ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…長野県観光懇談会での、信州ふーどの食材あれこれ

2015年07月13日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
長野県の観光情報説明会に参加、「おいしい信州ふーど(風土)」宣言という取組が目をひいた。県内の食材や食文化を、まず県民が学び理解して、観光客に自信を持って説明できるための施策だそうで、外へ発信する前に地元への啓発に取り組んでいる例はあまりない。

以下、この取組による食の3つのカテゴリー分けを紹介。

1)プレミアム6品目…厳選食材厳密基準のこだわり食材。ワイン、日本酒など、原産地呼称管理制度の品目が挙げられる。ワインはフランスと同じ概念による品質定義をしており、寒暖差があるためボルドーに似た環境で評価が高まっている。ほか信州プレミアム牛肉は、肉質歩留BMSによる規定のランク付けのみならず、オレイン酸含有率も評価基準としており、脂の滑らかな口溶けが売りとなっている。

2)オリジナル56品目…県内開発の新品種や、全国シェア上位の食材。信州黄金シャモはシャモと名古屋コーチンの交雑種で、それぞれの親鶏よりうまい、と産地評。信州サーモンはニジマスとブラウントラウトの交配種で、一年中旬なのが特徴。ほか野菜やキノコ、果物に対象品目がある。

3)ヘリテイジ77品目…郷土料理や食文化で「県選択無形民俗文化財」に選択の料理や食材。信州そばや各地域の郷土食が該当し、冠婚葬祭や季節の旬に地元で普段使いされる料理が対象品目となっている。

発表会の後の懇親会では、これらの一部が料理で提供された。信州サーモンはスモーク仕立てで、紅色眩い分厚い身が、舌にトロリのインパクト。ねっとりほどけながら絡むような甘さを醸し出し、澄みきった後味が淡水サーモンらしい潔さ。黄金鶏は唐揚げで、グイグイ押し返す強靭な歯ごたえ。その労に値する密度の濃い旨味が、かみしめるごとに押し寄せる。いずれも信州の水と野の賜物、生気あふれるローカル食材である。

2013年のデータで、長野は日本一の長寿県となったが、それには野菜摂取量や乳酸菌摂取が全国一などといった、当地の食生活や食文化が起因している。「美味しくなければ、たくさん食べられなければ」の意識も、信州ふーどのひとつの概念。地に足ついたクオリティと発信過程に、今後はご当地名物へ、そして全国区ブランドへと育ちゆくこと、期待したいところだ。

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