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B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

政治家らしい政治家:中山代議士の発言

2008-09-30 | Weblog
 中山代議士の発言。至極もっとも過ぎて、久しぶりに「政治家」を見た気分。庶民ではどうしようないアンタッチャブルな組織にメスに入れるのが政治家の本業でもある。これは公僕という名札のついた官僚では立場上できないわけで。最新のインタビューの核心部分をコピペ。

「結局、民主党の支持母体である自治労が、自分たちの怠慢を民主党に言わせて、それを自民党の政権の責任だと言っているんですけれども。この民主党と自治労と日教組と、私に言わせればね、組合費ですか、これたくさん上納してきますけれども、これは「労働貴族」ですよね。ついでにいえば、その組合から支援されている民主党の議員ていうのは「選挙貴族」ですよ。票も金も組合が出してくれるんだからね。まあ、自民党の議員ていうのは一人一人、金を集めてドブ板選挙をやってくるんだけど、こういう優雅な民主党の議員だということを国民の皆さん知らないんだな。だから、自治労と日教組に支援されている日教組が政権をとるとどうなるか。端的にいえば、それが大阪府だということですよ。」

徒然

2008-09-27 | Weblog
 いつものワイン屋へ赴いたら、小さなテイスティングカウンターが開設されていた。10種1000円というのはお得だと思う。ニューワールドの直球も悪くはないが、やはりフランスワインの複雑で微妙な後味は別格だなと思った。まあピンキリだし、当たり外れも大きいのだが。店員の人が、「ワインは幸福なときにさらに幸福になるために飲むお酒。僕はヤケ酒でワインを飲んだりはしないし、欧州でもワインをそういう飲み方をする人は見たことがない。」と話していた。そのとおりだと思った。

 続いていつもの寿司屋へ。一人で行くのは初めて。柚子で香りづけされた穴子と煮鮑、それと生ホッキが特別に美味しかった。生まれ変わったら絶対に板前になりたい。

 書類手続きのためお休みをもらい、都内を駆けずり回ったのだが、ある地下鉄の中、なんだかビール臭いなと思ったら、前に立ってお喋りしていた二人組の若い女性、それも一見すると高校生かと思うくらい若い二人が、プレミアムモルツの500mLをむき出しで立ち飲みしていた。真っ昼間、東京のど真ん中(皇居の地下あたり)でである。世も末だと思った。

小泉さんって友達いないんだろうなあ。

2008-09-25 | Weblog
色々なことを。まず政治のこと。

1)麻生内閣:麻生さん、血筋はスーパーサラブレッなのトだが、それが祟ってか、実はここ最近まで冷や飯を食わされ続けていた。その辺りの逆境パワーを出して頑張って欲しい。内閣のメンツは良い感じではないだろうか?鬼門の農水に石破さんを持ってきたのは妙案だと思う。小渕娘が少子化担当か。子供を産んだことがあるだけで務まるのかな?まあこのポストは女性登用のために拵えたようなものだが・・。駅のコンビニに「麻生おんぼろ内閣」とかいう見出しの新聞があったが、まだなにも活動してないのにそういうことを言うなと。個人の意見ならともかく、社会の木鐸である新聞は(夕刊紙といえ)、一応は公平な視点から書いて欲しいものだ。といっても、新聞は「アカが書き、ヤクザが配って、馬鹿が読む」ものだったが、今は「馬鹿が書き、ヤクザが配っても、誰も読まない」となってきている。

2)小泉引退:政局を読むのが敏感なだけに、このまま居残っても自分への風当たりが強くなるだけだと判断したか。森元総理が「功罪のうち、功については時間がかからないとわからないが、とにかく今は罪の方が目立つ」と梯子を外してた。内輪でも仲間が減ってきていたのかもしれん。まあ森さんは功も罪もなくただのデブなんだが。これで小池さんも終わりだねえ。自分の選挙区は次男に任すらしいが(また世襲ですか・・・)、小泉さんには実は三男がいる。離婚したとき奥さんのお腹にいたそうで、そのため一度も面会をしていない。(逆に上の二人は母との面会を断たれてるらしい。)3男が会いたいと押しかけても頑として会わないとか(秘書官が会わせないとか)・・。どういう理由で離婚したのかしらないが(S学会関係とも)、子供に罪は無いわけで、この人はどこか人間として欠けたところがあるのだろう。その辺りがスパイスとなって変人として売れたのかもしれない。小泉さんは慶応大学時代にロンドンへ留学をしていることになっているが、いつ、どの学科へ、どういう理由でというのが非常に不透明なのは有名。レイプ事件で逃げたなんて騒がれたこともある。同期(同級生)の栗本慎一郎が大学時代の小泉氏のことを事細かに書いてる。「小泉は通常の意味で、とにかく頭が悪かった・・・小泉の発言は明確だと言われますが、真相は長いことを喋れないから、話が短くて明確そうに聞こえるだけです。・・・・彼は自分がやっていることの社会的意味がわかっていない。」。平成を代表する首相の若い頃のことが、しっかりと語られないなんて、なにか暗く黒いものを感じます。

少子化

2008-09-23 | Weblog
このたびの出来ごとで感じたこと・・・

 費用が高い。これでは少子化になるさ。都内で普通の病院で出産すると、50程度かかると言われており、実際にそのとおりだった。健康保険で6割程度は補填してもらえるが、残りは自腹。余分に検査が加わると、適宜加算されていく。「何とかならないのか?これって郵政や道路や年金を越えて、国家として一番大事なことだろ?」と思ったら、先月あたりに舛添大臣が、補助金を増やす方向で検討したいと仰りました。よくぞいった大臣!でも、もう少し早く言って欲しかった・・・。

 通った病院は、近くて大きいというだけで選らんだのだが、医師も助産師も全て女性という病院で、最後まで本当に綿密で丁寧なケアをしていただいた。それにしても、あのようなまさに「修羅場」で働く女性の強さは一体どこから生まれるのだろうか?

認知

2008-09-22 | Weblog
更新してなくて申し訳ないが、大変なことがおこった。

娘が出てきたのだ・・・・・認知をせまられている・・・。





というのは冗談で、きちんと産道を通って出てきた。一昼夜におよぶ長い闘いだったが、女性の特殊な強さを見せつけられた。男では絶対に堪えられないというのは本当だと思う。親としての感慨はまだわかないが、生物として世代交代が行われていく感はありありと感じる。この9ヶ月間、様々なことに緊張し、心配し、感動したが、これは誰でも同じだと思うので、このあたりにしておこう。それにしても職場の先輩に性別をつげたとき、「なんだ、きちんと仕事してるじゃん」と言われたのにはまいった。(化学系の男性の子供は♀という都市伝説がある。実際のところ、私の周りに例外はなく100%が♀である。有機溶媒と磁場のせいと言われる。)

長寿と繁栄を!

2008-09-16 | Weblog
 以前にも書きましたが、スタートレック(宇宙大作戦)で操舵手スールー役を演じた日系俳優のG・タケイ氏が、カリフォルニアで21年つきあっている同姓の相手とついに結婚式を挙げました。ST原理主義としては、心から祝福したいと思います。(私は同性愛には全く興味はありませんが)彼のHPをみると、ウーラ中尉(ニシェル・ニコルズ)とチェコフ少尉(ウォルター・ケーニック)も元気そうですね。長寿と繁栄を!

超男性

2008-09-16 | Weblog
ジャリ:「超男性」(澁澤訳)を途中まで読む。期限切れがきてしまったので、現在古本を注文中。不条理文学の原点といわれている問題作で、読んでいると、あまりの荒唐無稽さに、異空間に入ったような不思議な浮遊感に浸れる。といっても、その荒唐無稽さの土台に冷徹な現実の鉄板がある感じがして・・・よくわからないがその辺りがただ「電波」ではない名作なんだろうか?

ニーチェ:「この人を見よ」を途中まで読む。期限切れでこれも注文中。ニーチェの事実上最後の作品。全編にわたって自爆的な攻撃性に溢れ、愚民(ドイツ人)を徹底的にこき下ろす。専門的な哲学や思想のことはよくわからないが、ニーチェの「固定観念から脱却せよ!」という信念だけは多いに共感できる。変な言い方だが・・・不思議な勇気を与えてくれる本。(ニーチェはこの作品のあと発狂してしまうのだが・・・。)北斗神拳の神髄は怒りである。

「笑の大学」という映画を借りて観た。もともと三谷幸喜のラジオ作品だが、これは役所広司のための映画だと思った。

マラ9、そして人間風車

2008-09-12 | Weblog
 ブーレーズ指揮シカゴ響のマラ9を借りて聴いた。DGの威信をかけた録音陣だけあって、ブーレーズのマーラーシリーズの音質はどれも素晴らしい。オケがシカゴ響ということで、ちょっと期待はしていなかったのだが(殆どはウィーンフィルで録音している)、どうして非常にバランスのとれた好演でした。バーンスタインの演奏と比べたら、どんな演奏も霞んでしまうが、十分に名演と言えると思う。

 ヴァント指揮ベルリンフィルでブル5を借りて聴いた。ライブ録音なのだが、音楽の隙間が多くて乗れなかった。こういうのがブルックナーの王道的な演奏なのだろうか?ベルリンフィルの集中力のなさも気になった。

 魔笛はベーム・ウィーンフィルの録音を長年聴いているだのが、ウィーンフィルの音をあそこまで流麗に引きだせるベームは、やはり偉大な指揮者なのだと思う。フルヴェンにも魔笛の録音があるのだが(1949ー1951に公演されたザルツでのライブ。演奏はもちろんウィーンフィル)、1951年の録音だけ持っている。恐るべき演奏である。序曲だけで交響曲一つ分の充実度なのに、それでさえ文字通り序章にしか過ぎない。なにせ全幕を通して、ふいごで煽られ続けてるような燃え上がり方なのだ。ライブ録音ということで、台詞も足音も怒濤の拍手も入っており、聞き通すと本当に観劇したような疲労感に襲われる。生で見た人は一生忘れられないのでないか?ちなみにフルヴェンは続く1952-1953にはフィガロを(録音あり)、1954には伝説のドン・ジョバンニを公演した(死の3月前)。ドン・ジョバンニの演奏はカラーでの録画が市販されている。(このブログ内でも一度書いた)


 長州力vsローランド・ボックをyoutubeで観た。ボックはドイツのレスラーで、アマレスからプロに転向し、強烈なスープレックスで欧州王者になった実力派の猛者。その受け身を取らせない高速スープレックスで多くの選手を病院送りにしたので「墓掘り人」とさえ呼ばれた。猪木が欧州遠征した際、10ラウンドを戦いぬき、猪木を判定で下している(一方的に猪木が投げられた)。長州がまだ駆け出しの頃で、なんと髪型が「7:3」!試合はボックの一方的な流れで、体格、パワーで長州を圧倒。最後は高速の「人間風車」で、そのまま固めて終了。人間風車、つまり「ダブルアームスープレックス」はお気に入りの技である。現在主流となっている頭から落とすだけの鬼畜技でなく、リバースフルネルソンからの反り投げという、いかにもレスリングの技という品格を持っている。人間風車は猪木もよく使ったが、やはりイギリスの偉大なレスラー、ビル・ロビンソンが最高の使い手である。鶴田とのシングルで見せた超高速人間風車には唖然とさせられた。ビル・ロビンソンは現在なんと「高円寺」に在住である。



屋台

2008-09-12 | Weblog
 秋の虫が鳴き始めてるけど、一体どうやって小さな体からあれだけの大きな音を出しているのか、いまだに不思議です。(羽を摺り合わすというのは知ってるけど、想像がつかない。)

 家の近くに、屋台のラーメン屋が来ているのだが、興味津々でいつ食べに行こうかとタイミングを計っています。テント式ではなくリヤカー屋台なのだけど、小さな箱がパタパタ展開して店になっていく様が、妙に心をくすぐります。子供の頃、近くの野山によく段ボール基地を作っていたせいか、機能的で小さな空間というものに居心地のよさを感じたりします。カプセルホテルとか、寝台列車の個室とか。ただの穴倉好きなのか?日本ではあまり見ないけど、アメリカで主流の珈琲スタンドなんかも非常に魅力的です。
 リヤカー屋台って全て自作なんだろうか?と思ったらきちんと販売していたりするのですね。ちょっと一台欲しかったり。第2の人生?

徒然

2008-09-11 | Weblog
涼しい日が続きます。地球温暖化ですね。

1)人工ブラックホール?:欧州の加速器が始動。ブラックホールの形成もありえるとかで、停止をもとめる訴訟までおこされたらしい。そういえば、宇宙戦艦ヤマトの敵が「ブラックホール砲」という武器を持っていたな。

2)事故米:まさしく食料崩壊である。中国と同列となってしまったわけだ。アフラトキシンの研究は日本で盛んなのだが、その危険性が現場では全く理解されておらず、庶民の口に直行していたのは皮肉というより悲惨である。人間の本性は性悪である。そのため、インチキに走る人間をゼロにすることは不可能である。問題はインチキができるシステムのほうにこそある。
 しかし、こんな食用にならない米なんて、はやりの「バイオエタノール」の恰好の材料じゃないかと思ったら、昨年、農水省はバイオエタノール事業への輸入米の投入を決定していたりする。今回、抜き打ち検査を強行した裏には、事故米の価格を徹底的に下げようとする思惑があったのかもしれん・・なんて陰謀好きの私は考えたりする。

仕事・家庭・趣味

2008-09-09 | Weblog
 秋の演奏会へ向けて合奏練習が再開され、その音だしに参加した。今回は歌劇なのだが、本当に良くできた曲でモーツァルトの天才ぶりに改めて感動する。練習の前半は体も心も化石のように硬く、楽器も不安定で全然響かせられなかったが、休憩後の後半から調弦が安定したのか楽器が鳴り始め、この楽団での弾き方・響かせ方も段階的に思い出してきた。初見大会にもかかわらず全曲を時間内に通すことができ、最後のほうは音程もまとまって良い雰囲気だったと思う。いい演奏会になる予感。個人的には「音を出す前にどういう音を出すかきちんとイメージする」という基本を再確認。これを意識するかしないかで、音色が180度変わる。てか、こんな基本を毎回毎回頭で確認しないといけないのは情けないことだが、出来ないものには出来ないものなりの工夫と意識が必要なのだ。
 それにしても、皆さんよく弾く。仕事もしっかりこなし、家族も大事にし、週末に趣味もきちんとやる。人生の模範となる先輩たちに囲まれるのもこの楽団の魅力である。

セーケンコータイ

2008-09-07 | Weblog
 鳩山由紀夫は、文末に「政権交代しかない」をつける癖がついてしまったようだ。馬鹿の一つ覚えとはこのことだ。そもそも、自党の代表につとまらなかった人間が、他党の指導力不足を非難する権利があるのか?「はやく退陣しろ!」と散々叫んでいたのに、いざ退陣したら「投げだしだ!」とは何なのか?発言にはもう少し整合性をもたせてくれ。いくら政治家であっても。

 管(キャスターと不倫・お遍路)が、自民党議員の2世の多さを非難していたが、お仲間の小沢もがっちり2世議員だし、鳩山なんて超絶的世襲一族。元自民党のお仲間に対する牽制なのか?と思ったが、実は管自身も自分のボンクラ息子を選挙に出している(落選)。このときの言い訳が傑作で

「優秀な人材を捜したら、たまたま息子でした。」

こんなお笑い指導部に日本を任せるのはごめんだ。民主党に他にもっとまともな人材はいないのか?

なぜかブルックナーの日

2008-09-06 | Weblog
長文が続いているので短く。・・・ならなかった。

1)出勤中の電車の中で、フルトヴェングラー指揮でブル5を聴いた。終楽章は血湧き肉躍るの世界。昂奮して目が泳ぎました(スイミング・アイ)。これだけ豪快になる金管(シカゴではない)と太鼓のもとで弾いてみたい。賛助でやったことはあるが、もう一度きちんと演奏してみたい曲の最右翼。

2)春に来日したフランクフルト放送響のサントリー公演が地上波で放送されてる(鑑賞中)。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。ネーメ・ヤルヴィの息子さんである。遠目には井上道義、接近すると「プーチン大統領」なのだが・・・。皆が「よい」と激賞するので期待していたが、まあ今のところ普通としかいえない。エッシェンバッハもそうだけど(雰囲気似てるな)、なんでマオカラーなんだろか?タキシードを着ろといいたい。オーケストラ(日本人が多い。ワグチュー吹いてるのはトラ?)のレベルは、さすがに名の売れたドイツオケだけある・・・ように聞こえるが、N響でも放送ではよく聞こえるからなあ。後半のバスの首席は、超絶技巧奏者で有名なこの人だろうか?
 前半のグリモーのソロによる皇帝は、弦楽器にノンヴィブラート奏法を課していた。グリモーはいつも通りきばって頑張っていたが(でも滑らかとか余裕って感じはなかった。小指にテーピングしてたし)、伴奏がスコーンのように軽い演奏で萎えた。拍子抜け。今、ブル7の2楽章が始まったが・・・・これはフルヴェンのテレフンケン録音という絶対無比の演奏があるので、悪いが並み以下にしか聞こえない。フルヴェンと比較しなくても、ちょっとクールすぎやしないか。こういうのは見通しがよいとか、切れ味がいいっていうのかね。金管はあまり上手に聞こえない。
 ずっと昔、インバルがこのオケと来日してマラ7を振ったビデオを持っている(はず)。あれは恐ろしく感動した。演奏よりも曲に感動しただけかもしれないが。

メンゲルベルク(2)

2008-09-05 | Weblog
 ウィレム・メンゲルベルク(1871-1951):オランダの指揮者。1895-1945に渡り50年間、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の監督をつとめた。初めはピアニストとしてデビューした(リストの協奏曲を弾いたらしい)。

メンゲルベルクのマタイ受難曲(1939)。マタイは生で一度聴いただけで、手持ちのCDは、リヒターとフルヴェンのものだけ。名盤とされるそれらさえも熱心に聞いたことがないので、メンゲルベルクの演奏がマタイとしてどうなのかはよくわからない。ただ、たとえドイツ語がわからなくても、聖書のことをよく知らなくても、この演奏の規格外なドラマチックさに誰もが圧倒されるのは間違いない。メンゲルベルクのドラマチックさは、フルトヴェングラーのドラマチックさとは方向性が違う。フルトヴェングラーは音楽を生き物のように扱い、演奏という連続性のなかで熱量がどんどん積み上がって行く「自家発電」という感じであるが、メンゲルベルクの場合は、大伽藍、それも常人の発想を遙かに超えた規模の大伽藍を、設計図通りにがっちり積み上げていく感がある。
 ピリオド演奏が主流の現在、メンゲルベルクの演奏(フルヴェンの演奏も含め!)は、その筋の演奏家達に酷くこき下ろされている「誤った解釈である」と。しかし、私個人としては、メンゲルベルクの演奏は決して決して間違っていないと思う。むしろ正しいと思う。マタイのような宗教音楽は教会で演奏されることが前提にされている。教会の高い天井から生じる長く緩い残響は、荘厳かつ厳粛にして神秘的な雰囲気を演出してみせる。メンゲルベルクはそれをコンセルトヘボウという近代的なコンサートホールで再現してみせたのだ。モダン楽器、ヴィブラート、ポルタメント奏法・・・それらがバッハの時代には存在しなかったからといって、バッハがこの演奏を否定すると言い切れるだろうか?メンゲルベルクは、同時代の作曲家であるマーラーやリヒャルト・シュトラウスから絶大な信頼を得ていた。信頼の証として、マーラーは5番と8番交響曲、リヒャルトは「英雄の生涯」という傑作を彼に献呈したほどである。つまり、譜面から作曲家の意図を読み取る能力について、メンゲルベルクが劣っていたとはとても考えられない。それに、いくらメンゲルベルクの演奏が時代考証を無視した主観的な演奏だと非難したところで、現在の我々よりメンゲルベルクは100年もバッハの時代に近いのだ。彼が生まれたとき(1871)、ワーグナーは絶頂期であり、成人したときでさえブラームスはまだ存命していたのである。そんな彼がドイツ音楽の権化たるバッハの「精神」の理解に不足していたとはとても思えない。
 最近のクラシック業界はまるで考古学である。博物館や図書館で勉強しないと、作曲家の意図に近づけないという考えは、いわゆる頭でっかちの奢りであるように思う。ピリオド奏法で名をあげている演奏家なんてものは、その奏法だけが売りであって、演奏内容は殆どが凡庸かそれ以下である。なぜ、メンゲルベルクの70年前の演奏がいまだに名演として人々の心を捉えて離さないのか、そして自分たちの演奏が50年後の人々にも(もちろん現在の人々にも)愛されるのか?そのあたりを現代の指揮者は真剣に考えた方が良いと思う。

Reaction

2008-09-04 | Weblog
 レッドカーペットというお笑い番組をみたが、なかなか面白かった。映画もアニメも歌もクラシック音楽も退化しつつある日本で、お笑いはまだまだいけてるように思う。最近はリズムで畳みかけるものが主流なようだが、その中でもやはり優劣があり、「こいつら面白いな!」と唸らせられるコンビが幾つかあった。といっても、自分は「ドリフ」ー「ひょうきん族」ー「元気がでるテレビ」で育ったわけで、やはりリアクション芸人が好きだ。現在のリアクション芸人では、出川ー竜ちゃんー邦正に江頭と高田純次(リアクションって感じじゃない。尊敬してやまない)がつぼ。便利なことに、現在はYoutubeに沢山の古いお笑い映像がアップされており、毎晩見るのが日課なのだが、ちょっとノスタルジックな感じの志村運送は大のお気に入りである。(学生時代、深夜番組でよく見てた)