ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

トタン屋@松江

2021年02月20日 | 旅で出会った食メモ
宍道湖七珍をもうひとつ押さえておこうと、前回寄ったこちらにもお邪魔。訪問したら「スープの調整中」で営業が中断というこだわりで、やや待ち完調したところで入店した。紹介は前にやったのでさらっとだが、シジミがざる盛りのためだしガラにならず、カラが麺に絡まずむきやすく食べやすいのがありがたい。

和らくで相当飲んだが、実も滋養たっぷりのスープも完食で、翌朝の肝臓ケアはバッチリの逸品である。

和らく@松江

2021年02月20日 | 旅で出会った食メモ
宍道湖七珍をいただいた「和らく」は夜にも訪問。ランチでいただいた先程のせいろ蒸しのほか、夜は七珍の一品料理も多い。白魚とシジミの小鍋、手長エビの唐揚げ、白魚の卵とじ、スズキの奉書焼き、アマサギの有馬煮など。日本料理の料亭でいただく七珍料理、正統派はやはり凄みがある。

ローカル魚でとれたてごはん…松江 『和らく』の、宍道湖七珍

2021年02月20日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
松江・宍道湖七珍てくてくさんぽの締めに、味わいに訪れたお店は、駅に近い御手船場町にあるこちら。松葉ガニ、ノドグロ、島根和牛など、地産の食材を用いた日本料理を味わうことができる。店内の生け簀と水槽を囲むようにカウンターが配されており、魚介の鮮度は抜群。奥の調理場は半オープンで、料理人の包丁捌きをちらりと覗くことができる。

こちらの売りの一つが、宍道湖七珍を通年提供できること。頭文字から「相撲足腰」と覚える、スズキ、モロゲ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミを、すべて一度に味わえるのだ。ランチ限定の「宍道湖七珍せいろ膳」は、蒸し器によそったご飯の上に、食材に合わせた下調理をした七珍をのせて蒸したもの。蓋を開けるとバッと湯気が立ち、とりどりの魚介が品よく並んでいる。

椀によそい、七珍それぞれを散らした、まずは一杯。シジミは醤油ベースで酒煎りしてあり、粒が大きい分、味が強く滋味あふれる食べ応え。塩焼きのスズキは白味が瑞々しく、醤油で芝煮したエビは小ぶりながらパリパリの香ばしさ。白醤油焼きのウナギは脂ほどほどで身が締まりがよく、アマサギは濃いめの有馬煮で甘い中で身がホクホク。醤油でヅケにした白魚は白身の芳醇な旨みが広がり、鯉は南蛮漬けでほのかな酸味が身の味を引き出している。

この七珍、季節的・資源量的な事情で、実はすべてを同時期に味わうことは難しい。それをこちらでは地場産に組み合わせ、質的に優れたものを選び他所から揃えて提供している。この日の宍道湖産はシジミ、スズキのほか、希少な天然物のウナギに白魚。ほかは鯉は大山鯉、アマサギは諏訪湖産、エビは秋口は宍道湖産のモロゲエビを提供しているが、その他の時期は国産の手長エビを使っているという。

七珍の中でも、漁期や漁獲量が管理され資源量が比較的安定しているシジミは、七珍の中でも看板的な魚介。椀のタネもシジミで、小粒ながら汁がほんのり白濁しており、たっぷりのネギにといけば体に染み入るのが実感できる。夜の営業ではスズキ、白魚、ウナギ、シジミをだしで煮立てる小鍋や、手長エビの唐揚げ、スズキの奉書焼き、白魚の卵とじなど、それぞれの一品料理も充実。市内・李白酒造の華のある甘さの地酒「李白」月下独酌を合わせつつ、七珍の実力を楽しむのもよさそうだ。

松江・宍道湖七珍てくてくさんぽ4

2021年02月20日 | てくてくさんぽ・取材紀行
漁業縛りの市街散策の後は、宍道湖の北岸を車で走り、西岸の出雲市にある「島根県立宍道湖自然館ゴビウス」を訪れた。島根の川と宍道湖・中海の水族館とあるように、県内の河川と湖沼をテーマにした、淡水魚専門の水族館。館内には宍道湖と中海の生態系をそのまま再現した大水槽が目を惹く。宍道湖のスペックは、東西17キロ、南北6キロ。平均水深が6メートルと意外に浅く、平均塩分濃度0.3パーセントは海水の10分の1程度。中海が2分の1程度なので、同じ汽水湖でもかなり差があり、魚種および同じ魚種でも個体差を見ることができる。

興味深いのが、宍道湖七珍が相撲足腰すべて水槽に展示されていること。それぞれの特徴を展示の紹介文などからまとめて、頭に入れてから食べにいきましょう。

・スズキ→3〜12月に漁獲され旬は一般は夏だが、宍道湖のは冬が脂がのる。刺し網、延縄漁で漁獲。淡白なので様々な料理向きで、和紙に包んだ奉書焼きが名物

・手長エビ→オスはハサミが長いことから名がついた。柴漬け漁、筌などで漁獲。夏の夜にライトで照らして集め、網で掬う漁法も。七珍のモロゲエビはヨシエビのことで、長いハサミはない。唐揚げや煮付けにされる

・ウナギ→ニホンウナギは絶滅危惧種だが、宍道湖や中海には天然ものが棲息。出雲ウナギと呼ばれる、古くからの銘柄魚。石の間や穴を好み、ミミズや小魚、エビなどを餌とする大食漢。漁期は4月1日〜12月31日。寒ウナギが栄養を蓄え味が良く、筒漁や延縄、定置網、柴漬け、筌で漁獲。

・アマサギ→ワカサギのことで、光沢のある飴色をしているのでそう呼ばれる。冷水に棲息する魚で、島根は分布の南限。近年、猛暑の影響で数が激減している。漁期は10月15日〜3月31日。湖に仕掛ける定置網の「ます網漁」、刺し網で漁獲。

・シラウオ→体長10センチほどで、生きているうちは透き通っており内臓や卵が透けて見える。汽水域に全国的に棲息している。漁期は11月15日〜5月31日。ます網漁、刺し網で漁獲。天ぷらやすまし汁でいただく。

・コイ→宍道湖は塩分濃度が薄めの汽水なので、淡水魚だが棲息。10〜20キロ近い大型も見られる。冬場、2月前後の厳冬期が味が良い。刺し網、木の枝などを積み上げて囲む定置網の「おだ網」などで漁獲。調理が難しく、最近は地物がとれてもあまり食用にしない。鯉こく、洗いのほか、細切りの刺身に卵をまぶした「糸造り」が名物

・シジミ→宍道湖のものはヤマトシジミ。砂や泥など棲息環境によって、殻の色が黄色から黒まで違いがある。砂に潜る習性があり、プランクトンを餌にする。産卵で栄養がある7月の土用シジミと、1〜3月の寒シジミが味が良い