ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

高崎そだちてくてくさんぽ4

2016年08月29日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高崎食材ブランド「高崎そだち」のツアー、初日最後の訪問先は、地域ブランド「榛名クラブ」の生産者「悴田梨園」にお邪魔した。こちらは明治期に創業の老舗農園で、現在は35種類の梨を栽培。一般的に出回る品種は「豊水」「幸水」「20世紀」など5種ぐらいだが、「秀水」「新高」「長十郎」といった、珍しかったり懐かしかったりする品種も栽培されている。

まずは販売所の裏手に広がる、梨畑の見学から。沿道の木には袋がけされた身が見られ、「有袋栽培」に取り組まれているのが分かる。袋は雨をしのぐほか虫除けの効果もあり、減農薬につながるメリットがある。色の違いは用途の違いを表しており、品種ごとに変わるのだそうだ。8月末の今の時期は「幸水」が終盤、9月中旬からの「豊水」の出初めにあたる。ほかにも1キロまで成長する「愛宕」は11月に旬を迎え、大振りだが大味ではなく甘みがあり、12月が食べごろなのだとか。

また梨園の木は背が低いことで知られ、梨狩りでかがんでの作業に腰を痛くしたことのある方もいるのでは。木の高さは植える際、農園主が作業しやすいようにその方の背丈に合わせるのだそうである。そのため100年前の木を見ると、日本人の背丈が今より低かったためかなり低いが、以降は身長の平均値が上がるのに合わせ、樹高も高くなってきている。農園で最も古い木は150年ほど前のもので、いまでも「赤穂」など当時の品種が収穫される。

販売所に戻ったら、様々な種類の梨を試食させていただいた。クラシックな「長十郎」は硬めでほのかな酸味があり、「赤穂」は身が締まりライト。最近の品種では「幸水」はジューシーで甘く、「豊水」はやや酸味があり、「秀水」は身の食感を残していて砂糖甘い。品種ごとの食感と甘みの違いを実感、梨を各種食べ比べる機会はそうないので、なかなか貴重な体験である。

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