いっきに冷え込む。もっともっと温暖化してほしい。それか冬のない南の国に住みたい。
・食材偽装問題:「ばれなきゃいいだろ」という人間の本質が見事なまでに体現された事件。「これは仕方がない」レベルから悪質なものまで幅広い。悪質の筆頭はやっぱりエビである。クルマエビとブラックタイガーの見た目の違いは素人にも明らかであり、調理人が間違えるはずはない。価格も数倍どころか10倍近く違うし、食材としての流通経路も全く違う。なぜ正直に「ブラックタイガー」と書けなかったのか?「ブラックタイガー」という名前が悪いのか?まあ「ブラックタイガー」=輸入の冷凍エビ(写真)という図式が出来上がってしまっているからなあ。「ブラックタイガー」の和名は「ウシエビ」なのだが、こちらの響きも悪い。どん臭くぶよぶよしたイメージがつきまとう(例:ウシガエル)。「さくらえび」「ぼたんえび」のような可憐な名前にでもしておけば、堂々と食材にできたかもしれない。輸入丸出しな英名などをつけずに「タイショウエビ」のように流通用の和名を確立させたほうがよかったのかしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/4b/7279defc55c73a465af08930ee84550a.jpg)
「ブラックタイガー」つまり「黒い虎」だが、黒色の虎は過去に数度捕獲されたことがあるらしい。しかし古い記録のため写真はないようだ。現在のところ生息は確認されていない。ホワイトタイガーもいるが(白虎)、これはアルビノではなく白化型ということらしい。こちらはラスベガスのホテルで見たことがある。しかしながら「ブラックタイガー」といえばタイガーマスクの宿敵である「暗闇の虎」がまっさきに頭に浮かぶ。2代目ブラックタイガーは故エディ・ゲレロがマスクをかぶっていた。
以下今回問題になったクルマエビ科のエビたちについて。
・クルマエビ:
Marsupenaeus japonicus。一属一種。学名からわかるとおり日本のエビである。別名マエビ。天然ものは大変高価で料亭や高級寿司屋へ流れる。養殖もできるが餌や管理が難しいため、養殖ものであっても高価である。そのため庶民のレストランやスーパーにはまず流れてこない。とはいえ、築地に行くとおがくずに入った活きクルマエビを庶民でも手の届く値段で買うことができる。学生時代に友人たちと割り勘で買い出しにいき、クルマエビパーティーをしたことがある。
・ブラックタイガー:和名ウシエビ。主に東南アジアに多く生息し大量養殖されている。歩留りもよく味も濃厚でよい食材だと思うが、高密度な環境で養殖されるために病気になりやすい。そのため大量の抗生物質に暴露されており残留が気になる。最近はウィルス病が蔓延しており生産は下降気味である。日本沿岸でも少量ながら漁獲される、活きのよいウシエビはクルマエビに劣らないそうだ。
・クマエビ:ウシエビと同じ属で脚が赤いのが特徴。ウシだのクマだのこの属は考慮せずに命名された感がある。ウシエビほど流通していないが、ウシエビ同様にボリュームがあり美味しいエビだそうだ。
・バナエイエビ:太平洋の反対側、メキシコからペルー沿岸に生息し大量養殖されているエビ。ブラックタイガーに変わりつつあるが、こちらも養殖場での病気が流行している。
・タイショウエビ:タイショウエビは商品名で、本当の和名はコウライエビ。こちらのほうが大正エビより響きがいいように思う。名前のとおり東アジア近海でとれる。大振りで食べごたえのあるエビ。