ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

銚子てくてくさんぽ7

2021年04月10日 | てくてくさんぽ・取材紀行
この先の外川の町は海へ向けて落ち込む斜面に位置しながら、碁盤目状に道が配された計画的な街並みが見られる。もとは17世紀半ばに、和歌山から黒潮に乗り移住してきた崎山治郎右衛門が街区を整備、紀州から人々を呼び寄せたのが始まりで、往時は「外川千軒大繁盛」と言われたほどの賑わいを見せたという。集落は港へ下る8つの坂道を軸にしており、それぞれ歴史的所以からついた名前がプレートに記され、道や壁面に嵌め込まれている。それぞれの坂と、それらを結ぶ路地を行き来しながら、港へと下るのが楽しい。

外川駅からの県道は一条通りへと繋がっており、そのまま少し下ってみる。斜面に合わせて街区は段々になっており、石垣などで土留めされた区画の中に家が建っている。昔ながらの家は重厚な瓦屋根をのせた木造の平家で、強い海風に負けないようどっしり重心が低い、どこか沖縄の民家のような印象を受ける。横の路地は坂道よりやや高くなっているため、入ると集落の見晴らしがよい。建物が低めなため、瓦屋根が連なる様がよくわかる。

ブロック塀や石垣に挟まれた路地を行き来して、一条通りから東の新浦通りへ出て戻り、西側の一心通りへ。かつては街の中心だったことから名がつき、さらに西の本浦通りはフォトスポットのプレートも配されているビューポイント。軒先に花が配された瓦屋根の古民家の前から降っていくと、石段を経て外川漁港の漁協支所のところへと出る。銚子の漁業の発祥といえる漁港で、水深が深く潮の流れが急だった利根川河口に現在の銚子漁港が整備されるまでは、外川漁港が銚子の漁業の中心だった歴史がある。

外川は太平洋に面し黒潮も近い好立地のため、かつてはイワシの水揚げで賑わったが、現在はキンメ漁が盛んだ。一本釣りによる「つりきんめ」は身の傷みがなく味がいいことから、銚子のブランド魚にもなっており、外川漁港にも40隻ほどの船団がある。漁は夜間のため、この時間は漁船が多数停泊して静かなたたずまい。付近にはその形から名がついた犬岩や千駒ケ岩があり、さらに東へいくと同じ漁師町の長崎町、岬の長崎鼻もあるが、犬吠埼から歩き通しで流石に足にきたので、ここでさんぽは終了にしましょう。

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