またぞろ介入という声が聞こえてきたが、すこし冷静に考えてみよう。これは吉田氏による
日米金利差とドル円のチャートだが、5月の介入時以来、金利差の縮小を無視した円売りの投機がかえって激しくなっているのがわかる。なぜこうなるかは、ちょっと考えて見ればわかる。単調にドル円が上がる場合は同じ価格帯は1度しか通過しないが、介入で一旦下がると、同じところを往復するので、ショート&ロングで二度儲かる。つまり介入は投機筋には非常に美味しいのである。そのたびに円売りをする意欲が増してくる。
投機筋にとって真に介入が恐いのはそこで中期反転してしまうことである。たとえば、5月の介入で158円で反転し、そのまま150円以下まで行ってしまうとすべての円売りポジションは損切り、焼け野原になるしかないが、今回のように153円手前で止まれば、5円程度の値幅は長期ポジではがまんできる。その間でうまく立ち回れば、利益になるわけで、スムージング介入などはほとんど意味がない。時間を稼いでも、今のように国際的金利状況が変化しなければ、実質的効果はゼロである。まして、米国債を売って(米国金利上昇要因)ドルを作っているようでは、ホントに逆効果。
日銀も国債買い入れ減額+利上げをがんばるというが、フラフラしている日経、実質的賃金下落、GDP下落、総裁選、そして世界的に利下げという声の中で、二周遅れの利上げがどれだけできるのか?非常に疑問である。
ということで、反転できない介入は、大手投機筋にとっての好機としか言いようがなく、160円以上で介入があれば素晴らしい。我々個人投機家も、大手に提灯をつけてどんどん円売りしていこうと思う。