Wilhelm-Wilhelm Mk2

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ティール アンド オレンジ

2024-06-29 | Weblog
気になっていたことが、一つ解決。映画「ブレードランナー2049」の画質に全くのれなかった理由が判明した。まあこの「続編」は内容も噴飯ものだったが。
最近の映画(特にハリウッド)は、画質のトーンが妙に夕方みたいにオレンジがかっていたり、逆に曇天のような青みの灰色がかっているものが多い。個人的にたいへん違和感のある画質で、あからさまに「作り物」を見させられているような感じとなり、最近は宣伝を見るだけで嫌悪するようになってきた。ブレードランナー2049のポスターが以下のもの。見事にオレンジと青灰色だ。

どうせCGをうまく実写に溶けこますための加工なんだろうと思っていたが、「原作ブレードランナー」のディレクターズカット版1992とファイナルカット版2007を丁寧に比較したyoutubeがあり、そこの書き込みに「ファイナルカットのteal gradeが気に食わない」というものがあった。最初は意味がとれなかったが、これは画質のトーンのことでは?と思い、検索するとTeal and Orange gradeという単語がでてきた。tealとはちょっと暗めの青緑で「鴨の羽色」という色らしい。ちょうどオレンジとは補色の関係にあるようで、この二色を両極にコントラストつけると、人の肌が浮かんでくっきりし、青みがかったtealよりの影でそれっぽい奥行きが出るらしい。どうやらここ20年くらい流行っている定番の技法のようだ Why Every Movie Looks Sort of Orange and Blue
 しかしこれを嫌悪する人、つまり私の同族もたくさん世界にいるようで、英語で検索すると豊富にヒットする。その一つが以下のものである。その一部を転載させて頂いた。この内容には心より同意である。心のモヤモヤが取れたのと同時に、世界には同じことを感じる人がいてくれてホッとした。残念ながら日本語の検索ではティールオレンジの嫌悪感はヒットしなかった、逆に映画を真似てティールオレンジで貴方の写真を加工しよう!みたいなサイトばかりだった。

Am I the only one who hates the blue and orange or 'teal' and orange look in modern films?

I'm just a bit sick to death that nearly every film made these days has got this god awful teal/orange look to it. It's not only films, it's been happening in tv dramas for a while now.
I looked into this and found it's about skin colour. Everybody's skin colour no matter what it is appears very close to each other on the colour wheel which is orange. The colour directly opposite orange on the colour wheel is blue so because they're contrasting colours if you mix them together you apparently get some visually wonderful end product - BUT, this is where the problem starts.
The trouble with the teal/orange look is that it seems to dilute all the other colours. Although they're there and you can see them they appear somehow diluted and I think its because when you change the look to teal and orange it creates a blue-ish or orange dull tinge so if you happen to see something that's say green or red you're looking at it through a blue/orange/dull tinge.
Films made in the 80s or 70s didn't suffer from this teal/orange look and nobody's skin colour looked wrong so I don't buy the skin colour argument at all. Films made in those days were visually brighter and you could see every colour as it's supposed to be seen.

太宰と三島の邂逅のドラマ宣伝が酷すぎる

2024-06-24 | Weblog
最近少し三島由紀夫のこと調べてたら即座にYoutubeが反応して(怖いねえ)、下のような動画を紹介してきた。太宰のドラマみたいで三島由紀夫と飲み会で出会う「有名な」シーンだ。太宰が小栗旬という100%真逆の人間(マッチョ)が演じているだけで激しくゲンナリだし、叫んでいる三島由紀夫も視野の狭い堅物青年にしか描かれていない。三島由紀夫って美輪明宏とかとつるんでいたんだぜ。
三島が太宰に「私はあなたの文学嫌いです」と放ち、それに対して太宰が「とはいってもここに来てるんだから好きなんだろ(または、嫌いなら来なけりゃいいじゃないか)」と応えたというのは、もはや伝説の域で本当のところはわからないが、三島由紀夫自身の回顧録では「昭和22年1月ごろ(正確には前年の12月14日らしい)にうなぎ屋の二階の12畳ほどの座敷に暗い電灯のなか大勢の人が居並んでいた」とある。周囲の人たちの回想でもこれに似たことを言っている。そういう情報では三島は太宰の前に座っていたらしい。個人的な想像なのだが、太宰を中心とした飲み会に三島はそれなりに期待して参加したのだが(三島由紀夫は紹介状を大事にするなど、なかなか根回し上手な人)、不器用でおべんちゃら的なことはうまく言えない三島は、先にした質問(森鴎外について)を太宰にはぐらかされたので、イラッとして口をついて「お前嫌い」を言ってしまったのだと思います。太宰と三島って金持ちという出自も同じだし、戦争に行かなかったというコンプレックスも抱えていて同属なんですよ(三島自身、後になって太宰は似ているから嫌い、似ているから怖いと明言しているぐらい、そして才能はたいへん認めている)
2人の邂逅についてこういったイメージを持っていた私には、戦後とは思えないハイカラなワイン居酒屋みたいなところで、テーブルに座って女を侍らせてガヤガヤ飲んでる太宰や(太宰は編集者にタカって飲んでいたのは有名だが)、後ろの方の席から突然立ち上がって演説みたいに「あなたが嫌いです!」と叫ぶ三島の演出はが全くの想像外でゲンナリしたのですよ。TVドラマだから正確に再現する必要はないのだが、いちおう時代の雰囲気とかもあるんだよ。さらには、「本当に人の前で死ぬ覚悟はあるのですか!」と三島が太宰につめよって、太宰が自分で自分の頸を締めて死んで見せようとするところとか、もう原作レイプならず偉人レイプだよ。太宰がそんな大仰な真似するかよ。演出や役者は「太宰」というテーマで文芸っぽいことやってるつもりなんだろうけど、もう少し何とかして欲しいと思いました。個人的な感想です。

小栗旬・高良健吾 - 太宰治を批判する若手作家 三島由紀夫 | 人間失格 太宰治と3人の女たち | Netflix Japan




ギャン完成

2024-06-20 | Weblog
シールドと剣を塗装して終了しました。シールドの外周部は、赤サフの上に焼きレンガ色を薄く塗り、アルミでドライブラシ、中心部の真鍮は、グレーサフの上に山吹色を叩いて、エメラルドグリーンとアルミでドライブラシです。剣の鍔と柄はテレビ設定は黄色なんだけど、安彦さんのORIGIN彩色画では青みがかったグレーにも見えたので、黄色、エメラルドグリーンなどを重ねてみました。

プラモを一つ完成させるといつも想うことですが、模型造りの醍醐味とは、作業ももちろんですが、一つのデザインにじっくり向き合うことにあると思います。40年以上前に出会ったマ・クベの専用ギャンですが、数ヶ月間、造形物を毎日手に取りながら、いろいろな資料を見聞して、そのデザインの合理性と独自性と先進性に感銘を受けていました。もう十分です。これにてギャン卒業です。

ギャンHGリヴァイブ
両肩の稼働溝を埋め立て
首を数ミリ延長
コックピット周辺部を平坦に埋め立て
可動のために痩せ細った腹回りを、プラ板で可能な限り膨らます。
股間のユニットをオリジン風に延長
腰アーマー全周をオリジン風に1センチほど延長
前腕部の袖折り返しを削ぎ落とし、手首との隙間が埋まるよう数ミリ延長。
細かいモールドを全て埋め立て。
膝部アーマーの前部と後部を一体化
剣の鍔はオリジン風にパテで半球に盛り上げて、プラパイプにて延長。
サフは水性、塗装はファレホ筆塗り








ギャン本体の塗装

2024-06-16 | Weblog
ギャン(HGリヴァイブ改ORIGIN風味)の本体の塗装を終えました。全てファレホの筆塗りです。胸や腰アーマーの紺色の調整にウロウロと迷い、二度も気に入らなくてマジックリンで剥がしてやり直しました。最終的にパープル系でまとめることにし、手足頭の淡い藤色はホワイトにバイオレットを微量混色、胸と腰のアーマーはバイオレットの下地にダークプルシアンブルーを叩き塗りです。しかし、そのままだとファレホの発色が良すぎてパステル基調の玩具みたいなので(いやガンプラは玩具なのだが)、初めての汚し表現に挑戦しましたよ。アーマーの紺色にはホワイトのドライブラシを、手足の藤色にはサンドグレーとブラウンのドライブラシを施しました。やりすぎると煩くなるので、どこで止めるかの加減が難しい。最後にアルミニウムというメタル色のドライブラシで全体を覆いました。なんとかそれっぽく収まったのでホッとしてます。関節と背部ロケットはガンメタルです。あとはシールドと剣です。

ファレホの発色が良すぎてパステルみたいに。


ドライブラシで整えました。





ギャン続き

2024-06-09 | Weblog
そろそろ色塗りに入れそう。「オリジン風だけど原作みたいなギャン」を目指しました。「線を減らす」ことに拘って、HG特有のモールドを徹底的に埋め立ててます。個人的にはこのぐらいツルッとしているほうが本物(アニメの中)らしくて好きです。シールドと剣を持たせたらよりギャンらしくなると思います。

右腕は後ハメ加工です。左腕もそうだったのけど、思わずはめてしまった(もう外せない)。膝頭も後ハメ。

いじり倒しているときのギャン。直垂を伸ばして、全身のモールドを黒瞬着で埋め立てています。


前後に分割された膝まわりのアーマーは、なかなかに上手な解釈なのだが、やはり原作どおりに一体化させました。









N響アワー

2024-06-03 | Weblog
家庭環境の変化でクラシックを聴く機会が10倍くらいに増えた。長くため込んでいたCDが再び可動し、コンサートチケットも再び漁り始めた。NHK録画放送もよく聞いており、昨日のN響アワーも鑑賞したのだが、久しぶりに辛口感想を。
プログラムはドイツの職人指揮者ヤノフスキによるシューベルト4番とブラームス1番だったのだが、前半のシューベルトは恐ろしいほどにつまらなかった。楽団員もただ淡々と黙々と演奏しているだけにしか見えなかった。きちんと弾くことだけを狙ったかのような無感動的な演奏。こういうスタイルなのか?時間の無駄にしか感じない。後半のブラ1もまるで早回し再生のようにサクサクと進んでいく。最後のコーダでやっと少し熱が入ったが、そのせいでか、オケが最後の最後で一瞬崩壊しかけた。指揮者が連れてきたゲストコンマス(ドレスデンフィルのコンマスらしい)が、あまりコンマス的な働きをしていないようで、2楽章のソロもいまいちだった(オーボエは上手だった)。1.5流の海外オケのコンマスって意外にこういうのが多い(ミュンヘンフィルのコンマスの室内楽も非常にがっかりした思い出あり)。過去のN響のゲストコンマスで、凄いな!と記憶しているのは、シュターツカペレのミリング教授だな。ブラ1の後にはブラボーも飛び交っていたが、現場ではそんなに立派な演奏に聞こえたのだろうか?日本人って高額で買ったチケットには文句言わずに拍手を惜しまない癖があるように思う(本当は逆で、高いチケットほど批判的に聞くべき)。ドイツ正統派でワーグナーもまとめられるとかでN響には大事な指揮者だろうが、もう1度聞きたいほどの演奏ではなかったな、というのが正直な感想です。ビオラは目立つ首席に引っ張られてザクザクと頑張っていたのが印象的