村上の鮭づくし街歩きの続きで、三面川で行われている伝統のサケ漁を見学した。「居繰り網漁」といって、サケを捕えるウライから下流の瀬波橋のところで、船を使って行われている。
見に行くとちょうど上流へ向けて漁を始めたところで、網用の船が二艘とサケを追い込む用の船の三艘で操業。まず二艘が上流側から河口側へ向けて回頭して、ハの字型の配置になって間に白い網を渡し、やや広がりながら下っていく。息が合ったようにピッタリ並行して下り、上ってくるサケを船で下りながら迎える形で網が引かれていく。
二艘の舟はいったん広がった後に間を狭めると、下流側から追い込み用の船が近づいてきて、二艘が次第に網を絞っていく。舳先が触れるまで近づき、網をたぐると、数匹バタバタと網上げされた。
居繰り網漁には現在でも、昔と同じ木造の幅が狭い船を使われ、バランスが悪く立つのが大変だそう。竿で川底を突いて漕ぐので操船が難しく、前後にひとりずつ乗るが同時に呼吸を合わせて漕がないと進まない。「うまく操船できるまで10年かかる」ともいわれている。実際には人工繁殖用のサケは、ウライでとれたもので十分まかなえるそうだが、村上のサケの伝統を伝える風物詩として残っている。
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