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お堂でみる阿修羅

2009-10-29 | 街角の話し
(阿修羅。写真はクリアーファイルの一部分)

阿修羅は以前に国宝館で会いました。
久々に、奈良に戻って来ました。

今回は仮金堂に移して公開。お堂での公開は何と112年振りです。

興福寺国宝特別公開2009(仮金堂・北円堂)10/17~11/23



仮金堂
平日なのに、30分待ち(初日は3時間待ちと言う噂です)。
写真の右手に行列が続いています。

仮金堂は昭和49年の再建。中金堂として本格的な再建は来年秋着手です。

通常仮金堂安置の江戸時代に造られた本尊の釈迦如来坐像、鎌倉時代の薬王・薬上菩薩立像(重要文化財)の脇侍に

今回は、お客様として国宝・十大弟子像(6体)と国宝・八部衆像(8体)と重要文化財・四天王像が勢揃いします。

中央に釈迦如来坐像、薬王・薬上菩薩立像。いずれも3.6m前後。
左右に四天王像を配置(2m前後)
その前に、十大弟子像と八部衆像(1.5m前後)を交互に配置。
その中央には、あの阿修羅像。

十大弟子像と八部衆像は洲浜座(すはまざ)という台の上に乗っていますが
阿修羅像はさらに別の台の上に乗っていて、照明の光が集中して、燦然と輝いています。
元々 朱色の顔が、まさに「紅顔の美少年」の文字通りの様。

堂内に入ると、一旦後方列に行き、全体を俯瞰した後に、前方に行ける様に工夫されています。

八部衆・十大弟子像という現存する天平乾漆像14躰すべてが並んでいます。

乾漆(かんしつ)造という技法で造られていますが、場内で声高にお友達に説明している人が居ました。周りは迷惑でしたね。

*この造り方は、まず心木(しんぎ)を立てて、塑土(そど)を用いてだいたいの形を造り、その上に漆で麻布を数枚貼り重ね、ある程度乾燥させた後、背中を切り開いて、中の土を取り出します。
このように空洞になった内部に板や角材を補強材として入れ、その後木粉(もくふん)などを混ぜた漆で表面を整え、金箔や彩色を施して仕上げます。
手間と漆という高価な材料を使うので、平安時代以降廃れた。
葛井寺(大阪)の千手観音坐像も、この方法で細部まで見事に作られています*




国宝 北円堂

藤原不比等の菩提を弔うために作られた八角堂。興福寺に残る伽藍の中で最古。
以前に特別公開の時に参観しましたが、今回は内部の照明を一新したとのこと。
ここは50分待ちの表示。あきらめて帰る人も多い。(今回、二つ合わせて1500円の拝観料)
写真を撮ってる場所に長蛇の列です。

運慶一門による本尊の国宝・弥勒如来坐像や無著・世親立像(国宝)。
鎌倉彫刻最高峰の名品が一堂に揃っています。他に 国宝・四天王像(平安時代)。

とにかく、薄暗かった内陣が、様変わりのように明るくなっています。

無著立像(一木彫)と世親立像(寄木造)とは、

五世紀頃に北インドで活躍、法相教学を確立した兄弟です。




無著立像

いつ見てもほれぼれします。
運慶の傑作のひとつ。

日本彫刻史上最高傑作の作品達に出会えます。

それにしても、今日は、興福寺の近くでは、鹿は一匹も見ませんでした。

「どうして、今日は鹿が居ないの?」

ガイドさんの答え

「たくさんの観光客にびっくりしたのでしょうね」

アベックの彼氏の答え

「シカたないだろ・・・・」

どちらも人混みに、ウンザリの様子。

本当に何故居なかったのかは不明です。
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エビイモ(海老芋)

2009-10-27 | 街角の話し
エビイモを買いに富田林まで行ってきた。
多分出始めのせいか近くのスーパーでは見かけない。

「富田林のエビイモ」でなければ・・・・・(笑)

大阪ミュージアムに選ばれている。大阪ミュージアムはここ。


エビイモ(海老芋)とは、サトイモの品種のひとつ。京芋(きょういも)とも呼ばれる。
京都府を中心に、主として近畿地方で消費されている。
反り返えった紡錐方形で、表面にある黒い横縞とあわせてエビのように見えることが名前の由来とされている。

京野菜のひとつとして知られる根菜で、京都府内では主に精華町・京田辺市・舞鶴市などで生産される。
府外では大阪府富田林市・徳島県・高知県などでも作られている。
現在は全国シェアの8割が静岡県磐田市の天竜川東岸で収穫されており、日本一の産地となっている。
先日、岸和田の中央市場でみかけたのは、静岡産と徳島産であった。

買ったのは、富田林市農業公園 サバーファームにある農産物直売所“にこにこ市場”です。

「エビイモは入荷してますか?」と電話で確認しました。
「入ってますよ、今日はもありますよ」



これが、電話で教えてくれた「親」です。
葉柄(ズイキ)が付いているのですね。
こっちは親だけが大きいですね。


特徴として、粘り気に富みよく締まった粉質の肉質、優れた風味と少しの甘みがあり、煮ても煮崩れせず、色も変化しない点が挙げられる。
このため、一般的なサトイモとは違って高級食材として扱われている。
海老芋を使った料理としては有名なものに京料理の芋棒(海老芋と棒鱈を炊き合わせたもの)があり、他にも島根県の津和野町ではエビイモを使った芋煮が郷土料理として作られている。



にこにこ市場。
変わった物も置いてます。
和歌山県かつらぎ町四郷(父の故郷です)の「手作り 柿チップス」
 自然乾燥させた柿のスライスです。生乾きです。
しぶ柿
 自分で干し柿にする人用です。
イチジク
 普通果物屋さんにあるのより一回り小さいですが、甘くておいしい

農家が直接持ち込む方式なので、安くて新鮮です。
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古寺巡礼 和辻哲郎

2009-10-25 | 心に残る本
お寺をいろいろと参拝している人が、いつかは読んでみたいと思う(多分-笑-)本です。
それくらい有名な本です。
著者の和辻哲郎(1889年3月1日 - 1960年12月26日)は、『古寺巡礼』などの著作で知られる日本の哲学者、倫理学者、文化史家、日本思想史家。

本の紹介は、こんな具合である。
大正七年の五月,二十代の和辻は唐招提寺・薬師寺・法隆寺・中宮寺など奈良付近の寺々に遊んだ際,飛鳥・奈良の古建築・古美術に相対し,その印象を若さと情熱をこめて書きとめた.鋭く繊細な直観,自由な想像力の飛翔,東西両文化にわたる該博な知識が一体となった,みごとな美の世界がここにはある。

本は1919年に出版されている。文庫本は、その後に出版され1979年が初版。
私が買ったのは2009年4月8日の第54刷である。
表紙は、入江泰吉さんの写真。

名著と言うことは名文なのです。
仏像、建築、イメージ豊かに、文章が流れ、心に染み入ってくる心地よさ…。
決してガイドブックにはならないけれど、心のガイドブックです。

その一部をご紹介したい。そして自分としてもまとめてみたい。

いろんなお寺が出てくるが、やはり「薬師寺」かな。

私の薬師寺参拝記はこちら



金堂本尊 薬師如来(国宝)

「雄大で豊麗な、柔らかさと強さとの抱擁し合った、円満そのもののような美しい姿は、自分の目で見て感ずるほかに、何とも言いあらわしようのないものである。

胸の前に開いた右手の指の、とろっとした柔らかな光だけでも、われわれの心を動かすに十分であるが、あの豊麗な体躯は、蒼空のごとく清らかに深い胸といい、
力強い肩から胸と腕を伝わって下腹部へ流れる微妙に柔らかな衣といい、この上体を静寂な調和のうちに安置する大らかな結跏の形といい、
すべての面と線とから滾々(こんこん)としてつきない美の泉を湧き出させているように思われる。」

「あのわずかに見開いたきれの長い眼には、大悲の涙がたたえられてように感じられる。あの頬と唇と顎とに光るとろりとした光のうちにも、無量の慧智(えいち)と意力とが感じられる。確かにこれは人間の顔でない。その美しさも人間以上の美しさである。」

他の言葉がいらないくらい完璧ですね。


東院堂 本尊 聖観音(国宝)
「美しい荘厳な顔である。力強い雄大な肢体である。
仏教美術の偉大性がここにあらわされている。
底知れぬ深味を感じさせるような何ともいえない古銅の色。その銅のつややかな肌がふっくりと盛りあがっているあの気高い胸。
堂々たる左右の手。衣文につつまれた清らかな下肢。
それらはまさしく人の姿に人間以上の威厳を表現したものである。しかもそれは、人体の写実としても、一点の非の打ちどころがない。
人間そのものを写して神を示現しているといえるであろう。」

薬師寺の仏像2つについての和辻哲郎の考察の本の一部です。

観察眼のするどさ、そこから発展する多方面の知識。

著者20代の作品とは思えない深さです。

それが今尚、名著と言われ、たくさんの人に読まれている理由です。

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だまし絵  兵庫県立美術館

2009-10-12 | ア-トな話し
2009年8月26日―11月3日
ポスター等の画像が、アルチンボルトのこの絵。
「マァ~いいか」という気分になりますよね。(笑)
行こうかと決めた矢先に、kokumiさんから掲示板で行かないのと催促(笑)。
すでに行かれたようで、ブログはここ

この絵には、63種類の植物が描かれているそうです。会場の最初の作品です。
みんなが数えているせいか(笑)会場は満員です。
チケット買うのに15分、入場は50分待ち。スゴイ。

ここには、何回も来てるので、そんなに並べるはずがないと高をくくっていましたが。
何と一旦外に出て、テラスの所に並ばせるのですね。

小中生の親子連れと若いアベックが圧倒的多数。
おじいちゃん、おばあちゃんは少ない。

「子供でも映画なら1000円もするし(ここは500円)」
「折角連れて行っても面白くないと言うし」

後ろに並んでいたお母さんの声です。

映画なら感動しても直ぐに言葉に出来ないが、ここはok。
親も解説して、子供が納得すれば親子の対話が出来ます。

会場内は、他の美術館と違い、賑やかでした。



三重肖像画 バウルス.ルイ

正面から見るとルドルフⅡ世

少しずれて見ると



父と祖父の絵です。

実は逆から見ると三人が見えるそうです。-見過ごした-

蛇腹状にして描いてるようです。

円筒を絵の真ん中に置くと、ちゃんと見えるのもありました。

図録には、銀紙が入っていて、確認出来ます。
優れものの図録です。



インコへのオマージュ  デ・スコット・エヴァンズ

インコもですが、割れたガラスも、本物そっくり。

だまし絵と言うのは、本物そっくりに描く
だますふりをして、結局だまされないから、だまし絵なのです。

本物と、そっくりでない絵は芸術ではないという。
そういう時代の作品なのですね。


フェルディナント1世 エアハルト・シェーン

分かります??

切符売り場にディスプレイがありました。

右から見るのです。



大きな帽子をかぶった、おじさんが見えます。
見えました?



M.C エッシャー 滝

著名な作品です。他の展覧会でも見ました。

小学高学年を連れたお母さんが大きな声で息子に言ってました。
「これよ、これ 有名なのよ ちゃんと見ておいてね」
すごいお母さん、感心しました。

単なる白黒の絵、息子は他に行ってしまいました。(笑)

これは、水が永久に流れるように見えるのですね。
小学生には、難しかったようです。



水の都 パトリック・ヒューズ

これは小学生にも分かる。右から歩いて行くと、絵がどんどん変わるのです。
ムービーか・・・・
という声がかかりました。

これはスゴイ。自分の目がおかしくなったのかと心配します。

どこが見所なのか、自分の感性で見つけて
すかさず、同伴者に自慢げに説明するのがポイントです。

楽しい展覧会です。

ルネ・マグリットの「夢」という作品がありました。
女性の裸体の絵です。

小学生の子供が言ってました。

「毛が薄いな」

お母さんが即答です。
「外人だから」

息子は
「そうなんだ」

母は偉大ですね。(感服です)

この家庭は、素晴らしいと思います。

みんなが感じたことを言う。

素晴らしい展覧会だと思います。
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若冲ワンダーランド MIHO MUSEUM

2009-10-11 | ア-トな話し
2009年9月1日(火〉~12月13日(日)

象と鯨図屏風(ぞうとくじらずびょうぶ) 伊藤若冲筆 六曲屏風一双 紙本墨画

各縦159,4×横354.0 江戸時代 MIHO MUSEUM蔵

最初の写真は、右隻。象です。

本邦初公開の若冲作品を見に、はるばる滋賀県まで行って来ました。
我が家からは、車で2時間、遠いな~。

そして、これが左隻。



鯨です。

象と鯨、この巨大な2つの生き物を屏風にするとは、まさに若冲らしい。

像も鯨も本物を見たことがないのだろうな? そんな作品です。
2008年に発見された作品。MIHO MUSEUMに寄贈されたとのこと。
今回の展覧会は、それがきっかけの、お披露目のお祝いですね。
たくさんの作品が集まりましたが、6期に分けて作品入れ替えがあります。
今は、2期目(9/29~10/12)。
この「象と鯨図屏風」は全期間展示されます。

若冲と言えば

動植綵絵ですね。
2007年5月でした。ブログで感動を表しました。「君は若冲を見たか」

実は、コツコツとこんなページを作っていました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kazu_san/jyakuchu.html

動植綵絵は、今、東京で展示されています。
東京国立博物館で開催中の御即位20年記念 特別展「皇室の名宝―日本美の華」
1期の2009年10月6日(火)~11月3日(火・祝)のみ全点が展示されます。
行きたいですね。

若冲と言えば、プライスコレクションが有名です。
今回は、「鳥獣花木図屏風」が出展されています。
京都で2006.10に出会って以来です。
今回は、じっくり見ました。


写真は一部分

桝目描きで有名な作品です。京都で見たときに、もっとじっくり見ておいたら良かったなと反省していた分です。反省の一つがリカバリー出来ました。(笑)
9/29~11/8までの展示です。

「石灯籠図屏風」-京都国立博物館蔵とも再会です。2008.1若冲展
9/29~10/18までの展示です。


雨龍図 個人蔵
9/29~11/8までの展示です。
見たこともないのを描くのは得意なのようです。
何となく楽しくなる絵です。個人蔵だから再会の可能性はないかも。

動植綵絵に繋がる作品としては


鸚鵡図 千葉市美術館
9/29~11/8までの展示です。

オウムの一部は塗ってないのでは?
でも違和感を感じませんね。きっと、みんなが、それでいいと感じるのです。


月夜白梅図 個人蔵

9/1~10/12までの展示です。

ほとんどの人が立ち止まってしまいます。
素晴らしい若冲の世界です

そして、皆が近寄って見るのは、何か面白い物があるはずだと期待して(笑)。
枝に、いくつか黄色い虫見たいなのが描かれています。
何だろう?
周りの人も口々に言ってますが、分からん。
そうやって楽しむのが若冲の絵です。

他にも、一杯いい作品がありました。
池大雅や丸山応挙の作品もありました。


この図録は3000円もしますが、中には若冲が一杯です。

MIHO MUSEUMの往訪記です
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長岡京ソングライン  '09

2009-10-04 | 街角の話し
京都・長岡京市で開催の野外音楽フェスティバルに行って来た。
2009年10月4日(日)AM10:00~

写真はパンフレットです。

野外音楽に興味があったわけでなく、ブログ仲間の「ORANGE通信」さんが、お友達と一緒にフリマに出店するということ。
その「チャレンジ精神」に感服したので行って来ました。

「ORANGE通信」さんのブログは、ここ

長岡京ソングラインとは
2008年10月に京都府長岡京市・長岡天満宮で始まった長岡京市からの文化的発信とエコロジーを重視し、市の活性化をめざす複合型音楽イベント。
昨年、第一回目となる長岡京ソングライン’08では、のべ1,300名の動員を記録。
ミュージシャンが造る音楽イベントとして注目を集めているイベントです。



彼女のシヨップです。全部手作りの作品。
開店まもなくだったので、まだ一つしか売れてないと言ってました。



買ったのは、このガマ口の2作品。
ボクには使えそうにはないけれど・・・・・



これは他のお店(ショウザエモンのはんこやさん)のゴムスタンプ。
なかなかの優れものです。



フリーマーケットは、どこも盛況。
彼女が、「おいしいワラビ餅見つけましたよ」と言ってたので
(お店での販売よりも、わらび餅らしい-笑-)お土産に買って帰りました。

地元のお菓子屋さんの出店ですね。
「みずは北川のわらび餅」
これは、本物わらび餅でした。大粒とは言え、8個550円、美味しかったです。


音楽も、いくつかの会場に分かれてやってました。
長岡天満宮はこちら
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