ゆみちゃんの365日

日々の出来事を綴っています。

国宝を見てきた

2010-06-17 21:14:02 | 神社、お寺

6月16日(水曜日)
家から車で15分ほどの所に、蟹満寺がある。この寺のそばに友人のM君の家があり、数え切れないくらい前を通っている。道のあちこちに国宝蟹満寺の看板が立っていて、一度は行ってみなければと思っていたが、拝観したことはない。

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3年ほど前に本堂が取り壊されて新しい本堂が、今春完成したのを機会に参拝をしてきた。

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この寺が新聞に取り上げられるのは、年に一度の蟹供養放生会の時だ。4月18日に全国からカニを扱う料理店や旅館関係者が参加し、カニに感謝し、泉にサワガニを放流する様を何度も新聞で見たことがある。
受付で拝観料500円を払う。

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真新しい本堂はヒノキの匂いがする。古い本堂の倍くらいの大きさがあり、さぞかし建築費用がかかったことだろう。

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本堂の中に入ると、黒びかりした本尊の国宝銅造釈迦如来坐像がでんと鎮座していた。

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釈迦如来坐像(ざぞう)は7世紀後半、白鳳時代の作とされ、奈良・薬師寺金堂の薬師如来坐像に匹敵する秀作とされている。制作年代が裏付けられた白鳳時代の仏像は少なく、ほぼ原形をとどめることから仏教美術史上も貴重な仏像ということから、国宝に指定されたのだろう。
蟹満寺は、信仰心あつい娘が大蛇に襲われたとき、かつて助けたカニが窮地を救ったという今昔物語集の「蟹(かに)の恩返し」に由来している。従って境内のある色々な物に、蟹がデザインされていた。

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帰りに友人M君の家に立ち寄り、参拝して来た旨を話した。彼の家はこの寺の檀家で、本堂の建て替えに100万円は寄進したとのこと。身近な所に、まだまだ知らないものがありそうだ。

【参  考】
1.晋門山 蟹満寺(真言宗)
当寺は奈良朝以前、秦氏の一族秦和賀によって建立され、後に行基菩薩の関与により民衆のあつい信仰を集めた。
また今昔物語集巻十六第十六話等数多の古書に創建にまつわる有名な”蟹満寺縁起”が記され、仏教説話として広く世間に紹介されている。
本堂中央に祭祀されている国宝釈迦如来像は今から一千三百年の昔 白鳳時代の名作で金銅座像、八尺八寸(二m四〇)重量(二、二屯)、と称する初唐様式を直模する堂々たる尊像で、しかも殆んど完全に近い原形のまま今日にいたり薄衣を透して美の重量性を発揮した豊満な肉体を刻出して要望は荘重であり端麗である。
螺髪(ラホツ)と白毫(ビャクゴウ)をつけず人間味を帯びた相好で親しみを覚える。また手の指間には水掻(ミズカキ)の如き曼網相(マンモウソウ)を具え生きとし生けるものをすべて悟りの世界へ救い上げるという形相が尊い。(以上蟹満寺発行のリーフレットより転記)

2.「蟹満寺縁起」
太古、このあたりに善良で慈悲深い夫婦と一人の娘が住んでいました。娘は幼い頃から特に慈しみ深く、常に観音経の普門品を読諭して観音さまを信仰していました。
ある日のこと、村人が蟹をたくさん捕えて食べようとしているのをみて蟹を買い求め草むらへ逃がしてやります。 また娘の父が田を耕していると蛇が蛙を呑もうとしています。何とか蛙を助けてやりたい父は蛇に向かって「もしおまえがその蛙を放してやってくれたら娘の婿にしよう」と言ったのです。すると不思議にも蛇は蛙を放し、何処へともなく姿を消したのでした。
突然のこととはいえ大変なことを言った父は、仕事も手につかず家に帰ると、ことの次第を娘に語り不本意を悔いたのでした。
案にたがわずその夜、衣冠をつけた紳士が門前に現れ昼間の約束を迫ってきました。困りはてた父は嫁入りの支度を理由に、三日後に来るようにと男を帰したもののどうすることも出来ません。遂に約束の日が来ました。雨戸を堅く閉して約束を守ろうとしない父娘に腹を立てた男は、本性を現し蛇の姿となって荒れ狂います。
娘はひたすら観音経の普門品を誦え、娘の父母は恐ろしさのあまり身を縮めているその時、いかにも麗しい温顔に輝く観音さまが現れ「決して恐れることなかれ、汝らの娘は慈悲の心深く常に善良なおこないをされ、又我を信じて疑わず、我を念ずる観音力はことごとくこの危難を除くべし」と告げ姿を消しました。
間もなくどうしたことか雨戸を打つ暴音は消え、夜が明けてみると戸外には、ハサミで寸々に切られた大蛇と無数の蟹の死骸が残されていました。
親子は観音さまの御守護を感謝し、娘の身代わりとなった、たくさんの蟹と蛇の霊を弔うため御堂を建て観音さまを祀りました。
たくさんの蟹が満ち満ち恐ろしい災難が救われた因縁で建てられたので蟹満寺と名づけられ観音経の普門品を読誦していたので普門山と号せられたのです。
毎年四月十八日、この縁起にちなんで蟹供養放生会が修行されています。
(蟹の身代り観音と称し厄除、災難除けの御本尊として、古より人々の篤い信仰をあつめ本堂に祭祀されている。)
(以上蟹満寺発行のリーフレットより転記)

【メ  モ】
晋門山 蟹満寺(真言宗)
・拝観時間:8時00~16時00・休み5/8
・拝観料:一般500円 
・車椅子拝観不可(境内可・介添え人要・堂内背負って可)
・住所:〒619-0201 京都府木津川市山城町綺田(カバタ)浜36番地
・電話:0774-86-2577

コメント
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