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巻き添え食ってたまるかよ

ファブリの画集

2012-10-16 22:06:52 | Bibliomania
2年ほど前の記事で、小沢真珠や佐藤寛子のカレンダーを切り取ってぶっかけて捨てるって述べたんだけど、ずいぶんゼイタクなことしてたんだな。
もはやそれらのカレンダーを手に入れること自体難しくなりつつあるが、先日古書市で、そうした女の姿が刷られた判型の大きい印刷物の原体験として脳裏に刻まれた本を入手。
元はイタリアのFratelli Fabbri Editoriなる出版社から出た『ファブリ世界名画集』(B4判変形)の日本版がデアゴスティーニみたいにして毎月だったか宅配で送られてきたんだよね、母親が絵が好きで。
─で、オナニーし始めの小6や中1ではおかずに事欠いて、そこに載ってるマネの「オランピア」とかティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」(↑画像)を実際使ってましたわ。モデル以外の人物も写り込んでるところがミソだな。






判型こそ大きいが絵は十数点しか収められてない簡素なもので、家にあったのは年代順に巨匠を揃えた1巻~60巻、当時の値段が1巻300円となってる。ほか、やや知名度の劣る画家を収めた61巻~100巻も続刊で出ており、今回古書市で見たところではイタリア版ではさらに続きも出てたらしい。
70年代あたりまで、百科事典やら各種美術・名曲・文学全集やら日本の歴史・世界の歴史、重くてかさばる本が中産階級の証しみたいに各家庭の書架を飾ったものの、今や持ち主がどんどん死んでゆくわ、子どもも住宅事情的にそんなもの持ちたくないわで、産業廃棄物並みの扱いだ。
やがてダウンサイジングの波というか手塚治虫さんの全集も第一次のマンガ文庫化期にあたっており、講談社が文庫サイズでいこうとしたところ、ご本人の反対でB6判に落ち着いたらしいんだけど、おかずに使うってことはともかく、コンテンツ本来の力を損なわないよう配意いただきたいものです。




実際中坊で、アイドルのグラビアや脳内妄想もあったろうに、大昔に描かれた名画をおかずに使ったってことは、さかのぼって写真など存在しなかった頃に、写実的で美しい絵を描ける手腕というものがどれほど価値があり、それをめぐって王侯貴族の間で争奪戦も起こっただろうことは想像に難くない。
やがて写真が発明されるとともに、その地位が暴落するのを防ぐためにも、さまざまな技法や新しい感覚が生み出されていったという外的・経済的要因もおそらく軽視できないのでしょう…
コメント
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