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巻き添え食ってたまるかよ

バッハの影響

2010-09-30 23:31:31 | 音楽
iTunesプレイリスト <バッハの影響> 140分
1. "J.S. Bach: Toccata and fugue in D minor, BWV 565" Karl Richter, 1954 トッカータとフーガ・ニ短調、ストコフスキーによるオーケストラ編曲が映画『オーケストラの少女』で用いられて著名な曲に
2. "J.S. Bach: Wachet Auf, Ruft Uns Die Stimme Cantata, BWV 140 - Chor: Wachet Auf, Ruft Uns Die Stimme" John Eliot Gardiner; English Baroque Soloists & Monteverdi Choir, 1999 カンタータ「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」より同名コラール
3. "Fugue in D minor, BWV 1080" The Swingle Singers, 1963
4. "Bach: Cello Suite #1 in G, BWV 1007 - Sarabande" Pablo Casals, 1938 無伴奏チェロ組曲1番ト長調よりサラバンド
5. "Everything's Gonna Be Alright" Sweetbox, 1997 管弦楽組曲3番ニ長調よりアリア(G線上のアリア)に基づく
6. "J.S. Bach: The Well-Tempered Clavier - Book 1 - Prelude 16 in G minor" Edwin Fischer, 1934 平均律クラヴィア曲集1巻より16番・前奏曲



7. "The Only Way (Hymn)/Infinite Space (Conclusion)" Emerson, Lake & Palmer, 1971 冒頭と途中のキース・エマーソンの演奏が、それぞれバッハの曲からの流用
8. "J.S. Bach: Cantata #147, Herz Und Mund Und Tat Und Leben, BWV 147 - X. Chorale: Jesus Bleibet Meine Freude" Nikolaus Harnoncourt; Concentus Musicus Wien, Tölz Boys' Choir, 2009 カンタータ「心と口と行いと生きざまもて」よりコラール「主よ、人の望みよ喜びよ」
9. "A Whiter Shade of Pale" Procol Harum, 1967 カンタータ140番に基づくとされる
10. "Bach: Goldberg Variations, BWV 988 - Variation 25 a 2 Clav. Adagio" Glenn Gould, 1955 ゴルトベルク変奏曲より25変奏



11. "Villa-Lobos: Bachianas brasileiras #5, I. Aria (Cantilena). Adagio" Jill Gomez & The Pleeth Cello Octet, 1987 ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ5番よりアリア
12. "Prélude" Baden Powell, 1963 前奏曲ハ短調(BWV999)をギター編曲
13. "J.S. Bach: St. John Passion, BWV 245 - 27, Evangelist, Chorus, Evangelist: Die Kriegsknechte aber" Anthony Rolfe-Johnson, John Eliot Gardiner; English Baroque Soloists, Monteverdi Choir, 1986 ヨハネ受難曲より
14. "Ave Maria" Linda Chatterton & Nikki Christopher, 2005 グノーのアヴェ・マリア、平均律クラヴィア曲集1巻より1番・前奏曲に基づく、ここではフルートとハープによる演奏
15. "J.S. Bach: Cantata, Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit, BWV 106 - I. Sonatina" John Eliot Gardiner; English Baroque Soloists, 2000 カンタータ「神の時こそいと良き時」よりソナティーナ



16. "Franck: Prélude, Fugue et Variation, Op. 18" Olivier Latry, 2003 フランク:前奏曲、フーガと変奏曲
17. "Bach: Bourree from the 3rd Cello Suite, BWV 1009" Maria Luisa Anido, 1930 無伴奏チェロ組曲3番ハ長調よりブーレをギター編曲
18. "J.S. Bach: Orchestral Suite #2 in B minor, BWV 1067 - VII. Badinerie" Frans Brüggen; Orchestra of the Age of Enlightenment, 1994 管弦楽組曲2番ロ短調よりバディヌリー
19. "Highway Star" Deep Purple, 1972 中間部のコード進行がバッハ風
20. " J.S. Bach: Concerto for Harpsichord, Strings, and Continuo #5 in F minor, BWV 1056 - II. Largo" Trevor Pinnock & English Concert, 2000 チェンバロ協奏曲5番ヘ短調よりラルゴ
21. "J.S. Bach: Magnificat in D, BWV 243 - IX. Aria: Esurientes implevit bonis (Alto)" Robin Blaze, Paul McCreesh & Gabrieli Players, 2001 マニフィカト・ニ長調よりアリア



22. "J.S. Bach: Sonata for Violin Solo #1 in G minor, BWV 1001 - II. Fuga (Allegro)" Göran Söllscher, 2004 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番ト短調よりフーガをギター編曲
23. "Brahms: 11 Chorale Preludes, Op. 122 - VIII. Es ist ein Ros' entsprungen" Robert Parkins, 1994 ブラームス:11のコラール前奏曲より8
24. "J.S. Bach: 2-Part Inventions - Invention in D minor, BWV 775" Beverley Johnston, 2000 二声のインヴェンション・ニ短調をマリンバ演奏、ELPのカール・パーマーも1977年の『Works』で演奏
25. "Burning of the Midnight Lamp" The Jimi Hendrix Experience, 1968 イントロがバッハ風
26. "J.S. Bach: The Well-Tempered Clavier - Book 1 - Fugue 4 in C# minor" Edwin Fischer, 1934 平均律クラヴィア曲集1巻より4番フーガ
27. "Valse (Based On a Theme By Bach)" Claus Ogerman & The Bill Evans Trio, 1965 ト短調ソナタよりシチリアーノに基づく
28. "J.S. Bach: St. Matthew Passion, BWV 244 - Part Two, #39. Aria (Alto): Erbarme dich" Christine Schafer, Hilary Hahn, Alexander Liebreich; Münchener Kammerorchester, 2009 マタイ受難曲よりアリア「憐れみ給え、わが神よ」、タルコフスキー監督の映画『サクリファイス』で使用
29. "J.S. Bach: Violin Partita #2 in D minor, BWV 1004 - V. Chaconne" Yehudi Menuhin, 1935 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番ニ短調よりシャコンヌ
30. "Joy" Apollo 100 feat. Tom Parker, 1972 「主よ、人の望みよ喜びよ」に基づく、映画『40歳の童貞男』で使用



にっしー、うれしー。
今度の土曜日が初日の映画『スープ・オペラ』に西島隆弘くんが助演する、その舞台挨拶を前から4列目で観覧できることが決まった。楽しみだ。空気感を、記憶に焼き付けなければ。
が、かねて芸能界では45年に1度の逸材と、彼に注目してきたオラではあるが、先日発売の2nd写真集は書店でビニールに包まれた現物を手にとって、しばし考えた末、買わなかったの。
本はかさばるでしょう、1st写真集と別個に買う価値があるとまでは言い切れないんじゃないかと。
ほかの買い物でも、近年ではそういう傾向で、まして音楽ともなると、1日が24時間というのは誰にも平等に与えられた時間です=高橋尚子。
エルヴィス・コステロさんが選んだ500枚のアルバムにしても、ポップスでは彼がお気に入りの曲をアルバムからピックアップしてくれているが、クラシックでは2枚組や3枚組の長大なものがドーンとある中から、自分なりにえりすぐらなければ、時間が埋め尽くされてしまう。混ぜて聞く際も、クラシックの長い曲が2曲も3曲も続いたりすると、やや空気が沈んでしまうので。
で、コステロさんはJSバッハ(1685-1750)作曲の盤では、↑にも選んだフィッシャーの平均律クラヴィア曲集、カザルスの無伴奏チェロ組曲のほか、6つのパルティータ(BWV825-830)とロ短調ミサ曲の計4つを。バッハの曲は、長大なものでも、部分部分で個別にはほとんどが10分以内に収まる、↑の曲でも10分を超えるのは29のシャコンヌのみなので、わりと選びやすい。
とともに、しばしば「セカイ系」などとも親和性があるとされるだけに、その影響が現代のポップスなどにも繰り返し現れる、一種のルーツ・ミュージックとしても存在感を発揮していると感じられる。



きのう教育テレビでやっていた、一週間で資本論とかなんとかの番組で、浜矩子氏が『資本論』は原書で読んだほうが分かりやすい、とか言っていたのを耳にして、ああ、ユダヤ音楽家がすごい内容を歌えるのは、言葉のせいもあるんだな、近年のJ-POPが幼稚でくだらないのは、日本語に縛られているせいでもあるんだなと。
日本語が幼稚でくだらないというより、マルクスやユダヤ人が言いたいようなシビアで苦い内容には適さない、宿しているものの思想的な方向性が異なるというべきか。バッハの同時代の音楽家は、カトリック圏の宮廷に召抱えられ、華やかで明るい、ある意味では空疎な音楽を作ったが、バッハは終始プロテスタント圏の教会に属して、同時代的には地味な活動にとどまったものの、ずっと後まで影響する大量の音楽を作った。なにやら楽譜を見ればプロをうならせる、難解な音楽理論に基づいて厳密に構成されていると聞くが、われわれは理論やドイツ語が分からなくても、彼の音楽や、そこから影響を受けたりカバー・編曲したりする後続の音楽を楽しみ、人類普遍の敬虔な感情を抱くことができる。
われわれが生き続ける限り、いつまでも再生産されうる、まさに《音楽の父》と呼ぶことができましょう。



↑バッハも長く活躍したライプツィヒの聖トーマス教会(1723年)。教会の附属学校の音楽教師(カントール)が子どもに指導したり作曲して、日曜ごとに教会付きのオルガン奏者の伴奏により集った会衆がそれを合唱する─というような、キリスト教を基盤とするドイツ市民社会が、バッハの音楽の源であった。
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