Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

命日

2006-11-30 | Weblog
本日はフルトヴェングラーの命日です。フルヴェンの演奏は途轍もなく説得力に溢れており、どれを聴いてもはずれは全くないのですが、私が特に気に入っている録音を挙げようかと思います。大体、世間でも名盤として名高いものだと思います。

1)Beethoven#3:VPO(1944/12/16L)EMI ウラニアエロイカ
2)Beethoven#4:BPO(1943/6/27L)DG 疾風怒濤
3)Beethoven#5:BPO(1947/5/27L)DG 歴史的復帰演奏会
4)Beethoven#7:VPO(1950/1/18)EMI 2楽章=葬送行進曲
5)Beethoven#9:BPO(1942/3/23L)TAHRA バイロイトより劇的
6)Brahms#1:NDR(1951/10/27L)TAHRA 恐るべしNDR
7)Brahms#2:VPO(1945/1/28L)DG 亡命前夜ライブ
8)Brahms#3:BPO(1954/4/27L)DG 最晩年の炸裂
9)Brahms#4:BPO(1948/10/24L)EMI 冒頭から感涙
11)Bruckner#9:BPO(1944/10/7/L)DG フルヴェンのデビュー曲
12)Schubert#9:BPO(1951/11)DG 超高音質
13)Schuman#4:BPO(1953/5/14)DG 同上、一発取り
14)R.Strauss Metamorphosen:BPO(1947/10/27L)・・・・・・・

困った客

2006-11-28 | Weblog
演奏会に行くとDQN客に出会うことがある。最近はそれなりに耐性がついてきたが、直近で座られると集中力をそがれて死にます。高いチケット代を払った演奏会では、「どうかまともな人だけが周りにいてくれますように」と本気で祈って会場入りするほど。色々な困った人たちがいるが、以下のように分類。

1)勘違いしたクラシックオタク:演奏会をぶち壊す「フライング・ブラボー」要員。見た目からして独特のオーラを発している。汚いスーツに白髪長髪が多い。演奏に合わせて指揮をしていたら要注意。
2)成金系のオバサン連:開演前から自分の知識を大声で廻りにひけらかす。その私語は演奏中も留まることなし。そして悲しいかなそれらの大半が間違っている。安い香水による化学攻撃も注意すべし。
3)買い物帰りのオバサン連:新聞屋かS学会あたりから流れたチケットで聴きにきたのか、およそクラシック音楽とは縁の無い人種。演奏中には私語だけでなく、コンビニ袋から飴玉を取り出し舐め始める。
4)子供:最終兵器。音楽に興味の無い彼らにとって、2時間座って無言で耐えるなぞ不可能に近い。足踏み手拍子、何でもござれ。同伴の親も高額のチケット代を払ったので子供とともに外に出るなぞ想像にも及ばない。演奏中に漢字ドリルに熱中し「できたよお父さん!」と叫んだDQN親子の隣に座って泣きました(某超有名ピアニスト(故人)の最終日本公演)。

本当のファンが手に入れられない希少チケットが彼らの手に渡るのは何とももったいない。

フルトヴェングラーのブラ3

2006-11-28 | Weblog
 一昨日中に書こうと思っていたら、久々にズキューンなピアニストのCDにぶち当たって、そちらを聞きまくってました。そのことは後で書くとして、フルトヴェングラーのブラ3で現在発売されているものは、EMI('49),DG('54),TAHRA('54)のライブ盤の3種。もうひとつ未発表のカイロでのライブ録音('54)があるらしい・・・。私が一番愛聴しているのが、DG(1954/4/27)のベルリンフィルとのライブ録音(写真は初期シリーズのジャケット。私も高校生のころにこれを買いました。画像はorooroさんのサイトから)。フルトヴェングラーはこの年の11/30(本日命日です。史上もっとも忌むべき日。)に亡くなっているので、最晩年の演奏ということになるが、どうして凄い盛り上がり。この頃のベートーヴェンの演奏はかなりテンポが落ちて枯淡の雰囲気なのに、何だ?このテンションは。特に1楽章のコーダ。アッパーでザクザク盛り上げてその先にパーっと森林から草原に抜けたような空間の広がりを見せるカタルシス感はまさにフルヴェン魂の燃焼飛翔。2、3楽章の哀愁あふれる木管メロディーは、歌というものはこういうものだと心を震わせられます。4楽章冒頭はフルヴェンならではの地を這うようなデモーニッシュな蠢き。そこからなだれのように憤然と主題を突き上げる。録音も技術の向上が著しい時なので非常にクリアで、ライブ独特の空間の奥行きが感じ取れる。ベルリンフィルもブラームス独特の螺旋のような音型を見事な音色と突進力でドライブしていく。考えたら翌年からあのカラヤン体制になるわけで、その中枢のメンバーはもう殆どこの段階で揃っていたわけだ。フルヴェンらしさ、充実したベルリンフィル、そして優れた録音の3拍子が揃ったこの録音は、フルトヴェングラー最晩年の至高の名盤といえるものである。

YouTube上に膨大なクラシック動画

2006-11-18 | Weblog
 ためしにFurtwanglerで検索すると膨大なフルヴェン映像がヒット。これって現存市販されてるものの全てがある?カラヤンはそれほどでもないがメジャーどころはあるし、実はDVD買う前にここでカメラとかチェックできる?とりあえず白黒時代のベルリンフィルとの運命を鑑賞。最強2神の弓さばきに圧倒されました。YouTube画像を取り込む方法も覚えたし、いやあ便利な世の中になったものです。

ボジョレーヌーボを飲みますた

2006-11-17 | Weblog
 今日が解禁日だったようで、楽器の練習にいく途中にスタンドバーに立ち寄ってしまい、そのまま飲み続けて練習せず帰りました。ボジョレーはそれなりに美味しかったのだけど(昨年よりも濃いかも)、やはり普通のワインのほうがいいかな。ボジョレーは縁起物というか風物だしね。私は大抵のアルコールは飲めるのだけど、最近日本酒はどうも悪酔いプラスお腹を壊されがちなので自粛してます(止めてます)。留学中にカリフォルニアワインを色々と試したお陰で、好みのワインが見つかったというか、自分の好みの基準値が出来たと思ってます。白より赤のほうが断然好きで、好みの葡萄はピノ(写真)。味、色ともに濃縮度の高いもの(太陽の味がするもの)が好きです。ピノは育てるのが難しく、欧州のものは高価だったり当たり外れが激しいけど、カリフォルニアのように1年中安定して天気がよい地域ではこのピノが本当に濃厚に味をつけるのです。お土産で持ち帰ったワインは、奥様がソムリエでご自分もグルメ雑誌に寄稿するほどの食通の先生にも絶賛されました。(現地で一本15ドルという安価なのに。)自分の選んだワインを褒めてもらえるのは結構うれしいものです。・・・ボジョレーのことは全然書いてないですな。

円周率は3.14で教えるべき

2006-11-13 | Weblog
 AERAにゆとり教育の戦犯といわれている元官僚のインタビューが載っていました。雑誌そのものが左巻きなので、「教育ネオコン」とかいう刺激的な文句で現在の教育改革を非難しておりました。まあそれは置いておいて、この元官僚が「円周率を3で教えても学力低下には繋がらない」と主張しているのですが、この人は、科学の奥深さや学問の面白さというものが未だに理解できてないのだと思う。直径の約3倍が円周だということよりも、円周率が無限に続く数だということを知って、曲線の面白さ、数学の神秘的さを感じることが重要なわけで、その感動から将来サイエンスをやりたいという夢が育つわけですよ。だから円周率は3.14という何とも半端な数を教えて、まだまだ先にも続くなのだということを子供に感じさせる必要があるのですよ。必要ないからいい加減な知識でもかまわないという視点が大間違い。
 ゆとり教育は「詰め込み主義を廃して心を育てる」とか言っていますが、結局は詰め込みやすいように内容を修正しただけで根本的には何も変わってないのです。本当に改革すべきは教師の「教え方」。子供の興味を惹きつけるような魅力的な教えかたをもっと研究すべきで、それが出来る指導のエキスパートを文科省は育てるべき。
 さらに失礼なことをいえば、文系の人にサイエンスの面白さがわかるわけがない。というか、わからないから(挫折して)文系を選んだパターンが多いわけで。そういう方達だけが高級官僚になって(理系は大抵なれない)教育制度をどうこうしようとしているところに、教育問題の根があると思うのです。(有識者会議なんてのは在って無いようなものだから)

マチス

2006-11-12 | Weblog
 ヒンデミットのマチスを初めて弾いた。フルトヴェングラーがベルリンフィルを振って初演した曲だが、ナチスがこの曲を頽廃芸術として非難したことに反発して、フルヴェンは全ての公職を辞するという形で抵抗したといういわくつきの曲である(ヒンデミット事件)。結局、この事件はヒンデミットの亡命のきっかけとなってしまうのだが、フルヴェンとヒンデミットは生涯を通じてお互いに尊敬しあっていた。戦後フルヴェンがナチスの協力者という容疑で法廷にたたされたとき、メニューイン、ワルターとともにフルヴェンの弁護に奔走したのもヒンデミットであった。写真はフルヴェンの誕生日にコスプレして集まった友人達(左から秘書、E・フィッシャー、クーレンカンプ、そしてヒンデミット)
 マチスは3楽章形式の交響曲だが、同題名のオペラからの抜粋である。曲の詳細はこれから勉強が必要だが、弾いてみた正直な感想として、とにかくカッコイイ曲だった。3楽章でヴィオラが風のような旋律を弾く箇所は痺れる。(ヒンデミットはヴィオラ奏者でもあった)バスの使い方も5弦を頻繁に用いて、興奮?させられる。今年最後のマイヒット曲となるであろう。

ニューロマンサー 最強のサイバーパンク!

2006-11-05 | Weblog
 「接続された女」でサイバーパンクを思い出したので、ギブスンの「ニューロマンサー」を出してもう一度読み直す。昔読んだ時はその文体とあまりにの複雑系な構成に殆ど撃沈だったが、もがきながら息も絶え絶えで読み切ったものだ。初めて世に電脳世界というものを表した本だが、ディック、レムに慣れた今なら楽に読めるかも・・・という淡い期待も一気に粉砕される。次から次に説明もなく投入される人物、薬物、概念。落ちないようにメモを取りながら進む。登場人物の大半はヤク中もしく激クールなので、何を言いたいのかわかりにくく、言葉の端々から真意を読みとらないとそこで内容から脱落してしまう。やはりこの本は恐ろしく手強い。ネットで調べてもギブスンの著作は誰にとっても難関らしい。でも、今回のトライアルで内容はしっかりと把握したつもりだ。自分的には前半の2章の ハッキングのシーンが一番クールだと思う(映画かするならここしかできない?)最後のニューロマンサーの登場はいささか唐突か?
 ギブスンの著作はそれほど多くはないが(知る限り)、このニューロマンサーを含めて電脳3作と言われるものがある。残りの2つはその名も「カウント・ゼロ」と「モナリザ・オーバードライブ」だ。何ともそそられる表題!後者なんてその響きだけでいけそうだ!今年中には読了してみせる。

ちょっと山陰旅行

2006-11-05 | Weblog
 仕事のついでに米子ー松江ー出雲を観てきました。実は初めての山陰。宍道湖のほとりの小さな居酒屋で食べた宍道湖七珍がよかった!七珍とはシジミ、ウナギ、スズキ、コイ、白魚、ワカサギ、モロゲエビ。汽水湖ならではの食材群だ。モロゲエビは殻が柔らかいので、素挙げにして頭からバリバリ食べれるのだけど絶品だった!調べてみたら、モロゲエビとはヨシエビの地方名とのこと。他にもメバル、サルボウ(赤貝の近縁種)、イカなどを堪能。極楽。
 松江城は山陰で唯一現存する天守閣をもつ城郭。城マニアの私にとって松江城は今回の山陰行脚のメインイベント。築造時代は彦根や姫路城と同じだが、戦国時代の古い様式で要塞的につくられており、天守も姫路城に次いで大きい。黒壁が実にクール。城山の裏手には武家屋敷も当時のまま残っており見学できた。その近隣には松江に教師として赴任してきた小泉八雲の旧邸と記念館があった。八雲は怪談を書いた物好きな外人ぐらいにしか認識してなかったが、日本の紹介に捧げた半生に感動(子孫は今も健在)。著作(英語)を一つ購入してしまった。さらに松江に茶文化を興した松平不昧公の茶室「明々庵」も見学。最近「へうげもの」の感化で茶道に興味津々の私にはいい刺激になりました。松江は非常に美しい町だった。熊本の時も思ったが、城下町はいいものだ。住んでいる人も常にお城を意識して町に誇りを持っている感じだし、景観にも締まりがある。米子にも米子城という平山城があったのだが、明治維新で市民に譲り渡された際、維持が大変ということで解体されてしまったらしい。立派な石垣から想像するに、もしお城が残っていたら、現在の米子の景観は全然違うものになっていたろうにな。その他にもバスに乗って熊野、出雲の両大社にお参りし、日本の神話を復習してきた。とどめに帰路の電車の乗り換えの合間に、岡山城と後楽園を見学してきました。