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中国ドラマ「犬打ち棒(打狗棍)」(CCTV 2013年 70話)①

 
 
 
  美しいスキャットが場面で流れる「犬打ち棒(打狗棍)」。一言、今まで観たドラマ・映画の中で一番激しい物語でした。激しさでいえば10点満点
 
 時代は1911年から1949年の中国。舞台は現河北省の承徳にある避暑山荘(世界遺産)。北京から250キロ離れた所にあります。当時は熱河省でした。その熱河に伝わる反アヘン、反日戦争の物語です。 
 
 アヘンが中国に入り数多くの家庭が壊されました。アヘン戦争も起き、弱体化した中国に西欧諸国日本が入ってきて亡国になる中で、アヘンに対する中国人の拒絶感も強く「アヘン数え歌」が民衆に歌われました。「犬打ち棒」13話のシーンから。
 
 アヘン数え歌
 
 一の字は一本のキセル 煙草盆とキセル 煙草盆は小さいが一家を滅ぼす
 
 二の字は二匹の竜 竜が灯りを覆い隠す 灯りにキセルをかざし 大勢の英雄が死んだ
 
 三の字は横棒三本 両側に刃物と楊枝を置く 長さ一尺二寸(36cm)のキセルで 広大な畑が吹き飛ぶ
 
 四の字は口封じ 煙草盆は横死(非業の死)の箱
 
 五の字は背を屈める アヘンに手を出した
 
 六の字は互いに距離を保つ ひとたび中毒になれば あくびで涙があふれ出し 脚にも骨にも激痛が
 
 七の字は脚が跳ねている アヘンに唾液を混ぜる ひとたび中毒になれば アヘンからは抜けられない
 
 八の字は両側に分かれる アヘンをまた一服 アヘンはまるで妲己(王を惑わせ国を滅ぼした悪女の代名詞) 中国に災いをもたらす
 
 九の字は大きな弧を描く ほうきと煙草盆 アヘンを吸ったものは歯ぐきが傷つきうずくまる
 
 十の字二つで井の字になる アヘンは人を害する 家財をすべて失い 皮だけになり死人のよう
 
 
 監督 郭靖宇(グォ・ジンユー) 
 
 出演 ウェイ・ツー(巍子)戴天理 
     ヘイズー(黑子) 那图鲁 
     ヤン・チーカン(杨志刚)  马九斤 
     ユ・イー(于毅) 老二婶 
     ユェ・リーナー(岳丽娜) 那素芝 
      チァンハン・リュー(刘芊含)  秀儿  
      シャオ・ユィン(肖茵) 格格
 
 河北省、承徳の出身だという監督。郭靖宇の作品は「红娘子(赤い娘)」(2012年)「勇敢的心」(2014年)を観ました。
 3作共にヤン・チーカンが出演。他俳優陣も同じような顔ぶれです。熱河地方を舞台にしたドラマ作りですが、それぞれに個性がありました。
 
 「犬打ち棒」ラストに”母に捧げる”とありました。意味深いこの言葉に監督の”想い”を感じました。
 熱河作戦(日中戦争時における日本軍(関東軍)の中国熱河省、河北省への侵攻作戦)に関するドラマでしたので、抵抗の戦いが本当に激しかったということなのでしょう。
 
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