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国宝法隆寺金堂展と藤田嗣治 作品展

2008-06-21 | ア-トな話し
奈良国立博物館 6/14~7/21

金堂の須弥壇の修理に合わせ、金堂内の諸尊像を公開する展覧会。
360度、周りから、くまなく見ることが出来るのが、今回の売りです。
また、再現した壁画12面も公開されています。

写真は、奈良国立博物館の旧館。ここに来るのに、寄り道してきた人だけが見られます(笑)。普通に歩いていれば新館の入り口に行きます。ここからは入場出来ませんので.....。

ぐるり360度 すべて特等席

朝日新聞の見出しです。とにかく、この際、ぐるぐる回って見ましょう。
幸いにして人も少なく、十分に見ることが出来ました。

今回の、売りのもう一つは
木造四天王立像(国宝)が、四体そろって初めて寺外で公開されるということ。



四天王の一つ。多聞天像(たもんてんぞう)国宝。
右手に宝塔、左手に戟(げき)を持つ。



そして、広目天像(こうもくてんぞう)国宝。
筆と巻子(かんす)を持つ。

いずれも飛鳥時代の仏像らしく、何とも柔和な顔立ちである。

実は、4体揃うのは7/1からである。
それまで代役を務めるのが、この2体。
それは知っていたが、これがなかなかなのです。


毘沙門天像 国宝
平安時代の作品なので、仏像としての完成度は高い。
鮮やかな彩色も少し残っている。



なんと言っても、素晴らしかったのが
吉祥天像 国宝
平安時代の作。彩色がかなり残り、お顔が何とも言えずいい。



壁画の内、第三号壁 観音菩薩像 平山郁夫さんの筆による再現。
う~ん。難しいですね。
中途半端な...という感がするのは私だけ?
思い切って、当初を再現しても面白かったのにと思う。


買い物に寄った近鉄百貨店 阿倍野店で、すごい展覧会をやってました。
藤田嗣治 作品展です。
版画を中心にした即売会。



いいですね。藤田嗣治の感じが良く出ています。
4,725,000円。

他には、40万円弱もありました。
版画は、ご夫人の所蔵作品のようです。

中には、39,990,000円と言うのも展示されています。これは油彩の作品。

観覧は、無料です。得した気分になりますよ。

阿倍野店は、今、「史上最大の売り尽くし」で忙しいので、美術館のPRまで手が回っていないのかも。(笑)

見過ごすには、惜しい展覧会です。6/25までやっています。


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液晶絵画 国立国際美術館

2008-06-08 | ア-トな話し
4月29日(火・祝)−6月15日(日)
ちょっと変わった斬新な展覧会が行なわれている。
900円もするのに結構混んでいます。
それも若い女性が断然多い。「写真の美術/美術の写真」と同じ傾向です。

森村泰昌さんの人気のせいかな?

この展覧会は、よう分からんな

というのが率直な感想です。

会場を入ると、いきなり写真の液晶画面があります。

たまたま入った時に、この写真の画面に出くわすと、ただビックリします。
そして、画面が全然変わってないと思って、大概の人は、次のコーナーに行ってしまいます。(笑)

ビル.ヴィオラの作品です。タイトルは「プールの反映」
じっくり見たので解説しましょう。

森の中、一人の男が、貯水池にゆっくり近づいて来ます。
しばらく池の近くに佇んでいます。
----近くの女性二人連れの、「何したいの?」と言う声が聞こえて来ましたが---
突然、男は手足を丸めて跳躍します。そこで画面は止まってしまう。
中央が男です。
これが長い間続く。
ようく見ると、男は停止しているが、池の水面は動いています。
ふと、気づくと男は背景に溶け込んで、消えてしまう。
その内、水面に人影は映るが、池の周りには何の変化もない。
長い時間が経って、水中から一人の男が出てくる。しかも全裸。
池から上がって、森に戻っていく.....。

それだけなのです。とにかく見るのに時間がかかる。待つと言う忍耐も必要。

ここでは、時間がゆっくり流れる

入って来たタイミングに左右されますね。幸いにも、私は、裸の男が出てくるところだったので、どうしてと思って見てしまいました。
作者の言葉によると
自然の世界への個人の出現-ある種の洗礼-に関わるものだ。

分かるはずがないよね。

サム.テイラー=ウッドの作品は
本人(結構美人です)が男を抱きかかえた映像がエンエンと続く。
何となく、どこかで見たポーズです。十字架から降ろされたキリストを抱くマリアですね。
机の上に盛られた果物が腐って行く、早送りの映像もあります。
"生あるものの美しさとはかなさの表現..."
分かりますか?

いろいろと工夫された、映像が次々と続きます。

お目当ての、フェルメールのコーナー。森村泰昌さんの作品です。



真珠の耳飾の少女風の人が、暗闇の中、何かつぶやきながら本を読んでいる。
長い間続きます。
やがてアップになり、段々と、こちらを振り向きます。

そして...


題して、「フェルメール研究 振り向く絵画」
成る程、成る程...。
あの微妙なポーズはこれだったのか?
納得(ボクは納得してないけれど...)



"絵画芸術"製作のアトリエ再現です。
ビデオとアトリエの小道具とで展示空間を作っています。

真っ暗なディプレイが1台ありました。何と大胆なと近づくと
「調整中」の紙が...これもアート?  単なる故障でしょうね。

真っ白な板にライトが当たっているだけというのがありました。
前の人も、諦めて立ち去りました。
私は、他を見てから、又、戻って見ましたが、何も変化なしです。
あれはアートなのか、故障なのか、分かりません(笑)

何にしても、将来のアートです。

画面の前に立って、何が起こるのか...。
時間をかけて、ゆっくりと 作者と向かい合う。そんな展覧会です。

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源氏物語千年紀展  京都文化博物館

2008-06-07 | ア-トな話し
4/26~6/8
サブタイトルは~恋、千年の時を越えて~

1008年には、すでに「源氏物語」が宮廷で読まれていたという記録から、今年が千年紀ということらしい。
ヨーロッパでは、海賊が流行っている頃に、日本では「十二単」のきらびやかな衣装に身をつつみ、世界文学に誇る「源氏物語」を読んでいる人たちが居たというのは、日本が誇っていいことである。一部の恵まれた人たちだけとはいえ、すごいことである。

残念ながら、源氏物語を語れる人は少ない。私もそうであるが...。(笑)
会場では、「語っている」人も多い。感服します。予想以上の混雑です。

写真は、チケットにも使われている「源氏物語手鑑」の「若菜下」
 土佐光吉筆 和泉市久保惣美術館所蔵。久保惣美術館の源氏絵については、ここ
題材は、合奏の練習中です。
"明石の君""紫の上""女三宮"と豪華な、みなさまが揃っている。


源氏物語について語るときは、「例えば...」と語り始めるのがコツらしい。解釈も多種多様であるので、注意深さが必要(笑)。

例えば..源氏物語は、「美しいものこそ、すべてである」という考え方。
美貌の光源氏を主人公として、登場する女性は、ほとんどが美女(例外は一人?)。
まるで、週刊誌を読んでいるように、下世話な事件が次々に起こる。
高貴な身分の美男美女の話なので、「文学」になる。
母を幼い頃になくした人がたくさん出てくる。作者の紫式部もそうであった。



源氏物語図屏風 伝 土佐光吉筆 写真は左隻の左側一部。
東京出光美術館蔵 六曲一双 

五十四帖すべてから場面を選び出している。
どの場面かを当てられれば、源氏物語卒業という名場面集。
すごい人だかりなので。近づくことさえ困難ですが...。

狩野氏信筆の屏風もあります。これもすごい。

とにかく「華麗」という言葉通りの世界です。

たくさん登場する美女の中で誰が好きか?
圧倒的人気は、「紫の上」ということになっている。
光源氏の母の「桐壺の更衣」と面差しが似ている「藤壺の宮」-父の後妻-の兄の姫。
---これだけで、何が何やら分からなくなる人間関係の錯綜-それが源氏物語です。--
10歳の時に、光源氏に引き取られ、理想の女性として養育される。
結局母親に似ている女性ということです。怪しげな(笑)世界です。

源氏物語の世界に手っ取り早く入れる、格好のマンガが会場でも売っていました。



『あさきゆめみし』大和和紀の少女漫画。文庫本は全7巻。
もともと少女コミックなので、噂しか聞いていませんでしたが、今回1巻目のみ購入しました。ほぼ原作に忠実ということです。
読んで見ましたが、これは良く理解出来ていい本です。
難点は、男には、どの女性も同じ顔に見えます。
光源氏の好みが母親似なので、みんな似ているのは仕方ない。作者の絵の力量不足ではないのだろうな。
ただし、女性には、その顔の違いが、はっきり理解出来るようですよ。

源氏物語の入門には、適切な本です。今年は、源氏物語に出会う機会が多いと思いますのでお試しを。



当日、NHKが公開録画をやってました。BS2です。
「お~い、ニッポン 私の好きな京都府」の一部クイズコーナーです。
右側の司会者は、茂山 宗彦さんです。
NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の徒然亭小草若役。゛
「底抜けに~」の決め台詞が懐かしくなります。
最後まで見なかったので、「底抜けに~」があったかどうか不明です。
ちりとてちんの収録セット公開の記事はこちら。







 


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アンカー展 ~故郷スイスの村のぬくもり~

2008-06-07 | ア-トな話し
美術館「えき」KYOTO
5月24日(土)~6月22日(日)

アルベール・アンカー(1831‐1910年)は、スイス中央部のインス村出身の写実主義の画家です。スイスでは大変有名な画家ながら日本では知られていません。
没後100年近く経って日本で初めての本格的な回顧展が行われている。
「アルプスの少女ハイジ」とも思える優しい少女像のポスターがアチコチに貼り出されています。そのポスターに釣られて行ってきました。
写真の作品は、「髪を編む少女」
バックを暗くして、左からの陽光。金髪が輝いています。日常のヒトコマを切り抜いた何気ないポーズ。
本等の小物も丁寧に描かれ、何かの比喩なのか?
まるで「フェルメール」に出会ったような気がします。フェルメールはここ。



「窓辺で編み物をする少女」
これも左側からの光が素晴らしい。
編み針は、ドキッとするほど金属の光を放っています。




「スープを飲む少女」

ちょっと"おませな"少女です。
真剣にスープを飲んでいる雰囲気が伝わります。
パンがお皿に載ってないのも、スイスの日常かも。

少女だけでなく老人を描いた作品もいいのが、たくさんありました。


生まれ育った故郷の村の情景を、村の子供や老人などの日々の生活を題材に、細密で穏やかな色調で描いています。

日本にもあったような、どこか懐かしく、ぬくもりを感じさせる作品が一杯でした。



会場を出たらブラスバンドの演奏をやってました。
2008 高校バンドフェステイバル
京都府下の高校が参加しているようです。

さわやかなぬくもりのある絵の後に、さわやか高校生の演奏と。
ぴったしでした。
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