goo

中国ドラマ「天命の子~趙氏孤児」

 

 中国時代劇ドラマ「天命の子~趙氏孤児」を45話観終わりました。この時代劇は中国の歴史的物語「趙氏孤児」をドラマ化した作品。司馬遷の「史記」にも登場し、2000年以上語り継がれてきた物語です。

  復讐ものと謳われていますが「復讐」に囚われないもっと大きな人間の生き方を描いた時代劇でした。セリフ一つ一つに含みがあって最後まで見逃せない展開でした。

  権力者で仇の屠岸賈×庶民で慈悲の程嬰の心理戦。お互いの上手、上手に駒を進める。晋国の人々から誤解を受け続けるハンデを持ちながら19年も相手を倒す機会を待つ「程嬰」。研ぎ澄まされる囲碁の戦いをみるようでした。

 頭脳明晰な二人の戦いです。屠岸賈は自身のレベルに合った人物は程嬰しかいないと、友情のような絆を持ち深めます。程嬰も内心を隠しながらその絆を深め、屠岸賈の屋敷に囲われて19年の時を待ちます。屠岸賈息子の師匠にもなります。

 屠岸賈の形相を変えるわけではない、したたかなたぬき親父ぶり。無慈悲な悪人ですが愛妻家であり、子煩悩パパでもあり、息子を溺愛しました。息子は優しい子に育ち、屠岸賈のただ一つの弱みになってしまいました。

   程嬰は医者として倫理観にあふれた人柄で、我が子を生贄として差し出した苦しみを心の奥深くに終い込み、恩人の息子を育て上げます。程嬰流の子育ては野に咲く雑草のように強く優しく、道端の石っころのように自由自在に逞しく。

   結果逞しく育った程嬰の子(恩人で国の守り人である趙氏の子)は趙氏の跡取りとして王に忠義を誓い、趙氏を滅ぼした屠岸賈の悪事を暴きます。一族の復讐を果たした形になり、再興にもつながりました。

 お勧めの中国ドラマです。派手な宮廷物語ではありませんが、男性ファンはもちろんのこと、女性の方も楽しめるドラマだと思います。2021年06月14日06:00~ ホームドラマチャンネルにて放送 

    程嬰を演じたウー・ショーボー(呉秀波)は地味な俳優ですが、気張らない演技が何とも言えない楽な気持ちにさせる俳優です。「馬係長」を観ました。

 

 あらすじはハードです。

 晋、楚、秦の大国が覇権を争っていた春秋時代。
権力のすべてを掌握したい晋国の大尉、屠岸賈は、愚鈍な君主・景公を利用し、趙朔率いる趙氏一族を滅ぼそうと画策していた。

 楚の国境近くで医師をしていた程嬰はその企みを知ることとなり命を狙われるが、趙朔に救われ晋で暮らすことに。
 そんな中、ついに屠岸賈は趙朔を殺害。
 同日、「程嬰の妻・宋香」と「趙朔の妻で景公の姉・荘姫」「屠岸賈の愛妻・无姜 」がそれぞれ男児を出産するが、趙氏の血を絶やしたい屠岸賈は趙朔の子の命を狙う。
間一髪で程嬰が救出するが、屠岸賈は国中の赤ちゃんをひとりずつ殺していく非道な行いをする。
 趙朔の恩に報いるため、程嬰は我が子と趙朔の子を入れ替えてしまう。それは程嬰の子が身代わりとなって死ぬことを意味するのだった…。妻は悲しみのあまり記憶を失くしてしまう。

 偶然にも、程嬰は妻と赤ちゃんを連れて、屠岸賈の屋敷内で生活することになる。 程嬰は趙氏孤児の趙武を大業と名付けた。
 19年後、程嬰は立派に成長した趙朔の息子・趙武に一族が滅ぼされた惨劇を伝え、屠岸賈への復讐に動き出す。

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 誰が何と言っ... ヘンリー・マ... »