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『ギャラリーフェイク』  ターバンの女

2007-09-16 | ア-トな話し
『ギャラリーフェイク』 (Gallery Fake) は、細野不二彦による漫画である。
単行本の第二巻に、フェメールの「青いタ-バンの少女」を素材とした「ターバンの女」がある。
ということを知ったのは何年前か、ようやく、その本に巡り合えた。フェルメールについては、ここ
見つけたのは、とある古本屋だ。一巻と二巻を買った。ほぼ全巻揃っているのが素晴らしい。一冊315円。定価は500円だからあまり安くなってない。

ギャラリーフェイクという漫画は、1992年より「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて連載開始、2005年に連載終了。単行本は全32巻。

あらすじは、表向きは贋作・レプリカ専門のギャラリー「ギャラリーフェイク」を舞台に、主人公であるオーナー、藤田玲司が、様々な登場人物と絡みながら、絵画、彫刻などを通じて「アートとは何か?」を問いかける。
美術・芸術・骨董の多方面に渡る薀蓄的描写が楽しい。

藤田玲司は、かってはニューヨークメトロポリタン美術館 (MET) のキュレーターで、その修復技術の高さ・知識の豊富さから「プロフェッサー」とまで呼ばれた。
表向きは贋作専門の美術商ながら、その裏側では真作の盗品・横流し品等をブラックマーケットを通じて法外な値で売りさばく、美術界では悪名高き人物だが、なかなか憎めない人物。
藤田の助手を務める少女は、サラ・ハリファ。アラブ王族の娘であるが、クーデターにより家族を失い、国を追われて流れ着くように来日。莫大な個人資産を持ち、活動的且つ直情的。藤田からは子供扱いをされている。
三田村小夜子は、日本人女性初のニューヨーク近代美術館キュレーターの肩書きを持ち、高田美術館に館長として迎えられる。美術界から贋作や不正を一掃することを天命としている。つまり藤田の好敵手。

「ターバンの女」のあらすじ

竹田というカメラマンがサラをモデルに作品をとりたい、と藤田に申し出る。
サラは拒否する。
ここで、藤田のターバンの少女の薀蓄が始まる。

「フェルメールの代表作の一つだ。北方のモナリザとも呼ばれる。トルコ風のターバンをかぶるオランダの少女。一面の暗色の向こうにつきぬける透明感は鮮烈な印象だ。第二次大戦、ヒットラーの山荘には一枚の絵がかけられていた。独裁者のヒットラーでさえ魅せられた絵が、ターバンの少女だ」

サラは竹田にモデルになるのに条件があるという。
高田美術館で行なわれるフェルメール展で贋作を見つけることだった。

フェルメールは史上初めてカメラマンの目を持った画家だから、カメラマンの目を通して違和感があるのが、贋作だと。真剣に絵を見続けた竹田は「手紙を読む夫人」と「ターバンの少女」が贋作だという.......
以降は、読んでからのお楽しみです。(笑)

第一巻には、「傷ついたひまわり」の章があります。
ファン.ゴッホのひまわり。それも日本人が所有していて戦災で失われた、通称「芦屋のひまわり」が素材です。

この絵の複製は、2002年に、兵庫県立美術館のゴッホ展で展示されたことがあり、見ました。
これが実は、戦災を免れて残っていたというお話しです。マンガだから。

マンガだから、いろいろあって楽しい。
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