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中国ドラマ 「開国元帥朱徳(开国元勋朱德)」 (2014年 33話)

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 朝鮮・韓国の歴史や現代史は、韓国ドラマ・韓国時代劇で知ることができました。
 最初に観た韓国時代劇ドラマ「女人天下」「王の女」は、朝鮮王朝の歴史を全く知らないで大奥ものとして観ていたので、朝廷のシーンは飛ばして観ていました。”歴史を知るとドラマがもっと面白くなる”と以前に書きましたが、本当にその通りだと思います。今では朝鮮王朝、古代朝鮮を描いたドラマを楽しんでみることができます。
 
 CCTVに加入して今度は中国ドラマで、中国の歴史を知る機会が増えそうです。11月に放映されていた『10人の紅軍戦士』はわけがわからず観ていました。「長征」(共産党軍が中国の真ん中にある「延安」を目指した長い道のり)の戦いでしたが、激しい戦争ドラマでした。10人の主人公たちが戦いでそれぞれ倒れて死んでいくのですが、飢え死と凍死の回は戦争の悲惨さを中国の人々も感じたのではないのかと思いながら観ていました。
 
 開国元帥朱徳(开国元勋朱德)イメージ 2
 
 主演 王韦智(若い頃の朱徳) 王伍福(中年~の朱徳) 王霙(毛沢東) 郭伟华(周恩来)
 
 『開国元帥朱徳』は、清廉潔白な人物「朱徳」の一生を描いた戦争ドラマです。感動したのは、古今東西の善人を描いた脚本家たちにも思いつかないほどの、朱徳の「清廉潔白」さです。朱徳は良く描きすぎを遥かに超えた善人なのです。
 
 
 
 中華人民共和国を建国した「朱毛(朱徳と毛沢東)」と言われイメージ 3るほど毛沢東と並ぶ人物なのに、穏やかで権力欲が全くなくて、最後まで高潔に生きた人でした。戦時中はゲリラ戦術に長け、敵と交渉をし、兵士とともに労役まで行い、人徳者として人々に愛され、敵方にも絶賛されるような軍人でした。
 
 
建国の立役者として元帥の地位を得ますが、銅像や資料館など栄誉を一切断ります。給料も故郷の若者たちの学費として使イメージ 4い、昇給分は国に返還します。息子も将来は役人として有望だ
ったのに特別扱いをせず、鉄道員として働かせます。
 各地を巡察へ行き、毛沢東の「大躍進政策(1950年代後半から)」の破たんと国民の飢えを知り、変革をしようとしますが、文化大革命で朱徳も降格されてしまいました。故郷では紅衛兵が激しく朱徳を批判しますが、朱徳の人気が高い地元の人々は紅衛兵に立ち向かっていきます。
 
 
 
 
 周恩来が病で倒れたときは90才でお見舞いに行き、二人で中国イメージ 5の未来を案じます。1976年に周恩来、毛沢東の死が続き、朱徳も亡くなります。
 
 朱徳は”政治のことはわからない”といって、政治に口出しをしなかった人です。頭脳明晰、ドイツにも留学し、共産主義思想もドイツやソビエトで学びました。権威を嫌い慎ましく生きて、貧しい国民を救うことをはっきりとわかっていた人でした。毛沢東じゃなくて、朱徳が国家主席になっていたら、中国はどうなっていたのだろうかと考えさせられたドラマでした。
 『開国元帥朱徳』では、動乱の中国の歴史を垣間見た思いがしました。1910年代孫文の辛亥革命で清朝が倒された後、各地に軍閥が生まれ、その後蒋介石の国民党と非合法の共産党とのとの幾十万の犠牲者をだした戦争があり、日中戦争、さらに国共内戦、建国、失敗した大躍進政策の中国の様子、文化大革命の1970年代まで描き、一見の価値がある大河ドラマでした。
 
 王伍福は朱徳にそっくりということで、(朱徳夫人も認めた)朱徳役の俳優です。朱徳にならって王伍福も謙遜する俳優とのこと。国家一級俳優。
 若き毛沢東の役は王霙が演じることが多いそうです。周恩来は郭伟华、穏やかな周恩来を演じていました。
 
 
 
 
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