オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

今日聴いたCD 11月18日

2011年11月18日 15時32分09秒 | オペラ
①ヴェルディ 歌劇「シモン・ボッカネグラ」(全曲) ピエロ・カプッチッリ、ニコライ・ギャウロフ、ミレッラ・フレーニ、ホセ・カレーラス、クラウディオ・アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団(1977年録音、ドイツグラモフォン盤)
②ディーリアス 「楽園の道」「夏の歌」「イルメリン」前奏曲、「去りゆくつばめ」「アパラチア」 ジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団、ハレ管弦楽団(EMI盤)

このところブルックナーやシベリウスばかり聴いていた反動の為か、この前の休みには歌劇「ドン・カルロ」そして今日は歌劇「シモン・ボッカネグラ」とヴェルディのオペラを聴きまくっている。この約1か月、仕事面で、いろいろありオペラにドップリと浸かりたいという気持ちが強いのかもしれません。
さて歌劇「シモン・ボッカネグラ」は有名なアリアなどなく、たいへん地味な作品かもしれませんが、ヴェルディのオペラの中でも気品のある作品と言っていいでしょう。実力のある歌手と指揮者にかかると、たいへん光輝く作品である。主役はバリトンとバスと言うヴェルディでなければ書けない作品。この作品の録音にバリトンのピエロ・カプッチッリとバスのニコライ・ギャウロフの顔合わせによる録音があるという事は何と幸せなことでしょう。カプッチッリの気品あふれるシモン、ギャウロフの悲しみにあふれるフェスコ、そしてソプラノのフレーニが初々しい絶品のアメリア。第1幕のカプッチッリとフレーニの二重唱の美しさは正にヴェルディを聴く醍醐味そのもの。
そしてアバドの指揮するスカラ座のオーケストラの輝きに満ちた響き。それを見事にとらえた録音の素晴らしさ!私はどちらかと言うと、お国ものにこだわるのは好きではないが、やはりミラノ・スカラ座のヴェルディは特別である。私が持っているオペラの録音の中で、この歌劇「シモン・ボッカネグラ」の録音は最上位のCDである。
現在、スカラ座も、私がどうしても好きになれないダニエル・バレンボイムの時代となり、この輝きに満ちた響きは失われて行くのだろうか?
歌劇「シモン・ボッカネグラ」には私には思い出があります。
現在のように海外の一流歌劇場による引っ越し公演が夢物語だった時代、NHKはイタリアから名歌手たちを招いて、オペラを上演してくれました。1956年から1976年の20年間の間に8回に及んだNHKイタリア歌劇の公演。
私は東京で過ごした大学生時代、最後の1976年の第8回の公演を渋谷のNHKホールで見ることが出来ました。貧乏学生だったのでチケット代がたいへんでしたが、生まれて初めて生で聴く世界のオペラ界を代表するイタリアオペラの名歌手たちの素晴らしい歌声、そして絢爛たるオペラの公演に接して、ますますオペラに魅了されていきました。
1976年の公演には「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」、チレアの「アドリアーナ・ルクブルール」、ヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」が上演されました。たしかプラシド・ドミンゴが初来日で「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を一晩で歌うという事で話題になりましたが、3公演全てのチケットを購入するお金が無かった私はドミンゴに見向きもしないで何故か「アドリアーナ・ルクブルール」と「シモン・ボッカネグラ」の2公演のチケットを手にしました。この2作品は日本初演で、それまで、あまり知られていない作品。何故、このオペラの公演を私が選んだのかよく憶えていませんが、何か凄い公演になりそうという予感があったのかもしれません。そして凄かった!
「アドリアーナ・ルクブルール」ではモンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、ホセ・カレラスによる超ど級の声の競演。
そして「シモン・ボッカネグラ」では、今日聴いたCDと同じピエロ・カプッチッリとニコライ・ギャウロフの凄い声!合唱とオケの響きを乗り越えて聞えてくる凄い声!ヴェルディの歌唱の何たるかを見せつけられました、そして教えられました。
またアメリア役はカーティア・リッチャレッリ。今にして思えば本当に信じられない公演でした。
脱線して年寄?の昔話になってしまいました。申し訳ございません。

数日前、予約していた生誕150年を記念したディーリアスの全集が届きました。CD18枚のたいへんなアルバムである。
何から聴こうかと思案しましたがCDの番号順にCD1から順番に聴くことにしました。
この前に聴いたCD1は、ディーリアスの音楽の普及に大きな力になったトーマス・ビーチャム指揮による管弦楽曲集。「そりすべり」「丘を越えて遥かに」の旋律の愛らしさ、美しさは何と言ったらよいのだろうか?正に空気に澄んだ高原の野原に咲く高山植物のようである。だから絶対に都会へは持って来てはいけない。高原の野原でそっとしておかなければいけない。ディーリアスはそんな音楽。
今日聴いたCD2はジョン・バルビローリ指揮による管弦楽曲集。
「楽園の道」は何か胸が締め付けられそうな作品。そして「アパラチア」は面白かった。ディーリアスはアメリカ南部にも過ごしたことがあるのですが、アメリカのメロディの中にもディーリアスならではの哀愁があり、興味深く聴きました。
とにかく全てを聴き終わるには、かなりの時間がかかりそうである。仕事の合間の公休日にコツコツと聴いていくしかないでしょう。おそらく全て聴き終わるのは来年になるでしょう。