかび、桃井かおり嬢と僕にペコリと頭を下げる。
そして最愛の妻が待つ、黄色いハンカチがたなびく我が家に歩きはじめる。誰かが待っていてくれる場所に帰ることが、人間の一番の幸福なのだというこの映画のテーマを端的に表しているようで僕はとても感動的だった。
高羽さんはあとで、健さんの表情があまりにもよすぎて、寒気がしたと語ってくれた。


役に没頭し役になりきっている主演俳優。その主演俳優の表情を克明にとらえようとしているキャメラマン。そして、それを見て、映画のテーマを強く感じる共演俳優。
物凄い緊張感が伝わってきます。
映画の神髄を見た!
最後にパンフレットに掲載されている山田洋次監督の演出のことば。

愛するということは、自分と相手の人生を、いとおしく感じ、大事にしたいと願うことです。
この物語に登場する二人の若い男女は、旅先で幸運にもめぐり逢うことの出来た貴重な体験を通じて、大事な人生の扉をくぐりぬけていくのです。





















高倉健さん、死去。

2014年11月18日 16時47分04秒 | 映画
今日、正午のテレビのニュースで高倉健さんの訃報を知りました。
ニュースを見たあと、健さん主演の映画「八甲田山」のDVDを見る。
私が大学生時代に見た思い出深い映画。
健さんの映画は東映時代の任侠映画をはじめ、いろいろと見ている。
私が一番好きな映画はやはり山田洋次監督作品の「幸福の黄色いハンカチ」です。
不器用な男の愛の物語。
特にラストシーンが好きです。
この映画に映画初出演した武田鉄也さんは、このラストシーンの撮影風景を、こう記している。

「キャメラマンの高羽哲夫さんの手が緊張のあまり震えていた。その緊張をときほぐすために、高羽キャメラマンはキャメラを持つ手を自分でたたくのだが、いっこうに震えはおさまりそうもなかった。
健さんの眼にはうっすらと涙がうかび、桃井かおり嬢と僕にペコリと頭を下げる。そして最愛の妻が待つ、黄色いハンカチがたなびく我が家に歩きはじめる。誰かが待っていてくれる場所に帰ることが、人間の一番の幸福なのだというこの映画のテーマを端的に表しているようで僕はとても感動的だった。
高羽さんはあとで、健さんの表情があまりにもよすぎて、寒気がしたと語ってくれた」

とうとう健さんが逝ってしまった。
昭和がまた遠くなってしまった。
ご冥福をお祈りします。






映画「サウンドオブミュージック」

2014年10月10日 16時29分16秒 | 映画


久し振りにミュージカル映画「サウンドオブミュージック」のDVDを見る。
素晴らしい音楽、そしてザルツブルグの美しい風景に胸が一杯になる。
この映画で一番好きなシーンは、やはり冒頭のファーストシーン。
最初、雪をいただくアルプスの山々の姿。徐々にカメラは降りて行き、大草原へ。遠くに女性の姿。そしてアップになってジュリー・アンドリュースが歌う有名なテーマ曲「サウンドオブミュージック」
ジュリー・アンドリュースの素晴らしい声、そして歌。
見事に、この映画の世界に引き込まれてしまう。何度、見ても。

私が「サウンドオブミュージック」の音楽を音楽を知ったのは小学生の時。小学3年生頃か?
初封切を見た父が、たいへん、この映画を気に入り、サウンドトラック盤のLPレコードを買ってきて、しつこいくらい日曜の朝は必ず聴いていて、私は英語の歌詞は分かりませんでしたが、全ナンバーのメロディを憶えてしまいました。
そして中学生の時、リバイバル公開を見て、前述の冒頭のシーンに、すっかり心が奪われてしまいました。
現在、レコードで音楽を聴くだけでなく、DVDで映画をそっくり手元に置くことが出来る時代になるとは!

「サウンドオブミュージック」を通じて、このミュージカルを作曲、作詞したリチャード・ドジャース&オスカー・ハマースタイン2世のコンビによる「王様と私」「南太平洋」「回転木馬」などのミュージカルを知ることができました。
そして手元にはブロードウェイでのオリジナルキャストによる録音のCD,また、このミュージカルの原作になったドイツ映画「菩提樹」を録画したDVDもあり、いろいろな楽しみ方が出来ます。
そして大学生の時、ジュリー・アンドリュースが初来日して東京の武道館での初公演へも行きました。
素晴らしい声だった。特に高音の伸びは本当に素晴らしかった。
ジュリー・アンドリュースには「王様と私」を歌った素敵なCD(PHILIPS盤)もありますが、今もカタログに残っているのでしょうか。
彼女の歌う「シャル・ウィ・ダンス」は本当にしびれます。
最近、ジュリー・アンドリュースは喉の病気で、あの素晴らしい高音が出なくなったと聞いています。本当に残念です。
数年前、元旦恒例のウィーンフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで彼女の姿を見つけることが出来た時は本当に嬉しかった。
またフィギュアスケートの一昨年のシーズン、アイスダンスでカナダのケイリトン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェのカップルによるショートダンスで「サウンドオブミュージック」の音楽が流れて来た時は、これまた本当に嬉しかった。心から拍手しました。
それにしても願わくは、もう一度、映画館の大きなスクリーンで映画「サウンドオブミュージック」を見てみたいなあ。

年寄りのグダグダ話、昔話。たいへん失礼しました。


「もうすぐ17歳」


「私のお気に入り」


「エーデルワイス」



これは懐かしいLPレコードのジャケット写真。父の遺品として我が家のどこかにあるはず。


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映画「悪魔の手毬唄」

2014年09月16日 10時38分38秒 | 映画
昨日のお昼、NHK・BSで市川崑監督作品の映画「悪魔の手毬唄」が放送されました。
1977年(昭和52年)の作品。
昼間はお仕事だったので、帰宅後、録画を見ました。
この作品は私が大学生の時、封切られ、新宿の映画館で見ました。
それ以来、ビデオやDVDでは、この映画を見ていなかった。
それだけに、本当に、懐かしかった。
市川崑監督の横溝正史の推理小説シリーズ、前年に公開されて大ヒットした「犬神家の一族」に続く第2作目の作品。
私は市川崑監督の横溝正史シリーズの作品は全て映画館で見ましたが、やはり、この第2作目の「悪魔の手毬唄」が一番好きだな。いや、シリーズ最高の作品では、と思っています。
後年、テレビで何度か、片岡鶴太郎や古谷一行の金田一耕助役でドラマ化されて見ているはずですが記憶に残っていない。
私にとって金田一耕助は石坂浩二のイメージが映画の影響で強すぎるのかもしれません。
複雑な人間関係と登場人物をテンポ良く説明し、そして映画のスクリーンに映し出された、市川崑監督の独特なタッチによる辺鄙ないわくつきの村の風景の映像の印象は長い年月が経った今見ても、変わるものがありませんでした。
そして、この映画をよりいっそう印象深いものにしたのは、この作品の主役と言っていい岸恵子と若山富三郎の存在でしょう。
この映画を見るまで若山富三郎は私にとっては、やくざ映画のイメージしかなかったので、この映画での人情味あふれた演技には、たいへん驚いたことを記憶しています。
そして映画では、ずっと地味な和服で通していた岸恵子。しかし何気ない仕草から、年配女性しか持っていない色気、そして何か妖艶さまで伝わってきます。
また、脇を固めている、贅沢な配役の俳優さんの演技の競演も見逃すことが出来ません。
そして、そして村井邦彦による音楽の素晴らしさ。
久し振りに市川崑ワールドに、どっぷりと、浸かった気持ちである。
何か魔法を掛けられたような感じ。
今晩も、もう一度、見ることにしましょう。

興味深いサイトを見つけました。こちらもどうぞ。

配役比較