湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

樹木希林さんの死、個性派俳優のこと

2018-09-20 18:48:44 | Weblog
昨日、安室奈美恵さんのことを書いたので
芸能ネタが続くことになってしまいますが
先日亡くなられた樹木希林さんのことも
少し、書きたいと思います

樹木希林さんは
悠木千帆の芸名でやっていた頃から
私にとっては、独特の存在感のある特別な女優でした
子供心にも、凄い女優だと思っていたのです
樹木希林という芸名に変更したのは意外でした
なんか変な名前になったなと感じたのを憶えています
それもまた悠木千帆らしいと・・・

彼女の芸能人生を振り返れば
樹木希林になってからの方が
圧倒的に充実したものだったでしょう
その活躍の場は、女優に留まりませんでした

もう一人、私が少年期に特別な印象を持った
別格の凄い俳優だと思っていた人に渥美清がいます
ご存知「寅さんシリーズ」の渥美清です
私より若い世代では、渥美清といえば寅さんでしょう
しかし、私から上の世代の者には
寅さん以前から、渥美清は有名でしたし
私には、特別な俳優でした

個性派俳優という言葉があります
俳優は、何でも演じられなければいけませんから
個性派俳優の立場は微妙です
ある意味で、自分自身しか演じられないからです
これでは、厳密に言うと、俳優ではありません・・・

しかし、実際には
個性派俳優こそが、ドラマを面白くします
ここに演劇論の矛盾があります
演じることによって他者に上手に化ける俳優より
自分らしく演じてしまう俳優が
見方によれば、演じるのが下手な俳優が
ドラマを盛り上げてしまうのですから

これが、ドラマというものの
あるいは、フィクションというものの持つ
矛盾であり、パラドクスなのです

どうせ作り物なら、作り物として面白ければいい
観客の側の気持ちとしては
リアルであることを、必ずしも期待しないのです
そこに、個性派俳優の出番もあるわけです

個性派俳優が演じているのは
作家が想像して台本にした登場人物ではなく
俳優が演じたい”人間の真実”です
観客は、そこに感動するのです


コメント
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