ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

8番らーめん@金沢駅

2020年12月13日 | 旅で出会った食メモ
金沢を中心としたローカルチェーンのこちら。昭和42年創業、国道8号線沿いに開業したから、この店名がついたそうだ。

当時から野菜にこだわっており、今も全国の産地をチェック。麺は白山連峰の伏流水を用い、太麺とちぢれ具合は野菜と食べることを考えて製麺しているのだそうだ。野菜は中華の技法で短期間に高温で炒め、あのシャッキリ感を出しているのだとか。

駅中の店は金沢百番街にあり、スープは味噌ほか醤油塩とんこつが選べ、野菜の増しもできるという。旅路で野菜不足なのにはありがたく、マシでザクザクいただいた。サイドに餃子をつけた「8番セット」が定番のようで、地元客の御用達のようだ。

そして屋号の数字が入ったカマボコ、「ハチカマ」と呼ばれ、文字色はパプリカ、厚さは2.5ミリ均一との蘊蓄もサイトにあった。気になる食べるタイミングは、最初? 食中? それともごちそうさま前⁇

旬菜和輝@高岡金屋町

2020年12月13日 | 旅で出会った食メモ
格子づくりの鋳物の街並みの中にある、千本格子の町家を改装した和食店。季節の地産の食材を生かした料理が特徴で、ランチは揚げ物か焼き魚かが主菜の2種類。小鉢とともに籠に入れて供される、見た目が華やかな膳だ。

この日の主菜はブリの粕漬けで、身から酒粕の香ばしい香りが漂う。焼き加減が程よいから、脂ののり具合をうまく引き出している。炊き合わせは里芋、サツマイモ、エビ、がんもで、素材ごとに食感を引き出す炊き加減、味の具合が実に細やか。酢味噌和えはきゅうりと大根にイカで、程よい酢加減で野菜のみずみずしさが際立つ。薄味に仕立てたキノコ、にんじん、ごぼう、揚げ入りの炊き込みご飯に、おかずの味がうまくのる感じ。茶碗蒸しのあんは強めのだしながら、フワリと仕上がった卵の淡さを引き立てている。

金屋町はこれまでは食事する場所があまりなく、千本格子の街並みを歩いた後にくつろいでほしい、との思いもあるという。繊細で美しい町家を眺めた後に、素材を生かした細やかな味わいの和食が、なかなか似つかわしい。

高岡てくてくさんぽ13

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
木舟町交差点に戻り、1838(天保9)年創業の和菓子・大野屋の石組の洋館、享保年間創業の計量器の塩崎商衡の洋館を見て、昭和通りを北へ。千保川にかかる鳳鳴橋には高岡の地名となった漢詩の一説にある、鳳凰像が配されている。

渡ったところの金屋町は、前田利長が産業奨励のために、鋳物士を集めた町。いわば高岡鋳物発祥の地で、銅片が敷きこまれた石畳に沿い、「さまのこ」と呼ばれる千本格子の町家が続いている。金屋本町から右は人気が少なく、細かい格子やうだつも見られる、今も住んでいる町家が並び生活感が感じられる。

左が街並みの中心で、釜師の邸宅、鋳物資料館に始まり、千本格子の町家が連なる。店舗の店先には、少女や体操する子供、サッカーボールを持つ子供の銅像が。中程には赤い丸ポストもあり、通りのワンポイントになっている。職人が作った風鈴が沿道にちらほら下がっており、夏ではないのに音が聞こえるのも、鋳物の町らしい。住宅の中には看板建築のように、通り側の壁面に銅板をあしらったものも。

奥よりはポケットパークになっていて、片側は広い辻、もう片側は細い路地で、ベンガラ格子のさまのこハウスは、築90年の町家をリノベした、長期滞在型の宿泊施設だ。

高岡てくてくさんぽ12

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
銀行建築の向かいにある高岡御車山会館は、高岡御車山祭の資料の展示、祭りの4K映像が見られる展示施設。高岡御車山は、豊臣秀吉が後陽成天皇を聚楽第に迎えた御所車を、前田利家が拝領。それを前田利長が高岡の町民に与え、始まった祭礼である。開催は5/1で、各山町で組み立て装飾された7台の御車山が、早朝に片原町交差点に集合。勢揃式ののちに町内を巡行、山町筋を通り関野神社前にて曳納めとなる。

展示の導入には、豊臣秀吉が後陽成天皇を聚楽第に迎え入れる「御所参内・聚楽第行幸図屏風」が続く。入ったところの祭礼行事展示では、宵祭りの日に御車山を迎えて飾り付けをし、供物をして一晩御車山を守る邸宅「山宿」の供物の様子を再現。工芸展示では金工技法の解説があり、彫りや象嵌を施した彫金金具は、長押や高欄や車輪に用いられる。上幕を押さえる金具のレプリカには、金の地に鳥や花が鮮やかに浮き彫りにされている。上部に留める「鉾留」は、寄木彫刻に漆塗り、金箔仕上げで、胡蝶の羽が一枚の金箔のように艶やかだ。

そして施設の中はどの御車山展示では、実物の御車山が展示されている。展示は4ヶ月ごとに入れ替えられ、この日は守山町の御車山が展示されていた。人形は釣竿に鯛を持つ恵比寿様、高欄は原色の水波の模様と燕の彫刻、鉾留は金箔仕上げの五鈷鈴をあしらった、雅やかなものだ。並んで平成の御車山も展示、本座は前田利長公と正室の永姫で、高岡の地名の由来である漢詩の一節をもとに、高岡のものづくりの技術を費やして作り上げた。

8つの町の御車山は、奥寄りのパネルに写真とともに、主たる作りと見どころが紹介されている。入り口のガイダンス展示にも、これら御車山のミニチュア模型が並んでいる。

高岡てくてくさんぽ11

2020年12月13日 | てくてくさんぽ・取材紀行
資料館の先、小馬出町に入ったところがややくの字に折れていて、路地に面した建物の側壁で、奥へ長い建物なのが分かる。折れてすぐの萩野仏壇店から振り返ると、建物が並ぶ先に資料館の店頭がこちらに向き、フォトスポットとなっている。萩野仏壇店の先の右手に、黒漆喰と細い格子窓がスマートな商家、山町ヴァレーの向かいには2階に分厚い観音扉の重厚な商家が構える。山町ヴァレーは文具商を営んでいた旧谷道家の建物をリノベした、複合商業施設。

その左斜め向かいの菅野家は、銀行や高岡電灯、高岡紡績などを起業、政治家でもあった名家である。山町筋にある土蔵造りの町家の中でも大規模なもので、黒漆喰仕上の外観と正面庇の天井飾、両側面の煉瓦積みの防火壁などが外観から見られる。その先にも間口の狭い商家と並び、同じ規模のグレーの土蔵造りの商家が建つ。筏井家は糸などの卸商を営んでおり、観音扉に煉瓦塀の防火のつくりは、菅野家に匹敵する重厚さである。

昭和通りを渡ると、富山第一銀行高岡中央支店の重厚な石造の建物が。その先の赤れんがの建物は、富山県内唯一の本格的西洋式の銀行建築である旧富山銀行本店(旧高岡共立銀行本店)。その先には高岡信用金庫本店は、付近の土蔵造りの建物に合わせ、新築ながら黒漆喰の土蔵造りの外観で、街並みに溶け込んでいる。山町筋の守山町界隈は、証券会社や金融会社の本店、支店が軒を連ね、「北陸のウォール街」と呼ばれていたという。