相生駅からの赤穂線を日生駅で降りると、乗ってくる大量の客にビックリ。ちょうどカキ祭りの日にぶつかり、街中がカキ入りの袋を下げた客で賑わっている。
駅前から漁港方面へ、日生港に沿い船が停泊するのを見て歩く。日生湾の周辺は、陸側は色見山などすぐ小山が切り立ち、沖方面には湾口に小島が点在。カキ生育に合った、栄養豊かで穏やかな環境となっている。
せっかくなのでカキ祭りを覗いて見ようと、会場である「五味の市」の建物に入ると、殻付きカキを大ザルで売っていた。値段は破格で、ガラガラと袋に空けて豪快に販売。かなりの行列と人だかりで場内がごった返す中、カキ山盛りの台車がひっきりなしに往来している。
外の屋台ではむき身を入れたカキ汁、身を炊き込んだカキめし、トッピングしたカキうどんなど、カキのテイクアウトに行列が。やはりお好み焼きの列がいちばん長いよう。
五味の市の裏手の岸壁でカキ剥き作業を眺めたら、自分もB-1グランプリで名を上げたカキオコを試そうと駅へ戻る。どこも行列が延びる中、駅そばの「福来」に15分ほど並んで店内へ。おばちゃんが3人ほどで客あしらいをしており、鉄板で一気に6枚ほど焼かれているのが圧巻だ。
車の混雑を抑えるため、帰りのJRの切符を見せるとカキが2つおまけになるキャンペーンが面白い。見せてオーダーすると先に小皿で焼きガキが2つ運ばれてきた。
ややしてから平たいお好み焼きが登場。箸で切ると小粒のカキがコロコロ入っている。汁はないが身がホクホク、ソースの甘辛みが、身の甘さを引き立てる。
キャベツが下に分厚く敷かれ、カキが蒸されてしっとりした印象。相生同様主張が控えめで、主役ではなく具のひとつ、といった感じだろうか。
駅で岡山へ向かう電車を待っていると、ホームには大量の殻付きカキ入りの袋を持つ客が目立つ。プラス2個はよかったが、カキ祭りに来たにしては食べた数がやや物足りない。彼らは家に帰っても焼きガキ、と思うとうらやましい限り?