Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

仮面ライダーカブトの終焉;商業主義に勝てず

2006-10-30 | Weblog
明らかに玩具の売り上げを伸ばすためだけと思われる安っぽいアイテムが出て来てもう萎えまくりです。その名もパーフェクトゼクターという剣。大体ライダーが剣を振り回してどうするよ、ライダーはキックだけでいい!またこの剣がロールプレイングに出てくるような太い剣で、さらにそれに昆虫ロボットが合体してライフルにもなるという(写真)。これまでそれなりにスタイリッシュなモチーフでやってきたのに、これはないだろう?考えた人はヤケ糞だったのか?正直、この玩具は子供も欲しがらないと思います。
今、一番ライダーらしいのはキックホッパー。来年はこれを主人公に話を作って下さい。

のだめ

2006-10-25 | Weblog
テレビドラマに関しては全く興味なしですが(漫画を実写にすることが根本的に嫌いだ。せめてアニメにしろ)、原作は前々から読んでます。 基本的にファンタジーだと思うけど、楽器弾きの悲喜こもごもの描き方はリアルだと思う。最新刊も立ち読みしましたが、上手い新人を沢山投入することで駄目オケを活性化させる流れは、なかなか見応えあり。いつまでもだらだらと長続きする漫画とも思えないが、最後はどうやって話をまとめるのかな?やっと千秋の父親が出てきたので、当面は親子の葛藤劇か?最後はのだめと千秋が二人でコンツェルトをやって大団円?どちらかが大スランプ(評価に差が出る)に陥って離ればなれになり、成長して再会して終わりとかか?(ありがち)

オーケストラランキング

2006-10-23 | Weblog
欧州の批評家10人が採点形式で選んだベストテンが以下。

1位:ウィーン・フィル 86点
2位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 85点
3位:ベルリン・フィル  79点
4位:ロンドン交響楽団  55点
5位:ドレスデン歌劇場管弦楽団  48点
6位:バイエルン放送交響楽団  47点
7位:ライプチヒ・ゲバントハウス管弦楽団 37点
8位:サンクトペテルブルグ・フィル  31点
9位:チェコ・フィル  12点
10位:フィルハーモニア管弦楽団(ロンドン) 9点  

まあ妥当な気がするが、ロンドン響ってそんなにいいんだ?という感じか。一昔前なら、ウィーンとベルリンの2トップだったのだろうが、アバドにぶっ壊され、ラトルにいじくり回されているベルリンに、往年の輝きがもはや無いのは確か。(こんな結果をカラヤンが知ったら発狂ものだろう)。コンセウトヘボウは一度だけアメリカで聴いたけど、本当に「燻し銀」の音色で、ウィーンともベルリンとも違う響きに感動した。今はヤンソンスが監督で評判はいいようだが、オランダ人の友達は前任のシャイーのほうが断然良かったと言っていたな。チェコフィルはもう少し上に行ってもいいと思うのだが、ここもアシュケナージによってぶっ壊されて、現在建て直し中だからなあ・・・。サンクトは聴いたことないけど、ムラヴィンスキーの遺産がまだ残っているのだろうか?

バックハウスを観た!

2006-10-21 | Weblog
今、俺は猛烈に感動している!ついに動くバックハウスを観たのだ!曲も私が一番好きなBeethoven の4番協奏曲。最高です。バックハウス、もう達人超えて仙人の域だな。
 これまでにも、バックハウスの映像は数点市販されていたが、どれも高価で買う気がしなかった。しかし今回、UNITELがベーム=ウィーン響とのスタジオ録音での4番協奏曲の映像を廉価で発売してくれた。1968年の映像だからバックハウスはもう80歳という高齢で晩年なのだが、ミスタッチもなく快活(早い)なテンポ取り。なんと真面目に真摯に演奏することか!オケや指揮者には最低限しか合図を送らない。演奏中も表情を変えず、ひたすら鍵盤を凝視して黙々と弾く。鍵盤をはね回る手は長年の修練と踏んだ無数の場数から来る達人だけがなしえる脱力感というか、とにかくこの手だけでも表現が凄い。どちらかというと鍵盤にぶら下がるように低空で弾くタイプだが(バックハウスは背が低い)、押したキーにさらにヴィブラートをかけるような仕草をしてフレーズを表現するなど、その両手の動きだけでも音楽なのである。なのに顔は至って無表情!無駄な事はしないのだ。だからこそ、オケへの受け渡しなので、ほんのちょっとだけ(口の端で)笑う所などが際立って感じられる。音はまさに私が一番好きなバックハウスの音。高級備長炭のように澄んで透明感があって硬度は有機的。勿論、使われたピアノはベーゼンドルファーだ。自分が心底このピアニストが好きで共感できることを改めて確認した。
スタジオ録音なので、いくつかのシーンは後からはめ込まれたものだが、うまく処理されているので全く不自然さはない。バックハウスの写し方だけでなく、指揮やオケの撮り方も的確で、3楽章に出て来るバスの早回しなどを大写しにしてくれたりとカメラワークも心得のあるものとなっている。カップリングで入ってるベームによるウィーンフィルとのブラ2のライブ映像も非常に熱の入った好演。こちらは古き良き時代のウィーンフィルを堪能できる。バーンスタインのマーラー全集もそうだったが、こんないい映像が廉価で手に入るようになるとは、いい時代になったものだ(LDのころは手もでなかった)。

「接続された女」

2006-10-17 | Weblog
 少々どっきりの題名だが、サイバーパンクSFの原点とも言える作品である。マトリックスもエヴァもこの真似事なのだ。作品は短編で、結末は今となってはありきたりではあるが、最後の最後にちょっとだけでもハッピーエンドを期待させられる読者は完全にこの物語に接続されてしまったと思う。作者はジェイムズ・ティプトリー・Jrという人だが、これはペンネームで実は女性である。Wikiでこの人の生涯を知ったが、あまりにも波瀾万丈で驚く。なかでも一番衝撃だったのが、最期は痴呆症になった夫をショットガンで射殺して自分もそのまま自殺したということ。生前からの二人の間の約束だったらしい。彼女の作品はまだこの一つしか知らないが(久しぶりに出して来て読んだ)今度他の作品も読んでみよう。

演奏会鑑賞記

2006-10-17 | Weblog
最近演奏会の感想を書いてないので、ここ最近聴いてきたものを。

N響サントリー公演(9月)
武満:弦楽レクイエム、黛:曼荼羅交響曲、春祭。武満の勉強にいったようなものだが、どれもあまり聴かない曲なので結構楽しみにしていた。指揮は逝去された岩城氏にかわり、前半を若杉氏、後半を外山氏が振った。演奏は初日だったせいか、オケも様子見のような感じな上に集中力不足の感があってどの曲もこれといって心に響かず(大体、同じ月にマラ9、マラ5,タコ10,英雄ってどうなんだ?)。曼荼羅は1楽章が胎蔵界(写真)、2楽章が金剛界という安易さに失笑。曼荼羅そのものが仏教宇宙を画であらわしたものなわけで、それを更に音で表す必要なんてないだろ?と思った。実は子供の頃、曼荼羅オタクだったんだよね。だからちょいと許せない(笑)まあ黛氏の思想はちょっと国粋主義が入っていたから、こういう純東洋的なものを題材に曲を創りたかったのかね。

都響、東京文化会館公演
シューマン:マンフレッド序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲21番、シューマン4番。土曜昼間の名曲公演だったわけだが、ピアノがデームスだったので当日券で鑑賞。15年くらい前にリサイタルを聴きに行ってサインもらいました。歩き方もしっかりしていて元気そうです。演奏はやはり早回しで転んだりと微妙な感があって、ちょっとどきどきした。まあもう80歳だしね。しかし、アンコールのモーツァルトの幻想曲は格段の出来で、これには感動した。スコダというデームスといい、派手さはないけどウィーン系独特の優しく澄んだ音色で私の好みです。まだまだ頑張ってください。他の演奏については、中の下の上ぐらいか。都響そのものは非常によかったが、指揮の飯守氏が何だか変な間を演出して、交響曲は聴いていてずっこけそうだった。オケも合わせにくそうに見えたけどなあ。でもブラボーの嵐でした。結構信者っぽい人が多かったのか?しかしシューマン4番はフルヴェンの演奏になれてしまっているせいか、いい演奏にはなかなか出会わない。シューマンは譜面だけで十分にロマン的なんだから、それ以上にロマン的に演奏する必要はないと思うのだが。(フルヴェンの演奏はかなりインテンポ)。

神経系をTurn on, DNAにTune in

2006-10-09 | Weblog
 続けてリアリーの話。彼のドキュメンタリーを購入。うーん、まさに現代の賢人だな。なんて魅力的な人なんだ。当然、幻覚剤について多くのことを語るのだが、彼はあくまで科学者としての立場から、生化学的な反応としての脳の覚醒を語っており、そこから神秘主義に走ったり、何か大きなことを言ったりはしていない(根本的に宗教の否定者である)。彼の主張は、世間の常識や慣習で脳神経に固定されてしまった観念を、LSDのような強烈な作用物質でいったん消去してしまえということ。意識革命に薬を使うのは反則(安易)だろうと思うかもしれないが、我々の意識(魂)なんてものは、化学物質同士の化学反応とそこから生ずるパルスであって、そこに植物の力を借りて何がわるい?どうせ毎日食べてるだろうに?説得力あるね。まあ責められるところといえば、高い教養と自制心が無い限り、この主張は麻薬中毒患者を量産するだけだということだね。リアリーの責任ではないが、今の世界はドラッグまみれなわけだし。
 彼は人類は3つのタブーを解放すべきだという。1つ目はセックス、2つ目はドラッグ、3つ目は死。これらは昔では語ることさえもタブーだったものだが(宗教が自分たちの権威を守る為に)、そういった固定観念を解放することで、人類は次のステップに進化できると話している(これは私も正しいと思う)。リアリーは自分の死さえも実験材料としており、脳からデータをダウンロードしてデジタル化が出来る時代が到来することに備えて、死後自分の脳を保存することを指示。(実際にこのドキュメンタリーの最後にはなんと彼の首を切り離して保存するシーンがあります。)最後までユーモア溢れるお方だ(本気?)
 

Turn on, Tune in, Drop out!

2006-10-06 | Weblog
最近はまっているサイケの神様、ティモシー・リアリーの最後の著書死をデザインする 。題目は彼が唱える有名な言葉(ドラッグでぶっ飛ぶ時にも使う)「スイッチを入れて、チューニングして、固定観念から解脱せよ!」てな感じか?ハーバード心理学教授からLSD研究によってDrop out して、サイケ研究者、ヒッピーのカリスマとして君臨。既存観念の払拭、DNAから宇宙物理まで全てを見通した驚異的な見識。さらにサイバーカルチャーの先導者。もう凄すぎます。全ての文言がクールすぎる!
下は序章の対話にあった彼の人生訓。非常に共感します。

1)ユーモアのセンスを忘れるな
2)「気まぐれの法則」に従え
3)自分で考えろ
4)権威を疑え
5)混沌を称えよ
6)生きるも死ぬも必ず友人と一緒に!