ついにQE3が発動された。自分の考えではまだまだだと思っていたが、事前の予測では可能性があると見る意見が若干多かったようであるから、その意味では意外性はなかったかもしれない。
相場の動きは、ドル安・株高・貴金属高で反応したのは当然であるが、単純なリスクオンとは言えない面がある。ひとつは、円安になっていないことである。クロス円はともかく、本命のドル円が上げきれていないのはおかしい。もうひとつは、ダウゴールドレシオの下降である。シルバーやプラチナの高騰はリスクオンと評価できるが、金の上昇が強く、株価の上昇をうわまわっているため、ダウゴールドレシオが下降してしまっている。これは、長い目で見た場合、あきらかに景気回復が本格的な方向を向いていないことを意味する。ドル安も思ったほどではなかったかもしれない。
サブプライムに始まったこの世界経済の大混乱の間、円と金は比較的連動して動いてきている。したがって、金が高いと円も高く、東京金の上値は限定的であった。今回もそのパターンであるが、金高と円高が連動するパターンは、あきらかにリスクオフの動きである。
つまり、今回のQE3を評価すると、当面のリスクオンに乗ってやろうというトレードが当面は強いが、その先のことを信用している人がまだ少ないということであろう。ここからの相場も、急上昇、急降下ということになりそうだ。ドル安からドル高への転換にうまく乗っていきたいと思う。また、今回のQE3がうまくいかない場合、金は急降下の後、じわりと2000ドルを超えていく相場になりそうだ。当面は相変わらずユーロ買い中心で行ってみたい。
今回のQE3は、MBSの無限買い入れにとどまり、国債の買い入れには踏み込んでいない。そういう意味では、今後、QE3.5のような部分的緩和を繰り出してくる可能性も残っている。米国金利動向とあいまって、さきゆきが読みにくいが、強い円安が来るのはまだまだ先のような感じである。
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まもなくいったんドル高になるとみてますが、ドル指数を見る限り、78を割れてくると米ドル崩壊の可能性もありえそうですね。。
ともあれ、ここからは、「米株高値売り&ゴールド安値買い」の組み合わせが鉄板ですねー
ここを割れると 更に株高??
まさか~
ご意見参考にさせていただいております。
ドル円がやや円高方向に動いたこと、金が高くなった
ことは緩和したのですから自然な動きかなと思って
いたのですが、レシオで考えるとおっしゃるとおり
単純なリスクオンとは言えないのかもしれませんね。
ただ米国の5年債、10年債の金利は上昇しているようです。
先日遅ればせながら若林さんの本を読ませていただいたのですが、そこに書かれておられた本年10月の株高、来年(2013年)秋ごろの株安、そして
それ以降の上昇という見通しに、ドル円がすぐ78円台に戻したことを含めて、はまりが良くなってきたかなあという気がするのですが、やまはさんはどうお感じでしょうか。
見通しは正しいかと
原油の動きは嫌な感じ・・
来年以降の日本株高 期待したいですね
1500円の著作としては充分楽しめるかと。。
明日、日本市場は休みなので極端な動きになりそうで気になります。
民主政権が見栄を張らずに都が購入という形を取っていれば、ここまで酷い事には成らなかったのでは?
QE3が発動しましたが、アメリカの株価は今後どうなっていくと思われますか?
この不景気に、リーマンショック前の過去最高値を超えて15000、16000と上がっていくのはあまり理解できないのですが、QE1、QE2と株価が上がってきたのを考えると更に上がることもあるのかとも思えます。
上がっていくとしたらそれだけインフレが進んでいるということだとは思うのですが、いかがお考えでしょうか?
いつも勉強させて頂いております。
初書込で少し緊張しております。
本日、日銀の追加金融緩和策が発表になりました。
個人的には今回は見送りもあり得ると思っていたので見事に空振りしてしまいました。
さて、今回の緩和で長期国債買入れを10兆円増額されたのですが、このお金はどこへ行ってしまうのか疑問に思い書込みさせて頂きました。
国債購入なので、資金は主に銀行に流れ、銀行がその資金を新たな国債購入金に充てる事はないのでしょうか。だとしたら赤字国債を多少回収しただけで経済効果はいのではないか。
そのような事がなく、銀行が市場にお金をまわすとして、どこに資金が回るのでしょうか。資金を受けたところはそれを貯め込む事はないのでしょうか。
市場に回る資金量は意外に少なく、一方で輸入品が安い現状からお金の価値が期待通り下がらないと思っています。なのでインフレの要因になる可能性も低いように思います。
日本は多くの国債を国内に抱えていると言う欧米にはない状況にあるので、一例として資金を国債購入に充てて緩和効果を無くしてしまう可能性を考えました。
長文となってしまいましたが、このような稚拙な考えの背景に緩和された資金がどのように流れるのかを理解していない事が原因です。
緩和による資金の流れについて御教示頂けると嬉しいです。
宜しくお願いします。
この場をお借りしてつぶやかせてください。
すみません。
私は以下のように思っています。
来年は日本の景気は好転すると思います。
それは中国投資が減り、国内投資が増えるからです。
さらに、もし来年の首相が安倍晋三になったら、もっと好転すると思います。
中国の反日デモでありますが、マスメディアでは沈静化と報じています。
しかし、あれは共産党のやらせであることは日本以外の国の人々は気づいています。
とくに情報戦に長けているドイツなどはとっくに気づいています。
欧州、米国、東南アジアの国々は今回の騒動で中国のカントリーリスクというものを確信したと思います。今後、中国への投資は減っていくと思います。
お人よしでわすれっぽい日本も例外でなく、中国投資は減っていくと思います。
投資先は東欧や東南アジア、南アジアに移っていくと思います。
税制にも手がつけられ、国内投資を促進する減税措置も出てくるのではないでしょうか。
ジェイさん
株は秋のどこかで一応の天井になりそうですね。ドルインデクスは複雑な動きですが、まだもうすこし下がりそうです。
アルピーヌさん
まさにサポートでうろついていますね。どうなりますか。
あつのすけさん
そうですね。でも今回はそろそろ円安が始まってもいいかというタイミングだったので、ひとつのきっかけとして注目していました。
日本の量的緩和でも結局動かなかったので、まだ円安の時期ではないということでしょう。
かず1965さん、アルピーヌさん
若林氏の見方のおおかたはいいような気がしています。もしそうなら、今は危機は内部では終わっているが、表面的には続きそうに見える時ということになります。問題は何がきっかけで大きく円安になっていくかということでしょうね。
uenoさん
日経はハプニングでちょっと止まっていますが、米株との連動という点は変わらないでしょう。ダウの一応の天井までおつきあいということになるかと思います。
わらのいぬさん
為替にはこれ以上の影響はなさそうですね。あちらも長期戦の構えのようですから。今回の騒動を奇貨として、国にはしっかりとした長期的な展望を持ってもらいたいものです。
みぎーさん
いつものことながら、秋には大幅下落が待っているとかんがえた方がよさそうです。
Unknownさん
貨幣乗数ではまだ0.9で底を這うような景気です。CP発行残高も同様に底はいです。株価だけがバブルになっていると思います。ただ、貿易収支は改善しつつありますし、次の回復期には大きく上昇する下地はあるかと思います。
Sould Headsさん
貴金属のこれだけの値上がりは予想外でした。投資するお金はあるのにそれが、実需に向いていかないことを反映していますね。
Foxさん
お返事がおそくなり恐縮です。よろしくお願いします。
アメリカでもそうなのですが、緩和しても、おっしゃるように銀行は運用先がないため、資金が回っていかない現象になっています。その場合、各銀行の中央銀行の当座預金口座に貯まるだけということになると思います。よく、「ブタ積み」と言われます。下の池尾先生の解説どおりかと思います。
http://agora-web.jp/archives/1112781.html
トーシローさん
今回の中国のデモがおおかた官製(正確には、中国共産党内の一部グループ。どのグループかはまだ不明。)であることは国内でもかなり認識されてきていると思います。twitterなどで中国通の方の発言を見ているとそれがよくわかります。中国リスクが従来より高くなったことは明白で、日本からも、その他の国からも中国への投資はしばらくやや控えめに推移すると思われます。ただ巨大市場の魅力には抗しがたいため、変わらず続ける会社もあるでしょうが、安全保障と直結する問題なので、日本企業の意識には大きな変化があると思われます。
それが日本の景気回復に直結するかどうかはわかりませんが、今回の、韓国大統領の竹島=天皇発言、尖閣問題は、日本が長期的に変化していくひとつのきっかけになったことは疑いないと思います。過去のいろいろな時点で「戦後は終わった」と言われてきましたが、私には、今回の一連の事件は「戦後の終わり」のひじょうに大きなターニングポイントとして将来の日本史に記述されると思われます。
サイトの紹介 ありがとうございました。
とてもよく理解できました。
そして日銀総裁のため息が聞こえた気がしました。
他に良い方法はないのでしょうか・・・
ドイツですか。たしかに旧東ドイツはこれからいさらに発展しそうですし、いろいろな産業も興りつつありますね。
Foxさん
アメリカの例を見る限り、じっくりとこれをやっていく以外の方法はなさそうです。アメリカでもブタ積みになっていることは、貨幣乗数の低迷ですぐにわかります。逆に貨幣乗数が上向き始めた時(=信用創造が盛んになる)こそが、好機なのです。それを待ちましょう。