無意識日記
宇多田光 word:i_
 



で。ずっとライブミニアルバム『40代はいろいろ -Live from Metropolis Studios』の話ばかりしているが、本編たる『40代はいろいろ♫』の動画もきっちりYouTubeにアップロードされているのだからそちらの話もしたいなぁと…

…思ってんだけど、これが全然進まないんだわ! 毎日動画を立ち上げてはヒカルの「可愛い」の波状攻撃を受けて即座に撃沈して停止ボタンを押してしまう。毎秒可愛いと思ってたけど今や毎瞬可愛い。ほんの数十秒でこちらの1日分のキャパが満タンになってしまう。お陰でまだ“Me Porto Bonito”の口パクんとこまで辿り着いてないぜ! 面白いことになってんだってな!(←伝聞でしか知らない)

おかしいなぁ? こんなにヒカルの「可愛い」に弱かったっけ? いや確かに今でも『One Last Kiss』のミュージック・ビデオをフルコーラスで観るときは結構気合いが要る。辻田恵美編集がこれでもかと彼女の思う「宇多田ヒカルの可愛い瞬間」を切り貼りした超絶濃密度の映像なのだからいやそれはもうこちらのキャパシティをしっかり用意しておかないと途端に胸が一杯になってしまうからね。なので実は楽曲を前半と後半に分けて時間をおいて観賞することが常だったりする。だが『40代はいろいろ♫』はそれより更にギブアップまでの時間が早い! 流れ込んでくるものが多過ぎるのよね…。


15歳でデビューした宇多田ヒカルは勿論当時から基本的には音楽雑誌を中心としてトップのミュージシャンとして扱われてはいたのだが、余りにも有名になり過ぎた上に母親譲りの美貌も相俟って10代の頃は音楽と関係の薄いティーン誌などに記事や写真が掲載されることも結構あった。そもそも連載持ってた「mc Sister」からしてティーン向けファッション誌だったしね。いわば、結構アイドル扱いもされていたのだ。それが19歳の結婚を機にガクンと減り、以降はヒカルの「可愛い」はファン向けのものとなっていったのだが…

正直、今がいちばん「可愛い」の密度が濃いかもしれない。どうしても日本語圏では女性有名人に若さという価値を求めがちだが、肌の具合がどうのとかいうまさに表面的な事を除けば、「可愛い」って年齢に関係なく育まれるのではなかろうか。40代になろうがおばあちゃんになろうが「可愛い」は磨かれ続け更に濃縮されていく可能性があるのではないだろうか。そう妄想した時に『40代はいろいろ♫』という楽しげなタイトルが物凄く可愛らしいものに思えてきてしまって、いやほんとヒカルさん、今までの人生の中で40代がいちばん可愛い時期に、そして貴女にとっては、いちばん楽しい時期になるんでない?という予感と共にこのタイトル…というか末尾の『♫』がつけられている気がする。単一の八分音符「♪」でなく連符の「♫」なところが『ダブルでめでたいぜ』といいますか、よりパワフルなタッチを強めているのかなぁと。

多分、私の認識する「可愛い」は世に言われるものからは少しズレてはいるのだろう。40歳迎えた女性に対して「今まででいちばん可愛くありませんか貴女?」と訊く機会など普通は想定され得ない。しかし、心底まるきりそう思う。思い過ぎてあれほど公開を待ち望んでいたアーカイブ動画をまだ最後まで観れていない程なんだ! 年齢性別人種容貌時代季節等々々々に囚われない「可愛い」の極意、これからも戦慄しながら堪能していきたいと思います。今日もこの後ほんのちょっとだけになるだろうけど『40代はいろいろ♫』のアーカイブ動画をチラッと観るぞ!ヲー! いつ観終わるんだ!?(ヲー……)

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『First Love』がストリーミングでゴールド認定されたそうで、実にめでたい。5000万回再生か。
https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/st.html

上の方はトリプルプラチナ(3億回)とかでいやまぁなんか凄いわね。2015年頃は邦楽どうすんだと思ってたんだけどサブスクの普及で一気に息を吹き返したというか、CD世代としては今は1993~94年頃くらいの雰囲気を思い出してます。隆盛期だね。即ちまだピークはこのあと来るんじゃないかとなるんだけど今は当時と違って人口減少局面で、邦楽を支える10代20代のリスナーの絶対数が減ってくるとすればそれは90年代とは異なる結果となるだろう。でもともあれ、これだけ若い人たち向けの市場でこうやってCD世代の象徴的存在がその最も象徴的な楽曲で顔を出してくるというのは、そうね象徴的な現象だわね。

まぁ何が凄いって既にその前に『One Last Kiss』と『君に夢中』の2曲がゴールド、プラチナに認定されてること。あ、『Automatic』も昨年11月度にゴールド認定されてるのか。そう、スタンダードと最新曲の両方が聴かれているってのが凄い。

これをオフィシャルがどう分析してくるかが興味のあるところ。

・若い人が宇多田を発見してる

のか

・昔の人がサブスクを利用し始めた

のか、どちらが主なのか。勿論両方あるだろうがその割合はどうなっているのだろうかなと。

各年代別のランキングはどこかで出るかもしれないが、相対値だと判断が難しい。50代で1位より10代で10位の方が再生回数は多いかもしれないからね。サブスクというシステム自体の浸透度の差が出るなぁと。

サブスクで回数を稼ぐには継続的な露出が必要で、故にテレビの連続ドラマやアニメシリーズの主題歌となるのが有利なのだが、宇多田ヒカルの場合はドラマ「最愛」の『君に夢中』でその恩恵を受けたといえる。Netflixドラマ「First Love 初恋」の方は一挙9話配信だから評価が難しいな。その中でのゴールド認定は画期的ともいえる。

あとはバランスだろうか。24年前の曲がリバイバルヒットしたことで「昔の人」と捉えられるのか、『君に夢中』が親しまれたことで「年齢は少し上だけど今を生きる人」と捉えられるのか。そういう意味では『First Love』はちょっと大ヒットし過ぎたかもしれないねこの22~23年に。贅沢極まりない話だが。

その流れの中での『40代はいろいろ -Live from Metropolis Studios』のリリースは、結果的に、でしかないが至極適切だったかと思う。いい意味で『First Love』は過去の曲なのだというアピールが出来たのではないか。これが再生されればされるほど「昔の曲の今のテイクを聴くことで今の宇多田ヒカルの立ち位置が浮かび上がってくる」だろうからだ。若い人に親近感を持ってもらうには現役感が必要で、更に言えばもう少し低年齢層向けのドラマやアニメにも曲提供していくかどうか。「最愛」や「First Love 初恋」の想定視聴者層って30代以上にみえるからね。実際はどうか知らないけど。『Automatic』に続いて『First Love』がストリーミング・ゴールド認定されたことで、レコード会社が前向きな危機感を持ってくれたらなとレーベル移籍6周年を迎えたこの日に願う所存でありますよっと。

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