ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはん…甲府 『奥藤分店』の、甲府鳥もつ煮

2011年11月08日 | ◆旅で出会ったローカルごはん
 試飲の後はすぐにお昼ごはんで、甲府といえばB-1グランプリで名を上げた鳥もつ煮を食べないわけにはいかない。この店は有名店とは聞いていたが、土曜の昼時もあり、駐車場には他県ナンバーのクルマが4割ほどの盛況で、店内は満席、入口から人があふれて待っているほどだ。
 甲府の鳥もつ煮はそもそも、そば屋でそばと一緒に食べる一品料理で、この店でもそばとの組み合わせで扱われている。用意されたのはざるに盛った田舎そばに麦めしととろろが組み合わされた、ボリュームあるセットだ。そばはおかわり自由とのこと。
 鳥もつ煮は赤黒い見た目で、見るからにかなり味が濃そう。レバーから箸をのばすとくせがなくホクホクといける。砂肝のザクザク感、ハツのしゃっきりした歯ごたえが対象的。キンカンは未成熟な卵だけに、黄身のコクがそれほどなくあっさりしている。濃厚な甘辛さが山国の食らしいが、少々量が多く4種ほどのモツがひたすら続く上、甘辛い味が濃厚なので完食は大変だ。そばよりも白いご飯にのせたり、日本酒の肴にすると合うかも。
 この料理、2010年の厚木のB-1でゴールドグランプリを受賞後に一気に全国区となったが、この日来ていたPR団体「みなさまの縁をとりもつ隊」の方によると、料理そのものではなくこうした「常食」をPRする活動が受賞したのだ、と熱く語る。それは否定しないが、ゆるきゃらがつくられ、商標が登録され、加えて11月3日から制定の認定制度で、規定の具材と料理法でないと「甲府鳥もつ煮」を名乗れなくなった。知名度アップ、粗悪なあやかり料理や便乗商品を排するためらしいが、素朴なローカルさ、地元の誰もが提供できる懐の深さこそが、本来常食のあるべき姿なのでは。

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