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真鍋博

2012-07-06 23:06:45 | Bibliomania
■真鍋博─まなべひろし, Hiroshi Manabe ─ 1932(昭和7)年、愛媛県別子山村に生まれる。3歳~高校時代を同県・中萩村(現新居浜市)で過ごし、村の助役として建築関係に携わっていた父の影響で建築雑誌や図面を見ることに始まって、県立新居浜西高の美術部で絵に没頭した後、多摩美術大学に進んで上京する。
当初は油彩中心の活動であったが、やがて挿絵や本の装幀、さらにアニメーションや舞台美術にも領域を広げるようになり、1960年にロシュワルト作『レベルセブン 第七地下壕』の挿絵で第1回講談社さしえ賞を受ける。
星新一、筒井康隆らSF作家の著作の表紙を多く手がけ、パノラマ的な未来都市図も手がけたことから、科学技術や情報化による「ばら色の未来」の喧伝に大いに貢献した形となったが、愛媛県出身の真鍋は創作において「田園風景と都市」あるいは「家族と社会」が調和して一つの世界を形作ることを理想としていたとされる。
晩年にもエッセイやアニメを含め多彩な活動を行い、「21世紀をこの目で見たい」と健康にも留意していたが、惜しくも2000(平成12)年10月にがん性リンパ管症のため68歳で死去した。 ─(↑星新一 『声の網』 講談社文庫・書籍カバー、1973、ほか図版と経歴は2001年に開かれた『真鍋博回顧展 イマジネーションの散歩道』図録より)




「動物A」─油彩、1956




「潜水艦カシオペア」─アニメーション原画、1964




筒井康隆 『メタモルフォセス群島』 新潮社・書籍カバー、1976




アガサ・クリスティー 『そして誰もいなくなった』 ハヤカワ・ミステリ文庫・書籍カバー、1976年




全国45ヵ所の鳥瞰図を54回にわたってサンデー毎日に連載した『真鍋博の鳥の眼』より「尾道」の一部、1968




日本生産性本部刊の『絵でみる20年後の日本』より「電子翻訳・第三次職業」、1966




「にぎやかな未来」─PR誌口絵、1978
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