今日は朝からモーツァルトの歌劇「魔笛」のCDを聴く。
何故「魔笛」?
フィギュアスケートの世界選手権は終わりましたが、リアルタイムの放送を見ることが出来なかった私は今、やっと録画で見ている状態ですが、いろいろな素晴らしいプログラムの中で、一番、心に残ったのが宮原知子さんの「魔笛」の音楽によるショートプログラムでした。
単純な私は迷うことなく朝起きると、すぐに「魔笛」のCDに手が伸びてしまいました。
モーツァルトの短い生涯の中で最後を飾るオペラ。
そしてモーツァルトの生み出した旋律が泉のように湧いてくるようなオペラと言うべきか。
モーツァルトの作品を愛した指揮者カール・ベームは「魔笛」をレコーディング中「これは何と人を幸福にする音楽であろう。まさに清らかな水の中に入って行くようだ」と語ったそうである。
さて宮原知子さんのプログラムで登場したナンバーは次の通り。
①第1幕フィナーレより「何という不思議な笛の音(ね)だ」
②第2幕よりアリア「ああ、私にはわかる、消え失せてしまったことが」
③第1幕フィナーレより「これは素晴らしい音!美しい音!」
④「序曲」より
④はオーケストラによる演奏ですが①~③はヴァイオリンとピアノによる編曲が使用されています。
歌劇「魔笛」のシンボルと言えるのはタミーノが手にする「魔法の笛」とパパゲーノが手にする「魔法の鈴」でしょう。
宮原さんのプログラムは、この「魔笛」を象徴していると言える2つのシンボルが登場する場面の音楽(①と③)を組み込み、そしてオーケストラの演奏による「序曲」で終わるという見事なプログラムと言えるでしょう。
①ではタミーノが笛を吹くと、さまざまな獣が寄ってくる。
何と不思議な笛の音だ。
野獣さえも聴いて喜ぶ。
しかしパミーナは来ない。
パミーナ、聴いておくれ。
お前はどこだ。
③では黒人のモノスタトスと奴隷たちに追われたパミーナとパパゲーノ。そこでパパゲーノが手にした鈴を鳴らすとモノスタトスと奴隷たちは踊りだし、歌いながら去っていく。
これは素晴らしい音!
美しい!
トララララ・・・・
こんな美しい音はきいたことがない。
トララララ・・・・
歌劇「魔笛」にはその他、超技巧のコロラトゥーラ・ソプラノによる夜の女王による2つのアリア、パパゲーノが歌う「「おいらは鳥刺し」や「パ・パ・パ」の二重唱など聴きどころ満載。
私が一番好きなのは、やはりパパゲーノが第2幕で歌う「恋人か女房か」かな。
聴いていて日頃の嫌ななことを忘れさせるものがあります。
今日、聴いたのはカール・ベームがベルリンフィルを指揮した全曲盤(1964年録音、ドイツグラモフォン盤)
サヴァリッシュ盤、スウィトナー盤も所持していますが、私が初めて「魔笛」の全曲盤を手にしたのはベーム盤なので、どうしても今も愛着が強いです。
いろいろバラつきのある配役ですがフリッツ・ヴンダーリッヒの歌うタミーノの素晴らしさ。そのヴンダーリッヒに、巧すぎていろいろ言われていますがフィッシャー=ディースカウがからむのですから、たいへんな贅沢だと思って聴いています。
そして録音当時のベーム指揮によるベルリンフィルの少し暗みのある響き。
この響きは現在、同じオーケストラかと思うくらい失われてしまいました。これも時代の流れか!
なを、たいへんな昔、私は大学生時代、スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンによる映画化されたものを見たことあります。
スウェーデン語による歌唱でしたが、たいへん楽しく見た記憶があります。
DVDは発売されているのかな?映画ファンとしても、もう一度、見たいものです。
2015年3月世界選手権より
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