Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

失われた良きもの①「活版印刷」

2021-02-26 | Weblog
 職場の性質上古いものが発掘されることがある。先日、部屋の棚を整理していたら、40年前に印刷された広辞苑第二版(大日本印刷)が出てきた。実家や田舎にも、同じもの、もしかしたらもっと古いものがあったし、おそらく今でもあると思うが、改めて開いて眺めてみると、こんな小さな文字をよくここまで手作業で美しく印刷出来ていたことに驚愕する。グーテンベルクの発明した活版印刷は、デジタル(デスクトップ・パブリッシュメント)に取って変わられ、21世紀初頭には出版の現場で絶滅した。しかしながら大日本印刷が活版印刷の工程を丁寧に解説する動画を作製して公開してくれていた。手書きレタリング、母型づくり、彫刻・・・。もうこの方法は15年以上前に終了し機械も使われていない(壊れても直せない)。
 私の感想だが、デジタル印刷と活版印刷では明らかに活版印刷のほうが温かくて読みやすいデジタルフォントは何かが欠落しているように思う。詳しくはわからないが、濃淡とか奥行きとかではないだろうか?デジタルの出力はどんなに細密化しても「ドット」であり「連続性」がない。だから古本を買う場合、同じ内容である場合は、あえて活版で印刷されていた時代のものを探して買っている。下の映像に出てくる文字デザイナーさんの「PCで出力された書体と、活字で実際に直刷りされた書体を比べると、活字は繊細なデリケートなものが出せるのではないか・・」に尽きると思います。

<DNPの秀英体>その手が文字をつくるまで ~活版印刷の職人たち~ (1)作字


wikiより
活版の技術は、以降改良を加えられながらも5世紀にわたって印刷の中心に居続けた。改良と言ってもそれらは活版印刷の原理に直接踏み込むものではなかった。しかし、写真植字(写植)とDTP(デスクトップ・パブリッシング)化がその命脈を途絶えさせた。デジタル製版が可能になり、現在の日本では活版印刷は絶滅に近い。名刺・はがき程度の印刷を担う印刷業者はあるものの、本を一冊分、というような会社はほとんどない。日本では21世紀初頭にかけて、活版印刷所が相次ぎ廃業し、使っていた機械が廃棄された。だが2019年時点でも、手作り感などを求めて活版印刷を請け負う企業や工房があり、愛好者を交えたイベント(西日本を対象とした「活版WEST」)が開催されている。


日本は何もできない国になった

2021-02-25 | Weblog
210224Wed

コロナやオリンピックのドタバタを見ていると、もはや日本って「何もできない国」になったんだなと思う。
「真面目に仕事して良いものをつくる」
という当たり前の価値観が消滅したのだ。今は法律の裏をかいて人をだまして楽して儲ける生き方こそが勝ち組で主流と誰もが認識するようになってきた。子供のなりたい職業の上位が「Youtuber」って・・。たいして良くもないものを、さも良いもののように広告して一過的な販売だけを狙う企業。先頭が右に行けば焦ってそれを追いかける鳥の群れのように、広告に煽られて無駄遣いに走る民衆たち。億単位の税金を投入しても中抜きされて感染者追跡ソフトすら完成させられない政府

自分の力ではもうこの流れは如何ともしがたいので、精神衛生のためになるべく見ない聞かないようにしている。そしてますます人間嫌いに拍車がかかる。人気の少ないところで隠者のようにこっそり暮らしていきたいと昔から思っているが、本気で考えるようになってきた。

徒然日記 プラモ再開

2021-02-22 | Weblog
210221Sun

酒をやめて2週間、すこぶる快適。疲れてやる気もおきなかったことがどんどんできる。おかげでプラモ作成も再開できた。作りかけで放置していたシャア専用ムサイ(旧キット)を2日間で一気に塗装した。酒を飲まないと次から次へとやる気がわいてきて、今日などは散歩方々遠出の買い物をして、オーブンで煮込み料理を作って、プラモを塗装して、オンライン講演会を流し聞き(仕事)、さらに楽器の練習までした(追い込まれているため)。お酒の美味しさとそれによる開放感は確かに魅力的なのだが、私の場合は如何せんその後のダメージが大きく、たとえ二日酔いではなくても精神的にやる気が抑制され無駄にダラダラと過ごししまう悪循環だった。

映像:大河ドラマ「太平記」兄弟の絆:終盤ですね。観応の擾乱が勃発。実は南北朝ではこの擾乱が一番面白いところなのだが、歴史の授業では殆ど教えない。直義も尊氏も日和見で南朝に降伏したり和議を結んだりする。裏切りと帰順の高速ターンが南北朝の醍醐味。

好きな映画

2021-02-16 | Weblog
210218Thr 映画を見ることは好きだが、映画館で新作を観ることは全くなくなり(ろくな作品がないから)、もっぱらTSUTAYA DISCASのお世話になっている。郵送でやりとりするのだが、返却するとネット上で作ったリストの上位から順番に送られてくる。返却期限がないので自分のリズムで借りれるのがよい。
ぱっと思いつく私のお気に入り映画を並べてみた。

吸血鬼 The fearless Vampire Killer :ロマン・ポランスキー監督・主演
エド・ウッド:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、ビル・マーレイ
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか:キューブリック監督、ジョージ・C・スコット
アラビアのロレンス:ピーター・オ・トゥール主演
2001年宇宙の旅:キューブリック監督
エイリアン:リドリー・スコット監督、シガニー・ウィーバー
ブレードランナー:リドリー・スコット監督、ルトガー・ハウアー、ハリソン・フォード
トップガン:トニー・スコット監督、トム・クルーズ、ヴァル・キルマー
スターウォーズ帝国の逆襲:アービン・カーシュナー監督
ナインスゲート:ロマン・ポランスキー監督、ジョニー・デップ
ゴーストライター:ロマン・ポランスキー監督、ユアン・マクレガー
カサブランカ:ハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマン
スティング:ポール・ニューマン、ロバート・レッドッフォード
ロープ:ヒッチコック監督:ジェームズ・スチュアート
引き裂かれたカーテン:ヒッチコック監督、ポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース
裏窓:ヒッチコック監督、ジェームズ・スチュアート、グレース・ケリー
ファイトクラブ:ブラッド・ピット
ある殺し屋:市川雷蔵

他にもまだまだあるが、パッと思いついたものだけ書いた。

徒然日記 芥川

2021-02-15 | Weblog
210215Mon 2月も折り返しに入った。

禁酒して1週間が過ぎた。やっと体全体から酒が抜けきったような気がする。2年前の禁酒でも感じたことだが、最初に感じる大きな変化は、起床時に頭がすっきりしていて全開になっている(ぼーっとしない)ことだ。活動時間が増えたので読書や映画鑑賞ができている。

・アガサ・クリスティ―「カーテン」:ポアロ最後の事件。死期が近いことを悟ったポアロがサイコ野郎を粛正するという話。
・芥川龍之介「忠義」「貉」:「忠義」は、旗本の板倉何某が発狂して、無関係な熊本藩主細川公を殿中で刺殺した実際の事件を小説家したもの。「貉」はアナグマのことだが、貉がヒトに化ける、ヒトを化かすことに至った原因を人の内部に生きるものを信じようとするが所以としている。芥川の小説は落ちに教訓めいたものがない、もしくはたとえあってもぼかしており、現実世界の無常観や人の知りえない運命のいたずらの怖さを後味に残す。そのあたりがちょっと怖い。日本語に飢えると芥川の全集をつまみ読みする癖がついてきている。
・「ロスト・イン・トランスレーション」ビル・マーレイがCM撮影のために慣れない日本に来た初老のハリウッド俳優を演じる。ソフィア・コッポラ監督



徒然日記 断酒アゲイン

2021-02-08 | Weblog
210207Sun
いくつか記事書いていたけど、下書きで没になりました。
特別何があったわけではないが、また酒を止めてみようかなと思います。2年ほど前に半年ほどやめたのだけど、いつのまにか普通の飲酒状態に戻って行きました(それでも全盛期よりはかなり減った)。今でも、お酒(特にワイン)は非常に好きなのだが、年齢のせいか飲んだ翌日は頭の回転が明らかに下がるのを自覚するし、軽いうつ症状になる場合もある、そして健忘みたいなことも起きるので、このまま飲酒を続けていると将来碌なことにならないだろうと判断しました。また明らかに内臓脂肪が増えている。お金ももったいない。読むべき本、聞くべき音楽、見るべき映像のための時間も確保できない。コロナのせいで会食やホームパーティーができない世界になったわけだから、断酒にはよいチャンスかと。

映像:「ペンタゴンズ・ペーパー」原題はThe Post (原題のほうが断然よい。邦題はまるでダヴィンチコードみたいだ)。本作の主眼は機密文書の内容ではなくその扱いに苦慮する新聞社(ワシントンポスト)なのだからThe Postであるべき。スピルバーグが監督であることから大変よくまとめられており、話の展開も転がるように進みわかりやすい。しかし、ありがちな英雄譚(本作は女性が主役)になっており、後味にかける。まとめ過ぎてしまうスピルバーグならではの欠点か。でも内容も演技も80点以上の快作でした。