警察の指示に従った結果・・・冤罪事件に思う１

冤罪事件がありますと
私には、必ず思い出すことがあります
忘れられない、若き日の思い出です

私は、警察と、ちょっとしたトラブルを起こしました
ほんのささいな、道路交通法違反です

その時、私の違反を見つけた警察官は、異様に興奮していました
彼は、たった一人でパトカーに乗っていました
今から思えば、異例なことです
どんな事情があったのでしょう？

その日、確かにそこにパトカーが止まっていたことも
そして、道路に背を向けて一人の警察官が立っていたことも
私は見ていました
しかし、そのことを、まったく気にかけることなく
私は前を走る小型トラックを”追い越し”したのです

理由は、木の枝を満載して、ゆっくりと走る
そのトラックが邪魔だったからです
私が乗っていたのは国産のスポーツカーでした
一瞬にして抜き去ったのです

場所は直線路でしたが、登り坂の途中でした
しかも追い越し禁止区域でした
私としては、充分に安全な追い越しではありましたが
道路交通法違反であることは確かでしょう
指摘されれば、その通りです
私に、危険の認識はありませんでしたが・・・

しばらく行くと、パトカーのサイレンが聴こえ
信号で止まった私の後ろに、パトカーが付き、何やら指示します
やがて警官が来て、私に何か話そうとします

「スピード違反ですか？」

「スピードも出ていたぞ！」

「何ですか？」

「俺が見えなかったか！」

異様に興奮する警察官に、不審の念を抱く私でした

話をよく聞くと、どうやら
警察官の見ている前で、追い越し違反をしたということで
警察官は、自分が無視され、なめられたと思い、興奮してしまったのです

私は、彼に言われるまま、警察署まで行くことになりました

「逃げるなよ！」

「逃げたりしませんよ」

そんな会話の後、彼の運転するパトカーについて行ったのでした