Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

Get a life!

2015-03-21 | Weblog
スポック役だったレナード・ニモイが他界し、スポックに理想の科学者像をみていた私には少なからショックです。このブログの初回でもスポックを取り上げたはず。ニモイ氏への思いは後日改めて記すことにします。

さて、カーク船長役のウィリアム・シャトナーがニモイ氏の葬儀に出席せず、そのことでスタートレック業界をにぎわせました。シャトナーと他のスタートレック俳優(特にG・タケイ氏)との不仲は超有名で、もはやギャグになるほどの鉄板ネタです。Youtubeを漁ると、シャトナーとタケイがお互いに批難しているインタビューがたくさん出てきます。とはいっても、険悪というほどではなく、子供の仲たがいのようで、意外にほほえましい。

そのシャトナーが80年代に、スタートレックオタク(トレッカー)を相手に説教する画像をみつけました。
「Get a life!」
知る人ぞ知る有名なシーンだそうです。写真だけみるとちょっと酷くないか?と思いますが、この写真は番組の一部で全編を見ると、よくできたコメディであることがわかります。当然、痛いオタク達も仕込みです。受け答えが秀逸ですね。

シャトナー「TVショーだったんだよ!ただのTVショー!」
オタク「つまり、もっと映画に注意を払えということですか?」
シャトナー「ちがうよ!なにいってんだこいつら!」

最後に、主催者に諭されたシャトナーが、トレッキーにとってはたまらないタームを連発して沸かせます。
シャトナー「Live long and prosper! Set your phasers on stun, this convention ahead warp factor 9!」(長寿と繁栄を!光線銃を麻痺にセットしろ!この会議はワープ9で進む!)。こういう肩の力の抜けた演技を見ていると、なんだかんだ言われても、シャトナーは立派な俳優だと思いますね。

全編動画(字幕あり)はこちら


村上義清

2015-03-20 | Weblog
歴史備忘録

・村上義清:巷にあふれる信玄贔屓の伝記では初期のライバル程度だが、実は武田信玄を2度も敗北させている猛将。それも大敗である。一度目は板垣や甘利といった武田家宿老が揃って討死した上田原の戦いであり、二度目はあまりの大敗から「戸石崩れ」と評される戸石城の合戦である。信玄の信濃制覇後、義清は客将として謙信の軍団に加わり、川中島の戦いでは乱戦の中で、副将である信玄の実弟の信繁を討ち取ったといわれている。まさに武田家にとっては疫病神ともいえる武将である。武田家と同じく村上家は清和源氏の源頼信の子孫である。義清の子孫は上杉家に従ったというが詳しくはわからない(わからなかった)。
・武田信繁:実兄信玄を補佐した武田軍団の名副将。「典厩(てんきゅう)」と呼ばれる。子供のころ見ていた大河ドラマでは「テンキュー殿」と呼ばれるのが不思議だったが、これは官職である左馬助の唐名とのこと(Wikipedia最高!)。信玄に対する信繁と同様に、実弟による名補佐の例としては、秀吉に対する豊臣秀長が思い出される。信繁の名将ぶりは宿敵の謙信にも絶賛され、真田幸村の実名である信繁も、彼にあやかっているとのこと。武田の没落は信繁の死から始まったとの評も多い。嫡子の信豊は信長の甲州征伐に敗れ自害した。弟である信廉も名副将であったというから、甲斐武田は信玄だけでなく三兄弟で築いたものといえる。
・三増峠の戦い:小田原城を包囲した武田信玄の軍を北条軍が追い打ちして起こった合戦。信玄の名采配で北条軍は潰走したが、激戦だったヤビツ峠ではいまでも戦死者が餓鬼憑きとして徘徊するらしい。
・餓鬼憑き:山道を歩いていて突然空腹になり足が進まなくなるときは、この妖怪に憑りつかれている・・らしい。対処法は少量の飯を残しておいて食べるか周囲に撒くことである。
・ヒダル神:関西の餓鬼憑き。「だるい」の語源とも。
・秩父の三害:秩父に伝わる3つの憑き物。妖狐の「オサキ(尻尾の先が割れている狐から九尾の狐の関連とも)」、お供え用の団子に必ず生団子が混じる家系「生団子」、ヘビの憑き物「ネブッチョウ」。どれも山野で遭遇する妖怪ではなく家系に憑く妖怪である。民俗学的には、成功をおさめたよそ者の家系を、嫉妬から憑き物家系とする地方の差別習慣に由来するとされる。カタカナ表示の妖怪はどことなく怖い。

信忠

2015-03-14 | Weblog
備忘録
・信忠と松姫:織田と甲斐武田の盟約のため7歳で婚約させられるが、信玄の上洛作戦で盟約が切れたため破談となる。二人が顔を合わせたという記録はないが、頻繁に文通していたらしい。信玄の死後、武田家は長篠合戦を経て織田軍に滅ぼされる(甲州征伐)。甲州征伐の総大将は皮肉にも信忠だった。殆どの武田一族と重臣が自害するなか、松姫は関東に落ち延びる。甲斐平定後、なんと信忠は松姫に迎えの使者を出す。松姫も信忠に会うべく出立するが、本能寺の変で信忠は横死。松姫は引き換えして尼となり、八王子の庵で江戸時代まで生きた。信長の嫡男信忠はあまり語られないが、なかなかに深いドラマ。
・今川氏真:愚将として描かれることが殆どだが、北条から秀吉、そして家康へと権力寄り添いながら細々と生き延びて、江戸時代には高家となった。生きてこそなんぼ。
・N響:ついにソロコンマスが定年退団。噂によると後任は札響の若きコンマスらしい。札響を3月に退団なので確実なのだろう。ゲストコンマスで何度も登場していたらしいが、私はまだ彼の弾きっぷりは拝見していない。個人的には、同じくゲストコンマスを数回務めたチューリッヒ歌劇場の岡崎氏もよかったのだが。岡崎氏は大学から欧州にわたり、ブロン、シュバルベに学び、カラヤンアカデミー出身。ミュンヘンコンクールで1位を獲得し、名門オペラハウスの現役コンマスというべらぼうな経歴である。サンティ指揮の演奏会をテレビで鑑賞したが、キビキビした弓捌きに欧州仕込みの大振りのザッツをみせて、実にスケールが大きかった。しかし岡崎氏だけでなく、最近は世界の名だたるオケに必ず日本人が存在していて、世界一線で活躍する日本人奏者が多いことに驚かされる。正直、国内残留組は2流なんだろうな。トランペットの長髪トップ氏も定年退団らしい。時代の変わり目だ。よき方向に行けばよいが。