改正育児介護休業法のセミナーは、2月頃色々なところで改正のポイントの説明を中心に講師をさせていただきましたが、最近また第2の波が来ていて、今度はそもそもの育児休業の規定を説明しながら改正部分を解説し、さらに具体的に就業規則等(育児介護休業規程)や労使協定の改定方法を説明するというところにニーズがあるようです。
育児介護休業法の条文や就業規則等のモデルを見ると、育児休業については「申出」、時間外労働の制限については「請求」と文言が異なります。実務上はそれほどこだわらなくてもよいと言えばよいのですが、やはり就業規則等の改定をするときには、条文通りにしておくことが良いのではないかと思います。
なぜ「申出」と「請求」と文言を変えているのかというと、そもそも育児休業は労働者が権利として与えられており、時間外労働(残業)は一定の要件を満たしていれば使用者が命じることができる労働者の義務である(労働者の残業拒否が権利として与えられているわけではない)ところに違いがあるからだと思います。
判例)三六協定が合法的に締結され、所轄労基署長に届け出られており、就業規則に時間外労働の定めがあるときは、就業規則の規定内容が合理的なものである限り、それが具体的な労働契約の内容となるから、就業規則の適用を受ける労働者は、時間外労働を行う義務を負う(H3.11.28最一小 昭和61日立製作所武蔵工場懲戒解雇事件)
これは実は支部の先生よりご質問を受けて考えてみたことなのです。今回の改正でいけば「所定外労働の免除」は「請求」、「所定労働の短縮の措置等」については「申出」になっています。
先週は事務所の引っ越しに引き続いて、ある企業のグループ会社向けのセミナーの講師と、東京都社会保険労務士会の定期会議の議長を務めるという二つの大きな案件がありましたので、終わってホッとした週末を過ごしました。
定期会議の議長を女性が務めるのは初めてとのことでしたので、とても緊張しました。終わってからトイレで(ちょっとシチュエーションがなんなんですが)で理事や代議員の女性社労士の方たちから「小磯先生、お疲れさまでした~。堂々としていましたよ。」などと温かいお言葉と拍手をいただきとても嬉しかったです。自分より若い女性社労士の道を閉ざすことになってはいけないと、緊張しておりましたので本当に無事に終わって良かったです。ありがとうございました。