自分が何を聞いたか自動で記録しておけるラストFM、2015年1月にiTunesとの連携に不具合が起き、そのまま更新せず放置。昨年3月そういえばと思い出しアカウント復活させてみると、iTunesの再生はiPod以外パソコンで聞いた分は自動記録され、補助的に使っているSpotifyの再生も自動記録。ストリーミング全盛となりSpotifyユーザーが大半のようで、ラストFMの曲アカウントでその曲がどのアルバムから聞かれているかという表示も、たとえばヒット曲で多くの編集盤に収録されているような場合はSpotifyで優位にある盤が回数を稼いで上位に来る。
日本ではあまり知られていないようなレーベルの盤があちこちで表示され、興味を持って調べてみるとグーグル検索を経由すれば日本のSpotifyでもそれらの盤を表示することができ、再生ボタンを押すと別のアルバムから同じ音源を探して再生してくれる。
Sabrina Johnston / Peace (1991 - Ministry of Sound: Anthems: 90s)
Opus III / It's a Fine Day (1992 - Ministry of Sound: Anthems: 90s)
Ini Kamoze / Here Comes the Hotstepper (1995 - Ministry of Sound: Throwback Summer Jamz)
Groove Armada / At the River (1997 - Ministry of Sound: Chillout Sessions Classics)
Sébastien Tellier / La ritournelle (2004 - Ministry of Sound: Chillout Sessions Classics)
MOF担。ノーパンしゃぶしゃぶ。Ministry of Soundは英国のクラブが発祥の編集盤レーベル。ラストFMの有料会員になると再生記録のアルバム・アーティスト欄などを修正したりして編集盤にまとめられることから、コンピレーション合従連衡ゲームにのめり込み、半年ほどこのレーベルに集中させていたが、やがて他にも有力レーベルが少なくないと知るにつれ徐々にプレゼンス低下。90年代クラブ系ヒット中心に落ち着く。
Chicago / If You Leave Me Now (1976 - Smooth 70s)
The Hollies / The Air That I Breathe (1974 - Smooth 70s)
Foreigner / I Want to Know What Love Is (1984 - 80's Radio Gold)
Rod Stewart / Young Turks (1984 - 80's Radio Gold)
Rickie Lee Jones / Chuck E's in Love (1992 - Gold Dust Women)
X5 Music Groupは2003年ストックホルムで設立されたデジタル専門・編集盤専門のレーベル。当初はクラシックやゲーム音楽を中心に扱い、秀逸な編集とマーケティングにより高い利益率を誇る。2016年にワーナー傘下に入って、このジャケの趣向が似た3つなど月間50もの編集盤をリリースしているという。確かにSpotifyの再生回数を眺めてみるとクラシックは強いと感じますね。
INXS / Don't Change (1982 - Rhino Hi-Five: INXS)
INXS / Need You Tonight (1987 - Rhino Hi-Five: INXS)
Harry Chapin / W.O.L.D. (1973 - Rhino Hi-Five: Harry Chapin)
Debbie Gibson / Shake Your Love (1987 - Rhino Hi-Five: '80s Pop)
Stacey Q / Two of Hearts (1986 - Rhino Hi-Five: '80s Pop)
CD時代に編集盤の覇者であった米ライノー・レコーズ。2000年代にiPodとiTunesによる音楽の流通革命が起きると、権利を持つワーナー系のアーティストの5曲だけのベストEPシリーズRhino Hi-Fiveを大量リリース。家電メーカーやメディアと癒着してCDアルバムの利権にしがみつく日本のレコード会社には無縁な機動力。IT時代は初期に出遅れると致命的。
Miguel Ríos / Himno a la alegría (1969 - Las 5 mejores)
Miguel Ríos / El río (1968 - Las 5 mejores)
Jeanette / Porqué te vas? (1974 - Las 5 mejores)
Jeanette / Estoy triste (1972 - Las 5 mejores)
Raphael / Yo soy aquél (1966 - Las 5 mejores)
スペインのワーナーも自国アーティストの5曲EPをシリーズ化。Himno a la alegríaはベートーヴェンの9番を短くまとめた秀逸な編曲による感動的な歌唱。
Nacha Pop / Chica de ayer (1980 - EGB: La música de una generación)
David Bowie / Let's Dance (1983 - EGB: La música de una generación)
Raphael / Mi gran noche (1967 - EGB: La música de una generación. Volumen 2)
Duran Duran / Ordinary World (1993 - EGB: La música de una generación. Volumen 2)
Jeanette / Soy rebelde (1971 - EGB: Las tardes de guateque)
これもスペインのワーナーが企画した、自国アーティストと欧米アーティストのヒット曲を同じくらいの比率で集めた2枚組シリーズ。ジャケが好き。
Harold Faltermeyer / Axel F (1984 - Alle 40 goed: Instrumentals)
布袋寅泰 / 新・仁義なき戦いのテーマ (2000 - Alle 40 goed: Instrumentals)
Simple Minds / Theme for Great Cities (1981 - Alle 40 goed: New Wave Vol. 2)
The Stranglers / Strange Little Girl (1982 - Alle 40 goed: New Wave Vol. 2)
James Last / Biscaya (1981 - Alle 40 goed: Easy Listening)
Alle 40 goedはオランダ/ベルギーのEMIが2007~13年に企画した2枚組ベスト/コンピ盤シリーズ。EMIがソニーなどのコンソーシアムに買収され、英・米・カナダのEMIは解体されたが、そのほか各国のEMIはまだ機能していて、そのままの形でSpotifyなどに提供しているらしい。
Jeanette / Frente a frente (1981 - RCA 100 años de musica: Segunda parte: Grandes baladas de los 80's)
Valeria Lynch / Qué ganas de no verte nunca más (1984 - RCA 100 años de musica: Segunda parte: Grandes baladas de los 80's)
Los Tres Diamantes / La gloria eres tú (1958 - RCA 100 años de música: Segunda parte: 40 diferentes grandes trios: Única e inigualable coleccion)
Riccardo Cocciante / Bella senz'anima (1974 - RCA 100 años de musica: Segunda parte: Lo mejor de Italia)
Nicola Di Bari / Il cuore e' uno zingaro (1971 - RCA 100 años de musica: Segunda parte: Lo mejor de Italia)
スペインのジャネット(Jeanette)はあちこちで選ばれて人気高い。2000年代初めにメキシコのBMGでシリーズ化された2枚組シリーズで、スペイン語圏だけでなく、右端のイタリアのヒット曲を集めたものなど多彩で選曲も正統的。
Caifanes / Mátenme porque me muero (1988 - Lo esencial de Rock en tu idioma)
Los Tres / Déjate caer (1995 - Lo esencial de Rock en tu idioma)
Trío Los Panchos / Sin ti (1956 - Bicentenario 200 años de música en México)
Los Dandys / Gema (1958 - Bicentenario 200 años de música en México)
José Alfredo Jiménez / El rey (1971 - Bicentenario 200 años de música en México)
最後の音楽大国。メキシコのソニーによる、左はスペイン語圏のロックのヒット曲、右は自国ポピュラー音楽史的なまとめ。4枚組の後半になるとSpotify再生回数が千万~億超えの連続。億千万とか歌ってた人も喜多川に掘られてああなっちゃったのか。
Zamfir & James Last / The Lonely Shepherd (1978 - Just Good Music for Your Dreams)
Blonker / Fantasia (1980 - Just Good Music For Your Dreams Vol. 2)
Gipsy Kings / Love & Liberté (1993 - Just Good Music For Your Dreams Vol. 2)
Mark Knopfler / Wild Theme (1983 - Just Good Music For Your Dreams Vol. 2)
Francis Lai / Emotion (1979 - Just Good Music For Your Dreams Vol. 3)
ソビエト崩壊後の1990年代にロシアのレーベルが各国のムード音楽を集めた海賊版カセットのシリーズ。プログレ系や坂本龍一など選曲は良い。
Khaled / Aïcha (1996 - Alle 40 goed: Franse chansons)
Michel Sardou / Les lacs du Connemara (1981 - Alle 40 goed: Franse chansons)
Michel Fugain / Une belle histoire (1972 - Paris mon amour)
Gilbert Bécaud / Nathalie (1964 - Nostalgie la légende présente 50 chansons françaises de légende)
Serge Gainsbourg / La javanaise (1963 - Nostalgie la légende présente 50 chansons françaises de légende)
左からオランダ/ベルギーのレーベル、ギリシャのレーベル、そしてフランスのレーベルによるフランス音楽集。日本人による同種の企画が特定の時代の〝シャンソン〟に捉われがちであるのに対し、前2者はハレド、アダモ、ジョルジュ・ムスタキなど「フランス語のポップス」から広く集めて秀逸。
かつて有吉弘行のラジオを聞いていたころ、彼が猿岩石としてのヒッチハイク企画でインドやパキスタンを回ったとき子どもたちが歌っていた曲を鼻歌で歌い、それがAïchaだったということで、ますます彼を信頼したものだったが、今にして思えば彼にとってのヒッチハイクとは、ジャニー喜多川が少年を合宿所に連れてきて性暴力を受け入れた者をデビューさせるのと同じ「0を1にする行為」。1になった彼は稚拙な歌や本を大量に売ることができ、売れなくなってからも、どうしても「テレビに出る人」に返り咲かねばならなかった。さもなくば一生屈辱だ。返り咲いたことは立派であったが、音楽や本はもちろんオリンピックさえ台無しにしてしまう日本の腐敗したメディアの一部になり、同じように無価値になった。