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ギムレットにはまだ早すぎるね

2006-01-22 | お酒の話し
レイモンド.チャンドラーの名作「長い別れ」に出てくるセリフ。
テリ-.レノックスが主人公の探偵、フィリップ.マーローに言う言葉。

マ-ローが飲んだギムレットは次のようなものだった。
テリ-.レノックスがレシピを語る。
ライムかレモンのジュースをジンと混ぜて、砂糖とビターを入れればギムレットが出来ると思っている。ほんとのギムレットはジンとローズのライム.ジュースを半分ずつ、他に何も入れない。

マローはあっさりと「ぼくは酒に関心を持ったことがない」と他の話題に振ってしまう--本当はすごく飲むのだが..。

普通は、ライムジュースを1/3。ジンを2/3入れてシェイクする。
半々なら、かなり甘いはず。ローズ社のライムはかなりの甘口というネット情報がある。日本には輸入されていないらしい。
先日、ミスター田中の伊東店長に聞いたが、知らないということだった。
お店では、生のライムを絞って使ってる、これだとかなり辛口になる。
店長に、ライムを1個分けてもらったので、家で、サントリーのライム.ジュースを1/3とビーフィーター.ジン2/3でシェイクして、ライムのスライスを浮かべて飲んだ。なかなかいい感じだった。

ここで分かるのは、こんなギムレットを飲むテリ-.レノックスの性格。
大富豪の娘と結婚している彼は、主役のジンの銘柄よりも、脇役の甘いライムにのみ、拘る。半々のギムレットなんて大の大人は飲めない。
しかし、彼と飲むときは、マーローはこれに付き合うのだ。

そして、彼から遺書が届いた時に、彼の希望通りのレシピで馴染みのバーで飲む。ダブルで。以前はなかったローズ社のライムジュースがとり寄せられていた。

さらに、テリ-.レノックスとの再会。(ちよっとネタバレ..)
テリ-.レノックスの心の中は、マーローに対する友情と感謝が一杯。
対する、マーローは忘れがたい友情と裏切られたような気持ちで混沌。
二人にとってギムレットは友情の証なのだ。

テリ-.レノックスが言う「ギムレットにはまだ早すぎるね」。
また、二人でカンパイ出来るよねというせつない思いが感じられる。

だが、マーローにとっては、やはり許せない。

「君とのつきあいはこれで終わりだが、ここでさよならはいいたくない。ほんとのさよならはもういってしまったんだ。(遺書に従って一人で飲んだとき..)
ほんとのさよならは悲しくて、さびしくて、切実なひびきを持っているはずだからね。

ハードボイルド物らしい終わり方です。何もかも分かったけれど、さよならだ...。

さあ、今日は、辛口のギムレットを飲もう。甘すぎるギムレットに付き合ってきたマーローの為にも。

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欲窮千里目 更上一層楼

2006-01-22 | 言葉のいろいろ
「欲窮千里目 更上一層楼」というのは
円覚寺の足立管長が先日、官邸を訪れた時に、小泉首相に送った額の文字である。

「遠くを見るためには、より高いところに登らなければならない」という人生訓で
首相も大変気に入ったとのこと。

王之渙(おうしかん)という人の、いわゆる五言絶句です。
日本読みは、「千里の目を窮(きわ)めんと欲し、更に上る一層の楼」

原文は次の通りです。この詩の転区と結句を取って来てます。

「登鸛鵲楼」

白日依山尽
黄河入海流

欲窮千里目
更上一層楼

素人の私たちが見ても、白-黄、山-海、千-一 と見事に対句になっています(*他にも対句があります)

詩の意味は次の通りです。

鸛鵲楼に登る
     
太陽が山に沿いながら沈んで行く
眼下の黄河は海の中まで流れて行く
大地の果て千里まで見渡したくて
さらに上の階へと登りゆく
 
鸛鵲というのは、コウノトリのことで、巣があったことから名付けられた。
鸛鵲楼(かんじゃくろう)という建物は、3層の高殿で、2層目で読んだのでしょう。
場所は内陸部なので、海は見えませんが、黄河の屈曲点なのでかなりの急流、
まさに海に、そのまま行きそうな感じだったのでしょう。

中国大陸の壮大な自然を歌っている。
もっと上に上がって見ようというのは、私たちも日頃何気なくやってる行動なので、分かる気がします。
元は、自然の雄大さを歌った詩なのですが、それを人生訓にするのは
後の人の知恵なのか、勝手なのか...。

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古紙の相場  日経新聞

2006-01-16 | 「へぇ~」という話し
古紙。つまりチリ紙交換等で集めた紙です。それの回収問屋の買値が毎週木曜日の日経新聞に載っている。
載っているのは、株式欄等が続くページで、「主要相場」という欄。
ちなみに、18年1月12日の相場は以下の通り。

新聞   5.5    3.5~4
雑誌   3.5    1.5~2
段ボール 4~4.5  3~3.5

単位は円、左側が東京、右側が大阪
1キロ当りの金額で、円単位。

新聞なら、1トン持ち込んで5,500円。
リヤカーに段ボール箱を一杯載せて心配な位、フラフラして運んでいるおじさんを大阪市内で見かけますが、あれはどれ位の重さがあるのかな?

東西の格差にびっくりです。
種類としては、新聞が一番高いようです。

ちなみに、過去の2001年10月11日の相場は
新聞   1.5~2.5
雑誌   -1~0.1
段ボール  0.5~1
だったようです。

マイナスというのは、持っていったら、逆に金を取られるということです。
処分料ということですね。
相場上昇中です。


「潰れないのは さおだけ屋だけじゃなかった」
という本が出ました。
その中に潰れない仕事のひとつとして古紙回収業が載っています。

集めてくれば、かならず買ってくれる-販売がノーリスク
参入障壁が少ない-古物商の免許だけ
開業資金が少ない-リヤカーだけで可能

何となく出来そうに思いますが

反面、売り上げ、粗利ともに規模が小さいのが、難点ですね。
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和歌山弁

2006-01-08 | 言葉のいろいろ
故郷の和歌山の言葉。和歌弁の話し。
故郷を出ると、和歌山弁を使わないようにしょうとするのが普通だが、定年間近になった今でも、和歌山弁で通している大先輩が居てる。黒さんという元銀行の支店長。宴会でご一緒すると、そこには懐かしい和歌山がある。(笑)
和歌山弁は、京都弁と並んで美しい方言と言われている。
ホンマ?という声も多いだろうが、以前にNHKで「華岡青洲の妻」というドラマで和久井映見が話してたのが和歌山弁である。単に美貌のせいではなく美しい言葉です。方言指導は、前田朋子さんでした。
和歌山は那賀町に、「青洲の里」というのがあり、和歌山が生んだ医聖を偲ぶ事が出来るが、その中に医療施設の春林軒が再現されている。中に入ると和歌山弁が流れています。

ニュース和歌山で、和歌山弁特集やっているよとオガさんが教えてくれました。
以下、その特集の中から、和歌山弁の紹介です。

(1)ひきちらかす=乱雑に物を散らかす
(2)かえらし=かわいい
(3)にくそい=にくらしい
(4)ほやさけ=だから、つまり
(5)めっぽかい=途方もなく、非常に
(6)やにこい=ものすごい
(7)けやない=大層なことない、たいしたことない
(8)にえる=青あざができる
(9)なっとうしょう=どうしよう?
(10)なおす=片づける
(12)どれる=水があふれる
(13)かだら=体
(14)ごめんないて=ごめんなさい。ごめん下さい
(15)てとたったって=手伝ってあげてください
(16)ほれ、みー、そー=そらみたことか
(17)おでんの上のこんことって=おぜんの上にある漬け物を取ってください。
(18)雪、降ってきたのし=雪が降ってきましたね。
(19)「井上はん、あるか?」「ないわ」=「井上さん、いますか?」「いません」
(20)わえがよー、いたらよー、てきゃぁよー、いてるかよー=僕が行ったら、彼はいなかったんだよ
(21)隣のあんにゃん、ほうど走ったかして、ようさん汗かいちゃあらよ=隣のお兄さん、だいぶん走ったようで、汗だくですね
       
和歌山弁の世界でした。写真は以前に行った春林軒の入り口
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